日本でのBtoBマーケティングオートメーション市場の規模とシェア

マーケティング活動を効率化するため、マーケティングプロセスの一部を自動化・最適化するツールをマーケティングオートメーションツールと呼びます。アメリカと比較してマーケティングオートメーションの普及が遅れていた日本ですが、近年ではマーケティングオートメーションツールを導入する企業が増えています。

今回は富士キメラ総研による「クラウド型マーケティングオートメーション製品市場の将来展望2016」(2016年11月発表)をもとに、日本のBtoBにおけるマーケティングオートメーションの市場規模とシェアについてご紹介します。

調査対象および市場

今回の調査は、クラウド型のBtoB向けマーケティングオートメーションツールを対象として実施されました。

マーケティングオートメーションツールを利用する企業を、年商に応じて下記の3つに分類します。
 ・大規模(年商500億円以上)
 ・中規模(年商100億円以上500億円未満)
 ・小規模(100億円未満)

また、調査対象とする業種を、下記の4つに分類します。
 ・製造
 ・金融・保険
 ・情報通信
 ・卸・小売、運輸、サービス
 ・その他(第1次産業、建設、電気・ガス、教育・学習支援、官公庁、自治体)

マーケティングオートメーションの市場規模

2015年のBtoBマーケティングの市場において、従来の訪問営業を中心とする営業活動から、展示会やセミナーをきっかけとした顧客集客にシフトし、顧客情報管理の重要性が高まったことにより、マーケティングオートメーションツールの導入が進みました。

また、Webサイトを活用した集客の重要性が増し、そこからの案件化のためや、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)ツールを補ったりするために、マーケティングオートメーションツールを導入する企業が増えており、市場は順調に大きくなっています。

2015年から2020年は市場成長期にあたり、2015年の市場規模は2,170百万円(導入数では1,690社)でしたが、2020年には3.78倍の8,200百万円(4,600社)に成長すると予測されています。
マーケティングオートメーション市場規模

企業規模別

導入数では、中規模企業が2015年の500社(全体の29.6%)から2020年の1,420社(30.9%)へと2.84倍、小規模企業が540社(32.0%)から1,380社(30.0%)へと2.56倍に大きく拡大すると予測されています。
マーケティングオートメーションの企業規模別市場規模

利用金額では大規模企業が最も高く、2015年は1,370百万円(63.1%)、2020年は5,830百万円(71.1%)と4.26倍の伸びを示す事が見込まれます。

業種別

導入数、利用金額ともに、製造市場と情報通信市場が占める割合が高く、それぞれ全体の3~4割を占めます。
他業種の特筆すべき傾向として、金融・保険が2020年の導入数で2015年比4.6倍、卸・小売・運輸・サービスが2020年の利用金額で2015年比4.77倍と拡大する事が見込まれます。

マーケティングオートメーションの日本での市場について、下記記事も参考にご覧ください。
マーケティングオートメーション発展の歴史は?市場動向と今後の普及
日本で今マーケティングオートメーションが求められるわけ

ツールのベンダーシェア

国内での各ベンダーのシェアは、BtoBでトップシェアの、株式会社イノベーションが提供するリストファインダーと、国内ベンダー2社の製品(A、B)が市場全体の導入数シェアの多数を占めます。

2015年のシェアは、リストファインダーが29.6%(500社)、Aが17.2%(290社)、Bが11.8%(200社)でした。

企業規模別

企業規模別でみると、大規模市場ではAが33.8%(220社)とトップシェア、中規模、小規模市場ではリストファインダーがトップシェアとなっています。

リストファインダーは、シンプルで使いやすく、低価格である点が支持されており、マーケティングオートメーションに詳しい人材がいなくても運用することができます。小規模市場で導入数、利用金額ともに1位であり、2015年のシェアは導入数で55.6%(300社)、利用金額で37.9%(110百万円)です。中規模市場でも2015年の導入数は、26.0%(130社)となっています。

マーケティングオートメーションの企業規模別ツールシェア

業種別

製造市場における2015年のシェアはリストファインダーが最も高く、26.0%、(130社)、次いでAが20.0%(100社)、Bが10.0%(50社)と続きます。

金融市場では、導入数・利用金額ともにAがトップで、2015年の導入数シェアは40.0%(20社)、利用金額シェアは45.5%(50百万円)です。2位以降は外資系ベンダーが食い込んでいます。

情報通信市場では、2015年の導入数のシェアは、リストファインダーが1位で39.7%(250社)、Aが2位で20.6%(130社)、Bが3位で9.5%(60社)です。利用金額はAが1位で49.4%(420百万円)となっています。

卸・小売、運輸、サービス市場の導入数のシェアトップはリストファインダーとなり、シェアは22.7%(100社)です。

その他市場では、リストファインダーが導入数、利用金額ともにトップになり、2015年の導入数のシェアは28.6%(20社)、利用金額シェアは16.7%(他2社と同率、10百万円)です。

マーケティングオートメーションの業種別ツールシェア

おわりに

富士キメラ総研による「クラウド型マーケティングオートメーション製品市場の将来展望2016」(2016年11月発表)をもとに、日本におけるマーケティングオートメーションの市場規模とシェアについてご紹介しました。

顧客情報管理の重要性などから、マーケティングオートメーション導入の必要性が高まっているのは調査結果からも明らかです。最近では外資系ベンダー製品が市場への攻勢を強めていますが、高機能で価格が高いという特徴があります。高機能であるがゆえに、十分に使いこなせなかったり、導入コストに見合った効果を得られなかったりすることも少なくありません。

初めてマーケティングオートメーションツールを導入する場合は、自社と同業種・同規模の企業が導入しているツールを参考にして検討してみても良いかもしれません。

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