オウンドメディアとは?取り組むメリットや運用の手順
オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自社で保有するメディアの総称のことでWeb戦略で欠かせないメディアの1つです。
この記事では、オウンドメディアを運用することの目的やメリット、さらには運用の始め方まで詳しく解説していきます。
- ▼この記事で分かること
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- オウンドメディアの概要
- オウンドメディアの種類
- オウンドメディア運用の目的
- オウンドメディア運用の始め方
- マーケティングオートメーションツール
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Contents
オウンドメディアとは?
まずはオウンドメディアの概要について確認しておきましょう。
オウンドメディアの定義
オウンドメディアとは企業が自社で保有するメディアの総称で、広義ではホームページやブログ、SNSアカウントに加えパンフレットや広報誌などもオウンドメディアとされています。狭義では、Webマガジンやブログをオウンドメディアと呼び、日本では狭義の意味で使われることが多く、この記事では狭義のオウンドメディアについて解説します。
またBtoBにおいては、リードを獲得するためにマーケティングで活用する情報発信用のメディアという意味合いで使われます。対面での営業活動が難しくなった昨今、オンラインマーケティングの重要性が高まっており、リード獲得やナーチャリングのためにオウンドメディアを作成する企業が増えているのです。
オウンドメディアはトリプルメディアのうちの1つ
オウンドメディアは「トリプルメディア」と呼ばれるWebメディア戦略の1つでもあります。トリプルメディアは、オウンドメディアのほかに「ペイメディア」と「アーンドメディア」の3つに分類され、それぞれのメディアの弱点を他のメディアで補うことで、より効果的なWeb戦略が可能となります。
では、トリプルメディアについてもう少し詳しく見ていきましょう。
- ・ペイドメディア
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ペイドメディアは、「paid」つまり料金を支払って運用する広告のことです。例えば、検索連動広告(リスティング広告)やディスプレイ広告、さらに新聞やテレビなどのマスメディア広告もこれにあたります。
不特定多数に情報を伝えることができ、短期間でのリーチが期待できる手法ですが、広告展開には継続的な費用が必要であり、オウンドメディアのような保存性がない点がデメリットと言えるでしょう。
- ・アーンドメディア
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TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSや口コミサイト、Q&Aサイトや個人ブログなどの第三者が情報発信するメディアがアーンドメディアです。
「いいね」や「リツイート」などにより費用をかけずに拡散させることができるのがメリットです。しかし、拡散や情報の内容はユーザーの意思で行われるもので、情報コントロールができないため、拡散される情報が自社が伝えたい内容であるとは限らない点がデメリットとも言えるでしょう。
オウンドメディアの種類
この記事で解説する狭義のオウンドメディアは「公式サイト型」と「独立型」の2種類に分類されます。
ここでは、オウンドメディアの2つの種類について詳しくご紹介します。
- 公式サイト型
- 公式サイト型は、自社サイトに商品やサービス情報、企業の概要を掲載するとともにブログ記事やニュースといったお役立ち情報をオウンドメディアのコンテンツとして設置し、情報発信を行います。
- 独立型
- 独立型は公式サイトとは別にオウンドメディア用のサイトを立ち上げ、運用する方法です。公式サイトのコンテンツでもあるブログなどを独立させ、情報発信を行います。独立型にすることで公式サイトとは異なるデザインにでき、より自由度の高い情報発信を行うことができます。
オウンドメディアをマーケティングで活用する際の目的
オウンドメディアを運用する目的は以下の4つです。
接触機会の創出
まだ自社を知らない潜在的な顧客が自ら自社サイトにアクセスしてくれる可能性は低いでしょう。そこでオウンドメディアを運用し、その人が必要としている情報や、課題解決につながるコンテンツを配信することができれば、自社サイトにアクセスしてもらえる可能性が高まるでしょう。さらにペイメディアを活用し、広告配信などを行うことで、より幅広い層の潜在顧客からアクセスが見込めます。
新規顧客の獲得
新規顧客獲得のための施策としてもオウンドメディアは活用されます。ユーザーは、自分が知りたいと思うワードを自ら検索し、情報収集します。その際に自社のオウンドメディアが上位に表示されることで、集客につながるでしょう。
そのためにも、良質なコンテンツを継続的に発信し続け、検索エンジンで上位表示させることが重要となります。
認知度の向上
コンテンツを上位表示させることができれば、ユーザーがサイトに訪れる機会も増え、自社の認知度を向上させることができます。
また、上位表示されることで自社への信頼性が増し、専門家としての地位の確立・権威性の獲得にもつながるでしょう。
顧客のロイヤルティの向上
ユーザーにとって役立つ情報を発信し続けることは、自社への信頼感の獲得につながり、顧客ロイヤルティを高めることができるでしょう。
顧客ロイヤリティの向上は、多くのメリットをもたらします。例えば、競合他社と比較検討されにくいことで、継続的な受注を獲得できることなどがあります。
オウンドメディアに取り組むメリット
ここからはオウンドメディアを運用することで得られるメリットを3つご紹介します。
コンテンツを蓄積することができる
Twitter、InstagramなどのSNSを使った情報発信は、コンテンツをストックしておくことができません。しかしオウンドメディアでは、一度配信した情報が蓄積され続けます。継続的な配信によりコンテンツが蓄積されることで、潜在顧客の目に留まる可能性も高まるでしょう。
また蓄積されるコンテンツをSNS投稿やメルマガのネタとしても再度活用することもできます。
長期的な集客につながる
上述した様にオウンドメディアの運用は、継続的な情報発信を続けることでコンテンツを徐々に蓄積することができます。
始めたばかりですぐに効果を感じることは難しくても、蓄積されたコンテンツが自社の資産となります。
一度アップした記事は常に検索サイトに表示されるため、長期的かつ継続的な集客効果が見込めることも大きなメリットでしょう。
マーケティングコスト最適化につながる
オウンドメディアは、リスティング広告やディスプレイ広告のような費用をかけずに運用することができ、広告費の削減につながります。また良質なコンテンツを配信することができれば、検索サイトで上位表示されるため、長期的かつ継続的な集客効果も見込めるでしょう。
始めたばかりですぐに効果を感じることは難しくても、蓄積されたコンテンツは自社の資産となり、長期的な視点で見ると費用対効果が高いといえます。
オウンドメディアのコンテンツ例
では、どのようなコンテンツをオウンドメディアとして運用するのが効果的なのでしょうか。ここからは、コンテンツ例を紹介していきます。
SEO対策
SEO対策は、検索エンジン最適化ともいわれWebサイト上で検索を行ったユーザーに対して、主にGoogleなどの検索エンジンの自然検索結果で自社サイトのページを上位表示させるための施策のことです。
自社や自社商品と関連のあるキーワードを検索した際に、自社サイトが上位表示されることで自社の商品やサービスを知らない顧客との機会創出などさまざまなメリットが得られます。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、商品やサービスの「お役立ち資料」や「事例資料」といった資料全般のことです。
基本的にはPDF形式で配信され、ダウンロードしてもらうためにもユーザーのニーズに合った有益な資料を公開します。
FAQ
FAQは「よくある質問」です。さまざまな疑問や質問に対しての回答を用意しておき、商品やサービスに興味のあるユーザーの疑問を解決できるようにしておきます。
また、FAQを閲覧したユーザーからの問い合わせや資料請求につながるCTAも同時に用意しておくことが効果的です。
導入事例
導入事例は、すでに自社の商品やサービスを導入している顧客の活用の様子や、導入の決め手などを紹介することで、導入前のユーザーが気になっている疑問などを解決するためのコンテンツです。
導入後の様子や客観的な意見が見れることで、導入を悩んでいるユーザーの後押しとなります。
コラム記事
コラム記事は、商品やサービスに関する話題や、課題を解決する手段や方法などを記事にしたものです。まだ自社のことを認知していない潜在顧客を獲得するためにもSEO対策などを施し流入を促しましょう。
オウンドメディア運用の始め方
ここからはオウンドメディアを始める手順についてご紹介します。
1.目的の明確化
オウンドメディアを運営する際には、まずオウンドメディアを運営することで「達成したい目的」を設定しておくことが重要となります。
例えば、「新規リード獲得」であったり、「自社のブランディング」など明確な目標を設定しましょう。そうすることで配信するコンテンツの内容や、コンセプトを定めることができます。
2.コンセプト設定
目的の設定ができたら、目的を達成するにはどのようなコンテンツを発信する必要があるのか、方向性を定めるためのコンセプト設定を行います。
ここで重要となるのが、どのようなユーザーをターゲットにするかを決める「ペルソナ設定」です。ペルソナを設定することで、ターゲット像はもちろん、ユーザー行動やニーズをある程度明確にイメージをすることができます。
3.運用体制の構築
オウンドメディアの運用には、人材の確保や体制の構築も必要です。まず、「全体の統括責任者」「コンテンツ制作担当」「アクセス解析担当」は最低限おさえておきましょう。
また社内でのリソース確保が難しい場合、一部のリソースはアウトソーシングを活用することも検討しましょう。
4.サイト・コンテンツ制作
目的やその目的達成のための方向性が定まったらコンテンツを作成していきます。「公式サイト型」か「独立型」かを決めることによってデザインの方向性が定まるでしょう。
さらに、メディアの更新頻度や、設定したペルソナが求める情報とは何かを踏まえ、キーワードの選定を行い作成していきます。
5.配信・効果測定
コンテンツが完成したらオウンドメディアに公開していきますが、公開し初めは知名度が低いため、まずはプレスリリースや、SNSでのシェアなど色々な方法を活用し拡散していきましょう。
またオウンドメディアのようなWebコンテンツは、何度も修正を行えることもメリットです。公開して終わりではなく、定期的な効果測定を行いPDCAを回していくことでコンテンツをブラッシュアップさせることも大切です。
オウンドメディアの運用を効率化するMAツール
MAツール(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動を自動化し、効率化するためのツールです。
オウンドメディアを自社のマーケティング活動の中で効果的に活用するためにも、MAツールの導入をおすすめします。
例えば、コンテンツ管理機能によりブログ記事の作成や編集、公開を簡単に行うことができます。また、コンテンツのスケジュール管理やバージョン管理も可能です。
レポーティング機能では、オウンドメディアの成果を定量的に評価するためのレポートを作成することができます。これによりアクセス解析やコンバージョン率の分析など、データを基にした意思決定が可能となるでしょう。
特に、オウンドメディアで獲得した見込み顧客(リード)を育成していくためのメール配信やアクセス分析機能はMAツールのメインとなる機能であり、オウンドメディアの記事を読んでくれた見込み顧客との関係性を中長期的に発展させていく上で欠かせないと言えるでしょう。
このようにMAツールを利用することで、オウンドメディアの運用を効率化し、より効果的なマーケティング活動を行うことにつながります。
- マーケティングオートメーションツール
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おわりに:オウンドメディア運用を成功させるには継続的な情報発信
成果が表れるまで時間がかかるオウンドメディアにおいて、「ユーザーにとって有益な情報を盛り込んだコンテンツを継続的に発信し続けること」が成功へのポイントとなります。
また、オウンドメディアの運営を始めたばかりの初期段階と、ある程度知名度を獲得できた運用段階とでは、メディアの更新頻度やコンテンツの内容を段階に合わせて更新していくことも重要となるでしょう。