メールによるリードナーチャリング設計に重要な5つのポイント
リードナーチャリングは「見込み顧客の育成」を意味します。BtoBビジネスにおいて、インターネットによる情報収集が容易になったことや購買プロセスの長期化などの背景から、リードナーチャリングへの注目が高まっています。
リードナーチャリングの手段の1つであるメール配信は、BtoBにおいて有効であることが知られています。そこで、今回はメールを活用したリードナーチャリング設計に重要なポイントについて解説していきます。
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Contents
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、Webコンテンツやメール配信などを使って見込み顧客の購買意欲を高めるマーケティング施策です。
自社に関心の低い見込み顧客に具体的なサービスや商品の情報を送っても良い反応は期待できません。また、自社に興味を持っている見込み顧客を放置した場合、その間に競合他社に流れてしまうこともあるでしょう。そのため、顧客の購入プロセスに対して、適正なアプローチを繰り返す必要があるのです。
リードナーチャリングの手段には、以下のものが含まれます。
- メルマガなどのメール配信
- Webコンテンツ
- 広告やLP
リードナーチャリングの目的は、成約率を上げることと現存するリストを最大限活用することにあります。BtoBにおいて、新規顧客を獲得し続けることは非常に難易度が高く、既に知っている企業に対してリードナーチャリングを行うことが重要です。
続いて、BtoBにおける具体的なリードナーチャリング施策について詳しく解説していきます。
BtoBにおけるリードナーチャリングの5つの施策
BtoBでリードナーチャリングを行うための手段として、以下の5つが挙げられます。それぞれの違いを把握して活用しましょう。
1. Webサイト・オウンドメディアのポップアップ・Webプッシュ通知
自社Webサイトの特定ページを閲覧したユーザーに対してポップアップを表示したり、アップデート情報をブラウザやモバイル端末に通知することで、よりステップアップした情報を提供できます。
2. DM
デジタルによるコミュニケーションが主流になったからこそ、紙のDMが効果を発揮することもあります。
例えば、特別なお知らせをしたいときに、より上質な紙を使ったDMを相手企業の代表に送付できる、担当者が変わっても住所だけで届く、デジタルになじみのない年齢層に届きやすいといったメリットがあります。
3. セミナー
見込み顧客が抱える課題や興味・関心があると思われるテーマのうち、自社の商材と関連する内容でセミナーを開くことで、自社が保有するノウハウなどを提供できます。
最近では、Webを活用したセミナーであるウェビナーの参加をメールで呼びかける手法も有効です。
4. アウトバウンドコール(電話)
一度獲得した見込み顧客リストに対して、企業から見込み顧客へ電話によるコミュニケーションをとる方法です。インサイドセールスでは、アウトバウンドコールを活用しています。
購入確度を確かめたうえで電話を行うことが多いため、見込み顧客の状況のヒアリングやアポイントの打診など、柔軟な対応が可能です。
5. メール
企業間のコミュニケーションの主要なツールはメールです。定期的にメールマガジンを配信したり、期間限定のキャンペーンを告知するなど、さまざまな施策を行うことができます。
少ない費用と工数で、多くの見込み顧客とコミュニケーションをとれるメールは、非常に有効なリードナーチャリングの手段です。
メールはリードナーチャリングにおける最大の武器
前述した通り、BtoBにおけるリードナーチャリング施策として特に有効と言われているのが、メールです。BtoCとは異なり、BtoBの業界では現在でもメールによるコミュニケーションが活発に行われています。
社員同士の連絡はSlackやチャットワークなどのビジネスチャットツールを使っている場合でも、社外の方へ連絡を取る主な手段はメールです。
先程も解説したように、メールは1対nのコミュニケーションが非常に得意なツールです。1対nの使い方として、特定の条件に合致する見込み顧客に対してのキャンペーン訴求もできます。
メルマガとメールナーチャリングの違いは?
メールナーチャリングは従来から存在する「メルマガ」と一体何が違うのか、その答えは「リードのプロセス管理」にあります。
メールマガジンは一般的に、自社が保有している見込み顧客リストに対して一斉に配信します。そのため、内容としては普遍的になりやすく、「送って終わり」になってしまいがちでした。
一方、メールナーチャリングは、相手の興味度や検討状態などのステータスに合わせて最適化されたコンテンツを提供します。例えば「Aのセミナーに参加した方にはBのセミナー案内」「Cのセミナーに参加した方にはアポイントの打診」など、相手の状況に合わせた情報提供が可能です。
見込み顧客の購入確度を確かめながら、適切なコンテンツを配信することは重要です。ニーズに沿ったものでなければ、購入確度が高まらないだけでなく、迷惑メールとして扱われる可能性もあります。
マーケティング施策の中でもメールによるナーチャリングは、ABテストを行いやすく企業が取り組みやすい施策です。メルマガとの違いを把握したうえで使い分けていきましょう。
メールを使った具体的なリードナーチャリングの手法
メールを使用したリードナーチャリングの手法について解説していきます。
ステップメール
見込み顧客の状況や現在のステータスに合わせて、一人一人に向けて知らせておきたい情報を段階的に配信する方法です。個人向けのメールであり、その方にとって興味・関心がある可能性が高い情報を最適な順番で届けることができます。
- セミナーに参加してくれた担当者に「ご参加ありがとうございました。」
- 3日後に「(セミナーに関連した)悩みはありませんか?解決するにはこのサービスがおすすめです。セミナー参加者限定で初期費用割引キャンペーン中です」
- 1週間後に「初期費用割引キャンペーンは今週で終了です。ご興味のある方は今週宙にご連絡ください」
セグメントメール
見込み顧客を条件ごとに分類し、そのグループに合わせて必要だと思われる情報を配信する方法となります。BtoBビジネスにおいては、「製品の資料請求をされた方」「セミナーを申込んだ方」など見込み顧客のアクションごとに分類を行います。
そのうえで、見込み顧客のアクションに関連する情報を送付することにより、メールの開封率アップや自社の製品・サービスに関する問い合わせ件数の増加が見込めるでしょう。
サンクスメール
見込み顧客がWEB上のフォームから申し込みなどをした際に、自動で返信されるお礼メールのことです。無事に申込完了できたかどうかを確認できるサンクスメールは、実は他のメールと比較しても反応率や開封率が高いのが特徴です。
そのため、見込み顧客を誘導したいサイトのURLを記載したり、次のステータスへと進ませるための情報を記載するのも効果的です。
案内・集客メール
セミナー開催などのお知らせを案内し、集客するためのメールです。しかし、ただ案内するだけでは出席や参加にはいたりません。そのため、見込み顧客が有益な情報を得られることを説明したり、特別に案内を送っているという雰囲気を伝えられるように、内容や文面を工夫しましょう。
メールによるリードナーチャリング設計で重要な5つのポイント
メールを活用したリードナーチャリングを設計する際に重要な5つのポイントについて解説していきます。
ゴールの策定
メールによるリードナーチャリングを行う場合、まずはゴールの策定を行いましょう。例えば、成約率の向上を目指す場合とWebページの閲覧や資料ダウンロードの増加を目指す場合はゴールが異なります。そのため、メール内容が同一となりません。
また、見込み顧客がどのような手順を踏んでゴールに至るのかまで検討することが重要です。マーケティングオートメーションを使ったメール配信はメールの到達率や開封率といった数値を参照できるので、具体的なゴールの策定がしやすくなります。
見込み顧客のプロセスに合わせたメール内容の作成
メールによるナーチャリングの効果を最大化させるうえで、重要なのは、「プロセスに合わせてメールを送る」ということです。例えば、興味・関心の低い見込み顧客に対して、成約を促す内容のメールでは効果は低いといえるでしょう。
例えば、BtoBの見込み顧客の購買プロセスは以下のように想定できます。
- 製品やサービスを知る
- 製品やサービスに興味を抱く
- インターネットなどでの情報収集で検討し始める
- サービスや商品、業者の選定
- 決裁
自社の商材を導入する顧客のカスタマージャーニーマップを作成し、どのプロセスでどの情報を欲しているのかを検討することから始めるとよいでしょう。各プロセスごとに提供する情報を決めたら、その内容をメールに落とし込みます。
配信のタイミング
メールの効果を左右する要素に、「メールを受け取るタイミング」があります。
土日休みの企業で考えると、週始めや週末よりも、火曜日や水曜日などのほうがメールの反応が良いことが想定できます。また、見込み顧客の業種や職種によって、メールが届く時間によっても反応に差が出ることがあるでしょう。
業務開始前にメールチェックする方が多いようであれば、朝8時頃に配信したほうが効果が高くなりやすく、反対に、定時以降のほうが反応しやすい場合もあります。
いくつかのパターンを試し、自社の見込み顧客に対してもっとも効果が出やすいタイミングを見極めることが重要です。
メールの形式
メールには、HTML形式とテキスト形式の2パターンがあります。
HTMLメールであれば、画像などを活用してリッチなコンテンツが作れます。また、マーケティングオートメーションを利用して開封率やクリック率などのデータも取得可能です。
しかし、メールを受け取った企業の受信環境によってはHTMLメールを受け取らない/受け取れない設定になっていることもあるため、注意が必要です。
キャンペーンの案内はHTML形式、アポイントの打診はテキストで行うなどの使い分けが大事です。
効果測定
メールは「送って終わり」では意味がありません。常に改善を行っていくためにも、定期的にしっかりと効果測定をしていきましょう。
一般的にメールによるナーチャリングの指標としては、「開封率 → メール本文のURLクリック率 → コンバージョン率」をKPIに設定します。指標は、タイトルの付け方や本文の長さ、訴求内容、リンク先ページの内容など様々な要素が影響します。
毎回のメールごとに結果に対する仮説立て、改善活動を繰り返し、メールナーチャリングの効果を挙げていくことが重要です。
リードナーチャリングは丁寧に設計しよう
BtoBでは、メールを使用したリードナーチャリングが有効であり、上手く活用すれば受注を大幅に増やすこともできます。
実際に取り組む際は、ただメールを配信するだけでなく、目標設定や誰に対してどのようなアプローチをするのかなど、丁寧な設計をすることが大切です。