インターネットがなくてはならない世の中、BtoBビジネスにおいてもWeb広告はすでに必須と言える広告になってきました。以前はパソコン用の広告が主流でしたが、スマートフォンやタブレット端末の普及により広告の種類は多種多様になってきており、広告の担当者は更に、そういった変化に応じた対応が求められています。
そこで今回は、Web広告の種類や効果測定、成果指標など、担当者が押さえておくべきポイントをご紹介します。
- ▼この記事でわかること
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- Web広告の種類
- Web広告の成果指標
- Web広告の効果測定の方法
- Web広告の効果測定のポイント

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Contents
Web広告の効果測定とは?
Web広告は、企業がオンラインでの認知度向上や売上増加を目的として活用するマーケティング手法の1つです。しかし、広告を配信するだけではなく、その効果を測定し、最適化することが重要です。適切な効果測定を行うことで、広告費の無駄を削減し、より高い成果を得ることができます。
Web広告の種類
まずは、基礎知識としてWeb広告の種類を知ることが大事です。以下に主要なものをご紹介します。
【1】リスティング広告
リスティング広告とは、検索結果の画面に表示される広告です。代表的なものがGoogleの「Google AdWords」とYahoo!の「スポンサードサーチ」の2つです。
知りたい商品を「検索している」能動的な状態の見込み顧客に対して表示できる効果的な方法といえます。またキーワードごとに金額の調整が可能なので、コストやクリック数などの効果を考慮しながら広告の設定をすることができます。
【2】タイアップ広告
タイアップ広告は、メディアで企業や商品についての記事を掲載してもらう方法で、記事広告とも言います。記事と広告の内容がなじむため、訪問者に違和感なく内容を受け取ってもらうことができます。
また、掲載されるメディアに対して読者が持っている信頼感は、掲載商品への信頼度にも影響をもたらすでしょう。
【3】純広告
バナー広告やテキスト広告などを、広告主がメディア内の場所を指定して掲載する方法です。配信する地域を絞ることもでき、課金方法も目的に応じた方法を選択できます。商品やサービスの認知度向上に向いている手法です。その他にも「動画広告」や「SNS広告」などがあります。目的やターゲットにより使い分けましょう。
Web広告担当者が押さえるべき成果指標
成果指標は出稿方法や目的に応じて異なりますが、代表的なものとして以下の指標が挙げられます。
【認知効果を測る成果指標】
認知効果の成果指標は、広告がどれだけ多くの人々に認知されたかを示します。認知してもらうためによく使用されるのが「純広告」です。主にインプレッション数やリーチ数などが使われ、広告の露出度や知名度の向上を測定します。
- インプレッション数
- インプレッション数とは、広告が表示された回数のことです。この回数が多いほど、広告がネットユーザーの目に触れる機会が多いといえます。商品やサービスを認知を拡大させる効果が見込め、インターネット広告の重要な成果指標の1つです。
- リーチ数
- リーチ数とは、広告を見たユーザー数です。リーチ数が多いほど、より多くの人に広告が届いていることを示し、ブランド認知度向上の目安となります。ターゲットに適切に広告が届いているかを確認し、広告の配信設定を見直す際の参考にもなるでしょう。
- フリークエンシー
- フリークエンシーは、広告が1人のユーザーに対して表示される回数を示す指標です。広告がどれだけ頻繁に特定のユーザーに届けられたかを測るもので、広告の認知度や記憶に与える影響を把握するためにも重要な指標となります。過度なフリークエンシーは「広告疲れ」を引き起こす可能性があり、逆に低すぎると十分な認知が得られない恐れがあるため、最適なフリークエンシーを見極めることが重要です。
【誘導効果を測る成果指標】
誘導効果の成果指標は、広告がどれだけユーザーを特定のアクションに誘導したかを測定します。誘導することを目的とする広告は、リスティング広告やタイアップ広告が一般的です。
- クリック数
- クリック数は、表示された広告がクリックされた回数です。自社サイトなどの広告の先のWebページに、どのくらいのユーザーが訪れてくれたのかがわかります。
- クリック率
- 広告の関心度を測るクリック率は「クリック数 ÷ インプレッション数」で算出できます。このクリック率が高いほど、広告の内容がユーザーにとって魅力的であると判断でき、広告クリエイティブの質を示す指標となるでしょう。ちなみに上位ほど、クリック率が高まります。下記は広告掲載位置ごとのクリック率の目安になります。
- 1位:平均CTR:7%~15%
検索結果の最上部に表示されるため、クリック率が最も高くなります。 - 2位:平均CTR:4%~6%
1位と比較して若干低下しますが、それでも多くのユーザーがクリックします。 - 3位:平均CTR:2%~4%
1位、2位と比較して、クリック率は低下します。 - 4位以下(サイドやボトム表示):平均CTR:1%~2%以下
ページの下部やサイドに表示される広告はクリックされる可能性が低いです。
- 1位:平均CTR:7%~15%
- クリック単価
- クリック単価は1クリックあたりの広告費です。クリック単価が低いほど、コストを抑えつつ多くのユーザーに広告を届けることができるため、広告予算の最適化に重要な指標となります。適切なキーワード選定やターゲティングを見直すことで、クリック単価の最適化を図ることができるでしょう。
【売上効果を測る成果指標】
売上効果の成果指標は、広告キャンペーンが実際に売上にどれだけ貢献したかを示します。
- コンバージョン数
- コンバージョン数とは、広告を見て訪れたユーザーが、商品購入や資料請求などのアクションを起こした回数のことです。広告出稿の最終目標となることも多いのがこのコンバージョン数です。
- コンバージョン率
- コンバージョン率は成約率を測る指標で「コンバージョン数 ÷ 訪問数」で算出することができます。コンバージョン率が高いほど、サイトやランディングページのデザインやコンテンツが効果的であると判断できます。広告のターゲティング精度やサイト内の導線を改善することで、より高いコンバージョン率を達成できるでしょう。
【費用対効果を測る成果指標】
費用対効果の成果指標は、広告キャンペーンにかかったコストに対してどれだけの成果を上げたかを示します。
- CPA(獲得単価)
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CPAは、1件のコンバージョンを得るためにかかった費用のことです。広告のコストパフォーマンスを示す指標であり、CPAが低いほど費用対効果が高い広告運用ができていることを意味します。たとえば、下記の3つのキャンペーンがあった際、CPAが一番低い「Aキャンペーン」に予算を投下するのが望ましいです。
- Aキャンペーン:日予算20,000 CPA20,000
- Bキャンペーン:日予算30,000 CPA40,000
- Cキャンペーン:日予算40,000 CPA30,000
ここで何もせずにしていると、CVが獲得できているキャンペーンに集中して予算を投下できなくなり、コンバージョン数が減少する可能性があります。適切なターゲティングと予算、広告クリエイティブの改善によって、CPAの最適化を目指すことが重要となるでしょう。
- ROAS(広告費回収率)
- ROASは、広告費に対する売上の比率となります。ROASが高いほど、広告にかけた費用に対してどれだけの売上を上げたかを示し、広告の収益性を評価するうえで重要な指標となります。広告の配信手法やターゲティングを最適化することで、より高いROASを実現できるでしょう。
- ROI
- ROIは、広告費を含めたマーケティング全体の費用と収益の比率です。広告の総合的な費用対効果を測る指標であり、ROIが高いほど、広告費に対してより高い利益を得ていることを示します。
長期的なマーケティング戦略の評価にも用いられ、広告施策の持続可能性を判断するための重要な基準となります。
Web広告の効果測定方法
ここでは、効果測定方法や活用できるツールをご紹介します。
計測ツールを活用する
- ・Google Analytics
- Google Analyticsは、サイトに訪問したユーザーの行動を追跡し、どの広告キャンペーンやページが効果的かを把握するために使用されます。たとえば、広告からの流入経路、滞在時間、ページビュー数などのデータを収集できます。この情報を元に、どのページが最もコンバージョンを生み出しているか、あるいはどのページが離脱率が高いかを分析し、必要な改善策を見つけ出します。これにより、広告予算をどのチャネルに配分すべきかを決定し、コンバージョン率を向上させる施策を立案できます。
- ・Google広告(Google Ads)
- Google Adsは、広告キャンペーンのパフォーマンスを細かく分析できるツールです。クリック数、インプレッション数、クリック率などの指標を追跡し、広告の効果を評価します。
また、ユーザーの地域、年齢、デバイス別などにターゲティングデータを絞り込み、広告戦略を最適化できます。さらに、予算に対するROIを測定し、どの広告グループやキーワードが最も効果的なのかを特定し、入札戦略を改善できます。
- ・ヒートマップツール
- ヒートマップツールは、ユーザーがWebページ上でどの部分に注目し、どの部分を無視しているかを視覚的に表示するツールです。これにより、コンテンツやCTAの配置が適切かどうかを確認できます。
たとえば、ユーザーがどの部分をクリックしているのか、どのエリアでスクロールを止めているのかを把握でき、ページのデザインやコンテンツの改善点を見つけることができます。この情報をもとに、CTAを目立たせるために位置やデザインを変更するなど、コンバージョン率を高めるための調整が可能です。
A/Bテストの実施
A/Bテストは、異なる広告クリエイティブやランディングページのパフォーマンスを比較するために使用されます。この手法では、複数のバージョンの広告を作成し、それぞれのパフォーマンスを比較します。ユーザーをランダムに異なるバージョンに割り当て、どのバージョンが最も高いコンバージョン率を得られるかを確認します。
たとえば、広告コピーを変えることでユーザーの反応がどう変わるのか、画像やボタンのデザインを変更した際にどれだけ効果が出るかを測定できます。A/Bテストを繰り返し実施することで、徐々に最適な広告パターンを見つけ出し、より高いコンバージョン率を実現することが可能です。これらの方法を組み合わせることで、Web広告の効果を総合的に測定し、最適化を図ることができます。
Web広告の効果測定で押さえておくべき3つのポイント
どのように効果測定をすれば良いのか悩む担当者は多いと思います。的確な効果測定のためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
【1】ターゲット設定の最適化
まず出稿時に、どのようなターゲットに広告を出すのか明確にしておきましょう。
大まかな決め方ではなく「どのような課題・悩みがあって広告にアクセスするのか」「どのような業種、エリアの見込み顧客が欲しいか」など、具体的なセグメントを考えて設定することが大事です。
どこに出稿するか、どんな訴求で出稿するかを決めるために、見込み顧客の視点に立って仮説を立てておくことが重要です。たとえば「バナー広告よりも動画広告のほうがターゲットは反応するだろう」「自社の商品・サービスの導入を検討しているユーザーは◯◯の情報を求めて広告をクリックする」など、ターゲットの課題や行動を想定して、広告の出稿方法を検討しましょう。
【2】成果指標を立てる
掲載後に検証・改善を行うために欠かせないのが目標です。広告を掲載することで達成すべき目標を明確にしましょう。目標設定の際は、見るべき成果指標を事前に絞り込んでおくことが重要です。詳細は前述した、クリック数やコンバージョン数などを見ることが一般的です。
【3】広告ごとに測定・分析する
効果測定ではさまざまなデータを目にすることになりますが、まず確認すべきなのは「成果」です。目標として設定した成果指標と比較し、その広告が狙い通りの効果を出すことができたか、広告ごとに分析します。
現在は効果測定に便利な測定ツールがいくつも存在するため、目的に応じて適切なデータを収集可能です。ただし、多様なデータが集められるようになったことで分析が複雑になっているのも確かであり、効率良く測定を行うためには先に述べた事前の準備が重要です。
的確な効果測定を行えれば、的確な改善につながり、広告の費用対効果を最大限に引き上げることができます。しかし、測定結果の分析に明確な正解がないことも多く、広告ごとの良しあしは見る角度によっても異なります。
効果測定が正しい答えを見せてくれると考えるのではなく、あくまで最適な運用に向けた有力な判断材料として捉えるようにすると良いでしょう。
おわりに
今回は、Web広告の種類や効果測定、成果指標など、担当者が押さえておくべきポイントをご紹介しました。Web広告には、効果測定が必須です。顧客視点に立った仮説、検証、改善を繰り返して効果の高い広告運用を目指しましょう。また、「何をもって成果とするのか」「どの指標を目指すのか」を明確にすることが重要です。これが決まれば、広告の種類や効果測定の方向性は自然と決まってくるでしょう。