マーケティングオートメーション
(MA)とは

マーケティングオートメーションとは、自社で保有しているリード(見込み顧客)の情報を一元管理し、その中から自社サービスの検討度合いが高まっている有望なリード(見込み顧客)を抽出して営業に渡すといったマーケティングの一連の流れを自動化・効率化することを言います。

日本において、マーケティングオートメーションを運用したことがある企業というのはまだ少なく、多くの企業にとっては新規の導入になるため、導入前はマーケティングオートメーションについて十分に理解しておくことが必要です。導入を検討中の企業ご担当者様、是非参考にしてください。

マーケティングオートメーションの定義

マーケティングオートメーション(Marketing Automation)とは、企業のマーケティング活動を自動化させることで効率化を図る手法、またはそのためのツールのことを指します。略してMA、MAツールとも呼ばれます。

一般的に企業のマーケティング活動というと、「リード(見込み顧客)の獲得→メールやセミナーを活用した、見込み顧客との定期的なコミュニケーション→検討度合が高まった顧客を営業にパスする」という流れで行われます。これを具体的な施策の例で見てみると、

  1. 展示会やイベントの出展で名刺を獲得する
  2. Web広告、SEO対策などの施策で企業サイト・サービスサイトに集客
  3. 導線改善などの施策でお問い合わせ、資料請求を獲得する
  4. 獲得したリード(見込み顧客)に対して、必要に応じてセミナーや事例などを案内する。
  5. 検討度合いが高まったタイミングでセールスにトスアップし、アポイント獲得につなげる

というように、非常に多岐に渡り、かつ膨大な量だと言うことがわかります。しかも、これらの施策を効率よく行うために、見込み顧客の情報とその一人ひとりに行った施策を紐付けた上で、一元管理しておかなくてはいけません。

マーケティングオートメーションを使うことで、これらの施策を自動化・効率化することができ、マーケティング担当者の業務効率化が見込めるのです。

MAツールとSFAやCRMの違い

セールス・マーケティングプロセス
MA・SFA・CRMはそれぞれ異なる特徴を持っており、各ツールには下記の通り、得意とするマーケティングや営業の段階があります。
 MA:リード(見込み顧客)の育成、選別のプロセス
 SFA:商談開始から購買・成約までのプロセス
 CRM:既存顧客との関係維持・向上のプロセス

それぞれ具体的に見ていきましょう。

MA

「MA」とは、先程もご説明した通り、Marketing Automation(マーケティングオートメーション)の略で、一言で言えばマーケティング活動を自動化するためのツールです。

Webを活用し、ユーザーにとって有益な情報を提供することでリード(見込み顧客)の獲得につなげていくインバウンドマーケティングに取り組む企業は増えています。
商談に繋がる見込み顧客を獲得するためには、見込みのあるリード(見込み顧客)に対して、求められる情報を、最適な手段で提供する必要がありますが、こういった継続的なコミュニケーションの自動化に貢献するのがMAツールなのです。

MAツールを活用することで、リード(見込み顧客)の属性情報や、Webサイトへのアクセス頻度、閲覧ページの履歴などを基にして、それぞれのリード(見込み顧客)の見込み度合いが判別できます。
そして、見込み度合いに合わせて、それぞれのリード(見込み顧客)に合わせた最適なアプローチ方法を判断することができます。
MAツールにシナリオを設計しておけば、手動でのアプローチも不要となり、自動的に最適なアプローチが実施され、リード(見込み顧客)の確度を上げるための活動ができるのです。

このように、リード(見込み顧客)の分析と、分析結果を元にした継続的なコミュニケーションを通じて、見込み顧客を「選別する」「育てる」プロセスを自動化できるのが特徴です。

商談の数を増やしていきたいが、対象となる見込み顧客が少ないというマーケティング段階の悩みを持っているのであれば、MAツールの導入が効果的です。

より多くの見込み顧客を獲得するためのマーケティング活動には、顧客一人一人に合わせたきめ細かなアプローチができれば理想的です。
しかし、様々な検討段階にあるリード(見込み顧客)が求める情報はそれぞれ異なり、アプローチ方法もWebコンテンツやメール配信など、多岐に渡ります。

マーケティング担当者の時間は限られているため、MAツールによって、継続的、効率的に見込み顧客の育成を進めていくことができれば、これまで見逃していた見込み顧客を取り込み、商談につなげることができるようになります。

SFA

「SFA」はSales Force Automation(セールスフォースオートメーション)の略で、営業担当者を支援するためのツールです。企業全体での営業活動の効率化、成果の向上に役立つのがSFAの特徴と言えます。
商談からの成約率を上げたい場合や、商談の状況を営業担当者間で共有したい場合は、SFAツールが活躍します。
各商談の詳細をSFAツールで管理することで、営業チーム全体の動きが可視化され、より効率的、効果的な営業活動が可能になります。またSFAツールの活用により、スケジュールの管理や引き継ぎなども容易に行うことができます。

CRM

「CRM」はCustomer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)の略で、顧客との継続的で良好な関係構築のためのツールです。
顧客との関係の維持や顧客満足度の向上から、顧客の囲い込み、ファン化に繋がり、ひいては一人あたりの購買額の最大化や、長期的な収益の向上が期待できます。
一度顧客になっても、すぐに解約などで離れてしまう顧客が多い、リピーターを増やしたい、顧客との継続的な関係構築で収益の増加が見込めるなどの場合は、CRMツールが有効と言えるでしょう。
顧客情報を細分化して、セグメントに合わせた適切なマーケティング活動を行い、顧客との関係性を高めて利益を最大化します。また、顧客別の購入履歴を管理したり、商品購入後のフォローをしたりするためにも利用します。

SFAやCRMについてより詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。

マーケティングオートメーションの必要性が高まっている背景

近年加速度的に注目を浴びているマーケティングオートメーションですが、なぜ多くの企業において必要とされるようになったのでしょうか。ここでは、マーケティングオートメーションの必要性が高まっている背景について解説します。

背景1:インターネット技術の発展による市場の変化

今ほどインターネットが普及しておらず、顧客が手にする情報が少なかった頃、なにか課題があったりニーズを感じた時には、定期的に訪れる営業担当者に相談していました。営業担当者は、そのような顧客のニーズを拾うために、自分の得意先を定期的に訪問して回る「御用聞き営業」が中心でした。

しかし、現在はインターネットが普及し、自分で検索すれば多くの情報を集めることが出来るようになりました。外部の誰かに相談する前に、まずはインターネットで情報収集するのが一般的になったのです。そして情報収集の結果、自分の課題を解決してくれそうな商材をいくつか見つけ、自分から問い合わせをするようになりました。

また、とくにIT関連の業界において、サービス提供形態の主流がオンプレミス型(自社内構築)からクラウド型に変わってきました。クラウドサービスはオンプレミス型のサービスと比較して低単価に導入できることから市場が拡大し、それに伴ってサービス提供会社も急激に増加してきました。

そのような中、顧客が情報収集をしているタイミングで自分たちの商材が検討の土台に入っていなければ、そもそも案件には繋がりません。そのため、各サービス提供会社は、まだ導入検討が具体化する前から見込み顧客と接点を持ち、見込み顧客にたいして有益な情報提供をしながら定期的にコミュニケーションを続け、ニーズが顕在化するタイミングを見つける必要が出てきたのです。

背景2:法人営業自体の生産性が下がっている

バブル崩壊や国内市場の縮小、生産拠点の海外移転等によって、かつての体制のままで生産性を上げ、売上拡大をしていくことはより困難になってきています。

このような状況になると、購買部門によるコスト削減要求は強くなり、購買プロセスは必然的に厳しくなります。また購買する側はインターネット上で様々な情報を収集できるので、営業担当はお客様の購買可能性を推し量るのが非常に困難になります。

これらの背景によって、営業は発注の可能性が不明な見込み顧客の、厳しい購買プロセスに、以前よりも長く対峙していく必要が出てきます。よって営業は、新規顧客へのアプローチよりも受注に近いこのような活動を優先させることになり、営業全体の生産性が下がるとともに、新規顧客へのアプローチを行うことが時間的に困難になるのです。

そのため、新規顧客開拓を体系的・効率的に行うためのマーケティング活動としてマーケティングオートメーションが注目されているのです。

マーケティングオートメーションの機能、できること

BtoBの場合、営業が見込み顧客に対して継続的に、そして網羅的に直接フォローを行っていく難易度が高くなりがちです。しかしマーケティングオートメーションを活用することで、マーケティング担当者が効率的に見込み顧客情報を獲得・管理し、中長期に渡ってコミュニケーションを行い、最適なタイミングで営業に引き渡す事ができるようになります。

そのためマーケティングオートメーションツールには、リード(見込み顧客)情報を中心に様々な活動を行うための機能が実装されていますが、代表的なものをご紹介します。

機能1:リード(見込み顧客)情報の一元管理

リード(見込み顧客)情報を獲得したり、獲得した見込み顧客情報を一元化し、管理する機能です。
マーケティングオートメーションツールで、セミナー情報やキャンペーン情報を告知するコンテンツをWebサイト上に作成する機能や、見込み顧客の情報を入力してもらうためのフォームを作成する機能、見込み顧客情報を一括で取り込むインポート機能がこれにあたります。

特に重要なポイントとしては、見込み顧客情報を名寄せ(複数の見込み顧客情報の中で重複した情報をまとめる作業)することです。様々な手段で投入される見込み顧客情報を、継続的に重複がない状態で維持していく必要があり、これを一元化して管理できるということが、マーケティングオートメーションの導入の大きなメリットの一つです。

また、マーケティングを行っていく上での必要な情報(セミナーに参加したことがあるか、どの資料をダウンロードしたか、等)を、見込み顧客情報と紐付けて一元管理していくことも可能です。マーケティングオートメーションでは、このように紐付けられた過去の見込み顧客の行動をベースに、様々なコミュニケーションを行うことができるため、元になる見込み顧客の情報の蓄積は非常に重要です。

機能2:リード(見込み顧客)との継続コミュニケーション

見込み顧客とコミュニケーションをとる方法は、BtoB企業ではメールやWebが中心でしょう。そのため、マーケティングオートメーションにはメール配信に関わる多くの機能が備わっています。

より効果のあるコミュニケーションのためには、マーケティングオートメーションで取得できる、自社Webサイトのどのページをいつ閲覧したといった”Webでの見込み顧客の行動履歴”を把握することが重要です。BtoBの場合も、Webでの行動履歴を元にした、見込み顧客毎の適格なコミュニケーションは、更に重要性を増しています。

機能3:“今、サービスを検討している”顧客の抽出

見込み顧客ごとのWebでの行動履歴から、お問い合わせなどの一歩前まで来たり、サービスの価格や事例などをじっくりと見たりしている“今、自サービスを検討している”見込み顧客を抽出したり、アプローチ担当に通知したりする機能です。

BtoBの場合、最終的な購買のシーンには未だ営業が関わることが多いのも事実です。有望な見込み顧客を自動的に抽出してくれるため、効率の良い営業活動が可能になります。アプローチすべきタイミングやその際の訴求ポイントを推し量ることができるような機能が、マーケティングオートメーションツールには実装されているのです。

ここまでご紹介してきたものが、マーケティングオートメーションを実践するうえで必要とされる機能です。改めて整理すると「自社の見込み顧客情報を一元管理し、メールとWebコンテンツを使って継続的なコミュニケーションを行う。見込み顧客の中から興味度の高いリード(見込み顧客)が出てきたら、営業にトスアップしてアプローチを開始する」というマーケティングオートメーションの一連の流れにおいて、本当に必要な機能はそこまで多くないということがわかるのではないでしょうか。

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マーケティングオートメーションの導入効果・メリット

日本での導入が始まってからまだ日が浅いために、マーケティングオートメーション導入の効果、メリットについて、明確に理解されていない方も多いと思われます。マーケティングオートメーションの導入では、メール配信ツールや顧客管理ツールとは異なる効果が得られます。

メリット1:獲得した見込み顧客を「資産」にできる

一度獲得した見込み顧客情報を、全てマーケティングオートメーションツール上に保管し、中長期でコミュニケーションを取ることで、その見込み顧客情報が「資産」になります。

営業に求められる事は売上や受注数等の明確な成果であることが多いため、見込みがわからない顧客への継続的なアプローチは後回しになり、営業個人で保管し、眠らせたままの顧客情報が多く存在していました。
しかし見込み顧客における購買可能性は都度変化しているので、最適なタイミングで営業がフォローする仕組みができれば、見込み顧客情報は大きな資産になります。
マーケティングオートメーションツールの導入により、組織化・仕組み化がされ、中長期で売上を向上するための土台が作られるのです。

メリット2:今まで受注できなかった案件・商談を獲得できる

今まで営業が見逃していた見込み顧客を、商談につなげることができるようになります。
マーケティングオートメーションでのWebやメールを通じたコミュニケーションにより、見込み顧客の状況を見える化し、これまではわからなかった見込み度合いの高まっている顧客が判明させられるようになります。
バラバラになりがちな見込み顧客情報を統合し、継続的にコミュニケーションを取りつつ、有望な見込み顧客を営業に効率的に引き渡す仕組みづくりが可能になるのです。

メリット3:営業の活動が効率的になる

営業一人あたりの生産性の向上が可能です。
これまで営業は、お客様との関係性を築くことにたくさんの時間を投資してきました。しかし、顧客の情報収集の手段はインターネットに大きく変わりつつあります。まだ商談可能性の薄い見込み顧客とのコミュニケーションは、マーケティングオートメーションでのインターネットやメールで行い、営業は商談の可能性が高まった見込み顧客に対応していく事ができるようになります。
そうすることで、営業活動を効率化しつつ、顧客開拓活動を行っていくことが可能になるのです。

メリット4:マーケティング活動が楽になる

複数のツールを別々に使いこなし、マーケティング活動を今まで活発に行なってきた企業は、マーケティング活動が楽になります。
別々に管理していたものが一つのプラットフォームになり、見込み顧客毎に各データが紐づくので、効率的なマーケティング活動を簡単に行えるようになります。複数のツールを使い分ける状態から開放され、データも統合されるという大きなメリットを得られます。

ただ、アメリカではこのメリットにより、マーケティングオートメーションが大きく普及しましたが、日本では元々複数のツールを使いこなしながらマーケティング活動を行っている企業は多くないかもしれませんし、これからマーケティング活動を始めていこうという企業も多いので、「楽になる」という企業は少ないかもしれません。

このように、マーケティングオートメーションの導入で得られるメリットは多くあります。ただ、初めてマーケティング活動に挑戦する企業にとっては、このようなメリットを得られるまでに、なかなかの投資と時間が必要なのも事実です。
しかし、すぐに成果を生む活動には見えにくい、見込み顧客毎に最適なコミュニケーションを行うことは、購買する側の立場を想定してみると、その重要性や価値がわかるのではないでしょうか。

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 マーケティングオートメーション導入のデメリットはコスト

マーケティングオートメーションを導入することで、多くのメリットを得られることがわかりました。
しかし、忘れてはならないのがコストです。しっかりと検討しておかないと、結果的に導入のデメリットとなってしまうおそれがあります。
そこで、デメリットになり得るコスト面の注意点を2つ、ご紹介します。

デメリット1:使っている間、コストがかかり続ける

当然ではありますが、マーケティングオートメーションツールも、ある程度の機能を求めれば無料というわけにはいきません。より多機能、高機能な製品になるほど、利用料も高くなります。そして、一般的には月額課金型のツールであるため、利用している間はその料金がかかり続けることになります。

また、運用し続けることが前提のツールなので、利用期間は自ずと長くなることが想定されます。
もし「なんでもできそう」という理由だけで、不要な機能ばかりの高価なツールを導入してしまったとしたら、結果的に莫大な無駄コストが発生してしまいます。

自社ではどのくらいの機能が必要で、どのくらいの期間利用する予定なのか、ある程度決めておいた方がいいでしょう。

デメリット2:ツール以外のコストもかかる

ツール導入だけではなく、運用体制の構築にもコストがかかります。高度な機能を備えたツールは確かに魅力的ですが、そのツールを使いこなすには高い知識を持った専任のマーケターが必要な場合もあります。自社でそのリソースを用意できない場合は、新たに人員を採用したり、外部からコンサルティングに入ってもらう必要があるかもしれません。
導入にあたって、どれだけのコストやリスクがあるかも確認しておきましょう。

マーケティングオートメーションの具体的な成功事例

ではここで、マーケティングオートメ-ションに取り組んで成功した事例を1件、ご紹介します。

株式会社ワム様 成約率が25%アップ!

これまで展示会やメルマガなどで積極的にリード(見込み顧客)を獲得し、営業担当者にパスするという活動はできていましたが、営業は一度フォローしてあとは放置、というパターンが多く発生していました。その間に競合製品を導入してしまっていたということもよくあり、多くの機会損失が発生していたのです。

しかし、マーケティングオートメーションツールを使い、”検討度合いは高まっているけれども問い合わせには至っていない”見込み顧客をピックアップし、営業担当者が改めてフォローできる仕組みを構築したところ、お問い合わせからの成約率が20%から25%へとアップしたのです。

商材単価が大きく、1つの受注で100万円超の売上が立つワム様では、この25%アップは非常に大きなインパクトを与え、売上の要になりつつあります。

導入前の課題からツールの活用方法、具体的な成果まで
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導入でよくある失敗とその原因

良く耳にするのが、「せっかく導入したマーケティングオートメーションツールの運用ができない」という声ですが、大きく以下の問題が挙げられます。

問題1:機能が複雑・難解で使いこなせない

日本で提供されているマーケティングオートメーションツールの多くは、アメリカで開発され、多くのマーケティング専任のプロフェッショナルが活用している、高機能のツールです。
しかし日本では、まだマーケティングに取り組み始める(或いは取り組み始めたばかり)段階の企業が多く、マーケティングオートメーションツールを使いこなす事は非常に難易度が高いのが現状です。

問題2:十分な人的リソースがない

マーケティングオートメーションを実践していくには、十分な人員を確保する必要があります。
見込み顧客と継続的なコミュニケーションを実現するには、充実したコンテンツが欠かせませんが、マーケティング専門の部署や担当者が存在しないことも多い日本の企業において、十分なコンテンツを用意させられるだけの人材を確保できる企業は限られていると言えるでしょう。

また、創出した見込み顧客に対してアプローチを徹底して行う、というプロセスにも人的な投資が必要です。見込み顧客を創出できても案件化しなければ、マーケティングオートメーションの存在意義もなくなります。
はじめは見込み度合いがわからないために営業がアプローチをしない場合もあり得るでしょう。インサイドセールスの活動で営業に橋渡しをしたり、アプローチの件数を営業マンの行動目標にする等の方法で、新規の見込み顧客へのアプローチを徹底していく必要があります。

問題3:設計ができていないままツールを導入している

マーケティングオートメーションを実践するにあたり、「誰と」「いつ」「どのように」といった見込み顧客とのコミュニケーションするための施策を設計・整理することが必要です。また、見込みが高い顧客と定義するスコアリングの設計も必要です。
この設計は、非常に難易度が高く、且つ正解がわかりません。
プロセス設計ができていない時点で導入すると、せっかくのマーケティングオートメーションツールを十分に使えないといったもったいない事態に陥る場合が多いです。

マーケティングオートメーション導入~運用の流れ

マーケティングオートメーションを導入するには、課題の確認から関係各所との業務調整など、多くの段階を経て進めていくことになります。そのため、検討開始から導入まで、数か月あるいは1年以上かかることもあるでしょう。

基本的な流れは以下の通りです。

①課題の洗い出し

現状にどのような課題があって、それを解決できるする効果を得られる製品は何かを検討する必要があります。この段階で、導入するのは名刺管理、CRM、SFA、メール配信ツールなど別のツールとなり、マーケティングオートメーションは結果的に不要になることもあります。

②導入ツールの選定

マーケティングオートメーションツールを導入することが決まったら、次は導入するツールの選定に移ります。各ツールを比較し、自社に必要な機能を有しているものを探します。

この際、機能の有無だけでなく、その機能で自分たちのやりたいことができるのかが重要です。いくら機能を備えていても、活用しなければ意味がありません。自社で実現したいことを叶えるのに充分な機能であるかどうかも見極めなければなりません。

更に、ツールの価格も非常に大きなポイントです。一般的にマーケティングオートメーションツールはクラウド型の月額課金モデルで提供されているものが多く、長く使えば使うだけコストがかかります。そのため、何でもできそうだからと言って、多機能・高価格な製品を導入してしまうと、必要以上にコストがかさんでしまいます。

不要な機能に対して費用を支払い続けるのは、無駄なコストになってしまうため、注意が必要です。

③各種設計とフローの構築

導入が完了したら、マーケティングオートメーションをどのように活用していくのか具体的に設計していく必要があります。具体的には、ペルソナの設計、カスタマージャーニーマップの策定、提供するコンテンツ・クリエイティブの策定といった、マーケティングシナリオを作成していくことになります。

シナリオの設計については、こちらの記事に詳しくまとめてありますので、興味のある方はぜひ御覧ください。
マーケティングオートメーションに欠かせないシナリオ設計のコツ

④他部署との連携

マーケティングオートメーションは、マーケティング部門のみで運用しても大きな効果は得られません。特に営業部門とは密接な連携が必要です。お互いに何をどこまで実施するのか役割分担を明確にした上で、円滑に情報共有しながら、効果検証を続けていくことが重要なのです。

シナリオの策定やスコアリングなどによって提供されたリードが実際の商談や案件の創出につながっているのか、日々確認しながら進めていくとよいでしょう。

ツールを比較するポイントは?

今は国内でも多く提供されているマーケティングオートメーションツールですが、その中から自社に合ったツールを選ぶためには、各ツールをしっかり比較する必要があります。前提として、自社の状況や目標を明らかにしておく必要がありますが、それ以外の点で、ツールを比較するときに押さえておきたいポイントをご紹介します。

ポイント1:BtoB向けか、BtoC向けか

一口にマーケティングオートメーションといっても、BtoB企業とBtoC企業では重視すべき機能が異なります。

BtoB企業であれば、その商材が高価で、かつ導入までに多くの人が関係することから、初回接触からサービス導入までの期間が長くなる傾向にあります。そのため、メール配信や有望度合いによる絞り込みなど、見込み顧客の育成(リード(見込み顧客)ナーチャリング)機能に重きをおいたツールのほうが良いでしょう。

BtoC企業は、比較的低単価で、かつ導入までの期間が短い傾向にありますが、BtoB企業と比べて顧客との接点(チャネル)が多くなりやすいという特徴があります。そのため、メールや電話だけでなく、アプリやSNSなど様々なチャネルでの接触履歴を一元管理できる機能に重きをおいたツールが向いているといえます。

このように、ビジネスモデルによってマーケティングオートメーションツールの中でも重要な機能は異なります。検討しているツールがBtoB向けなのか、BtoC向けなのかは確認しておきましょう。

ポイント2:自社のリソースに合っているか

マーケティングオートメーションは導入しただけで成果が出るツールではありません。成果を出すためには運用し続けるためのリソースが必要となります。自社のリソースが、検討中のマーケティングオートメーションを使いこなせそうか、使えない場合は外部のリソースを確保する余裕はあるのか、という観点での比較も重要です。

高機能なマーケティングオートメーションツールを使いこなすには、ペルソナの設定、カスタマージャーニーの設計、それにあわせたコミュニケーション戦略の立案、そしてそれをマーケティングオートメーションの設定に落としていける技術など、非常に高度なスキルが必要です。

マーケティングオートメーションツールの中には、機能をシンプルに絞り込むことで低価格に抑えた、スモールスタートをしやすいものも多くありますので、そういったツールから比較するのも良いでしょう。ただし、安いだけではなく、自社に必要十分な機能を搭載している製品を選ぶことは忘れないようにしてください。

ポイント3:サポートが充実しているか

マーケティングオートメーションの導入後、使いこなせずに投資した工数や費用が無駄になったり、マーケティングに対してネガティブな印象を持ってしまうことは、もっとも避けたい事態です。それを避けるためには、「サポートが充実していて、何かあれば相談できる体制がある」ことが重要なポイントになります。

また、サポートが有料か無料かも、事前に確認しておくと良いでしょう。「ツールの費用だけを見て導入したが、満足に使いこなすには高価なコンサルティングを受けなければならなかった」という場合、ツール導入によってより多くの費用がかかることになってしまいます。

ポイント4:自社同様の業種・規模の企業が導入しているか

自社同様の事業内容や規模の企業が導入しているかどうかは、ツール選定の良い指標になります。見込み顧客の管理やマーケティング、営業にたいして、同じような課題や戦略を持っていることも多いと思われるためです。
どんな企業が導入しているマーケティングオートメーションツールなのか、選定の際のポイントとして参考に確認しましょう。

ここまでの通りツールの選定には、自社の課題や人的リソースに合致しているかがとても重要になります。マーケティングオートメーションを導入したのに、結局メール配信ツールになってしまっている、というお声もよく聞きます。このようなことの無いよう、導入前には十分な選定を行いましょう。

マーケティングオートメーション運用でつまづきやすい課題

マーケティングオートメーションを運用する上で、よくユーザーがつまづいてしまう課題が3つあります。成果につながるかどうかは、これから紹介する3つの課題をいかにクリアできるかにかかっているといっても過言ではありません。

課題1:設計をおろそかにすると効果が得られない

マーケティングオートメーションを導入する際は、マーケティングオートメーションをマーケティング活動にどのように活用するのかを明確にし、効果的に運用できるようさまざまな設計を行うことが必要です。

設計の作業をおろそかにするとマーケティングオートメーションの十分な効果は得られません。したがって、自社の導入環境に適した設計を行うことが最初の課題となります。

設計の際に決めなければならない項目は、下記の通り多岐にわたります。

・ゴールの設定
「見込み顧客を倍にする」「商談数を15%アップ」など、目標達成度を客観的に判断可能な具体的数値目標を設定
・ターゲット設計
見込み顧客となるターゲットを絞る
・スコアリング設計
見込み顧客の属性、アクションに対して、付与するスコア(点数)を設定する
・ホットリード定義の設計
見込み顧客が有望な見込み顧客(ホットリード)へ変化する定義を決める
・営業アクションの設計
ホットリード化した顧客にアプローチして反応があった場合のアクションを検討

また、失敗しない運用を目指す上で特に重要なことは、「初期設計」で終わらせず、導入後しばらくの期間は、設計に誤りがないか検証・改善を行うことです。

具体的なゴールの設計がクリアできそうな見込みがあるか?実際の営業現場との所感と、設計に齟齬はないか?など、関係者を巻き込みPDCAサイクルを回せるよう定期的に検証の時間を取るようにしましょう。

課題2:ホットリードの見極めが難しい

マーケティングオートメーション導入時に「スコアリング」の設計に頭を悩ませる担当者は少なくありません。スコアリングとは、見込み顧客に対してさまざまな観点(企業属性や役職などの個人属性、資料請求の有無、イベント・セミナーへの参加状況、メールの開封率など)から点数を付けることです。

点数が高ければ高いほど有望な見込み顧客(ホットリード)であると判断することができます。マーケティング部門がホットリードであると判断した顧客の情報は営業部門に渡され、営業担当者がアプローチをかけます。

つまり、見込み顧客がホットリードであるかどうかの判断を誤ると、無駄な営業活動をしてしまい、成果も上がらないことになるのです。

ホットリードの見極め(イメージ)

マーケティングオートメーションツールを初めて導入する場合、スコアリングに関するノウハウが社内に蓄積されていないため、多くの場合はスコアリング精度が安定するまでに試行錯誤を繰り返す必要があります。

そのため、初期設計段階で想定したホットリード(スコアが○点以上あるから有望顧客であると定義)が、本当に営業現場で「ホット」であるかを確認しながらスコアリングを適正に見直すことが重要となります。

導入初期段階は特に、マーケティング部門だけではなく営業部門の協力をもらいながら、双方の所感を定性情報として反映したスコアリング設計に出来るよう運用しながら、検証・改善を続けていきましょう。

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課題3:コンテンツの準備が不十分だと効果が出にくい

せっかくマーケティングオートメーションの設定がうまくいっていても、そもそもWebサイト、ブログ、メール配信などのコンテンツが不足していては効果が表れません。プロセスの設計をするにしても、ホットリードを見極めるにしても、それぞれの状態に対応するようなコンテンツが用意されていなければ意味がないのです。

かといって、情報であればなんでもいいというわけではなく、設計したプロセスや想定している見込み客の行動、フェーズに対応した適切な情報を適切な分量で用意する必要があります。

そのため、マーケティングオートメーション導入以前あるいは同時に適切なコンテンツを用意しておくことも重要です。

運用時の注意点:部門間の認識のすり合わせが不可欠

課題部分でも触れましたが、マーケティングオートメーションを運用する場合、部門間の認識を一致させる必要があります。基本的にはマーケティング部門と営業部門がメインで関わりますが、他部門を含めて社内の足並みがそろっていないと効果的な運用は望めません。

部門間の連携は設計時から必要になってきます。例えば、先述したスコアリングの設計についても、どのようなユーザーを有望な見込み顧客とするか各部門の認識が一致することによって、初めてスムーズなマーケティング及び営業活動が実現します。

また、マーケティングオートメーションの運用には、設計の微修正も伴います。当初の設計で運用し、うまくいかないところを修正しながら、ベストな設計に近づけていくのです。

部門間の認識のすり合わせをせずに修正作業を進めてしまうと、設計方針が社内で共有されず、マーケティング・営業ともに足並みが乱れてしまいます。マーケティングオートメーションの運用で成果を得るためには、関連部門の担当者全員がその仕組みや機能を正しく理解することが欠かせません。

マーケティングオートメーションの運用で押さえておきたいKPI

マーケティングオートメーションを運用していく中で、ただ闇雲に「ホットリードを○件創出する!」と決めても、なかなかそのとおりにはいかないものです。目標を達成するためには、その途中に適切なKPIを策定し、KPIごとに効果計測と改善を繰り返すことが重要です。

そこで、マーケティングオートメーションを運用していく中でも非常に重要な位置を占める「メールマーケティング」における、KPI設定や改善のコツをご紹介します。

メールマーケティオングの主なKPI

一般的にメールマーケティングで設定されるKPIには以下の5つの項目が挙げられます。

【1】CV(コンバージョン)数

目的が達成された数を指します。メールを配信する事で、申し込みや資料請求、購入など、見込み顧客に起こしてほしいアクションが、どれだけあったのかを測ります。メール配信ツールやアクセス解析ツールなどで測定が可能です。メール配信の最終的な成果指標となるでしょう。

【2】クリック数

配信したメール本文に含まれるURLがクリックされた回数です。自社製品の紹介サイトや、価格や導入事例を記載したWebページへ誘導するリンクを設定しておくことで、自社製品やサービスに対する見込み顧客の興味や関心を図ることができる重要な測定指標となります。コンバージョン数同様、メール配信ツールやアクセス解析ツールなどで測定が可能です。

【3】開封数

配信したメールが開封された数を示す数値が「開封数」です。この数値はHTMLメールのみでしか測定できませんが、メールの内容に関心があるのか、件名は興味喚起ができているのかを把握する上で有用な指標です。

【4】到達数

「到達数」とは配信したメールが配信先に届いた数を指します。過去に名刺交換をした顧客などにメールを一斉に配信する場合、迷惑フォルダに自動的に振り分けられたり、退職で存在しないアドレスになっていたりといった理由から、一部が不達になることがあります。

【5】配信数

メールを配信した総数が「配信数」に当たります。そもそも配信数が少ないと、相対的にお問い合わせなどの数は少なくなります。ですので、日頃から営業活動などでメールを送れるリード(見込み顧客)を多く獲得しておくことが重要です。

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KPI改善のヒント

メール配信をした結果、想定のKPIを下回る場合もあるでしょう。その場合は、様々なポイントを調整しながら、改善を繰り返していくことが重要です。

KPIが達成できない、より改善をしたい場合に、ヒントとなる方法をご紹介します。

【1】件名を工夫する

KPIとして設定した「開封数」が良くない場合、件名が大きく影響している事が多くあります。せっかく興味深い内容のメールでも、開封してもわらなければ見てもらえません。

文字数の工夫や、本文を見たくなる文章にできるよう、工夫してみましょう。

メールの件名について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
「メルマガの開封率に直結する件名(タイトル)の文字数と書き方」

【2】配信スケジュールを調整する

「開封数」が良くない他の原因として、設定した配信スケジュールが考えられます。受信者の読みやすい曜日や時間帯に配信できているほうが、開封数は伸びるはずです。配信する対象者の1週間、1日の流れを想像し、どんなタイミングなら受信者が読んでくれるかを考えて、配信スケジュールを調整してみましょう。

【3】配信リストを絞り込む

万人に向けた内容よりも、より自分が関心のある内容に絞られている方が、読んでみようと思いますよね。社内にある配信リストの全てに同じ内容のメールを送っているようであれば、条件を設定して、リストを絞り込んでみましょう。

絞り込んだリストに合わせて、メールの内容も変えていきます。「A製品を検討している」配信リストに、A製品の導入事例を紹介するメールを配信したり、「ホワイトペーパーをダウンロードした」配信リストに、同テーマのセミナーを案内してみたりと、配信対象者だから興味を引くような内容でメールを配信してみましょう。

マーケティングオートメーションにおけるシナリオ作成のコツ

マーケティングオートメーションを運用していく中で、必ずといってよいほど目にするキーワードが「シナリオ」でしょう。導入時のシナリオ設計が明確でなかったり、シナリオ設計を難しく考えすぎていたりしてしまうと、結果的にマーケティングオートメーションをうまく使いこなせず、投資コストが無駄になってしまうこともあります。

そこで、マーケティングオートメーションの運用で効果的なシナリオを作成するための、4つのポイントをご紹介します。

ポイント1:自社の見込み顧客を見極める(ペルソナ設計)

ペルソナとは、自社がターゲットとする「お客様像」を指します。自社の製品・サービスの価値が最も提供できるのはどういったお客様なのかを、想定しておく必要があります。

特にBtoBの場合は、「企業像」と「人物像」の両方を想定しましょう。企業のペルソナでは、業種や規模と併せて、自社製品に関わる課題の状況や、製品が導入される際の状況を想定します。「どんな企業が」「どんな状況の時に」自社製品を検討してくれるのかを想定しましょう。

「人物像」にあたる、企業担当者のペルソナでは、「どんな部署の」「どんな立場・職種の人が」「どんな課題がある時に」自社製品を検討するのか想定します。

ペルソナを設定する際は、既に取引をしている既存のお客様の情報を参考にしたり、一般に公開されている調査データ、アクセス解析データ等が参考になります。ユーザー調査をして情報を集めても良いでしょう。

ペルソナ設計についてもっと詳しく知りたい方は、以下よりお役立ち資料をダウンロードできます。
「BtoB向け ペルソナ設計サポートブック」

ポイント2:見込み顧客の購買プロセスを考える(カスタマージャーニー策定)

次に、設計したペルソナがどんな風に商品購入に至るのかを考えます。

BtoBの場合、まず何かしらの課題があり、その解決に向けての情報収集から、製品検討が進んでいくことがほとんどです。購買フェーズが進む時々で、ペルソナがどんな課題を持ち、どんな情報を必要としているのかを考えていきましょう。

これはマーケティングではカスタマージャーニーとも言われます。
カスタマージャーニー(イメージ)

このカスタマージャーニーに合わせて、適切なタイミングでメッセージを送ったり、こちらからアプローチをすることで、より見込み顧客の検討度合いを高めることに繋がるのです。

ポイント3:見込み顧客とのコミュニケーション内容を設計する(キャンペーン設定)

カスタマージャーニーを元に、見込み顧客に対して「どのようなコンテンツ・クリエイティブを」「いつ見せるか」を設計していきます。

見込み顧客と一口に言っても、それぞれの課題やその緊急度は多種多様ですので、適切なコンテンツ・適切なタイミングはそれぞれ異なります。彼らの購買意欲を高め、検討フェーズを進めるためには、どんな検討フェーズのユーザーに、どんな情報を提供して、どういう状態になってもらいたいかという施策の設計が重要になります。

例えば、Webサイトの製品紹介ページを閲覧したユーザーに、関連商品情報を提供したり、セミナーに参加したユーザーに、興味を引く新着情報を提供するなどのキャンペーンを設定します。

ステップ4:PDCAサイクルをまわす

マーケティングオートメーションのシナリオは、一度設計して終わりではありません。PDCAサイクルを回し、効果検証を繰り返すことで、作成したシナリオの改善点を洗い出し、ブラッシュアップを続けることが重要です。

その為にも、はじめからあまりに詳細なキャンペーン内容を作成する事はおすすめしません。検証・改善を前提として、まずは単純なキャンペーン設定をしましょう。そのシナリオを微修正しながら、検証・改善を繰り返していくことで、成功のモデルを作っていくことが重要なのです。

いきなり高度なシナリオは不要

ここまでシナリオ設計の基本をお伝えしましたが、高度なシナリオが不要な場合もあります。

とくに見込み顧客が少ない企業の場合は、せっかく工数をかけてシナリオを設計しても、満足できるほどの効果を発揮できない場合こともよくあります。

例えば、下の図をご覧ください。自社の見込み顧客リストが2,000名前後、Webサイト上での特定アクションに基づいてシナリオを設計し、3段階のステップを経て優良見込み顧客とした場合のモデルケースです。なお、各ステップでの想定割合は、弊社(及び弊社顧客)の実績を基に算出しています。

シナリオで絞り込んだイメージ

1回のメール配信からの開封率が40%、サイトに流入するのが30%とすると、流入者はおよそ240人となります。その内、各アクションをする割合がそれぞれ10%とすると、結果は0人となります。綿密なシナリオ設計をした結果、優良見込み顧客が何ヶ月も見つからない、なんてことも起こり得てしまうのです。

また、BtoB系の商材でよくあることですが、社内の体制や課題が複雑な場合、Webサイトのコンテンツやメール配信で得られる情報だけでは、見込み顧客の検討度合いがなかなか上がらないことも多くあります。

結果的に、営業担当が直接電話などでアプローチしたほうが、より案件に繋がりやすくなるということが起こるのです。

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参考:BtoCにおけるマーケティングオートメーション

マーケティングオートメーションの概念は、BtoCにもあります。しかし、BtoB企業とBtoC企業では、マーケティングオートメーションに求める機能が異なります。

BtoB企業におけるマーケティングオートメーション

BtoBビジネスでの購買プロセスは、BtoCと比べて長く、複数人が関与するため、「見込み顧客がいま、検討プロセスのどの位置にいるのか」「いま、見込み顧客にとって必要/有益な情報はなにか」を知ることが非常に重要です。

獲得した見込み顧客リストに対して、マーケティング活動によって有益な情報提供を続け、興味度合を高めていきます。そして、ニーズが顕在化したタイミングでその情報を営業担当者が引き継ぎ、アプローチを行う事によって、営業活動の効率化を図るのです。

そのため、BtoB向けマーケティングオートメーションツールで求められる機能は、「見込み顧客とのコミュニケーション履歴(いつ、どこで、どのような情報提供を行ったか)の可視化」と、「ニーズが顕在化した見込み顧客のキャッチアップ」であるといえるでしょう。

BtoC企業におけるマーケティングオートメーション

一方、BtoCビジネスでの購買プロセスは、家や車など一部の高単価商材を除き、その場で完了することのほうが多いでしょう。検討を始めたその場で購入に至ることもよくあります。そのため、継続的な情報提供や、ニーズ顕在化のキャッチアップよりは「その顧客にとって最適なタイミングに、最適な方法で、最適なコンテンツを提供する(=One to Oneマーケティング)」に重きを置く場合が多くあります。

BtoCのOne to Oneマーケティングを実現するCCCM

ご紹介したようなOne to Oneマーケティングを実現するツールとして、CCCMというものがあります。CCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)とは、「最適な情報を最適な相手に最適な手段で」伝えることを自動化した仕組み、またはその仕組みを実現するためのツールを指します。

オンライン・オフライン問わず、顧客とのあらゆる接点を管理し、メール、SNS、アプリなど複数のチャネルを用いて最適なタイミングで顧客にアプローチすることを目的としたツールです。その代わり、BtoB向けマーケティングオートメーションツールに搭載されているナーチャリングやスコアリングなどの機能は搭載されていないことが多く、よりBtoCに特化したツールであるといえます。

商材単価の低いBtoC企業で、One to Oneマーケティングを実現したい方は、CCCMを検討してみるとよいでしょう。

参考:マーケティングオートメーションの発祥と歴史

マーケティングオートメーションの発祥は1992年のUnicaという米国の会社だと言われていて、その後本格的にマーケティングオートメーションが広まるきっかけになったのが、1999年頃のEloquaの登場です。この頃インターネットも普及し始め、マーケティングオートメーションの普及を後押しします。

2010年頃までは米国で新規参入のベンダーが増え、MarketoやHubspotが登場します。現在は、元々SFAやCRMと統合されて活用される事が多いマーケティングオートメーションが、大手ITベンダーによって統合ソリューションとして提供されるようになっています。

一方、日本では2014年がマーケティングオートメーション元年と言われ、海外からの参入、国内でのツールベンダーのサービスローンチが相次ぎました。2017年現在でも日本において市場拡大は続いており、今後も拡大すると予想されています。

参考:アメリカと日本のマーケティングオートメーション

アメリカでは日本よりもマーケティングが発展していると言われ、日本とアメリカの取り組みには10年の差があるとも言われています。これには以下のような理由が挙げられます。

・日本では生産・販売(営業)が売上拡大のキーになる時代がアメリカよりも長く続いたので、「マーケティング」の重要性が比較的軽視されてきた

日本では、戦後以降の主に製造業において、”生産”と”営業”が中心となった売上拡大・業績拡大ができる市場環境が生まれました。また営業活動では、日本の地理的な背景により、対面式でお客様との人間的な関係づくりを重視するような文化が生まれ、営業が重視されてきたのです。

・アメリカでは、拠点が遠隔地同士にある場合が多いという地理的な制約上、遠隔でのコミュニケーションを中心にした手法が発達しやすかった

対してアメリカでは、ITへの投資が盛んという土壌と、上記の背景から、マーケティングが発展し、ひいてはマーケティングオートメーションの普及や発展に繋がったと言えるでしょう。

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