KPIとは?KGIとの違いや設定するポイントやメリットを徹底解説!

マーケティング全般

KPIとは?KGIとの違いや設定するポイントやメリットを徹底解説!

KPIとは、ビジネスで目標を達成するための定量的な指標のことです。KPIを正しく設定することで、「目標に向けた行動」や「業務の進捗・達成率」などを可視化できます。
今回の記事ではKPIの概要やKGIとの違い、KPIを設定するポイントやメリットについて解説します。

KPIとは?

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略語で、「重要業績評価指標」と言われています。さまざまなビジネスにおいて目標を設定し、その目標達成を評価をするための指標となります。適切なKPIを設定することで、社員のモチベーションアップ・行動の明確化が期待でき、多くの企業で導入されています。

▼各ビジネスパーソンのKPI例
  • 営業部門:売上につなげるための行動指標(架電数・商談数など)や案件化数・アポ獲得数など定量的な目標
  • マーケティング部門:ホットリードを獲得するための行動指標(広告運用、展示会出展など)やウォーム・コールドリード獲得などの定量的な目標
  • カスタマーサクセス部門:解約数を減らすための行動指標(個別勉強会、セミナーの実施など)やアップセル、クロスセル数などの定量的な目標

KPIを設定するメリット

ここではKPIを設定するメリットについて解説します。

1.目標に対する行動の明確化

KPIを設定することで「目標に対する行動の明確化」が期待できます。具体的な目標を掲げることで、目標を達成するための行動が明確になり、売上につなげるための行動や業務効率をアップさせる行動がとれるようになります。

例えば、ビジネスパーソンでいうと、それぞれ下記のような行動が明確になるでしょう。

  • 営業部門:売上〇〇円を達成するには、商談化〇〇件、アポ獲得〇〇件が必要になる。そのために月・日の架電数・アプローチ数を〇〇件行う
  • マーケティング部門:ホットリード〇〇件を獲得するためには、広告運用やSEO、展示会出展などのマーケティング施策を行って、それぞれ〇〇件のリードを獲得する
  • カスタマーサクセス部門:解約数を最低〇件に抑えるために個別勉強会やセミナーなどを月〇件行い、ユーザーとの接触をなるべく多くする

ゴールから逆算して行動目標を立てるのは時間がかかるし、難しいかもしれませんが、チーム、会社全体で成果を最大限に出すためにとても重要な作業となります。

2.チーム・会社全体のパフォーマンス向上

KPIを設定することで、チーム・会社全体のパフォーマンス向上が期待できます。チーム、または会社全体の目標を確認し合うことで、社員の目標に対する意識が統一され、業務をより効率的に、かつ効果的にパフォーマンスアップができます。

例えば、チーム・会社全体のKPIを把握することで、

  • 自分のチームだけではなく、他のチームの目標達成を実現するための行動が取れる
  • 部門間の認識のずれがなくなり、会社全体のパフォーマンスが最大限発揮される

などが期待できます。

3.評価基準の管理・分析

適切なKPIを設定することで、チームの部門長やマネージャーにとって部下の評価基準が明確になります。特にKPIを「数値化」することで、作業の進捗や成果が明確になり、「良い点」「改善点」の判断がつきます。

例えば、「マーケターのAさん」がいたとして、月のリード獲得目標が「100件」だとします。100件達成できれば目標達成ですが、これが「80件」だった場合、「なぜ未達だったのか?」を分析することができます。
この分析を踏まえたうえで、リードを獲得するために「広告運用の予算を増やして配信を強める」「メルマガの配信を多くする」「展示会に出展してみる」など、次回達成するためのアクションを再確認できます。

一方で、KPIを適切に設定していないと、そもそも何を目標として行動すればよいのかの判断がつかず、目標が達成できたのか、できなかったのかの区別がわからなくなります。評価基準の管理・分析を明確にし、適切な判断が下せるよう、KPIを設定していきましょう。

KGIとの違い

KPIとKGIとの違い

KGIとは、「Key Goal Indicator」の略称で、「重要目標達成指標」と言われています。KPIが各業務プロセスにおける目標達成の中間指標であるのに対し、KGIは目標達成における最終的な指標となります。

例えば、各ビジネスパーソンのKGIの例でいうと、

  • 営業部門:受注数
  • マーケティング部門:リード獲得数
  • カスタマーサクセス部門:解約数

など、数値化、かつ評価ができるものが挙げられます。

▼マーケティング部門のKGI・KPI例
マーケティング部門のKGI・KPI例
※ KGI:リード獲得総数 KPI:リードを獲得するための各施策とリード獲得数
※「目標」だけではなく各施策の「進捗」や「見込み獲得数」も可視化できると、常に状況を把握・改善しチーム全体で成果を最大化することができます

KPIと同様、適切なKGIを設定することで、チーム・社員のモチベーションアップ・行動の明確化が期待できます。

一方、KGIが明確でないと、各部門やビジネスパーソンの成果を正当に評価することができなくなります。さらに部門間での目標のずれが生じるため、パフォーマンスを最大化させ、目標達成することも難しくなります。KGIはKPIよりも上位の指標であり、会社・チーム・社員個人の最終目標となるので、しっかりと理解し、適切なKGIを設定しましょう。

KPIを設定する際のポイント

ここでは、KPIを設定する際のポイントについてご紹介します。これから自社・部門内でKPIを設定し、パフォーマンスアップを目指す部門長、マネージャーの方は必見です!

1.SMARTを活用して設定する

KPIを設定する際によく活用されるのが「SMART」です。

SMARTとはSpecific(明確であること)、Measurable(測定可能であること)、Achievable(達成可能であること)、Related(関連性があること)、Time-bound(期限があること)の頭文字をとったもので、具体的かつ適切な目標を立てる際に活用される指標です。

Specific:明確であること

具体的かつ明確な目標を設定することです。
例えば、「リードを獲得する」という抽象的な目標ではなく、「広告を運用して月に○○件のリードを獲得する」など、目標を具体的にし、そのために必要な行動プランを明確にしていきます。

Measurable:測定可能であること

目標に対する達成度合いを正確に測定できるようにすることです。
例えば、「売上を上げる」と設定するのではなく、「売上を昨対比120%の達成」など、目標を数値化することが重要です。数値化することで目標の達成率がわかるので、良い・悪いの判断がつき、悪い場合は改善策を打つなど対応ができます。

Achievable:達成可能であること

現時点で目標を達成できるようなKPIを設定することが重要です。
というのも、非現実的な目標を立ててしまうと、社員のモチベーションの低下につながってしまうからです。 モチベーションが低いままだと、仕事のパフォーマンスも悪化していき、会社の売上が下がってしまうこともあります。

特に部門長やマネージャーは、

  • 人員
  • 予算
  • 時間
  • 社員一人ひとりのスキル

などを考慮したうえで、「頑張れば目標達成ができる!」というKPIを設定するのが良いでしょう。

Related:関連性があること

社員一人ひとりの目標と会社の目標は、関連性がないといけません。というのも、社員と会社の目標に「ずれ」が生じてしまえば、効率的に売上につなげることが難しくなるからです。
KPIを設定する前に、まず自社の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」「会社全体の売上目標」を把握しておきましょう。

Time-bound:期限があること

いつまでに目標を達成すべきか期限を決めましょう。例えば、「展示会で獲得したリードから3ヵ月以内に1件受注につなげる」「今年の12月31日までにマーケティングリード150件/月→200件/月にする」など、期限を決めて行動することが重要です。
期限がないとずるずると先延ばしになってしまい、結局、「未達」で終わってしまうこともあるので、しっかりと期限を決めてタスクをこなしていきましょう。

2.KPIの優先度を決める

会社・チーム・個人ごとにKPIを設定していくと、当然ながら多くのKPIが出てきます。KPIが多すぎると1つのKPIの達成にかかる時間・リソースが増え、それぞれのパフォーマンスを最大限に発揮することが難しくなります。

そうならないためにも、KPIの優先順位を決め、目標達成に向けたタスクに取り組む必要があります。

例えば、営業担当者のKPIの優先順位は、「売上」に対する影響度や実現性の高さから判断します。売上につなげるための行動指標(架電数・商談数など)や案件化数・アポ獲得数など、定量的な目標が挙げられます。

どのKPIにリソースを割くべきかの優先順位を判断するためにも、会社全体に対する影響度、実現性などを考慮したうえでKPIを設定していきましょう。

3.場合によってKPIを柔軟に変更する

KPIは基本的に月、四半期、年ごとなどの長期間で設定することが多いので、場合によっては期間の途中でKPIを変更せざるを得ないこともあります。

例えば、

  • 新規事業のため、いったんはKPIを設定したが、目標と実績に乖離が出てしまっている
  • これまで成果の良かった施策が急に悪くなり、施策の撤廃、新規施策の運用を検討しないといけない
  • 事前の目標設定を誤ってしまったため、目標に対する実績が高すぎてしまった

などが挙げられます。

KPIはあくまでも事前に目標を設定するものです。なので目標と実績に乖離があるもの、進捗が芳しくなく、目標達成が困難なものなどは柔軟にKPIを変更しましょう。KPIをPDCAを回すことで、事業の改善、施策の見直し、新規施策の検討・実施を促します。途中からKPIを変更するのは時間もかかるし、難しいこともあるかと思いますが、目標達成に向けての仕組みをしっかりと構築しましょう。

まとめ

今回は「KPIとは?KGIとの違いや設定するポイントやメリットを徹底解説!」について解説しました。KPIは、ビジネスで目標を達成するために重要な指標になります。KPIを正しく理解し、設定することで、「目標に向けた行動の可視化」や「業務の達成率アップ」が期待できます。

一方で、KPIを適切に設定するには会社全体の「人員」「予算」「時間」「社員一人ひとりのスキル」などを考慮し、影響度が高く、現実的なものでなければなりません。PDCAを高速で回すために、期間の途中でKPIが変更されることもあるでしょう。

とはいえ、KPIは目標達成に向けて必要不可欠な指標になります。売上目標の達成や社員のモチベーションアップにつなげるためにも、目標達成に向けての仕組みを構築しましょう!