リードナーチャリングの設計方法を5ステップで解説!

リードナーチャリング

リードナーチャリングの設計方法を5ステップで解説!

リードナーチャリング(顧客育成)は見込み顧客にさまざまな情報を提供し、購買意欲を高めていくプロセスです。特にBtoBではリードナーチャリングの成果が実感しやすいと言われています。

それでは早速、マーケティングで重要視されるリードナーチャリングの設計方法や設計のポイントを見ていきましょう。

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは、見込み顧客の購買意欲を育成することです。ナーチャリング(育成)の対象となるリード(見込み顧客)の状態は、以下の3つに分けられます。

ホットリード
一通りの情報収集が完了していて、購買意欲が高まっている状態
ウォームリード
社内で共通の課題認識を持ち、商品やサービスの情報収集を始めている状態
コールドリード
商品やサービスに対する興味や関心が薄く、購買意欲はほとんど育っていない状態

まずは、リードの属性によって上記のようにセグメントし、それぞれに合ったアプローチを適切なタイミングで行います。アプローチを段階的に行うことで、最終的には全てのリードをホットリードに引き上げることが目的です。

リードナーチャリングの具体的な方法には、メールマーケティング、イベント開催、DM、ネット広告などがあります。

リードナーチャリングの設計方法

それでは、リードナーチャリングをどのように進めていけばよいのか具体的な手順を見ていきましょう。

1.リードナーチャリングの具体的なゴールを決める

まず最初に、リードナーチャリングを実施する上でのゴール(目的)を決めます。

ゴールは「売上を伸ばす」というような漠然としたものは適していません。「半年後までにコールドリードのうち◯%をウォームリードに引き上げる」「メールを送ったウォームリードのうち、◯人にセミナーに参加してもらう」など、具体的な目標設定を心がけましょう。

2.KPIを設定する

KPI(Key Performance Indicators)は、目的を達成するために必要な活動に対する目標値です。

例えば、「コールドリードをウォームリードに引き上げる」という目的のために、メールマーケティングを実施するとします。
メールマーケティングは、見込み顧客にメールを読んでもらえなければ効果を上げることは難しいため、この場合「全てのメールで開封率◯%を目指す」といったKPIを設定します。

KPIはリードナーチャリングが成功しているかどうか判断する基準になり、具体的な目標値を設定することで、チーム内の認識や足並みを揃えることができます。

3.カスタマージャーニーを描く

カスタマージャーニーとは、見込み顧客が購入までにとる行動や思考・感情を可視化したものです。

例えば、「売り上げ減に悩む→悩みが解決できそうな商品を広告で知る→メルマガを登録する→セミナーに参加する→購入」といった行動がカスタマージャーニーにあたります。

カスタマージャーニーマップを描くことで、広告で自社製品を知ったユーザーがどんな気持ちになるか、どんなLPを作ったらセミナーに参加したくなるかなどの顧客心理を理解し、ターゲットの心を掴む施策や言葉が思いつきやすくなります。

また、社内でリードナーチャリングに関わるメンバーの認識のズレを最小限に留めることが可能です。

カスタマージャーニーについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

4.リードナーチャリングを実施する顧客リストを作成する

営業が各々に交換した名刺やWebでの資料請求や問い合わせ、セミナー参加者の名簿など見込み顧客の情報はいたる所に眠っている可能性があります。社内に散らばったリードの情報を一つにまとめましょう。

スコアリングにより分類された顧客リストを元に、先に決めた目的に合った対象者を絞り込みます。スコアリングとは、一人ひとりの顧客行動にポイントを付け、任意の点数ごとにホット・ウォーム・コールドリードを分類するシステムのことです。

営業支援ツールとも連携可能なマーケティングオートメーションツール「List Finder」では簡単にスコアリングや顧客管理ができます。
「List Finder」でできるスコアリング機能については、こちらの記事で詳しく解説しています。

5.見込み顧客のフェーズに合った施策を考える

次に、見込み顧客の検討段階に合わせた具体的なアプローチ方法を考えます。

見込み顧客がどのフェーズ(属性)にいたとしても、対象となる見込み顧客にとって有益な情報を継続的に発信し、見込み顧客に信頼感や安心感を感じてもらうようなアプローチが大切です。

具体的には以下のような手法があります。

メールマーケティング
ステップメール、メルマガなどで見込み顧客の態度変容(購買意欲の育成)を促します。
セミナーなどイベント開催
見込み顧客の興味・関心にあった内容のイベントやセミナーなどを開催します。イベントに参加した顧客はホットリードの可能性が高く、スコアリングする際のよい判断材料になります。
DM
担当者が退職・配置変更していても住所さえ分かれば届けられ、対象となるターゲットによっては、メールより開封率が高いこともあります。

これらと一緒にLP(ランディングページ)やWebサイトのコンテンツも合わせて利用すると効果が上がります。

またマーケティングオートメーションを併用すると、URLのクリック率やWebサイトでの滞在時間なども解析できるため、ホットリードの見極めや見込み顧客の興味・関心を知ることが容易になります。

リードナーチャリング設計のポイント

マーケティングではしばしば、「どうやって売上を伸ばすのか」「どうやって自社商品をアピールするか」を第一に考えてしまうことがあります。しかし、リードナーチャリングを成功させるためには「顧客の立場に立って考えること」が必要です。

続いて、顧客の立場に立ったリードナーチャリング設計のポイントを紹介します。

顧客目線で考えることを心がける

例えば、メールマーケティングでは見込み顧客にメールを開封して内容を見てもらえなければ態度変容を促すことはできません。見込み顧客がどんな内容のメール・タイトルなら開封してみたくなるのか、顧客目線で考えましょう。

BtoBの場合でも購入を決めるのは人です。事務的になりすぎるのではなく、人の心を掴むリードナーチャリングを心がけましょう。顧客にしつこいと思われない接触頻度か、信頼感のある情報を提供しているか、顧客にとってオンリーワンの要素があるかなども考慮しましょう。

それぞれの見込み顧客の属性や顧客心理を熟考し、必要としている情報を届けることがリードナーチャリングの重要なポイントです。

営業部門の意見を取り入れる

リードナーチャリングを設計する上で、忘れてはならないポイントは営業部門との連携です。

顧客心理やホットリードの見極め方を熟知している有能な営業担当者から意見を取り入れられれば、リードの属性をより正確に把握できます。

また、営業部門の方針の理解も忘れてはいけません。営業部門が求めるホットリード像が、必ずしも一般的なスコアリングで高得点を得た見込み顧客とは限りません。自社の営業部門にヒアリングを行い、営業部門が考えているホットリード像をしっかりと認識しましょう。

熱量の低いリードを引き上げる施策を具体的に考える

熱量の低いリードはどのようにプッシュしたらホットリードへ引き上げられるでしょうか。コールドリードやウォームリードの悩みや不安を解消できるような情報を提供することを心がけましょう。

具体例

  • メルマガを購読してから1か月後に「スタートパック価格での購入は今だけ」と宣伝
  • FAQを見たユーザーに疑問の解消に繋がるような内容のメールを送る

リードナーチャリング設計は効果測定と改善が大事

顧客からの信頼を得て、ファンを醸成するリードナーチャリングは、短期的な目的に留まらず、顧客のライフタイムバリューを高めます。

目的が短期的にせよ長期的にせよ、リードナーチャリングは設計が大切です。一度設計したら終わりという考え方ではなく、時代の流れと共に変化する顧客の購買行動を捉え、効果測定と改善を繰り返し、最適化していきましょう。