展示会を成功へと導くテーマの作り方
展示会出展の成果を最大化させるためにも、正しいテーマ設定が欠かせません。正しくテーマ設定できている展示会では、良質なリード獲得につながるなど出展の効果も大きくなるでしょう。
そこでこの記事では、展示会テーマの作り方について、テーマ設定の重要性や作成のポイントなどを交えてご紹介します。
- ▼この記事で分かること
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- 展示会テーマの重要性
- 展示会テーマ設定の手順
- キャッチコピーに落とし込む際の注意点
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Contents
正しいテーマ設定とは?
展示会を成功へと導くためには、正しくテーマ設定をすることが重要となります。正しいテーマ設定とは、「来場者目線」で作られているかどうかです。
展示会は出展企業が自社の商品やサービスをアピールする場である一方、その目的はあくまでも来場者のニーズを満たし、関心を引きつけることにあります。もしテーマが企業の視点だけで作られたものであれば、来場者にとっては単なる自己PRに感じられ、興味を引くことが難しくなるでしょう。反対に、来場者が直面している問題や課題を解決できるようなテーマであれば、「このブースは自分にとって価値がある」と強く感じてもらうことができます。
来場者目線でテーマを作ることで、単なる製品紹介ではなく、来場者にとっての具体的な利益や解決策を示す展示が可能となり、より効果的なアプローチができるのです。
このように、来場者の視点を重視したテーマ設定は、展示会で成功するためのカギとなるでしょう。
展示会のテーマ例
多くの来場者を集めている、人気展示会のテーマ例をいくつか見ていきましょう。
2023年に開催された「東京モーターショー」改め「Japan Mobility Show」のテーマは【乗りたい未来を、探しに行こう!】でした。
他にも「食博覧会・大阪 2021」は【食べる、笑う、生きる】、2023年に開催された「ふるさと祭り東京」のテーマは【ニッポン再始動!】でした。
このように展示会のテーマ設定を行うことで、そのテーマに興味を持った人達が来場することになります。このことから、テーマ設定を行うことで自社が求めているターゲットにブースに訪れてもらいやすくなると言えるでしょう。
また、テーマに沿ったノベルティやチラシ、ブースデザインにすることで自社としてのブランディング強化にもつながるなど、展示会でのテーマ設定は欠かせない要素となります。
展示会テーマの重要性
ここでは、展示会テーマを設定することの重要性について理解を深めていきましょう。展示会テーマとは、展示会出展の準備から集客を行う上での軸となるものです。
出展準備の指針になる
展示会テーマは、出展準備全体の方向性を示す重要な指針となります。明確なテーマがあることで、展示ブースのデザインや展示内容、プレゼンテーションの内容など、すべての準備作業が一貫性を持って進められるでしょう。
たとえば、商品やサービスの特徴や課題解決にフォーカスしたテーマを設定することで、どの資料を作成するか、どの技術を強調するかといった具体的な準備項目が明確になり、効率的に準備を進めることができます。
来場者のニーズに刺さりやすくなる
展示会のテーマは、来場者の関心を引きつけ、そのニーズに応えるための大きな手助けとなります。
適切なテーマ設定によって、来場者は「このブースは自分の課題や興味に合致している」と感じやすくなり、足を止めて詳しく話を聞きたくなります。特に、業界のトレンドや来場者の課題に直結するテーマを設定することで、ターゲットとなる見込み客により深くアプローチすることが可能になるでしょう。
ブランディングを強化できる
展示会のテーマは、企業のブランドイメージを強化する絶好の機会です。テーマが企業の価値観や強みと一致していれば、来場者に対して「この会社はこういう分野で力を発揮している」という明確な印象を与えることができます。
さらに、ブランディングと一貫したテーマ設定は、競合他社との差別化を図るうえでも効果的です。企業が特に力を入れている分野や専門性をアピールし、信頼性やブランド価値を高めることにつながるでしょう。
このように、展示会テーマは出展準備から来場者のニーズ対応、そして企業のブランディング強化に至るまで、さまざまな面で重要な役割を果たします。
展示会テーマを決める5つのステップ
展示会テーマ設定の重要性について理解はできたけど、実際にはどのように展示会テーマを設定したらよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、展示会テーマを設定する5つのステップを見ていきましょう。
1.出展目的を明確化する
まずは、展示会への出展目的を明確にしておきましょう。
自社の課題を洗い出し、その課題を解決するために必要な施策を目的として設定することが重要です。目的を明確にしておくことで、チーム全体として目指す指標も見えてくるでしょう。
- 展示会の主な出展目的
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- 新規見込み顧客の獲得
- 既存顧客との関係性構築
- 企業や商品の認知拡大
2.出展商材を決定する
目的が設定できたら次に、展示会で取り扱う商材を決めておきましょう。基本的には、自社で最も売れている既存の商品やサービスいわゆる看板商品を選びます。
売れている商品は、顧客の抱えるニーズや課題解決につながっている商材だといえます。展示会の会場においても、解決できる課題が明確であることから、自社の強みとしてアピールしやすくなるでしょう。
3.自社のターゲットを設定する
展示会に出展する目的と商材が明確になると、ターゲットを絞ることができるようになります。自社ブースに訪れてほしい見込み顧客像の業種や役職だけでなく、さらにそのターゲットが来場する目的や課題、ニーズを想定したペルソナを設定しておきましょう。
また、設定されたペルソナを社内で共有することで、チーム一人ひとりの認識のズレを最小限に留めることができます。
- ペルソナ設定に必要な情報
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- 氏名
- 所属部署
- 役職
- 経歴
- 決裁権の有無
- 担当業務
- チームの人数
- 来場の目的
- 自身やチームが抱える課題やニーズ
4.数値目標を設定する
展示会後、目的に対する達成度を測るためにも、具体的な数値目標を設定しておきましょう。また設定の際は、曖昧な目標とならないよう効果が測定できる具体的な数値で設定しておくことが重要です。
この数値目標は、出展目的によっても異なりますが「集客数」「商談化数」「受注数」などが挙げられます。
5.テーマに落とし込む
ここまでの1〜4のステップで設定した項目に沿って、テーマを設定します。
設定した商材がターゲットに対して、どのような効果をもたらすのか、目標達成に焦点を当てテーマ設定を行うことが大切です。
また、抽象的な言葉や表現は魅力的なテーマとは言えません。そうならないためにもターゲットである来場者に対して「自社の商材でどのような課題が解決できるのか」がわかる具体的な言葉で設定しましょう。
展示会テーマのパターン例
展示会テーマを作成する際、表現方法によって異なる印象や効果を与えることができます。ここでは4つのパターン例を見ていきましょう。
①断定表現
断定表現は、強く確信を持ってメッセージを伝えることで、来場者に信頼感や安心感を与えます。この表現は、企業や製品が提供する価値や成果を確実なものとして伝えるのに適しています。
- 例
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- 「次世代エネルギーの未来はここにある」
- 「業界最高水準のセキュリティを実現」
- 「これが革新的なソリューションです」
②命令表現
命令表現は、来場者にアクションを促す力強いメッセージを伝えるスタイルです。動作を促すことで、積極的な参加を引き出しやすく、行動につなげたいときに効果的です。
- 例
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- 「未来を手に入れよう!」
- 「あなたのビジネスを加速させよう」
- 「今すぐ新技術を体験せよ!」
➂疑問表現
疑問表現は、来場者に考えさせたり、興味を喚起することで、展示ブースに足を運ぶきっかけを作ります。疑問形は、好奇心を引き出し、「知りたい」という気持ちを強めるために効果的です。
- 例
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- 「あなたの会社はこの変化に対応できていますか?」
- 「次に来るトレンドは何ですか?」
- 「最適な解決策、もう見つかりましたか?」
④体験表現
体験表現は、来場者が実際にその場で何かを体感できることを強調します。視覚や感覚に訴えかける表現を使うことで、展示会の魅力をより身近に感じさせ、来場者にブースを訪れた際の具体的なイメージを持たせることができます。
- 例
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- 「最新技術を体感しよう」
- 「未来の製品を試してみませんか?」
- 「リアルな解決策をあなたの目で確認」
このように、展示会テーマは表現方法によって異なる効果を発揮します。テーマの目的やターゲットに合わせて、最も効果的な表現を選ぶことが、来場者の関心を引きつけるポイントとなります。
展示会を成功させるテーマ設定にするためのポイント
展示会テーマの作成方法について解説してきましたが、ここからはより効果的なテーマ設定にするためのポイントについて見ていきましょう。
商材の特徴を明確にする
テーマ設定の際には、展示会で取り扱う商材のスペック・価格・活用により解決する課題・他社と差別化できる点など、自社だけの強みや活用のメリットを書き出してみましょう。
このようにして自社商材の特徴を整理することで、特徴や強みを活かしたテーマの設定ができるようになります。
出展する商材の価値を最大限引き出し、伝えることのできるテーマにすることが大切です。
顧客の悩みやニーズを洗い出す
商材の強みを明確化するとともに、顧客の悩みや課題、ニーズを洗い出すことも、効果的なテーマ設定を行うポイントとなります。このとき、顧客自身もまだ気が付いていない潜在的な課題やニーズがないかも検討してみましょう。
商材の強みが明確化できていても、顧客の課題やニーズに合っていなければ、その製品が売れることはありません。
そこで、顧客の課題を自社商材がどのように解決できるのかを考える必要があります。このように顧客のニーズに合わせたテーマ設定を行うことで、よりブースに足を運んでもらえるようになるでしょう。
展示会テーマをキャッチコピーに落とし込もう
上述した方法でテーマが明確化したら、そのテーマをキャッチコピーに落とし込みましょう。キャッチコピーとは、テーマをもとに、より来場者に伝わりやすいように翻訳したものです。
展示会テーマをキャッチコピーに落とし込む際は、テーマの核心をシンプルかつ魅力的に伝えることが重要です。キャッチコピーは来場者の関心を瞬時に引きつける役割を果たすため、どのようなブースなのか、商材の特徴、ブースに立ちよるメリットが伝わるよう、具体的かつキャッチーな文言で設定しましょう。
テーマとキャッチコピーの両方の設定ができてようやく、チラシやノベルティ、ブースデザイン設定などに取り組めるようになります。
キャッチコピー作成時の注意点
キャッチコピー作成時の注意点は以下の2つです。
専門用語は使わない
展示会のキャッチコピーを作成する際、専門用語の使用は避けるべきです。専門用語は業界の中では一般的に理解されるかもしれませんが、来場者全員がその知識を持っているとは限りません。
特に、専門外の人や新規顧客にとっては意味が伝わらず、興味を引くことができない場合があります。キャッチコピーは一瞬で理解され、関心を引く必要があるため、誰にでも分かりやすい言葉を使うことが重要です。専門的な内容は、展示ブース内で詳細に説明する方が効果的です。
印象的なリズムや言い回しを取り入れる
キャッチコピーは、リズム感や音の響きも重要です。語呂が良く、リズミカルな言葉の並びにすることで、記憶に残りやすくなります。
また、疑問形や命令形にすることで、読者に呼びかける形にするのも効果的です。たとえば、「○○を見つけよう!」「未来はここにある」など、アクションを促す言い回しが効果的です。
まとめ
展示会に出展する際には、最適なテーマ設定を行うことが自社の求めるターゲットを集客することに直結します。
またテーマ設定を行うことでチーム全体の指標が明確になることも大きなメリットとなるでしょう。
時間やコストをかけて出展することを決めた展示会の成果を最大限に高めるためにも、展示会準備の早い段階で、テーマ設定に取り組むことが大切です。