BtoBのWeb集客で重要なコンテンツマーケティングのメリットと、コンテンツ作成方法
企業にとって、集客は大きな課題です。インターネットで情報を手軽に入手できる時代だからこそ、BtoBビジネスにおいてもWebを最大限活用して集客力を高めていく必要性が高まっています。
近年では、自社サイトでの記事コンテンツ公開により、見込み顧客との接点を増やすコンテンツマーケティングを導入する企業が増えてきました。
そこで今回は、Web集客において重要視されている、BtoBコンテンツマーケティングのメリットやコンテンツの作成方法などをご紹介します。
- ▼この記事で分かること
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- コンテンツマーケティングが重要な理由
- BtoB向けコンテンツの作成方法
- コンテンツマーケティングの施策例
- BtoBコンテンツマーケティングを成功させるポイント
なぜBtoBでコンテンツマーケティングが重要視されるのか?
一昔前までのBtoBビジネスでは、パンフレットやカタログをかばんに入れた営業部隊がビジネスの最前線に配置されていました。「まずは営業に話を聞いてみよう」というのが、顧客企業の購買プロセスの起点になっているためです。
しかし、インターネットの普及で企業の購買プロセスが激変しました。机上のパソコンに検索項目を入力するだけで、営業と商談する必要なく、製品やサービスのリサーチや他社比較などのプロセスを完了することが可能となったのです。
こうした変化に対応するために、注目を集めているのがコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングとは、読者から見て価値のあるコンテンツを作成・発信することで、見込み顧客のニーズを高めたり、購買へとつなげたりするマーケティング手法を指します。見込み顧客が製品やサービスをリサーチ・他社比較する段階から、自社の存在をアピールできる情報を発信・提供していくことは、非常に有効な手法です。
コンテンツマーケティングの実施は、見込み顧客とのコミュニケーション、信頼関係づくりにも繋がります。市場の変化が早まり、より信頼できるビジネスパートナーが求められている現代において、BtoBコンテンツマーケティングは企業間の信頼関係を構築する起点となっています。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングが、見込み顧客へのアピールや関係構築につながることは前述の通りです。有効な情報を発信するほど、「この分野については、この会社に聞けば何でも分かる」という存在感を持つことができ、見込み顧客の信頼獲得、認知度の向上が期待できます。
他のメリットとして、作成したコンテンツが資産として残り続ける点があります。
Web集客の方法の一つに広告出稿がありますが、これは出稿期間が終われば当然集客もできなくなります。対してコンテンツは、ずっとWeb上に残り続け、その情報を必要としている見込み顧客を集客しつづけてくれます。SEO対策をしっかり行うことで、より多くの見込み顧客を長期的に獲得していくことができるでしょう。
また、比較的低予算で始められるというメリットもあります。広告宣伝費に多くの予算がかけられない場合でも、情報がSNSでシェアされれば、その情報の拡散は爆発的に広がる可能性があります。Webコンテンツは、SNSなどネット上での情報拡散が行いやすい性質を持っているため、様々なデジタルメディアを有効に利用しましょう。
BtoB向けコンテンツの作成方法
コンテンツを作成する際は、下記の項目を参考にしてください。
【1】ペルソナ設定
コンテンツを作成する前に、「誰に、どんな状況で見てほしい情報なのか」を考慮した、ターゲットの設計を行う必要があります。そこで、重要になるのがペルソナ設定です。
コンテンツの発信対象となるペルソナは、自社の商品やサービスを導入する理想の顧客像です。企業の規模や業種といった企業像と、役職や職種などの担当者像をそれぞれ作成します。
このペルソナの設定がされていないと、コンテンツの内容が曖昧になってしまい、興味関心度合いを高めることが難しくなってしまいます。そのためペルソナ設計はコンテンツ設計の前段階で必ず行いましょう。
またBtoBの場合、導入までに複数の担当者が関わることが多いので、複数人のペルソナを作成する必要があります。
「BtoB向け ペルソナ設計サポートブック」
【2】カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーとは、前述で作成したペルソナがどういった検討フェーズを進むのか等、自社の商品・サービスの導入に至るまでをマップ化したものです。
このカスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の購買意欲や行動段階を場合分けし、どのようなコンテンツを用意すれば良いのかが明確化します。
カスタマージャーニーについて、下記の記事も参考にご覧ください。
【3】顧客に合わせたコンテンツを考える
掲載されるコンテンツが来訪者の必要とする情報であることが最も重要なポイントです。前述したカスタマージャーニーを元に、それぞれの検討フェーズにいる見込み顧客が求める情報は何か考え、作成するコンテンツを決めましょう。
また、そのコンテンツが来訪者にとってわかりやすい情報であることも重要です。ペルソナに即した言葉選び、表現方法を取り入れましょう。さらに視覚的にも理解が進むよう、動画やイラストなどを用いるのもおすすめです。
【4】KPI設計
コンテンツマーケティングの手法にはさまざまなチャネルがあり、その戦略が正しいかを判断するのは難しいものです。特にコンテンツマーケティングは、プル型のマーケティング手法であり、成果が出るまでに時間がかかるという側面があります。
そこで、現状行っている戦略が本当に正しいのかどうか、コンテンツは適切かといったことを検討する判断材料とするため、事前にKPIを設定する必要があります。
例えば、ブログであればアクセス数やCVR、メールであれば開封率やクリック数などをKPIとして設定し、コンテンツの質を高めていきましょう。
【5】集客施策を決める
コンテンツマーケティングは、ただコンテンツを作っただけでは意味がありません。自社の見込み顧客に訪れてもらってこそ、効果を発揮します。そのためには、どのように読者を集めるのかも決めておきましょう。
まず重要なのはSEO対策です。知りたい情報を能動的に検索している見込み顧客の獲得につながります。
また、メルマガやSNSも有効です。SNSは1度シェアされたコンテンツが、多くのユーザーに拡散される可能性を持っていますので、企業のFacebookページなど、積極的なSNS運用をおすすめします。
施策については、このあとの見出しでより詳しく解説します。
【6】分析と改善
コンテンツを配信した後は、定期的な情報更新もポイントです。商談成立の可能性が高いターゲットであるほど真剣に、より多くの情報を求めています。一度作って終わりではなく、重要な情報は定期的に更新し、企業としての信頼感をつかみましょう。
BtoB向けコンテンツの種類
ここでは、BtoBコンテンツマーケティングの施策例を詳しく見ていきましょう。
SEO
SEOは、特定のキーワードの検索結果(自然検索)で上位表示されることを目的に、 様々な対策を実施することを指します。最適化されたコンテンツをウェブ上に公開することで、これまで潜在的だった見込み顧客にアプローチすることや、自社の認知度の向上が期待できます。
またコンテンツSEOは記事の公開を継続することで、サイト上に蓄積されていきます。始めたばかりですぐに効果を感じることは難しくても、一度アップした記事は常に検索サイトに表示されるため、長期的かつ継続的な集客効果を見込めます。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、新規リードの獲得や認知拡大に有効な施策です。具体的には、市場分析や調査レポート、初心者用のノウハウ集、関連の用語集、導入事例などがあります。
自社のWebサイトやメルマガからダウンロードを促し、見込み顧客の情報を獲得します。
しかしリードの獲得としては有効な手段であるものの、ホワイトペーパーで獲得した見込み顧客の多くは、まだそれほど見込み度合いが高くないことも多いため、中長期的な育成が必要です。
メルマガ
メルマガは、自社にある顧客リストに対して、お得な情報などを配信するメールマーケティングの手法の一つです。
主にキャンペーン情報やセール情報、特典などを配信することで、顧客にメリットを感じてもらい、継続的なコミュニケーションを図ります。
コストをあまりかけずに認知の拡大から、見込み顧客の購買意欲の向上が見込める施策であり、効果的なコンテンツの一つです。
BtoBコンテンツマーケティングを成功させる3つのポイント
ここでは、BtoBのコンテンツマーケティングを成功に導く3つのポイントをご紹介します。
始めに全体設計をしてからコンテンツを作成する
コンテンツは「企業が発信したい情報」を無秩序に発信することは効果が薄く、「見込み顧客が欲しい」と思う情報を発信することが成果へとつながります。
コンテンツの作成手順でも解説したように、BtoBのコンテンツマーケティングを実施する際は、「ペルソナ」・「カスタマージャーニーマップ」・「目標設定」を踏まえた上で、コンテンツを選定し、作成に移ることが重要です。これらの項目が事前に定まっていることで、誰に・いつ・何を配信するのかが明確になり、より効果的なコンテンツを作成することができるでしょう。
事前に運営体制を整えておく
コンテンツマーケティングでは、コンテンツの配信により顧客を獲得することにつながっても、見込み度合いが低いことが多く、購入に至るまでに時間が必要という側面を持ちます。そのため、顧客管理には膨大なリソースも必要となるでしょう。
運営体制が整っていない場合、中長期的に見込み顧客を育成することが難しくなるため、コンテンツマーケティング実施の際には誰が何をやるのか、あらかじめ運用体制を整えておくことが重要となります。
またこれらのリソースは、マーケティングオートメーションなどのITツールを活用することで、作業を自動化し、コンテンツ管理に掛かる負荷を減らすことができます。
自社での作成が難しい場合は他社への委託も検討
実際にコンテンツを作成する場合、自社で作成するケースと他社へ委託するケースが考えられます。
自社で作成する場合、まずはリソースを確認する必要があります。作成コストの範囲内で人員が確保できるのか、そもそも作成可能な人材が自社に在籍しているかなど、検討段階で社内では難しいと判断される場合も少なくありません。
他社への委託は、記事の執筆代行を依頼する場合や、Webページ作成まで委託する場合などがあります。自社のリソースが不足している部分を補い、コンテンツを作成しましょう。
おわりに
コンテンツマーケティングはメリットをいくつも兼ね備えたマーケティング手法です。見込み顧客の欲する情報を的確に発信することで、見込み顧客の獲得を目指しましょう。
コンテンツを効果的に利用することで、良きビジネスパートナーの有力候補として存在感を持ち、BtoBの集客力だけでなく企業の知名度や信頼度も高めることも可能になります。