BtoB企業がリードナーチャリングを始めるには?手法・導入プロセス・ポイント徹底解説

リードナーチャリング

BtoB企業がリードナーチャリングを始めるには?手法・導入プロセス・ポイント徹底解説

近年、見込み顧客の購買行動の変化によって、BtoB企業の営業・マーケティング活動では「リードナーチャリング」が注目されています。

リードナーチャリングが上手くできれば、これまで獲得したリードを有効活用できます。ここでは、リードナーチャリングが注目されている背景とその手法、導入プロセスについて解説します。

マーケティングオートメーションツール
List Finder資料ダウンロード
弊社のマーケティングオートメーションツール「List Finder」は、購買意欲が高い見込み顧客を発見し、アプローチを継続して商談につなげる機能を搭載しております。この資料ではプランごとの機能や価格、サポート体制などをまとめています。「【最新版】MAツール比較表」つき!

資料ダウンロード


リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは、過去に獲得した見込み顧客を、自社サービスや製品を購入する「顧客」へと育成する活動のことを指します。

これまで獲得したリードのうち、営業担当者が直接フォローしないような潜在顧客に対して、有益な情報を継続的に提供することによって検討度合いを高めていきます。

例えば、下記のような施策は全てリードナーチャリングに該当します。

  • 定期的なメールや広告の配信
  • 電話による新製品案内
  • セミナーの開催

見込み顧客の興味や関心は複雑化しており、購入確度が低い見込み顧客全員を営業がフォローすることは工数的に不可能です。そのため、マーケティング部門などがリードナーチャリングによって、これらの見込み顧客をフォローする役割を担います。

リードナーチャリングを活用することで、ニーズが顕在化したタイミングから営業担当者がフォローを開始し、効率的な営業活動を行うことが可能です。

リードナーチャリングについて詳しくより知りたい方は、こちらの記事を御覧ください。
「リードナーチャリングとは?見込み顧客育成の基本的な戦略と手法」

BtoBマーケティングでリードナーチャリングが重要な理由

BtoBでマーケティングを成功させるためには、認知度を上げ、長期間・複数人への丁寧なフォローをする必要があります。そこで重要なのが「リードナーチャリング」です。

BtoBはtoCと比べると、顧客となる企業が限られている、購買までの期間が長い、購入検討者が複数にわたるという特徴があります。toB向けの営業担当者は、少ない顧客(企業)の中にいる複数の購買検討者に対し、数か月~数年にわたり丁寧にアプローチし続けなくてはなりません。

さらに、インターネットが普及した現在では、営業担当に接触せずとも見込み顧客が自ら商品やサービスを調べられるようになりました。情報収集をする段階で認知されていなければ問い合わせに至らないのです。

見込み顧客に合わせた情報提供や広告表示を適切なタイミングで行うことが、BtoBのマーケティング活動につながるため、リードナーチャリングが重要なのです。

BtoB企業におけるリードナーチャリングの手法

リードナーチャリングの概念や背景が整理できたところで、具体的な手法について見ていきましょう。

メール

メールはリードナーチャリングの手法の中でも中心的な手法であり、特にBtoB業界では、今でもコミュニケーションにおいてメールが主流です。
メール一斉配信の機能を持ったツールがあれば、1対nのコミュニケーションも取れるため、メールでナーチャリング活動を行う企業も多いです。

例えば、メールの種類にはステップメールやターゲティングメールなどの種類があり、下記のような項目でナーチャリングを行っていきます。

  • メールマガジン
  • 製品案内やセミナー資料
  • 新しいコンテンツの配信

上記に加えて、自社サイトへの導線を設置し、クリック率や問い合わせ率などを計測し、改善を繰り返しながらナーチャリングを行っていきます。

セミナー

セミナーは、見込み顧客が抱える課題や興味・関心があると思われるテーマのうち、自社の商材と関連する内容でノウハウを提供することが目的です。

専門的な知識を持っていることをアピールできるだけでなく、セミナー参加者は自社で導入した際のイメージをつかみやすく、製品導入に向けて検討しやすくなるでしょう。

会場などを用意するコストは掛かるものの、以下のようなメリットが想定できます。

  • 参加者との密なコミュニケーションが取りやすく、見込み顧客のリストを取得しやすい
  • 企業のブランディング効果が見込める
  • アンケートなどで生の声を収集しやすい

最近は、会場費がかからないオンラインセミナー(ウェビナー)の開催も増えてきました。

インサイドセールス

インサイドセールスはメールや電話などによって行う内勤型の営業手法です。元々はアメリカで生まれた営業手法であり、フィールドセールスのように取引先を回ることはありません。

インサイドセールスではナーチャリングとして、定期的な架電によるヒアリングやフォロー、資料送付などを行います。
マーケティング担当が獲得したリードに対して、インサイドセールスか電話でヒアリングを行い、ニーズなどを整理した上で、適切なタイミングでフィールドセールスに引き渡すことで、分業化による営業活動の効率化を図ることができます。

そのため、インサイドセールスもナーチャリングにとって大切な手法の1つです。

テレアポと混同される場合もありますが、インサイドセールスの目的は、あくまでナーチャリングによって購買確度が上がった見込み顧客を、商談を行う営業部門へ引き継ぐことです。

インサイドセールスの場合も、顧客の購買プロセスを考慮し、事前にどのようにナーチャリングを行っていくのか検討する必要があります。

WEB接客

自社のWEBサイトを訪問した見込み顧客に対して、その顧客の興味・関心に応じたコンテンツを表示する、チャットを設置して訪問者とコミュニケーションをとるなどして、オンライン上で接客を行うことです。

商品やサービスに対して興味を抱いている見込み顧客に対して、アドバイスを行ったり、疑問の解消等に繋げたりして購買意欲を高めることが可能です。

BtoB企業における、リードナーチャリングの導入プロセス

リードナーチャリングを始めたい場合、いくつかの手順を踏むことでより効果を高められます。ここでは、リードナーチャリングを導入するプロセスについてみていきましょう。

1.蓄積された見込み顧客リストの整備

まずはこれまで獲得してきた見込み顧客を、過不足なく一つのリストにすることから始めましょう。

例えば、営業担当者が個人で作成していた連絡先リストや、セミナーやWebサイトなどを通して取得した見込み顧客リストなどは、データの形式が異なることが想定されます。

マーケティングオートメーション(MA)といったツールを運用する際も、誰がどのくらいの購入確度なのか把握しなければならないため、この作業は必須だといえるでしょう。

2.リード獲得から購買までのプロセスを整理

購買プロセスの整理は、見込み顧客に提供する情報のヒントになります。フレームワークのAIDMA(認知・興味・欲求・記憶・購入)に当てはめてみたり、営業の意見を聞いたりするなどして、顧客の購買プロセスを検討しましょう。

インターネットで情報を簡単に調べられる現代では、営業担当者が顧客に会う段階で既に顧客は半分以上検討が終わっている状態であるとのデータもあります。そういったことも考慮しながらプロセスを整理しましょう。

3.定期的な顧客フォローを行う仕組みづくり

マーケティングオートメーション(MA)ツールを使い、定期的にコミュニケーションを取れる仕組みを構築します。インサイドセールスもこの段階で運用します。

メール配信や顧客のIPアドレス解析などのシンプルな機能を使い、仕組み化することから始めると良いでしょう。

4.見込み顧客のプロセス管理

一人ひとりの見込み顧客が、現在どのようなステータスなのかを可視化します。マーケティングオートメーション(MA)ツールでは、スコアリングによって見込み顧客を分類することが可能です。

セミナーAに参加、Bの資料を閲覧など、その見込み顧客のステータスがわかれば、次にどのようなアクションを取ればよいかを決める材料になります。

5.有望な見込み顧客を特定

これまでの過程を通じて特に有望な見込み顧客を見つけることができれば、営業担当に引き渡しましょう。

例えば、下記のような見込み顧客の動向はマーケティングオートメーション(MA)ツールによる分析でも購入確度が高いと判断できます。

  • 自社製品の機能や価格、導入事例のページを念入りに見ている
  • お問い合わせフォームまでたどりついている
  • 何回もWebページへのアクセスがある

6.営業部によるクロージング

マーケティングやインサイドセールス担当から情報共有を受けた営業担当が、実際の商談に臨みます。

このとき、もし想定していた検討度合いになっていなかった場合は、有望な顧客を特定するタイミングが間違っていたり、フォローの内容が顧客のニーズとずれている可能性があります。

リードナーチャリングはMAツールによって自動的に運用する部分もあるものの、人の手で戦略を立てる必要があるため、定期的に改善を繰り返しながら運用していきましょう。

リードナーチャリングで意識すべきポイント

実際にリードナーチャリングを進めるうえで、意識しておきたいポイントを解説します。

営業部門との連携は密にする

リードナーチャリングはマーケティング部門が実施するものの、施策を実施する際の目標設定を行ううえで、営業部門との連携が必要です。特に重要となるのは、自社の営業部門の体制や方針を把握したうえで、営業部門が必要とする見込み顧客の情報を共有することです。

こうした連携を行うためにも、部門間で密なコミュニケーションを取れるような工夫が必要となります。

スコアリングの実施

見込み顧客の関心や購買意欲などを高めることが目的となるリードナーチャリングでは、関心度や購買意欲などの指標を数値に置き換えて可視化すると、その後の施策の自動化が行いやすいです。

例えば、「メール内URLクリックで+1点、資料請求で+2点、製品ページを週3回閲覧で+3点とし、4点以上になったらアポ取りのメールを送る」というシナリオを組むことができます。マーケティングオートメーション(MA)ツールを使うとこの作業が自動化できます。

スコアリングを効率化したい場合は、専門のツールが必要となるため、スコアリング機能が搭載されているMAツールの導入を検討しましょう。

見込み顧客に有益なコンテンツを用意する

リードナーチャリングでは見込み顧客が求めている有益なコンテンツが重要です。見込み顧客ごとのニーズに合った有益なコンテンツを継続して提供していくことで、自社と見込み顧客をつなげることができ、案件獲得などの成果にも結びつくでしょう。

リードナーチャリングで生産性向上を目指そう

リードナーチャリングは、BtoBの煩雑な営業活動の効率化につながる可能性を持っており、多くの企業がリードナーチャリングを行っています。

見込み顧客の興味・関心が複雑化し、正確なニーズを把握するだけでも非常に莫大なコストが発生します。そして、企業における一人ひとりの生産性向上が課題となっている今、リードナーチャリングで営業担当の生産性向上を検討しましょう。