メールマーケティングの成果を高めるうえで欠かせないのが「メール配信システム」の導入です。しかし、国内外には数多くのメール配信システムが存在し、「どれを選べばいいのか分からない」「自社に合った機能がわからない」と悩む企業担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、配信目的や社内リソースに応じた最適な選び方を解説します。また、メール配信システムとMAツールの機能や特徴の違いなどそれぞれのツールの理解を深め、自社に最適なツールの見直しや乗り換えにも役立つ内容となっています。
また、「MAツールの導入検討を進めている」という方向けに、各社のツールを比較した「2025年最新版 MAツール比較表」をプレゼント中です！この機会にぜひ、ご覧ください！
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- ▼この記事でわかること
-
- メール配信システムの基本機能と、MAツールとの違い
- 配信目的別に分類した、メール配信システムのタイプと特徴
- 自社に合ったメール配信ツールを選ぶための比較ポイント
- 2025年版おすすめメール配信ツールの最新比較
Contents
メール配信システムとは？
メール配信システムとは、その名の通りメール配信に特化しているツールです。ステップメールの作成やセグメント別の送信設定のほかに、開封率やリンクのクリック率の測定といったメールマーケティングだけにフォーカスして作られています。
BtoBマーケティングにおいては、見込み顧客の育成や顧客との関係構築、セミナー案内など、継続的なコミュニケーションが不可欠です。こうした目的を実現するうえで、メール配信ツールは重要な役割を果たします。
MAツールとの違いとは？メール配信システムとの比較
メール配信システムと混同されやすいツールとして、MAツール（マーケティングオートメーション）があります。両者には共通する機能もありますが、目的・機能・活用範囲の広さにおいて明確な違いがあります。
ここでは、BtoB企業がツールを選定する際に押さえておきたい、メール配信ツールとMAツールの違いを詳しく解説します。
MAツールとは
MAツールは基本的に、メール配信システムの機能が全て含まれています。ほかに、メルマガを開封した見込み顧客情報や、メール開封後ランディングページ（LP）へのアクセス、自社サイトの滞在時間やアクセス回数などの行動履歴を自動で一元管理でき、メール配信できるだけでなく包括的にマーケティングの材料を集められます。
MAツールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
機能面の違い
| 項目 | メール配信システム | MAツール |
|---|---|---|
| 配信機能 | メルマガ・ステップメールなどに特化 | メール配信システムと同様の配信が可能 |
| セグメント配信 | 基本的な絞り込みが可能 | メール配信システムに比べより詳細条件での絞り込みやスコア連動も可能 |
| 顧客情報管理 | アドレスベース | 顧客行動や属性を含めた一元管理 |
| 分析・レポート | 配信結果中心 | 行動分析・スコアリング・LTV管理など高度な分析が可能 |
| 外部連携 | 限定的 | SFA・CRMなどと連携可能 |
活用目的の違い
メール配信システムは、「情報を届ける」ことが主な目的です。一方、MAツールはメール配信に加えて「見込み顧客の育成（リードナーチャリング）」や「スコアリングによる営業部門との連携」といった、一連のマーケティングプロセス全体を自動化・最適化することが目的です。
| メール配信システム | セミナー開催案内、製品リリース通知、既存顧客への定期配信 |
|---|---|
| MAツール | スコアリングによってホットリードを営業へ引き渡す |
費用と導入ハードルの違い
MAツールは多機能である反面、初期費用・月額費用ともに高めに設定されていることが多く、操作も複雑になりがちです。また、顧客データやコンテンツ設計の戦略性が求められるため、社内に一定の運用リソースが必要になります。
一方、メール配信ツールは機能がシンプルな分、導入しやすく、初期フェーズから成果を出しやすいというメリットがあります。
メール配信システム導入のメリット
ここでは、企業がメール配信システムを導入することで得られる主なメリットを3つ解説します。
1.業務の自動化による生産性向上
メール配信システムを使うことで、手動での送信作業やリスト管理の手間を大幅に削減できます。たとえば、セグメント配信や、あらかじめ設定したシナリオに沿ったステップメールを自動送信する機能を活用すれば、人的リソースを最小限に抑えながら継続的なコミュニケーションが可能となります。
2.配信の効果測定
メール配信システムには、開封率・クリック率・コンバージョン率などの効果測定機能が搭載されています。これにより、配信内容やタイミングごとの成果を数値で把握でき、仮説検証から改善といった効果測定が可能です。
3.アプローチの最適化
業種・職種・Webサイト閲覧履歴などのデータをもとに、ターゲットを細かくセグメント化し、それぞれに最適なメールを送ることができます。適切なターゲットに、適切なタイミングで、適切なメッセージを届けることで、メールマーケティングの成果を最大化できます。
メール配信システムの主な機能
ここでは、メール配信システムの代表的な機能を具体的に紹介します。
テキストメール
テキストメールは、シンプルな構成で受信環境による表示の崩れも起きにくいため、多くの読者に安定して情報を届けるのに適しています。
とくに技術系の顧客や情報収集に慣れた層に対しては、見た目より中身を重視した訴求が効果的であることも多く、テキストメールの活用が有効です。
HTMLメール
HTMLメールは、画像・色・ボタンなどを用いてデザイン性の高いコンテンツを配信できる形式です。訴求力が高く、製品紹介やイベント告知など視覚情報が重要な場合に有効です。
最近のツールではテンプレートやエディタ機能が充実しており、HTMLの知識がなくても直感的に作成可能なケースも増えています。
ステップメール
特定のアクションを起点に、あらかじめ設定したスケジュールで複数のメールを段階的に配信する機能がステップメールです。資料請求後のサンクスメール、数日後の追加情報提供、翌週の事例紹介など、リードを継続的にナーチャリングする仕組みとして有効です。
マルチパート配信
マルチパート配信は、1通のメールに「テキスト形式」と「HTML形式」の両方を含めて送信する方式です。
受信者のメール環境に応じて自動的に表示形式が切り替わるため、すべての受信者に読みやすい状態で情報を届けることができます。
開封率の測定
配信後のメールがどれだけ開封されたかを測定できる機能です。これにより、「件名」や「配信時間」などがどの程度影響したのかを分析することができ、次回以降の改善材料となります。
クリック率の測定
メール内のURLやCTAをどれだけクリックされたかを追跡する機能です。開封はされたものの「どこまで読まれたか」「どのコンテンツに反応があったか」がわかるため、ユーザーの関心を具体的に把握し、次の施策に活かすことが可能です。
メールアドレス管理
登録・解除、エラーアドレスの自動除外、セグメントごとのリスト分類など、メールアドレスの一元管理が可能です。
正確な配信リストを維持することで、配信エラーの削減や到達率の向上につながります。さらに、ツールによっては登録フォームの設置やCSVインポート機能もあり、リード管理を効率化できます。
メール配信システムの種類と特徴
メール配信システムは、搭載されている機能によってさまざまなタイプに分かれます。ここでは、企業の目的に応じて選ぶべき3つの代表的なタイプを、それぞれの特徴とともに紹介します。
メールが届くことを最優先した高到達型
「せっかくメールを作っても、相手に届かなければ意味がない」こうした課題を解決するのが、高い到達率と大量配信性能に特化したメール配信システムです。このタイプは、独自IPアドレスの活用やホワイトリストへの登録、送信ドメイン認証など、迷惑メールと判断されないための技術対策が充実しています。
また、何万通という単位のメールを短時間で確実に送信できる配信インフラを備えており、大規模なメルマガやセミナー告知、全社顧客への一斉配信を行うBtoB企業に最適です。
メルマガの反応率を上げる運用改善型
メールを「送る」だけでなく、「開かれ、読まれ、行動される」ことに重点を置く企業には、メルマガ運用を高度に改善できるタイプのメール配信システムがおすすめです。このタイプでは、開封率やクリック率といった配信結果の可視化に加え、ABテストやヒートマップ解析といった分析機能が豊富に搭載されています。
さらに、セグメント配信やシナリオ設計にも対応しており、顧客属性や行動履歴に応じたきめ細かな配信が可能です。BtoBではリードナーチャリングの観点から「誰に、どのタイミングで、何を送るか」が成果を大きく左右するため、こうした運用改善機能を備えたシステムは、反応率の底上げに非常に効果的です。
はじめやすく続けやすいコスト重視型
「メールマーケティングを始めてみたいが、コストやリソースに不安がある」そんな企業に向いているのが、高機能ながらもリーズナブルに運用できるコスト重視型のメール配信システムです。
このタイプは、HTMLメールの作成支援や簡易的な効果測定など、基本的な機能を網羅しながらも、料金は控えめに設定されている点が特徴です。
また、ドラッグ＆ドロップで直感的に操作できるUIや、日本語対応のサポートが充実しているケースも多く、マーケティング専任者がいない企業でもスムーズに活用できます。
自社に合ったメール配信システムを選ぶには？導入前の整理ポイント
多機能・低価格なメール配信ツールが増えている一方で、「思ったように活用できなかった」という声も少なくありません。自社に最適なツールを選ぶには、導入前にいくつかの視点で社内状況を整理しておくことが重要です。
1.自社のマーケティング課題を明確にする
まずは、「メール配信で何を解決したいのか」という課題の明確化です。たとえば、「メルマガをもっと効率的に配信したい」「見込み顧客の興味関心を深掘りしたい」「商談化率を高めたい」といった目的が挙げられます。これらの課題によって、必要となる機能やツールの種類は大きく異なります。
たとえば、定期的な情報提供が主な目的であれば、メールの配信効率や到達率を重視したシンプルなツールで十分です。一方で、リードの育成や商談創出を目指す場合は、配信後の反応追跡やスコアリング機能が必要となるため、MAに近い高度なツールが求められることもあります。
2.運用リソースと体制を把握する
ツールの運用には、ある程度の人的リソースが必要です。マーケティング専任者がいるのか、営業が兼任しているのかによって、導入すべきツールも変わってきます。
たとえば、操作が複雑なツールは高機能でも活用されずに終わってしまう可能性があります。そのため、現場で実際に運用する担当者のスキルや稼働状況を事前に把握し、それに合った操作性・サポート体制を備えたツールを選ぶことが大切です。
3.将来的なステップアップを見据える
メール配信ツールは、あくまでマーケティングの入口にすぎません。将来的にMAツールやSFAとの連携を検討している場合は、拡張性のあるツールを選んでおくことで、段階的な進化が可能になります。
たとえば、現在は配信のみで十分でも、将来的にリードナーチャリングやスコアリング、Web行動解析などを行いたくなった場合に備え、API連携がしやすい構造や、上位ツールへの移行がスムーズな設計かどうかも確認しておくと安心です。
4. ユーザー視点で「使いやすさ」を検証する
機能面に注目しがちですが、実際に重要なのは「現場が使い続けられるかどうか」です。操作性がわかりにくい、レポート画面が複雑といった理由で、ツールが形骸化するケースは少なくありません。無料トライアルやデモを通じて、操作のしやすさ、画面の見やすさ、UIの日本語対応状況などを実際に確認することが大切です。
メール配信システムおすすめ5選
ここでは、2025年時点でBtoB企業におすすめできる代表的なメール配信システムを5つ紹介します。目的に応じて、自社に最適な一つを見つける参考にしてください。
1.配配メール（株式会社ラクス）
導入実績豊富な、到達率重視型の定番ツール
配配メールは、高いメール到達率と手厚いサポートに定評があり、中小〜中堅BtoB企業で多く導入されているメール配信システムです。初心者にもわかりやすいUIと、きめ細やかな営業・導入支援体制が魅力で、「メールが届かない」「操作が不安」といった課題を抱える企業に最適です。
- 開封率・クリック率などの分析機能も充実
- ステップメールやセグメント配信も対応
- MA連携を見据えたスモールスタートにも
2.Cuenote FC（ユミルリンク株式会社）
大規模・高速配信に対応したハイスペック配信基盤
Cuenote FCは、数十万通規模の高速・高信頼配信に対応できる、企業向けの高機能メール配信システムです。メール到達率や配信パフォーマンスを最大化するための独自エンジンが搭載されており、会員制サイトやEC、大手BtoB企業の全社通知用途にも対応可能です。
- 毎時1,000万通の配信性能
- 組織階層別での配信管理が可能
- APIや外部システム連携の柔軟性
3.アララ メッセージ（アララ株式会社）
国産ならではの高到達率と、専門性の高いサポート体制が魅力
アララメッセージは、クラウド環境で提供されているため、自社でのサーバ管理・メンテナンスは不要。さらに、15年以上にわたるメール配信の運用実績に基づき、システム面のトラブル対応はもちろん、効果的なメール作成や配信のノウハウまでを丁寧にサポートしてくれます。
- 高到達率・高速配信が強み
- スマートな一斉通知やステータス確認に便利
4.WiLL Mail（株式会社サパナ）
直感的なHTMLメール作成機能が魅力の国産ツール
WiLL Mailは、デザイン性の高いHTMLメールを誰でも簡単に作成できる操作性が魅力の国産ツールです。ドラッグ＆ドロップ式のエディタで、外注やデザイナー不要でもプロのようなメルマガが作れます。分析レポートも視覚的に整理されており、配信後の改善を重ねたい企業にも最適です。
- ノーコードでHTMLメール作成が可能
- ABテストやヒートマップ分析機能も標準搭載
- テンプレートデザインが豊富で訴求力のある配信に強い
5.ブラストメール（株式会社ラクスライトクラウド）
低価格でシンプル、導入しやすいエントリーツール
ブラストメールは、月額4,000円から始められる手頃な価格とシンプルな操作性が特徴です。機能を絞っている分、画面も直感的で使いやすく、初めてメルマガ配信に取り組む中小企業に人気があります。BtoB領域でのスモールスタートや、サブ用途での導入にも向いています。
- 必要最低限の配信・分析機能を網羅
- UIがシンプルで、操作に迷わない
- テンプレートも豊富で初心者でも安心
メール配信システムとMAツールどちらを使うべき？ツール選定のポイント
ここからは、メール配信システムとMAツールのどちらを選ぶべきか企業の状況に合わせた選定ポイントをご紹介します。
メール配信システムを選ぶべき企業
- コストを掛けずに始めたい
- メールマーケティングに力を入れたい
メール配信システムは、メール配信に特化したツールであることから機能がシンプルな分、MAツールと比べ導入コストを抑えることができます。
また、機能が少ないことからマーケティング初心者にも扱いやすいこともメリットの一つです。社内にマーケティング専任者がおらず、これからマーケティングに取り組むという企業は、メール配信ツールの導入から始めるのが良いでしょう。
MAツールを選ぶべき企業
- 保有リード数が多い
- 運用体制が整っている
- コンテンツ作成などのリソースがある
MAツールは、メール配信システムと比べ多くの機能が掲載されています。たとえば、見込み顧客を属性ごとにセグメントし、特定の条件に当てはまるターゲットにのみメールを配信する機能は両ツール共に備わっています。
しかし、そのあとの行動を解析したり、検討度合いが高まったと判断することができるのはMAツールだけです。メールマーケティングのあとの施策を継続的に行いたい場合は、MAツールの導入がおすすめです。
このとき、導入目的が明確になっており、しっかりと運用できる体制やメールマーケティング以降のコンテンツ作成のリソースがあることも選定時の重要なポイントとなります。
メール配信システムと比べ多機能な分、より効率的かつ効果的なマーケティングを行うことができます。さらにMAツールでは、マーケティング施策を自動化できることから、工数の削減による業務の効率化も期待できるでしょう。
メール配信システムを利用中の企業がMAツールに移行するメリット
ここまで、メール配信システムとMAツールの違いについて解説してきました。どちらもメール配信ができるという点は共通していますが、最近ではメール配信システムからマーケティング活動を効率化できるMAツールに切り替える企業が増えています。
そこで、ここからはMAツールに移行するメリットをご紹介します。
顧客管理を一元化できる
バラバラに散らばった社内の顧客データを一元化することができます。MAツールを使うと、個人情報に加えて、Webサイトのどのページに何分間滞在したか、過去に問い合わせをしたかなどといった顧客行動が自動で記録されます。
また、MAツールはSFA（Sales Force Automation）などの営業支援ツールと連携可能です。SFAとの連携により、過去の商談履歴などといった情報も社内で共有することができるようになり、マーケティング活動がさらに円滑になります。営業担当者が変わってもスムーズに引き継ぎでき、新人のフォローも行いやすくなることでしょう。
顧客に合ったリードナーチャリングができる
リードナーチャリングは、見込み顧客に情報提供などを行い購買意欲を高めたり、ファンを醸成したりする活動のことで、メルマガ配信やステップメールもリードナーチャリングの一つです。
MAツールが収集した顧客行動により、メールを送るタイミングや送るべき顧客が自動で分かり、リードナーチャリングが効果的に行えるようになります。
リードクオリフィケーションで営業活動を効率化できる
リードクオリフィケーションは、見込み顧客の中から受注確度が高い顧客を抽出することです。MAツールを導入すると、顧客情報やWebサイトに訪れた回数や頻度・イベント参加の有無などがスコアリングされ、設定した基準値を上回った顧客が自動で選別されます。
営業は個人の力量で成果に大きな差が出たり、顧客の引継ぎもしにくい業務です。しかし、MAツールで見込み顧客リストを一括管理すれば、蓄積されたデータ分析によって今アプローチすべき顧客が分かり、担当者が交代しても引継ぎしやすくなり、個人の能力に関係なく効率のよい営業活動ができるのです。
初めてのMAツール移行なら「List Finder」がおすすめ！
MAツールの導入に対して、「大企業が利用するもの」「難しそう」などといったイメージを持ち、導入に慎重になる方は非常に多いです。
確かに、大手企業向けのMAツールは多機能かつ高額で、専門知識を持ったマーケターしか運用できないものもあるのですが、中には低予算で運用でき、シンプルな操作性のMAツールも存在します。
「List Finder」はBtoBにおいて必要最低限の機能を搭載したMAツールで、月額費用は4万円台から利用可能と、メール配信システムに費用をかけているのであれば十分検討できる価格帯です。他社との機能や価格比較表はこちらから確認してみてください。
まとめ
メール配信システムは、配信効率を高めるだけでなく、到達率や反応率を改善し、BtoBマーケティングの成果に直結する重要なツールです。導入目的や配信規模に応じて、自社に適したタイプを選ぶことが成功の鍵となります。機能比較や運用体制の見直しを通じて、自社にとって最適なツールを選び、マーケティング活動を次のフェーズへ進めましょう。
