スパム扱いを避けて到達率UP!安心安全なメールマーケティング方法
メールマーケティングの効果を上げるために、メルマガ担当者は日々メール作成に趣向を凝らしていることでしょう。
しかし、配信したメールが「スパムフィルター」にひっかかり、迷惑メールとして扱われると、どんなに有益な情報を含めた内容でも読者に読まれません。件名やメール本文に過剰表現を用いていないか、配信する頻度が多すぎて自社のメールアドレスがスパム業者として登録されていないかなど、正常に受信されない原因を見つけましょう。
この記事では、配信したメールがスパム扱いされる要因と、スパムフィルターにひっかからない対策について紹介します。
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Contents
迷惑メール、スパムメール、スパムフィルターとは?
まず「迷惑メール」と「スパムメール」「スパムフィルター」とは何を指すのか、確認していきましょう。
- 【迷惑メール】の定義
- 受信側が希望していないのに、一方的に広告宣伝や意味不明な内容を送りつけるメールのこと。
- 【スパムメール】の定義
- 迷惑メールの一種、宣伝や広告を目的として大量に送られるメールのこと。
- 【スパムフィルター】の定義
- 迷惑メールと思われる内容のメールを、受信しないようブロックする機能。
「迷惑メールフィルター」と呼ぶ場合もある。
「迷惑メール」または「スパムメール」は、以下の2つに該当するメールのことを指します。
- プロバイダに迷惑メールだと判定され、そもそも受信者に届かないもの
- 受信者には届いたが、迷惑メールフォルダに入るもの
なぜ配信したメールが「迷惑メール」になるのか?
ユーザーにとって魅力的な内容のメールを配信しても、「迷惑メール」として扱われてしまうことがあります。まずは、迷惑メールと判断される原因を見ていきましょう。
スパムメールはどのように判定されるのか
ネット回線を提供するキャリアや、ユーザーとネットをつなぐプロバイダ、そしてメールサービスを提供する運営組織は、それぞれスパムメールをはじく「受信拒否機能」を備えています。
受信拒否機能がスパムメールを判断するポイントは以下の通りです。
- 1つのIPアドレスから、大量に配信をしている
- 宛先不明や無効のアドレスを多数含むリストで配信を行っている
- 配信メール内に、公序良俗の違反にかかる不適切な表現が含まれる
迷惑メールと聞くと、コンテンツ内容が受信拒否機能にひっかかっていると思われがちですが、コンテンツだけでなく配信環境が原因の場合もあります。
ここからは、更に詳しくスパムメールと判定されるための要因を一つひとつ見ていきましょう。
スパム判定要因1.メールの件名
読者が受信したメールを見る際、一番最初に確認するのがメールの件名です。配信する側は、メールを開封してもらうために、件名に過剰な表現や読者をあおる文言を使用することがあるかもしれません。
しかし、大げさな表現は、ISP(インターネット接続サービスを提供する業者)によっては迷惑メールの対象になりやすいのです。迷惑メールで頻繁に使用されているNGワードを件名に入れてしまうと、「不審なメールと類似している」としてはじかれることもあります。
また、件名を空欄のまま誤配信すると、スパムフィルターにひっかかる可能性が高いです。迷惑メール業者は、件名も本文も空のメールを配信して、配信先のアドレスが有効かを調べます。そのため、件名の無いメールは、迷惑メールに類似していると判断されてしまうのです。
スパム判定要因2.メール本文
件名と同様に、資料請求につなげたり、自社製品の購入を勧めたりするために過剰な表現や文言をコンテンツ内に多く使用していると、スパムメールとして判断されやすくなります。
また、本文欄を空のまま誤って配信するのもNGです。迷惑メールは、本文中に画像を多用する傾向があります。目安ですがコンテンツ内容の3割以上を画像が占めると、不審なメールに類似していると判断されるかもしれません。
コンテンツから自社サイトへ飛んでもらうために、見やすさを考慮して短縮したURLを貼り付けると、スパムフィルターにひっかかることもあります。迷惑メール業者は、本来のURLを隠すためにメール内に短縮したURLを貼り付けることがあるからです。
スパム判定要因3.メールサーバー・ドメイン・IPアドレス
メールサーバーとは「メールを送受信する仕組み」、ドメインやIPアドレスとは「サーバーを識別するために割り当てられたコード」のことです。ドメインとIPアドレスは、同一のメールサーバーに割り当てられるもので、ドメインはメールアドレス、IPアドレスはインターネット接続機器に付与されます。
スパム業者は第三者のメールサーバーを奪って、迷惑メールを大量に配信します。もし自社のサーバーが乗っ取られ、迷惑メールを大量に配信されてしまうと、メールサーバーのIPアドレスがスパムメールリストに載ってしまうのです。そして、世界中に「この企業は迷惑メール業者」として共有されます。
また、社内共有のサーバーでメルマガを大量配信していると、会社全体のメールアドレスがスパムメールリストの対象になってしまったり、プロバイダやメールサービス業者によって低い評価を受けているドメインを、送信元のアドレスに設定しているのも、迷惑メール業者と判断される要因になります。
正式なドメインであっても、SPFやDKIMなどの送信ドメイン認証技術の設定を行っていないと、「なりすましメール」と判断され、正常に届かない場合もあるのです。
スパム判定要因4.無効なアドレスが多い
ユーザーがメールアドレスを変更すると、配信したメールが正常に届かなくなります。配信リストの整理を怠り、リスト内に無効なメールアドレスが多く存在したままだと、不要なメールを大量に配信していると判断されるかもしれません。
迷惑メール業者は、リスト業者からの購入やハッキング、無作為に文字を組み合わせて作成するなど多様な方法で配信先のメールアドレスを入手します。そのため、配信リストには無効なアドレスが多く含まれることになり、メールがきちんと届かない「エラー配信」が多くなります。プロバイダはエラー配信の数が多い配信元を迷惑メール業者と判断するため、自社が迷惑メール業者だと判断されないように注意する必要があります。
スパム判定要因5.一度に配信するメール数が多すぎる
短時間に大量の配信をしていると、メールがスパム目的のものでなくても、迷惑メールと判断されます。スパムメールは、「ユーザーが求めていなくても大量に送られるメール」とプロバイダが認知しているためです。
さらに、前述した通り大量配信したメールの中に配信エラー数が多いと、迷惑メール業者と認識されやすくなります。
スパム判定要因6.オプトアウト方法が複雑
オプトアウトとは、メール読者が配信を解除する仕組みのことです。ユーザーがメール配信をやめてほしいと思ったとき、配信を解除するのに手間がかかると、迷惑メールに登録される可能性があります。なぜなら、使用しているデバイスの受信設定を変える方が、もう読まなくてよいメールを確実にはじけるからです。
同じようなユーザーが多数いると、「この配信先は多くのユーザーが拒否している」として、スパムフィルターが迷惑メールと判断しやすくなります。
スパム判定要因7.受信側の環境
近年、なりすましや悪質なサイトへ誘導するメールが頻発しているため、迷惑メールフィルターは強化されています。中でも携帯キャリアは、ユーザーがとくに振り分けなどしなくても、HTMLメールや特定のURL付きメール、アドレス帳以外のアドレスから送られてくるメールを、最初から受け取らない設定になっていることが多いようです。
受信アドレスのプロバイダは、ユーザーが過去に迷惑メールとして振り分けたメールや配信元のドメインを記憶します。配信したメールが、過去の迷惑メールと類似している、または迷惑メール業者とドメインが同じ場合、迷惑メールと判断されるのです。また、ユーザーが開封しないメールを「必要ないメール」と判断し、その後同じ配信元から届いたメールを、自動で迷惑メールに振り分けます。
迷惑メールと判断されないために取る対策とは?
配信したメールがスパムフィルターによって迷惑メールと判断されないためには、配信環境や設定、コンテンツの内容を見直す必要があります。迷惑メールに振り分けられないよう、配信前に行うべき対策を確認しましょう。
配信環境・設定
迷惑メールになってしまう原因で見落としがちなのが、配信環境や設定の部分です。該当していないか、以下のポイントを確認しましょう。
メールアドレスのリストを購入しない
読者を増やしたいからといって、メールアドレスを専門業者から購入するのはやめましょう。営業活動によって得られたメールアドレス、または配信希望の登録をしたアドレスだけに配信をします。
リストを購入し、多数の配信先情報を手に入れても、すでに使用されていない無効なメールアドレスが含まれているかもしれません。配信しても送れない状態が続くと、プロバイダからの評価が下がりやすくなり、迷惑メール業者と判断されるでしょう。
また、配信を希望していない相手にメール配信をしていると、特定電子メール法に抵触します。
配信リストは常にクリーンにしておく
ユーザーがサーバー上で受信拒否をしたり、配信登録時から新しいアドレスに変えて変更手続きをされていなかったりすると、配信側は知らない間にエラー配信を繰り返してしまうでしょう。
前述通り、無効なメールアドレスにも配信し続けていると、プロバイダから迷惑メ―ルを配信している業者として扱われます。こういった状況を防ぐため、配信がエラーになってしまうアドレスはないか、配信リストを定期的にチェックする必要があるのです。
送信者を識別しやすくするため、メール認証(SPF・DKIM)を設定
メールに表示される「送信元」は、希望のメールアドレスや名称の設定・変更が簡単にできます。そのため、迷惑メール業者が「なりすまし」をして、自社のドメインを知らない間に悪用することがあるのです。
ドメインを悪用されると、正常な内容のメールを配信しても、「このアドレスは怪しい業者がなりすまして配信している」とプロバイダに判断されやすくなります。これを防止するためには、送信ドメイン認証技術「SPF」と「DKIM」の設定を、メール配信の前に行いましょう。
「SPF」とは、ユーザーが受信する前に、公共のDNSサーバーにアクセスし、送信元のIPアドレスを確認することで、偽装されたドメインかどうか認証する技術です。
「DKIM」とは、電子署名を利用しメール本文を認証する技術で、通信途中のメール本文が、悪徳な第三者によって改ざんされていないかを検知します。
両方を設定してから配信すると、なりすましメールの判断を受けにくくなるのです。
メールマーケティングを運用するうえで必要なセキュリティ対策については、こちらもご覧ください。
配信頻度を調整する
頻繁な配信によって、ユーザーの興味をひくのも1つの手ですが、あまりに多いと、迷惑メール業者と判断されやすいため、配信頻度を見直しましょう。
迷惑メール業者は、無作為に大量なメール配信をします。そのためメールの配信頻度が多いと、プロバイダが悪徳な業者と判定するかもしれません。
また頻繁にメール配信することで、受け取るユーザーがしつこいと思い、迷惑メールフォルダに振り分けたり、メルマガ配信を解除されたりします。メルマガ配信を解除する読者が多いと感じたら、配信頻度を低くして一度様子を見ましょう。
オプトインを採用
読者のメルマガ配信承諾を経て配信されるのが「オプトイン」です。「特定電子メール法」の施行により、オプトインは法律で義務付けられています。
オプトイン及び「特定電子メール法」はメルマガ担当者なら必ず知らなくてはならない事項です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
オプトインだけでも問題ありませんが、読者自身が覚えていないこともあります。登録フォームからの申し込みだけでなく、仮登録後に配信したメールのURLにクリックして本登録をする「ダブルオプトイン」を採用すると読者にとってより安心感があるでしょう。
オプトアウト方法を分かりやすく提示
配信停止を申し込む「オプトアウト」方法は分かりやすく提示しましょう。やり方が分かりにくかったり、手順が面倒だったりすると、ユーザーはサイトから離脱します。
そして、メールが届かないよう迷惑メールフォルダへ振り分ける設定をするかもしれません。その方が、ユーザーにとっては手早くできるからです。
同じようなユーザーが多数出てくると、「この送信元からのメールは迷惑メールフォルダに振り分けられやすい」としてプロバイダが認識します。解除されるのを恐れ、オプトアウトを複雑にするのは避けましょう。
コンテンツ内容
配信環境や設定を見直しても迷惑メールと判断されてしまう場合は、コンテンツ内容に目を向けてみましょう。メール作成時に気を付けたいポイントを紹介します。
画像の多用と添付ファイルの使用は避ける
メール本文に画像を多用するのは控えましょう。迷惑メールの特徴の一つとして、テキストよりも画像の使用が多いという点があります。画像がコンテンツ内の大半を占めていると、迷惑メールと類似していると判断されやすいため、画像の挿入は必要最低限にしましょう。
また配信先の設定によっては、挿入した画像が上手く表示されない場合があります。画像が見れないと読者は離脱し、迷惑メールと思われるかもしれません。
近年、ISPによっては、添付ファイルも迷惑メールフィルターにひっかりやすいようです。添付ファイルを付けるとメールの容量が大きくなります。送受信に時間がかかりやすいため、迷惑メールでなくても受信者の容量を奪ってしまうのです。
導入例や実績データなどの資料を提示したい場合は、リンク先でダウンロードできるよう誘導しましょう。
受信者側の環境に合わせて、プレーンテキストとHTMLの両方を提供
受信するメーラー・ネット環境によっては、HTMLメールを上手く表示できない場合があります。メールの内容がよく分からないと判断したユーザーが、配信メールを迷惑メールに振り分ける可能性もあるため、テキストのみのメールも準備しておきましょう。
HTMLメールを配信したい場合は、テキスト配信も同時に行え、受信側の設定や環境に合わせて適切なメールを表示できる「マルチパート配信」を行うとスムーズです。
リダイレクト設定は正常か確認
メールマーケティングでは、別のページを経由して目的のページに飛んでもらうリダイレクト設定をして配信することもあります。リダイレクト設定をするとき、目的とは違うページに飛んでしまわないか確認しましょう。
リダイレクト設定が間違っていると、個人情報を抜き取るフィッシング詐欺のメールと間違われ、配信解除につながります。
怪しいページやアフィリエイト、フリーの短縮URLを貼らない
プロバイダ側でブラックリスト入りしたドメインを使った怪しいURLや、宣伝目的のアフィリエイトURLを貼ると、迷惑メールと判断されやすくなります。
また短縮URLにも注意です。短縮URLは無料で作成できることからメールによく用いられます。悪徳業者と同じツールを使用してれば、短縮URLは同じドメインとなるため、自社のメールが迷惑メールと判断されるかもしれません。
過剰な表現や装飾は使わずに、受信者のニーズに合った情報を提供
読者の興味をひきつけるために、タイトルや本文に過剰な表現を入れたり、飾り罫線を使用したりすると、迷惑メールとして扱われやすくなります。
魅力的なワードで読者をひきつけ、怪しいサイトへ誘導するのが迷惑メールです。過剰な表現を使うことで、不審なメールと類似していると思われる可能性があります。
記号を使って装飾をすると、コンテンツの見た目が華やかに見えます。しかし、飾り罫線は多くのスパムメールに見られる特徴でもあるため、過度な装飾は避けた方が無難でしょう。
過度な装飾より、具体的な例やトレンド情報を配信するなどして、ユーザーが求める情報を提供していくべきです。
では、受信者のニーズに合った情報とはなんでしょうか?メルマガで読者の求める情報を書く方法はこちらで詳しく解説しています。
信頼されるメール配信を実施するためのポイント
ここまでご紹介してきたように、迷惑メールと判定されないために注意すべき点が数多くあります。これらの点を踏まえつつ、実際にメール配信する前に実施・確認すべき点について確認しましょう。
ユーザーへ配信する前にテストを行う
すぐにユーザーへ配信するのではなく、テスト配信を行って、きちんと受信できるか確認しましょう。受け手の目線に立つことは、信頼を得るために必要な作業といえます。
安全で信頼のあるメール配信システムを導入する
メールマーケティングは手作業でも運営できますが、エラーで返ってきた未達メールを簡単に削除したり、配信リストの定期的なチェックをしたりするには、メール配信システムやMAツールがあると便利です。
メール配信システムやMAツールを使えば、「SPF/DKIM設定」によるなりすまし対策や、HTMLメールとテキストメールを使い分ける「マルチパート配信」が簡単に実施できます。
MAツール「List Finder」は、配信エラー確認や除外リスト作成、SPF/DKIM設定などの機能が充実し、メールマーケティング初心者でも使いやすいツールです。メール配信だけでなくURLをクリックした読者のWeb行動履歴の把握で、一歩リードしたマーケティング活動をサポートします。
メール配信機能の詳細についてはこちらをご覧ください。
安心かつ有意義なメールマーケティングを
メールマーケティングで成果を上げるためには、優良な情報を相手側へ安全に届けることが重要です。こちらから積極的にアピールをしても、過剰な表現をし続けるとメール配信を解除されるかもしれません。また、短期間に大量の配信をしたり、無効のアドレスにメールを送り続けたりすると、ブラックリストに載ってしまう可能性があります。
受信側が「なりすまし」と判断すると、メールは正常に届かないため、送信元のSPFとDKIMの設定はメール配信前に必ず行いましょう。配信リストの管理や配信速度の設定、なりすまし対策に必要な設定などは、自力でも行えますが、専用の配信ツールを活用したほうが手間が省けます。