クラスター分析とは?BtoBマーケティングでの活用方法
精度の高いターゲティングを実現するためには、正確な分析が欠かせません。基本的な分析方法であるクラスター分析は、BtoBマーケティングでよく利用される手法です。
そこで今回は、クラスター分析とは何か、BtoBマーケティングでの活用方法とメリット・デメリットについてご紹介します。
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クラスター分析とは?
クラスター(cluster)とは、英語で「群れ」や「集団」という意味があり、集団の中から類似したものを集めて分析する手法をクラスター分析と呼びます。
クラスター分析の手法
クラスター分析には大きく分けて、「階層クラスター分析」「非階層クラスター分析」の2つの手法があります。
【手法1】階層クラスター分析
階層クラスター分析は最も距離の近い、似たもの同士から順番にまとめていき、最終的に一つの集団まとめる手法です。
分類の切り口はさまざまで、性別、年代、収入、職業などの属性はもちろん、意識や行動特性といった観点で分類することもあります。
最も似ているもの同士の結合を繰り返すことで、最終的に樹形図ができあがります。
この樹形図から、対象がいくつのクラスターに分類されるか、どのクラスター同士が、どのように結合されるかという階層関係を一目で判断できます。
階層クラスター分析を行う際の注意点は、極めて多くのデータを対象とする調査には向かないことです。
膨大な計算を伴うために分析が困難になったり、樹形図が大きくなりすぎて分析結果が分かりにくくなったりすることがあります。
【手法2】非階層クラスター分析
階層クラスター分析は有効な分析手法ですが、分析対象とするサンプルが膨大になると、分類が困難な場合も少なくありません。このような場合には非階層クラスター分析が用いられます。
非階層クラスター分析は、あらかじめいくつのクラスターに分けるか数を設定しておき、階層クラスター分析のような階層関係にはこだわらず、決められた数にサンプルを分類します。
非階層クラスター分析でよく用いられる手法がk-means法です。最初に適当なk個の核を選び、サンプルを核との距離によってk個のグループに分類します。そして、グループの重心を求めて新たな核とし、サンプルをk個のグループに分類することを、重心が移動しなくなるまで繰り返します。
回答者間の違いを明らかにし、マーケティング活動に役立てることが非階層クラスター分析の目的です。
サンプル数が大きい場合でも分析できるため、マーケティングリサーチの結果を分析するときによく利用されます。
アンケートの回答パターンが似ている回答者を同じグループに分けるなどの活用例があります。
非階層クラスター分析を行う際のデメリットは、あらかじめいくつかのクラスターに分けるか決定しておかなければならない点です。
具体的な仮説がないと分類しづらいため、どのような目的でどういった分析を行うのかあらかじめしっかり決めておく必要があります。
BtoBマーケティングでの活用方法
BtoBにおいても、One to Oneマーケティングは重要性を増しています。
営業担当者とのやり取りを介せずとも、見込み顧客が自らインターネットを活用していくらでも必要な情報を得られる中で、自社を認知してもらい、比較検討の候補に入れてもらうためには、それぞれの見込み顧客に適した情報を提供する必要があるのです。
そんなマーケティング施策の実現のために、見込み顧客の分類にクラスター分析を活用しましょう。
同じクラスターに属しているということは、企業属性が似通っていたり、同様の課題を持っていたり、同様の検討フェーズであったりすると言えます。
それぞれのクラスター毎に求められる情報やアクションを予測し、クラスターに応じておすすめ情報や配信キャンペーンに変化を付けるなど、最適なアプローチ戦略に役立てましょう
クラスター分析により、客観的な基準のもとで顧客を分類でき、商品をアピールするために効果的なマーケティング施策を実施できるのです。
また、クラスター分析を行うことにより、他社が参入していないマーケットの発見や、自社や競合のポジショニングが明確になる可能性もあります。
他にも、テストマーケティングを行う際等に、分析によって出た各クラスターを選出すれば、より効率的なテストマーケティングが行えるでしょう。
おわりに
今回は、クラスター分析とは何か、BtoBマーケティングでの活用方法ついてご紹介しました。
クラスター分析で顧客を細かく分類し、効果的なアプローチ方法を検討することができます。目的を明確にした上で分析に取り組み、マーケティングの成果につなげましょう。