アンノウンマーケティングとは?顧客獲得のために必要な5つの施策を紹介
これまでは個人情報を獲得できているユーザーを対象にマーケティング施策を行うことが一般的でした。しかし昨今ではデジタルテクノロジーの発展により、個人情報がわからない「アンノウンユーザー」に対してもマーケティング施策を行うことが可能となりました。
この記事では、アンノウンユーザーに対して行うアンノウンマーケティングの概要から、効果的な施策まで詳しく解説します。
- ▼この記事で分かること
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- アンノウンマーケティングとは?
- 潜在層と顕在層の分類について
- アンノウンマーケティングの手順
- MAツールを活用したアンノウンマーケティング
- マーケティングオートメーションツール
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Contents
アンノウンマーケティングとは?
アンノウンマーケティングとは、「Unknown」つまり「知らない」「実名のわからない顧客」をターゲットにしたマーケティング手法のことです。
例えば、自社サイトに訪問したユーザーのほとんどはサイトを閲覧するだけで、問い合わせや資料請求といった氏名や連絡先などの個人情報の入力までは行わないことが多いでしょう。
このように自社サイトへのアクセスのみで個人情報を取得できておらず、正体がわからない顧客をアンノウンユーザーと呼び、このアンノウンユーザーの個人情報の獲得を狙うのがアンノウンマーケティングです。
また、AIやマーケティングオートメーション(MAツール)などを導入することによってサイトに訪れたユーザーのWeb上での行動を把握することができるため、アンノウンマーケティングを実施するにはこれらのツールの導入も同時に検討する必要があります。
アンノウンマーケティングはリードジェネレーションの一部
リードジェネレーションとアンノウンマーケティングはどちらも見込み顧客を獲得するためのマーケティング活動のことです。
リードジェネレーションは、自社サイトに訪問したユーザーを自社の見込み顧客とする施策を行うマーケティング手法です。一方アンノウンマーケティングは、自社サイトに訪れたユーザーを問い合わせや資料請求へと導き、個人情報の獲得を目指します。
このことからアンノウンマーケティングは、リードジェネレーションの一部とも言え、より効果的なリードジェネレーションにするためにもアンノウンマーケティングが求められているのです。
アンノウンマーケティングが注目されている背景
これまでのマーケティング活動では、自社で個人情報が入手できていないユーザーに対してはアプローチすることができず、機会損失となっていました。これがリードジェネレーションの課題ともなっています。
しかし最近はデジタルテクノロジーの発展によって、氏名や連絡先などの個人情報が分からずとも、IPアドレスを活用したアクセス解析やMAツールでの行動解析などが可能となりました。
これにより、これまで個人情報がなくてアプローチできなかったアンノウンユーザーに対してもアプローチを行うことが可能となり、注目されるようになったのです。
アンノウンマーケティングを行う上で重要となる潜在層と顕在層の分類とは
アンノウンマーケティングを行う上で重要となるのは、「潜在層」と「顕在層」という顧客の分類です。それぞれに合わせてアプローチ方法を変えることで効果的なマーケティング活動へとつながります。
まずは両者について見ていきましょう。
- 潜在層
- 潜在層とは、検索などから偶然自社サイトに訪問したユーザー層です。潜在層は、サイト訪問の目的が不明確であり、個人情報の入力は期待できません。
しかし、サイト上のコンテンツ内容やアクセス後のリードナーチャリングにより関心度合いを高めることができれば個人情報が獲得できる可能性もあります。
- 顕在層
- 一方顕在層とは、すでに明確な目的があり、自社サイトへと訪問したユーザー層です。
商品やサービスへのニーズが明確なため、具体的な商品情報や、導入事例の紹介といった訴求を行うことで個人情報の入力につながるでしょう。
このように潜在層と顕在層では関心度合いが大きく異なるため、それぞれに合わせた適切なアプローチが必要となります。最適なアプローチを行うことで、個人情報の入力につなげることができます。
アンノウンマーケティングで取り組むべき5つの施策
アンノウンユーザーの個人情報を獲得するために効果的な施策は以下の5つです。
- リターゲティング広告
- コンテンツ作成
- ポップアップ表示
- プッシュ通知
- チャットボット
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、これまでに自社サイトを訪問したことのあるユーザーに対して、サイト離脱後の行動を追跡して広告を配信し、サイトの再来訪を促します。
例えば、サイトAを訪問した後にサイトBを閲覧した場合、サイトBの広告欄にサイトAの広告が表示されることがあります。これがリターゲティング広告です。
一度はサイトから離脱しても、広告を目にすることで購買意欲が刺激され、コンバージョン率を高めることができます。
コンテンツ作成
自社サイトにさまざまなコンテンツを設置しておくことも効果的です。
例えば、記事コンテンツや、ホワイトペーパーなど、ユーザーにとって有益な情報をコンテンツとして用意しておくことで、サイトに訪れたユーザーの関心度合いを引き上げることができます。
また、行動解析によりコンテンツを目にしたユーザーがどのようなジャンルに興味をもっているのか分析することも可能です。
ポップアップ表示
ポップアップとは、サイトを訪問したときに画面に表示されるバナーのことです。特定のページの閲覧時間や、閲覧履歴などの行動解析からユーザーの興味を惹く情報をポップアップで表示します。
ユーザーそれぞれの行動に合わせた内容で表示することができるため、効果的に関心度合いを高めることができます。
プッシュ通知
プッシュ通知とは、自社サイトを訪問し離脱した後のユーザーに対して、再来訪を促す通知をパソコンやスマートフォンに表示させる手法です。
自社サイトの情報更新時や、セールのお知らせなどを通知し、ユーザーの再来訪や、資料請求などのコンバージョンを促します。
チャットボット
チャットボットとは、人工知能を活用した自動会話プログラムのことです。自社サイト訪問の際にチャットボットを表示させ、サイトに訪問した目的や、興味のあるジャンルを直接ユーザーに訪ねることができます。
収集した情報からユーザーにとって最適なコンテンツを表示できるなど、効果的なアンノウンマーケティングにつながります。
アンノウンマーケティング実施の3つの手順
それでは実際に、アンノウンマーケティングを実施するための手順を見ていきましょう。
1.閲覧データの収集
アンノウンマーケティングを実施するためにはまず、閲覧履歴データを蓄積する必要があります。アンケート調査や、行動解析からユーザーはどこから自社サイトに訪問したのか、また訪問後にはどのような行動をとっているのかなどを収集します。
また、情報を収集するサイトが自社サイト以外に複数ある場合には、これらの閲覧情報全てを1つのデータベースに蓄積するのがいいでしょう。
2.データをもとにグルーピングする
次に収集したデータを基に分析を行い、アンノウンユーザーの傾向やパターンを把握し、仮説を立てていきます。
ここでは「どのページを」「どの期間に」「どれくらい閲覧しているか」の3つの要素をもとに分析していきましょう。これにより、ページごとのユーザー行動から特定の情報に興味関心があるユーザーをグルーピングすることができます。
3.マーケティング施策の実施
データ分析の結果をもとにグルーピングしたユーザーごとに、それぞれ適切なコミュニケーションを図っていきます。
例えば、商品の機能紹介ページを閲覧していたユーザーをグルーピングしていた場合、このグループは商品の機能について関心度合いが高いと判断できます。そこで「機能・使い方について詳しく知りたい方はこちら」のようなポップアップを表示したり、詳細資料のダウンロードページのリターゲティング広告を表示することで効果的にアクションを促すことができるでしょう。
このように個別のニーズや要求に応じてアプローチを変えることで、アンノウンユーザーの個人情報を獲得できる可能性が高まります。
MAツールの活用でアンノウンユーザーを実名化する
上述したアンノウンマーケティング実施手順により、ユーザーが自社のWebサイトにアクセスするなどのアクションを促すことができているでしょう。
ここからは、そのアクションから個人情報を獲得するための施策へと進みます。
お問い合わせフォームから獲得
お問い合わせフォームは、アンノウンユーザーとの重要な接点となります。問合せフォームには資料請求だけでなく、無料トライアルの申し込みや商品への要望などさまざまな切り口があります。
その中でアクセスしてきたユーザーが抱えている課題や目的に対して、必要なものを提示することでフォームからの個人情報獲得につながるでしょう。
ホワイトペーパーのダウンロードにより獲得
ホワイトペーパーとは、BtoBマーケティングなどで活用される自社製品やサービスの「お役立ち資料」や「事例資料」といった資料全般のことです。
ホワイトペーパーをダウンロードしてもらうには、個人情報と引き換えにしてでも入手したいユーザーに思ってもらえるような有益な情報が掲載されていることが重要となります。
メルマガ登録から獲得
無料のメールマガジンを配信することで、購読してもらう方法です。有益な情報を定期的に配信し続けることで、信頼関係の構築にもつながるでしょう。
このメルマガの読者になってもらうことで個人情報を獲得することができます。購読には、メールアドレスのほかに氏名や企業名なども登録するように促すことで個人情報を獲得することができます。
おわりに
自社サイトを訪問したユーザーのうち個人情報を取得できるのは、わずか0.5〜1.5%とされ、残りの98%以上は「アンノウンユーザー」といわれています。
せっかく自社サイトに訪問してくれたユーザーを見込み顧客にするためにも、今後は積極的にアンノウンマーケティングに取り組んで行くことが求められます。
一方でアンノウンマーケティングの前提として、自社サイトに訪問するユーザー数が十分に多くなければなりません。サイト来訪者が少ない内は、アンノウンマーケティングよりも顧客リストへのメルマガ配信等の施策の方が効果的な場合もあります。自社の状況を踏まえて今必要な施策を実施するようにしましょう。