HTMLメールは効果あり?作り方やメリットとデメリットを解説

メールマーケティング

HTMLメールは効果あり?作り方やメリットとデメリットを解説

BtoB向けメールマーケティングでも画像添付や凝ったデザインのHTMLメールを見かけるようになりました。HTMLメールは商品画像や図解を載せたり、クリックしやすいようCTAを入れることで、受信者に情報を届けやすくなります。

しかし、一方では、HTMLメールはスパムやフィッシングメールと間違われたり、届かなかったりすることもあるため避けるべきという意見もあります。

そこでこの記事では、HTMLメールのメリットやデメリット、テキストメールと比較してどちらがいいか、さらにBtoBのビジネスメールではHTMLメールを使っても問題ないかなどを詳しく解説していきます。

HTMLメールとは?

HTMLで本文を記述したメールを、「HTMLメール」と呼びます。HTMLを使うとフォントのサイズや色・太さなどを変えたり、画像・動画を挿入したり、クリッカブルなボタンにできたりと、自由なデザインでメール配信することができます。

テキストメールとの違い

文字(テキスト)のみで構成されたメールのことを「テキストメール」といいます。
HTMLメールとテキストメールの大きな違いは、デザイン性です。HTMLメールでは、画像や写真の挿入が可能で、受信者へ情報を伝えやすいメールとして主にメルマガなどに活用されます。

反対にテキストメールは、基本的には文字のみのメールなため容量が軽く、受信する端末によって表示が崩れるといった心配もありません。ビジネス上のやり取りは、テキストメールが使われることが多いでしょう。

HTMLメ―ルのメリットとデメリット

では、HTMLメールのメリットとデメリットを挙げていきます。

HTMLメールメリット

【1】視覚に訴えることができる

画像の挿入や文字加工によって見た目を整えたHTMLメールは読みやすく、テキスト形式のメールよりも商品やサービスを強く印象付けられます。
例えば、セミナーのお知らせなら登壇者の顔写真とともに作成したアイキャッチを表示して信頼感を演出したり、新商品のお知らせなら商品の画像とともに詳細な説明をしたりできます。

【2】自社ブランディングに活かせる

製品自体の機能や性能、価格、サポート体制などは顧客が商品を選ぶ際の重要な要素ですが、選ばれる要因はそれだけではありません。選ばれる商品は、自社ブランディングに成功しています。
自社ブランド確立のためには、HTMLを使った視覚的デザインを伴う情報発信が有効です。自社のロゴやコーポレートカラーなどをHTMLメールに入れることにより、ブランドイメージが読み手にインプットされ、自社の認知度の向上やブランディングに活かすことができます。

【3】パラメータを使って効果測定ができる

HTMLメールでは効果測定のパラメータを埋め込むことで、誰が開封したか、誰がリンクをクリックしたか、どの地域で開封されたか、開封した端末はスマホかPCかなどの情報を測定することができます。
メールマーケティングでは、これらのデータを参考に改善することにより、次回メルマガを配信するときに訴求力の高いメールを作成・配信できるのです。

メール配信の効果測定について、下記の記事も参考にご覧ください。

HTMLメールのデメリット

【1】広告として認識される可能性がある

HTMLメールは画像の挿入や文字のサイズなどにより、視覚的に訴求できる一方で、最初に目に入る情報が興味の無い情報の場合、そのメルマガ全体が単なる広告の一つとして認識される可能性があります。
「HTMLメール=見る必要のないダイレクトメール」と思われてしまわないように、受信者の興味を引くアイキャッチ画像や有益な情報などをファーストビューに配置して、続きを読んでもらえるようなメールを作る必要があります。

【2】迷惑メールに分類されてしまう場合も

かつてHTMLを使用した迷惑メールが社会問題化した影響で、HTMLメールを快く受け取ってくれない企業もあります。当時はインターネット環境が未発達のため、大容量のメールを受信するのは時間とコストが掛かるという声がありました。
技術の進歩や法改正などにより、現在このような問題はほぼ解決されていますが、HTMLメールに対するネガティブなイメージは完全には払しょくされていません。セキュリティで「HTMLメールは自動的に迷惑メールフォルダに分類する」という企業もあるようです。

【3】作成するためには専門的な知識が必要

HTMLメールの配信には、HTMLやCSSの専門的な知識が求められ、どんな環境で見てもレイアウトが崩れないように注意を払う必要があります。
PCやスマートフォンといったデバイスや、メールソフト、OS、ブラウザなどの受信環境によって表示され方が異なります。社内のPCで見た時には何の問題もなくても、受信者がタブレットで見たらレイアウトが崩れているかもしれません。
HTMLメールの作成時には、対応範囲の確認や、事前のテストを入念に行いましょう。

テキストメールのメリットとデメリット

テキストメールのメリットとデメリットをまとめました。

テキストメールのメリット

サイズが軽いので表示が早い

文字だけで構成されるテキストメールは、写真や画像つきのHTMLメールと比べ容量が軽いため送受信者共に負担がかからず、開封時の表示速度が早いことがメリットの一つです。
また、受信する端末によっては、HTMLメールに対応しておらず開封できない場合もありますが、テキストメールではそういった心配もありません。

HTMLの知識が無くても書ける

HTMLメールは自分でコードを書いたり、メール作成ツールを活用して作成する必要がありますが、テキストメールはそういった知識がなくても誰でも簡単に作成することができます。

テキストメールのデメリット

図解や写真付きで説明したいときに不便

写真や画像を使って視覚的に訴求することができるHTMLメールと比べると、テキストメールは文字だけで情報を伝えなければならないため、わかりづらかったり、うまく伝えられない場合もあるでしょう。そのため、テキストメールでは記号などを使って装飾するなど、視覚的な工夫が必要です。

効果測定がしにくい

メールの開封を測定するには、メール内にタグを埋め込む必要があり、タグを埋め込まないテキストメールでは、メールの開封率を測定することができません。

このようにHTMLメールにもテキストメールにもメリット・デメリットがあり、見込み顧客の受信環境や好みにもよるので、どちらがよいかは一概に言えません。A/Bテストをおこなうことでどちらの効果が高いかを確認することができます。

HTMLメールとテキストメールそれぞれ効果的な活用シーンとは?

HTMLメールとテキストメールには、それぞれ効果的な活用シーンがあります。それぞれ適している活用シーンを見ていきましょう。

HTMLメールの活用が効果的なシーン

・新商品の紹介などを目的としたメール

自社の新商品やサービスを紹介するメールを送信する場合には、画像や写真の挿入により視覚的に商品情報を伝えることのできるHTMLメールが効果的です。

・セミナーやイベントへの集客を目的としたメール

セミナーやイベントを開催する際の集客メールでもHTMLメールが効果的でしょう。セミナーのアイキャッチ画像や、当日の資料を添付することで関心度合いを高めることができます。

・メルマガ全般

定期的に配信するメルマガもHTMLメールが効果的であるといえます。メルマガでは、ファーストビューで受信者の興味を惹くことが重要となります。そのためにも、画像や、動画の挿入、レイアウトなどを工夫できるHTMLメールがおすすめです。また、HTMLメールでは開封率やクリック率といった効果測定が可能であり、その結果を分析改善することでメルマガの効果を向上させることにもつながります、

テキストメールの活用が効果的なシーン

1対1でのやり取りや担当者名義での発信などのビジネスシーンではテキストメールの活用が適しています。文字だけのテキストメールは、普段のメールのやり取りに近く、個人でのやり取りをしているという安心感があります。
また、ウイルス感染の防止なども考慮し、日ごろの連絡メールなどはテキストメールを活用しましょう。

HTMLメールを作成する3つの方法

次は、HTMLメールを作成する方法の概要を、初心者にも分かりやすく解説していきます。

方法1.自分でデザインを一から作成する

初心者には難易度が高く知識が必要ですが、最も自由度が高い作成方法です。作成の際は、下記の流れで進めていきます。

  1. 文章、画像等の素材を用意する
  2. 構成を考える
  3. HTMLで記述する
  4. Styleの設定で装飾する

また専門知識になりますが、どんな環境でもレイアウトが崩れないようにするために、下記の点に注意しましょう。

  • HTMLの記述はtable構造にする
  • style設定の記述はインラインにする

Webデザインの知識が無い人には難しいため、初心者にはこれから紹介するテンプレートやメール配信ツールを使った方法がおすすめです。

方法2.テンプレートを使って作成する

テンプレートからHTMLメールを作成すれば、デザインを考える必要がありません。無料で利用できるものもあります。作り方は好みのデザインを選び、手順に沿ってテキストや画像を挿入していくだけです。しかし、選べる色やフォントに制限があるなどデザインの幅が少なくなってしまうのがデメリットです。

方法3.HTMLメールエディターがついた「メール配信ツール」を使う

メール配信ツールのHTMLメール作成機能を使うのが、一番簡単な方法です。ドラッグ&ドロップなどで直感的かつ簡単に作成できます。さらに、一度設定すればテンプレートとして登録できるため、パターンを決めておきたい、企業ロゴはいつもこの位置に入れたいなど、繰り返しデザインを使いたいときに便利です。

プロがデザインしたテンプレートも使えますし、一から色やフォント・画像の配置などのデザインをすることもできます。

配信ツールを使ってHTMLメールを作れば、配信後の効果測定まで一連で行えます。メール配信もできるMAツール「List Finder」のHTML機能については、「特徴2.HTMLエディタ搭載で直感的なHTMLメール作成を実現」をご覧ください。

HTMLメール作成のポイント

HTMLメールを作成する際に意識しておきたいポイントについて見ていきましょう。

マルチパート配信を活用する

HTMLメールはキャリアメールやメールソフトの設定によっては正常に表示されないこともあります。そこで受信者の環境に合わせてHTMLメールとテキストメールの両方を送信できる「マルチパート配信」を活用しましょう。
マルチパート配信を行うことで、HTMLメールを受信できない人には、事前に設定していた「テキストメール」が自動で送信されます。

レスポンシブ対応を行う

レスポンシブとは、受信するデバイスごとに最適なレイアウトで表示するデザイン設計のことです。
HTMLメールは、受信する端末など閲覧環境によってレイアウトが崩れてしまうことがあります。そこで、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末サイズに応じて自動的に表示を最適化する「レスポンシブ対応」を行うことが重要です。

セキュリティ対策を万全にする

近年、HTMLメールの安全性は向上していますが、スパムメールやなりすましの標的となり悪用されることもあり、内容に関わらずHTMLメールは全てブロックしている企業も少なくありません。
そうしたリスクを避けるためにも、セキュリティツールの導入や、なりすまし対策など、万全なセキュリティ体制を整えましょう。

BtoBではHTMLメールは効果あり?それとも時代遅れ?

少し前まではセキュリティに対する懸念もあり、「BtoBでHTMLメールはNG」という風潮が強かったのですが、今ではBtoBでも積極的にHTMLメールが使われています。ここでは、その理由について説明していきましょう。

まず、BtoBではメール配信ツールを使ったメールマーケティングが盛んに行われています。配信ツールでは開封数・クリック数・開封時間などを計測し、これらのデータが見込み顧客の行動や興味に合わせたメールを配信する材料になります。データを計測するには、HTMLメールの中にパラメータを埋め込むのが一般的です。

HTMLメールを配信する目的は、見込み顧客に合わせたメールを配信する材料を集めるためでもあります。よって、BtoBでもHTMLを使ってメルマガ配信することが増えてきているのです。

配信ツールにはメール配信に特化した「メール配信システム」とメール配信を含めたマーケティングに特化した「マーケティングオートメーション」の2種類があります。
マーケティングオートメーションを使えば、メールを起点にWeb行動解析ができ、架電のタイミングや商談材料になります。自社サイトを見ているタイミングで電話がかかってきたら、自社商品に興味を持っているのであれば「少し話を聞いてみようかな」と思ってしまいます。

このようにBtoBマーケティングでは、見込み顧客に合わせた提案をしていきます。その材料となるHTMLメールは決して時代遅れではなく、むしろ最先端なのです。

知識が無い担当者でも!HTMLメールの作成に役立つメール配信ツール

HTMLメールはデザインが自在に変更でき、商品の画像や企業のロゴを入れることでブランディングにつながります。しかし、作成するための知識が必要ですし、担当者の手間もかかります。そこで、手軽にHTMLメールを作成できる配信ツールの導入も視野に入れてみましょう。

MAツール「List Finder」には、HTMLエディタが標準装備されていて、初めてメルマガを作成する人でも簡単にHTMLメールが作れます。
List Finderのメール機能については、こちらをご覧ください。