マーケティング活動が大幅に効率化できるマーケティングオートメーション(以下MA)。導入を検討しているものの、ツールの運用に不安を感じるマーケティング担当者も多いようです。この記事ではそんな不安を解消するため、MAを上手に運用するためのポイントを紹介いたします。
- ▼この記事で分かること
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- MA運用担当者の業務内容
- MA運用の課題
- MA運用を成功させるポイント
- MA運用サポートの活用
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Contents
MAツール(マーケティングオートメーション)とは?
まずは、MAの概要についておさらいしておきましょう。
マーケティング業務を管理・自動化できる
MAツール(マーケティングオートメーション)とは、見込み顧客情報の獲得から商談までのマーケティングプロセスの中で発生する業務を自動化することで、 マーケティング業務の効率化を図るツールです。
MAツールを活用すると、メール配信、Webサイトの行動追跡、スコアリング、リードナーチャリングなどのマーケティング業務を一元管理できます。これにより、マーケティング担当者は属人的な作業を減らし、効果的な施策を実施しやすくなります。また、BtoBにおいては、見込み顧客情報を獲得してから一人ひとりに対して中長期的にアプローチを行い、商談化するタイミングを待ちます。
しかし、営業担当者が自社にある顧客リストすべての見込み顧客に電話で状況伺いをし続けることは難しいため、アプローチができていない間に商談化のタイミングを逃してしまい、その結果競合商品の購入が決まってしまうということもありました。
MAツールの活用は、見込み顧客リストをツール上で管理しながら一斉メール配信で連絡を取り続けることができ、商談化の可能性が高まっている人を可視化することが可能になります。人力で行えば膨大な工数がかかるマーケティング・営業活動の工程を、その名の通り自動化・省力化することで、商談獲得数の増加に寄与できるのです。
中小企業での導入も増加
これまでMAツールは主に大企業で活用されていましたが、近年では中小企業での導入も増加しています。その背景には、「MAツール元年」と言われる2014年から年月が経ち、そのメリットが広く認知される様になったことや、シンプルな機能に特化したツールが提供されるようになったことが挙げられます。
中小企業では、限られた人員でマーケティング業務を担当するケースが多く、効率的な運用が求められます。MAツールを導入することで、少ないリソースでも効果的なリード獲得・育成が可能になり、売上向上につなげることができます。このように、導入ハードルの低下と業務効率化のメリットから、中小企業においてもMAツールの利用が広がっています。
AIの活用も始まっている
近年、MAツールにはAIの活用が進んでいます。AIを活用することで、リードスコアリングの精度向上、最適なコンテンツの自動推薦、問い合わせ対応のチャットボット運用などが可能になります。また、大量のデータを分析し、より効果的なマーケティング戦略を提案する機能も増えてきました。これにより、マーケティングの自動化がさらに進み、人的リソースをより戦略的な業務に集中させることができます。
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MAツールが普及した背景
MAツールの導入企業が増え始めたきっかけは、インターネットの普及と、それに伴ったBtoBの営業手法の変化でした。これは、日本国内での労働人口の減少に伴う人手不足や働き方改革の推進、営業のDX化が理由として挙げられ、このような背景からMA導入を検討する企業が増えているのです。
またコロナ禍や世界情勢の悪化などの影響もあり、企業経営は厳しさを増しています。長らくメスが入れられてこなかったBtoB営業のやり方そのものを見直そうという意識が高まっていることも普及した背景の1つといえます。
さらに以下のような理由もMAツールが普及している背景です。
顧客プロセスの変化
従来のマーケティングでは、企業側が一方的に広告を打ち出し、消費者に商品やサービスを認知させる手法が主流でした。しかし、インターネットの普及により、顧客は自ら情報を収集し、比較検討を行った上で購買を決定するようになりました。このように、企業が顧客と直接接点を持つ前に、すでに購買行動の多くが完了しているケースが増えています。
こうした変化に対応するためには、顧客一人ひとりの行動を把握し、適切なタイミングでアプローチすることが重要です。MAツールを活用すれば、Webサイトの訪問履歴やメールの開封状況を分析し、最適な情報を提供することが可能になります。これにより、見込み顧客を適切に育成し、成約率を向上させることができます。
One to Oneマーケティングの重要性
顧客のニーズが多様化する中で、画一的なマーケティング施策では成果を上げるのが難しくなっています。そこで、個々の顧客に最適な情報を提供する「One to Oneマーケティング」の重要性が高まっています。MAツールを活用すれば、顧客ごとの興味関心や行動履歴を基に、パーソナライズされたアプローチが可能になります。
たとえば、過去の閲覧履歴に応じたメール配信や、特定の条件を満たしたリードへの自動フォローアップが実施できます。これにより、顧客との関係を深め、購買意欲を高めることができます。
これからも拡大傾向にあるMA市場
MA市場は今後も拡大が予想されています。その理由として、デジタルマーケティングの重要性が高まり、企業規模を問わずMAツールの導入が進んでいることが挙げられます。また、AI技術の進化により、より高度な顧客分析や自動化が可能になり、マーケティング業務の効率化がさらに進んでいます。
さらに、BtoBだけでなくBtoC領域でもMAツールの活用が広がっています。ECサイトやサブスクリプションサービスでは、顧客の購買履歴や行動データを基にしたマーケティングが求められるため、MAツールが重要な役割を果たしています。このように、顧客プロセスの変化やOne to Oneマーケティングの重要性の高まりを背景に、MAツールは今後も多くの企業にとって不可欠なツールとなるでしょう。
MAを導入するメリット
ここからは、MAツールを導入するメリットについて見ていきましょう。
①マーケティング業務効率化
MAツールを導入することで、これまで人の手で行っていた作業を自動化することができます。たとえば、セミナー申し込みやメールの開封といった顧客行動に基づき自動でメールを配信するなどマーケティング施策を自動化することができます。このようなマーケティング業務の工数を削減することによって、業務の効率化を図ることにもつながるのです。
②部門間連携による横断的なマーケティング活動
SFAやCRMなどのシステムと連携が可能なMAツールであれば、これまで別々に管理されていたデータを一元管理することができます。マーケティング部門と営業部門で見込み顧客のデータを共有し管理することで、横断的な施策や分析が可能となります。これにより、これまでよりも効率的なマーケティング活動を行えるようになるでしょう。
➂精度の高い見込み顧客管理
MAツールでは、Webでの施策やメールなどを通じたコミュニケーションにより見込み度合いが高まったとされる見込み顧客を抽出することができます。これまではわからなかった見込み顧客の状況が可視化できるため、より効果的かつ効率的な商談や営業活動につなげることができるのです。
MA運用における課題とは?
ここまでMA運用を行うことで、得られるメリットは大きいことをお伝えしてきましたが、いくつか課題もあります。ここでは、MA運用における主な課題を紹介します。
①運用体制の確立が難しい
MAツールを導入しても、適切に運用するための人材や体制が整っていない企業が多く見られます。MA運用担当者が行う業務は多岐にわたります。こうした運用を行える担当者がいなくては、せっかく導入したMAを効果的に活用することは難しいでしょう。
そこで導入の際には、コンテンツの準備やシナリオ作成など、自動化できない工程においての作業を行うことのできる人材の確保なども考慮し、進めていく必要があります。特に、マーケティングと営業の連携が取れていない場合、せっかく獲得したリードを十分に活用できないことがあります。運用を軌道に乗せるためには、MAツールを活用できる人材の育成や、部門間の連携強化が必要です。
②適切なシナリオ設計が求められる
MAツールの効果を最大限に発揮するには、見込み顧客の行動に応じたシナリオを適切に設計することが重要です。しかし、シナリオの作成には顧客の購買プロセスやニーズを深く理解する必要があり、知識や経験が求められます。また、シナリオを一度設定して終わりではなく、定期的にデータを分析し、最適化を図ることも重要です。
➂運用が難しい
MAには多機能なツールも多く、使い方が理解できていないと多機能ゆえに運用がうまくいかなくなることも考えられます。運用に失敗しないためにも、導入の際には自社で活用したい機能をあらかじめ洗い出し、必要最低限の機能を備えたツールを選定するなど、まずはスモールスタートしてみることがいいでしょう。
④コンテンツの準備が必要
MAツールを活用するには、顧客の興味を引くコンテンツを用意する必要があります。たとえば、メールの配信だけでなく、ホワイトペーパーやセミナー資料、ブログ記事など、顧客の関心を引きつけるコンテンツが求められます。
しかし、十分なコンテンツがないと、効果的なナーチャリングができず、リードが育たないという課題が生じます。
⑤成果が出るまで時間がかかる
MAツールは即効性のある施策ではなく、中長期的な視点で運用する必要があります。見込み顧客の育成には時間がかかるため、短期間で成果を求めると「効果がない」と判断され、十分に活用されなくなるケースもあります。定期的な分析を行い、改善を重ねながら運用することが成功の鍵となります。
⑥コストがかかる
MAツールの導入、運用には月々かかるツールの使用料だけでなくさまざまなコストが発生します。たとえば、ツールによっては初期費用のかかるものもあります。またマーケティング担当者の人件費などもコストとなるでしょう。さらにMAは、導入してすぐに結果が出るものではないため、長期的な運用が必要ということも想定して導入検討することが大切です。
課題を乗り越えるためには
MAツールの運用を成功させるには、単にツールを導入するだけでなく、適切な運用体制を整え、継続的に改善を行うことが重要です。社内のマーケティング戦略とツール活用を連携させ、効果的なデータ管理やコンテンツ作成を進めることで、MAの成果を最大化できます。
MA導入から運用定着までの流れ
MAツールを効果的に活用するためには、導入から運用までのプロセスをしっかりと設計することが重要です。ここでは、MAの導入から運用までの流れを解説します。
1.目的と戦略の明確化
まず、MAツールを導入する目的を明確にします。たとえば、「リード獲得数を増やす」「商談化率を向上させる」「営業部門との連携を強化する」など、具体的な目標を設定します。
また、ターゲットとする顧客層や、どのようなマーケティング施策を実施するかを戦略的に整理することが重要です。
2.MAツールの選定
MAツールには多くの種類があり、機能や価格が異なります。自社の規模やマーケティング体制、目的に合ったツールを選定することが重要です。
たとえば、中小企業向けのシンプルなツールもあれば、大企業向けの高度な分析機能を備えたツールもあります。選定時には、以下の点を考慮するとよいでしょう。
- CRMやSFAとの連携が可能か
- 必要な機能が揃っているか(メール配信、スコアリング、シナリオ設計など)
- 運用のしやすさ
- サポート体制や導入支援の有無
3.シナリオ設計とコンテンツ作成
MAツールの効果を最大限に引き出すためには、顧客の行動に応じたシナリオ設計が必要です。たとえば、以下のようなシナリオを設計します。
- 資料請求後にフォローアップメールを自動送信
- メルマガの開封率やクリック率に応じて配信内容を変更
- スコアリングを活用して見込み度の高いリードを抽出
また、シナリオを活用するためには、コンテンツも必要になります。ホワイトペーパー、ブログ記事、メールコンテンツなどを事前に準備することで、スムーズな運用を可能にします。
4.運用と効果測定
設定が完了したら、実際に運用を開始します。配信したメールの開封率やクリック率、サイト訪問データなどを定期的に分析し、シナリオの改善を行います。
また、リードスコアリングを活用して、営業部門に適切なリードを引き渡す仕組みを整えることも重要です。定期的に以下のポイントを確認し、運用を最適化していくことが重要です。
- メール配信の効果(開封率・クリック率)
- リードの行動履歴とスコアの変化
- 商談化率や成約率の向上につながっているか
5.継続的な改善
MAツールの導入により、顧客のデータ管理やさまざまなマーケティング施策を自動化することができます。MAは導入時の設計にはそれなりの時間がかかりますが、その後のMAの運用は、地道にPDCAを回す作業がメインとなります。
PDCAはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)頭文字をとったものです。MAの運用でPDCAを回すということは、マーケティング施策の目標や計画を計画→実行→効果測定→改善→再び実行するという流れを繰り返すことです。
最初の計画通りに進まない場合は、どこに問題があるのか考え、一つひとつ課題をクリアしていく必要があります。運用が軌道に乗ってきたら、新しい施策に挑戦していくことも大切です。
MA運用担当者の業務内容
MAを運用するにあたって、運用担当者が行う業務についても確認しておきましょう。
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- コンテンツ作成
- リード管理
- データ分析
リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
リードジェネレーションは、見込み顧客情報を獲得するための活動のことです。主に展示会やセミナーでの名刺交換、自社サイトからの問い合わせや資料請求を促すことで、見込み顧客情報を取得します。これはMA運用者の初めの仕事ともいえるでしょう。
MAツールのフォーム作成機能を使うことで見込み顧客がアクションを起こしやすい導線を設計することや、Web広告や自社サイトのアクセス解析により、効率的に見込み顧客情報を獲得することができます。
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
リードジェネレーションにより獲得した見込み顧客の購買意欲を高めるためにリードナーチャリングを行います。
MAツールでは、開封率やクリック率を自動的に計測することが可能なため、メールの文章やタイトルなどを一人ひとりの顧客に合わせたメールを配信することで適切なアプローチができます。
コンテンツ作成
配信するメールのテキストや、LPに表示するコンテンツの作成も行います。リードナーチャリングの効果を高めるためにも、それぞれのニーズに合わせたコンテンツを作成することが重要です。
たとえば、商品を認知したばかりの顧客には商品情報、検討段階に入った顧客には他社との比較情報など、各フェーズに最適なコンテンツを検討します。
リード管理
MAツールでは、見込み顧客リストを一元管理することができます。獲得した方法や見込み顧客ごとの検討度合い、これまでのコミュニケーション履歴などをダブりなく管理することが可能で、購入確度にあわせたスコアリングや行動解析による分類分けなども行うことができます。
データ分析
MAツールでは、見込み顧客情報だけでなく行動履歴やこれまでの営業アプローチ履歴などさまざまなデータを収集し、蓄積していきます。
こうしたデータを分析し、課題の発見や改善につなげることも運用担当者の重要な業務の一つです。前述したように、これらのデータをもとにPDCAサイクルを回すことで効果的なマーケティング活動を行うことができるのです。
MA運用に求められるスキル
MAツールを効果的に活用し、成果を最大化するためには、以下の5つのスキルが求められます。
MAツールの操作
MAツールは、マーケティング業務を自動化し、リードの育成や商談化を支援するものですが、適切に運用するにはツールの操作スキルが必要です。具体的には、
- メール配信やLP作成の設定
- シナリオ設計とワークフローの構築
- リードスコアリングの設定・調整
- 各種レポートの確認・出力
といった機能を使いこなすスキルが求められます。また、CRMやSFAとのデータ連携を適切に設定することで、営業部門とのスムーズな連携も実現できます。
戦略設計
MAツールを導入するだけでは成果は出ません。顧客の購買プロセスを理解し、適切なマーケティング戦略を設計するスキルが求められます。
- リード獲得から商談化までのカスタマージャーニー設計
- リードナーチャリングのシナリオ作成
- One to Oneマーケティングの施策立案
- 営業部門との連携戦略
これらを設計し、MAツールの機能を活かした運用を行うことが重要です。
コンテンツ企画・制作
MAツールを活用するためには、ターゲットに適したコンテンツが不可欠です。顧客の興味・関心を引き、購買意欲を高めるために、以下のようなコンテンツを企画・制作するスキルが必要になります。
- メールマーケティングの文章作成
- ホワイトペーパーやeBookの企画・制作
- ウェビナーや動画コンテンツの作成
- LP(ランディングページ)の構成設計
効果的なコンテンツを適切なタイミングで提供することで、リードの育成をスムーズに進めることができます。
データマネジメント
MAツールでは、多くの顧客データや行動履歴を扱うため、データの管理・整理が重要になります。適切なデータマネジメントを行うことで、マーケティング施策の精度を高めることができます。具体的には、
- CRMやSFAと連携したデータ管理
- リード情報の分類・タグ付け
- スコアリングルールの設定・運用
- 顧客データのクレンジング(重複・誤記修正)
データが整理されていないと、適切な施策を実行できず、営業部門との連携もスムーズに進まないため、データ管理スキルは不可欠です。
データ分析
MAツールを活用するうえで、データを分析し、施策の改善につなげるスキルも求められます。具体的には、
- メールの開封率・クリック率の分析
- Webサイト訪問履歴の解析
- リードの行動データをもとにしたスコア調整
- コンバージョン率の向上施策の立案
PDCAを回しながら、施策の効果を検証し、改善を繰り返すことで、MAツールの運用効果を最大化できます。
MA運用を成功させる5つのポイント
続いて、具体的にMAを運用する上で意識すべき5つのポイントを紹介いたします。
1.自社のマーケティング業務の課題を洗い出す
まずは自社のマーケティング業務の課題を洗い出す作業から始めましょう。
- 「顧客管理が一元化できていない」
- 「休眠顧客の発掘ができていない」
など、企業によって解決したい課題があることでしょう。
課題の洗い出しは課題マップなどを作成し、問題点を可視化できるようにすると分かりやすくなります。また、各部門の意見や顧客からのアンケートなど、意見は幅広く取り入れることがポイントです。
2.フェーズごとのコンテンツを考える
見込み顧客がコンバージョンに至るまでの各フェーズに合ったコンテンツを作成しましょう。見込み顧客のニーズに合ったコンテンツを提供することで、商品購入への意欲を高めることができます。
たとえば、商品を認知したばかりの顧客には商品情報、検討の段階に入った顧客には他社との比較といったコンテンツが必要です。コンテンツ作りのポイントは「量ではなく質」です。顧客の立場に立ち、分かりやすいコンテンツ作りを心がけましょう。
3.顧客の購買プロセスを熟考したシナリオ設計
シナリオ設計は、手の抜けないプロセスです。いかに顧客の気持ちに寄り添ったシナリオ設計ができるかが、ポイントになります。顧客心理を把握するために欠かせない作業のひとつが、カスタマージャーニーです。まずは目的を明確にし、自分が設定したペルソナになりきってコンバージョンまでの道のりを辿ってみましょう。
それをもとに、ステップメールなどのメールマーケティングを実施する場合は、いつ、どんなタイミングでどのような内容のメールを送信し、どのコンテンツのURLを添付するかなどを考えます。
4.何度もPDCAを回す
MAの運用は何度もPDCAを回すことで、より成果を上げることにつながります。何度もPDCAを回す理由は、常にベストな状態を目指し続けなければ効果を最大化することができないからです。
見込み顧客が関心を持つポイントや世間の情勢は変わらないものではなく、常に変化していくものです。そのため、導入時に決めた方針のまま施策を回し続けていては、段々と成果は落ちていくでしょう。マーケティング施策を一つひとつ改善し、MAでの運用に落とし込んでいきましょう。
5.部門間の意識を一致させる
MAの運用には、マーケティング部門や営業部門など社内の複数のメンバーが関わっていくものです。その際に重要なのが、メンバー間の認識のすり合わせです。
「いつまでにこのくらいの成果を上げる」などの認識がずれていると、後から部門間の連携が上手くいかなくなるなどトラブルに繋がります。ここからは、部門間で合意しておくべき3つのポイントを紹介します。
- 1.目的と顧客像
- たとえば、コンテンツを作る人とシナリオを作る人の間で目的やペルソナが一致していないと、施策自体がぼんやりとしてしまいます。一方、チーム内での意識のすり合わせができていると、全員が同じ方向を見て施策を検討できるため成果が上がりやすくなります。
- 2.KPIの設定
- 各施策が成功しているかの判断も、人によって考え方が異なるものです。MAの運用をスムーズにするために、あらかじめ社内で指標となる数値(KPI)を設定しておきましょう。
特に忘れてはならないのが、営業部門との認識のすり合わせです。MA運用で売上の増加を目指す上で、営業部門に毎月どのくらいの有望リードを提供できるかなどを明確にし、共有しておくことが必要です。
- 3.スコアリング設計
- リードクオリフィケーションの自動化はMAの有用な機能の一つです。どの時点で有望な見込み顧客と判断するかを決めるスコアリング設計についても、マーケティング担当者と営業担当社の認識の一致が必要です。
MA運用で確認したい指標
MA運用では、施策がどれだけ成果を上げているかを測ることが重要です。以下のような指標をチェックすることで、運用の効果を評価できます。
リード獲得数
新規のリードがどれだけ獲得できたかを測る指標です。フォーム送信やダウンロード、イベント登録など、リードジェネレーション活動の効果を確認します。
メール開封率・クリック率
メールマーケティングの効果を測る基本的な指標です。開封率やクリック率が高いほど、送信したコンテンツがターゲットに響いていることがわかります。
Webサイトの訪問者数
Webサイトに訪れるユーザー数を測定し、MAツールでのキャンペーンやコンテンツ配信がどれだけサイトへのトラフィックを促進しているかを確認します。
商談化率
営業活動におけるリードが実際に商談に至った割合です。MAツールを使ってリードスコアリングやナーチャリング施策がどれだけ商談化に貢献したかを評価できます。
ROI
MAツールの導入によって得られた利益と投資したコストを比較し、ROIを算出します。ROIが高いほど、投資対効果が優れていることを示します。
これらの指標を追跡することで、MA運用の成果を可視化し、必要な改善策を見つけやすくなります。
MA活用事例
MAツールは、さまざまな業界や業種で活用されており、特にキャンペーン管理・Webマーケティング・データの構築や分析などの分野で大きな効果を発揮します。それぞれの具体的な活用事例を紹介します。
1.キャンペーン管理
- 事例:イベント参加者のフォローアップを自動化
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あるBtoB企業では、オフラインの展示会やウェビナーの後、参加者へのフォローアップが課題となっていました。MAツールを活用することで、以下の流れを自動化し、商談機会を増やすことに成功しました。
- イベント登録者に対し、自動でリマインドメールを送信
- 参加後のアンケート依頼メールを自動配信し、関心度の高いリードを抽出
- アンケート結果や行動データに基づき、資料提供・商談誘導メールを配信
結果として、フォローアップの抜け漏れがなくなり、リードの商談化率が向上しました。
2.Webマーケティング
- 事例:コンテンツマーケティングによるリード育成
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BtoCのECサイト運営会社が、サイト訪問者の行動履歴を活用してパーソナライズしたマーケティングを実施しました。MAツールを用いて、以下の施策を実行しました。
- 過去の閲覧履歴に基づいた商品レコメンドメールを自動配信
- カート放棄したユーザーに対し、購入を促すフォローメールを送信
- クーポン発行や限定セール情報をターゲット別に配信
その結果、メール開封率・クリック率の向上に加え、カート放棄からの購入率も改善しました。
3.データの構築・分析
- 事例:営業とマーケティングのデータ統合による効率化
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BtoB企業では、営業部門とマーケティング部門のデータが分断されており、リード管理の効率が悪いという課題がありました。MAツールとCRMを連携させ、データを一元管理した結果、以下のような成果が得られました。
- リード情報をスコアリングし、商談化しやすい見込み顧客を特定
- 営業がアプローチすべきタイミングを可視化し、効率的な営業活動を実現
- マーケティング施策の成果をデータで分析し、効果の高い施策に集中
これにより、営業の成約率が向上し、マーケティング投資の最適化が実現しました。
自社に合ったMA選定方法
MAツールを導入する際は、自社のビジネスモデルやマーケティングの目的に合ったものを選ぶことが重要です。適切なMAツールを選定するために、以下のポイントを押さえましょう。
目的と導入のゴールを明確にする
まず、自社がMAツールを導入する目的を整理します。目的によって適したツールが異なるため、以下のような視点で導入のゴールを明確にすることが重要です。
- リード獲得を強化
- リードナーチャリング効率化
- 営業部門と連携し、商談化率を向上
目的を明確にすることで、必要な機能を備えたツールを選びやすくなります。
予算とコストを確認する
MAツールには、無料で使えるものから高機能なツールまで、幅広い種類があります。導入後のランニングコストも考慮し、以下の点を確認しましょう。
- 初期費用や月額費用は適正か
- 運用にかかる人的コストも考慮されているか
- 必要な機能だけを備えたコストパフォーマンスの高いツールか
特に中小企業では、過剰な機能を持つ高額なツールを導入すると、使いこなせずにコストが無駄になるケースもあるため注意が必要です。
必要な機能を洗い出す
目的に応じて、必要な機能をリストアップします。代表的なMAツールの機能として、以下のようなものがあります。
- メールマーケティング機能(シナリオ設計・ステップメール)
- リードスコアリング機能(顧客の行動データを数値化)
- CRM連携機能(営業活動との統合管理)
- Webトラッキング機能(サイト訪問履歴の分析)
- キャンペーン管理機能(広告連携・SNSマーケティング)
すべての機能が必要なわけではないため、自社にとって「必須」「あれば便利」「不要」の3つに分類し、優先順位をつけると選定しやすくなります。
既存システムとの連携性を確認する
MAツールを最大限に活用するためには、既存のCRMやSFAとの連携が重要です。以下の点をチェックしましょう。
- 現在使用しているCRMと連携できるか
- Google Analyticsや広告プラットフォームとのデータ連携は可能か
- APIが公開されており、カスタマイズしやすいか
連携がスムーズでない場合、データの一元管理が難しくなり、かえって業務の手間が増えてしまう可能性があります。
操作性やサポート体制をチェックする
MAツールは、マーケティング担当者だけでなく、営業部門や経営層も利用する可能性があります。社内でスムーズに運用できるかどうか、以下のポイントを確認しましょう。
- UIが直感的で使いやすいか
- 日本語対応やヘルプ機能が充実しているか
- 導入時のサポートやトレーニングが受けられるか
- 困ったときにすぐに問い合わせできる窓口があるか
特にMA初心者が多い企業では、サポートが充実しているツールを選ぶことで、運用のハードルを下げることができます。
トライアルやデモを活用する
多くのMAツールは、無料トライアルやデモ版を提供しています。事前に試してみることで、実際の業務で使いやすいかどうかを判断できます。
- 基本的な操作を実際に試してみる
- 想定しているマーケティング施策が実行できるか確認する
- 社内の運用担当者に使いやすさをチェックしてもらう
トライアルを活用することで、導入後のミスマッチを防ぎ、スムーズに運用を開始できます。
MAツール選定については、以下の記事を参考にしてください。
初めてのMA導入には運用サポートを利用しよう
初めてMAを導入する場合は「トラブルが発生したら十分対応できるか」「効果的にMAを運用ができるか自信がない」などの不安を感じるのは当然です。
MAは提供会社によって導入後のサポート体制が大きく異なります。トラブルが発生したときにすぐに対応してくれたり、効果的な運用ができるように導入初期に無料でコンサルしてくれたりする提供会社がある一方、説明書の一部が英語だったり、十分なサポートがない提供会社もあります。
MA導入の際は、今回ご紹介した運用のポイントを意識する以外に、サポート体制が十分かも確認しましょう。「List Finder」は導入時から利用できる無料サポートのほか、運用開始後の活用勉強会等も全て無料で実施しています。ご興味がある場合は、以下のバナーから詳細な資料をチェックしてみてください。
まとめ:まずはスモールスタートでMA運用を
MAツールの運用は、まずはスモールスタートから始めることが重要です。最初から大規模な運用を目指すのではなく、少人数で運用し、成果を見ながら徐々にスケールアップする方法が効果的です。
まずは自社にとって最も重要な機能に絞り、ツールの操作や戦略設計を学びながら運用していきましょう。失敗を恐れず、少しずつ改善を加え、データを基にしたPDCAサイクルを回すことで、MA運用の効果を最大化できます。