メールマーケティングのペルソナ設定方法とは

メールマーケティング

メールマーケティングのペルソナ設定方法とは

メールマーケティングでは「誰に」「何を」配信するかが重要で、受信者が「自分のために送信された文章だ」と感じるメールを配信しなければ意味がありません。そのためには、ターゲットの興味関心・課題に寄り添った内容を配信していく必要があります。まず「誰に送るか?」(ペルソナ)を設定するところから始めましょう。

この記事では、BtoBにおけるメールマーケティングのペルソナ設定方法について、例を交えながら解説していきます。

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ペルソナとは

ペルソナとは、「自社商品やサービスを購入する最も象徴的な顧客像」のことです。「東京都 情報通信業」だけでなく、「東京都、情報通信業、売上1億、社風、課題は〇〇」などといった具体的な顧客像を設定することで、マーケターや営業などが仕事をしやすくなります。

メールマーケティングにおいては、シナリオを作って段階的にコンテンツを配信する「ステップメール」や、顧客の購買行動をあらわした「カスタマージャーニーマップ」の作成にも役に立ちます。

メールマーケティングでペルソナはなぜ必要なのか

では、ここからはペルソナが重要な理由について説明していきます。

顧客の実態を把握するため

まず、ペルソナは顧客の実態を把握しなければ設定できません。のちほど説明していきますが、ペルソナの作成は情報収集から始まります。情報収集を通して、「こんな顧客がいるといいな」「顧客はこう考えているだろう」という漠然とした理想論を現実にしていくのです。ペルソナ作りは、現実の顧客を具体的に把握することでもあります。

見込み顧客が欲しいコンテンツを配信するため

具体的な顧客像を作ることで、見込み顧客が本当に欲しいコンテンツを配信できます。

例えば、「情報通信業向け」という設定だけより、「情報通信業向け、課題は見込み顧客情報の獲得、業界は〇〇の影響で伸び悩んでいる」のほうが具体的なコンテンツを考えやすくなります。
前者なら漠然と「情報通信業全体で使えるノウハウ」を配信するしかありませんが、後者なら「情報通信業が見込み顧客情報を獲得するための施策」、「〇〇の影響を乗り越えるには?」といった、よりターゲットがはっきりしているコンテンツを考えるでしょう。後者のほうが、受信者は自分が読むべきメールだと思うはずです。

このように、ペルソナを設定すれば、このように見込み顧客が今読みたいコンテンツを具体的に考えられます。

ペルソナ作成時のポイント

ペルソナを作成する前に、重要なポイントをいくつか紹介していきます。

BtoBマーケティングの対象者について理解する

BtoBでのペルソナ設計をする前に、BtoBマーケティングについておさらいしておきましょう。BtoBマーケティングには以下の特徴があります。

  • 複数人で検討、担当者と購入決定者が存在する
  • 検討期間が長期間(~数年)
  • 購入金額が高額

BtoCと決定的に違う点は、見込み顧客が企業か人かです。BtoBの見込み顧客は企業です。とはいえ、BtoBも人が決定するので、企業と人物に分けてペルソナを設計する必要があります。

ペルソナは理想像ではなく、顧客を代表的する要素を抽出する

ペルソナは自社の理想像ではなく、代表的な人物・企業像のことです。ペルソナにはターゲットを代表するセグメントを盛り込んでいきましょう。

そのためには、担当者の思い込みや「こうならいいな」を排除した、現実のデータを見ながら考えていく必要があります。アンケートや業界資料などがあれば、ぜひ参考にしましょう。

見込み顧客の課題を考える

BtoBビジネスは課題発生から情報収集をしていくことで始まります。自社製品・サービスを利用する顧客はどのような問題を抱えているか、またその課題に対して自社製品がどう貢献できるか、なども合わせて考えてみましょう。

メールマーケティングで使える!BtoBのペルソナ作成方法

ペルソナ作成方法について、おおまかに3つに分けて詳しく解説していきます。

1.見込み顧客の情報収集をする

まずは、見込み顧客に関する情報を収集していきましょう。業界ニュース、ホームページ、SNS、各省庁の白書などを読んでみてください。競合他社のターゲットや営業戦略を推察するのもペルソナ作成のヒントになるでしょう。

社内では、営業・マーケティング・開発・カスタマーセンターなど幅広い部署の社員から話を聞いてみてください。設計時に多くの意見を取り入れれば説得力がアップし、社内で共有するときも受け入れやすくなるでしょう。

ほかには、顧客アンケートや反応がよかったメルマガ・オウンドメディアなども立派な手掛かりです。

2.情報整理をし、共通しているところを探す

情報収集が終わったら、業種・企業規模・役職・課題などセグメントごとに整理していきましょう。
特に、共通しているところはペルソナ像として最適な要素です。ペルソナを設定するときに必ず盛り込んでいきます。

3.企業・人物別のペルソナを作ってみよう

情報収集・整理が終わったら、企業と人物に分けてペルソナを作っていきましょう。自社製品・サービスによって、必要な項目を追加してみてください。

企業ペルソナ

企業ペルソナに入れる情報例は以下の通りです。

企業名、業種、商材、売上規模、従業員数、業界の動向、業界での立ち位置、企業が抱えている課題……など

人物ペルソナ

人物ペルソナには以下の情報を入れてみましょう。

人物名、部署、役職、決裁者かどうか、担当業務、チームの人数、目標、自身やチームが抱える課題、経歴……など

BtoBのペルソナ設計例

上記の作成方法をもとに、架空の企業と人物を例としてペルソナを具体的に考えてみましょう。

企業編
企業名:
ABC株式会社
業種:
情報通信業
商材:
情報通信サービスの提供
売上規模:
売上高6,000万円
従業員数:
30人
業界の動向:
年5%で成長、今後も拡大する見込み
業界での立ち位置:
日本でのシェア5位
企業が抱えている課題:
業界自体は成長し続けているものの、大企業が参入してきた。知名度も規模も負けているため、自社の認知拡大と見込み顧客情報の獲得が急務。
人物編
人物名:
鈴木太郎
部署:
〇〇営業部
役職:
課長
決裁者かどうか:
決裁者
担当業務:
クロージング、マネージメント
チームの人数:
4人
目標:
自社商品を誰もが知っている商品にしたい
自身やチームが抱える課題:
自社商品に知名度が無く、見込み顧客の情報を獲得に悩んでいる。顧客情報は各担当がエクセルで管理しているため、把握が難しい。顧客情報管理ツールを導入したいが、上長に反対されている。
経歴など:
もともとは他社でABC株式会社の製品を使っていた。社風や理念に共感し、営業をやりたいと思ったので入社。自社製品に対する熱意は高い。

ペルソナを設計したら、シナリオやカスタマージャーニーマップの作成を

ペルソナの設計が終わったら、メール配信のタイミングやコンテンツといった「シナリオ」を考えたり、情報収集から商品の購入に至るまでのプロセスを描く「カスタマージャーニーマップ」を作ったりしていきましょう。

メールマーケティングの代表的な手法「ステップメール」では、見込み顧客が欲しいと思うタイミングでの配信・コンテンツを届けることが大事で、そのためにはシナリオの設計が不可欠です。

メールマーケティングのシナリオの作り方はこちらです。

カスタマージャーニーの作り方はこちらで解説しています。

メールマーケティングのペルソナを考えたら、ステップメールを配信してみよう

ペルソナやシナリオは考えただけでは意味がありません。ぜひステップメールを配信し、その効果や反響を分析してみましょう。

メールマーケティングは配信ツールを使うと、開封率やクリック率といった数値の分析ができます。メールのURLをクリックしてから見込み顧客がWeb上でどのような行動をしたか?まで追いたいときはマーケティングオートメーションがおすすめです。

「List Finder」のメール配信機能についてはこちらに詳しく載っています。