クロージングとは?成約率を高める10のコツ

マーケティング全般

クロージングとは?成約率を高める10のコツ

営業におけるクロージングとは、営業活動の最終段階であり、契約締結につながる重要なステップです。
この記事では、重要な局面であるクロージングを成功させるためのテクニックとクロージング中の顧客の反応に合わせた対応方法などを詳しく解説します。

クロージングとは

営業活動において、商談の最終フェーズとなるクロージングは、契約書を記入するということだけではなく、顧客との契約を締結させるまでのアプローチなども含めた行動のことを指します。
このクロージングでは、顧客が契約に踏み切れない理由となる不安や疑問を取り除いてあげることで、契約締結へと導くことが重要となるのです。

クロージングまでのステップ

クロージングは商談の中で一番最後のフェーズであり、クロージングに至るまでにはいくつかのステップがあります。

1.ヒアリング

商談のはじめのフェーズとなるのがヒアリングです。顧客の課題や予算感などヒアリングすることで、顧客ごとのニーズに寄り添った提案に進むことができます。
このヒアリングの段階では、商品の売り込みを行うのではなく、あくまでも顧客状況を把握することに徹します。

2.提案

顧客のニーズや課題が明確になったところで、商品説明と提案に入ります。ここで重要となるのは、相手の課題やニーズに対してメリットとなる内容を伝えることです。自社の商品やサービスを使うことによって、相手の課題解決の役に立つということを説明します。実際の導入事例や実績など、客観的なデータに基づいて伝えることが大切です。

3.クロージング

このように商談を進め、最終フェーズとなるのがクロージングです。クロージングは、契約を締結してもらうための最も重要なステップであり、このクロージングを成功させてはじめて営業の成果となります。

クロージングの基本的な流れ

商談で、ヒアリング、提案と進み最終フェーズであるクロージングに入ったらすぐに契約締結につながるわけではありません。
ここからはクロージング中の基本的な流れについて見ていきましょう。

  1. テストクロージング
  2. クロージング
  3. 契約締結

1.テストクロージング

テストクロージングは、見込み顧客の反応から現段階での購入意思を見極める手法です。
見込み顧客の中には、まだ商品を購入する意思のない顧客もいるでしょう。そうした顧客に対してクロージングを行っても成約には至らず、営業効率の低下にもつながります。
また無理なクロージングは、これまで築いた信頼関係にヒビを入れることにもつながり兼ねません。そうならないためにも、テストクロージングを活用し、早い段階で顧客の購入意思を見極める必要があるのです。

2.クロージング

テストクロージングで契約の意思を確認することができたらクロージングへと進みます。ここでは見込み顧客に意思決定を促していきます。
そのためにも、曖昧な問いかけではなくはっきりと「どうされますか?」といった問いかけを行いましょう。

3.契約締結

クロージングで契約の意思を確認できたら、いよいよ契約締結に進みます。ここでは、契約書を取り交わす前に必ず契約金額や納期など契約内容について確認し、疑問や不明点を解決しておきましょう。

クロージングを成功させる10のコツ

ここからは、クロージングを成功させるための10のテクニックを紹介していきます。

1.BANT条件を確認する

BANTとは以下の4つの頭文字をとったものです。

  • Budget:商品を購入する予算はあるか。
  • Authority:購入の決定権、もしくは決裁者に許可を得ることができているか。
  • Needs:相手が商品を必要としているか。
  • Timeframe:導入する時期が決まっているか。

この4つは、クロージングの前にヒアリングしておくべき必須条件となります。全ての要素を満たしていることで、契約率を高めることができるでしょう。

2.決断できない理由をなくす

見込み顧客が契約に踏み切れない主な理由には、

  • 「もっと安いものはないか」
  • 「もっと良い商品はないか」
  • 「この担当者は信頼できるか」

の3つがあります。この3つの不安を解消してあげることで、契約への後押しとなるでしょう。他社との比較資料などを活用し、見込み顧客の抱く不安を1つ1つ解消していくことが大切です。

3.選択肢を与える

クロージングでは、「強引で不快」と思われないためにも、顧客自ら決断してもらうことが大切です。そこで有効となるのが複数の選択肢を提示し、その中から選んでもらう方法です。
このとき、選択肢が多すぎることで決断に迷うこともあります。そのため、選択肢は2〜3種類に絞って提示しましょう。

4.ドア・イン・ザ・フェイスを活用する

ドア・イン・ザ・フェイスは、心理学を利用したテクニックの1つです。例えば、相手の希望額より高額な商品を提案し、そのあと希望額に近い商品を提案します。
そうすることで一度提案を断ったことに対し返報性の心理が働き、次の提案は受け入れてもらいやすくなります。

5.沈黙を恐れない

商談中の相手の沈黙は、真剣に検討している時間と言えます。そこでむやみに話しかけることは相手の思考を中断させてしまうことになり兼ねません。むやみに会話を続けるのではなく、結論がでるまで待つことも大切です。

6.イエスセット法を活用する

イエスセット法とは、会話の中で何度も「イエス」を引き出すことで本命の質問に対しても「イエス」と答えやすくするテクニックです。
無理に答えさせるのではなく、相手が「イエス」と答えやすい質問を事前に用意しておきましょう。

7.イエスバット法を活用する

イエスバット法は、相手の意見に対して「イエス」と同意し肯定した後に、「ですが」といったように自分の意見を伝えます。
最初から自分の意見を否定されることは相手を不快にさせてしまうこともありますが、一旦肯定し受け止めることで、相手も話を聞き入れやすくなります。

8.損失回避の法則

損失回避の法則とは、「得すること」よりも「損をしない」を重視する心理現象のことです。これにより、商品を購入しない場合に考えられる損失やリスクを伝えることで、購買促進につながります。

9.タイミングの見直し

前述したようにクロージングまでのステップは、「ヒアリング」「提案」「クロージング」という流れが一般的ですが、途中で成約の見込みが高いと判断することができればすぐにクロージングに移行するのもテクニックの1つです。
あえてクロージングのタイミングを早めることで、相手の興味を強くひき成約率を高めることもあります。

10.購入の意思を確認する

なかなか契約に踏み切れずにいる見込み顧客に対しては、「ご購入いただけますか?」と購入の意思を改めて確認することで、背中を押してあげることも必要です。
その際、先延ばしにすることのデメリットや今契約することで得られるメリットを伝えるとより効果的でしょう。

顧客の反応に合わせた対応方法

ここでは、商談相手が悩んでいる状況に合わせた対応の仕方について見ていきましょう。

商談相手が決裁者ではない

商談相手が決裁者ではなかった場合、契約締結には至らないでしょう。スムーズなクロージングにつなげるためにも事前に決裁者を把握しておくことが重要となります。
そこで商談中に「決定権がない」「予算がわからない」など決裁権を持たないとわかった場合には、そのまま商談を続けるのではなく、最終決裁者は誰か聞くか、決裁者を紹介してもらうようにしましょう。

「予算がない」と言われた

「希望の金額ではない」「予算が足りない」と言われた場合、まずは商品がこの価格である理由や価値をしっかりと伝えることが重要です。また、競合他社と比較することで自社商品のメリットや差別化できる点を伝えるのも効果的でしょう。
他にも、予算に応じた選択肢の提示や、見込み顧客のニーズに合わせた提案を行うことで予算の制約を乗り越えることのできる可能性が高まります。

「すぐには導入しない」と言われた

「まだ検討段階」「今すぐ導入の予定がない」などと言われた場合、見込み顧客が課題をまだ認識していなかったり、課題に対して商品がマッチしていないことが考えられます。
そこで、まずは顧客の課題やニーズを再確認することが必要です。顧客が検討段階にいる理由が明確になることで、より具体的な提案を行うことができるでしょう。

まとめ:成約率を高めるには、顧客の状態を正しく把握することが大切

クロージングの成約率を高めるには、顧客の状態を正しく把握しておくことが重要となります。まずは、顧客に今どのような課題があるのか、またその課題を自社の商品がどのように解決できるのかを事前にしっかりと把握しておきましょう。
そうすることでクロージングの際に的確な提案を行うことができ、結果として成約率を高めることにつながります。