マーケティングオートメーション
(MA)の発祥と歴史
・日本で求められる理由

マーケティングオートメーションの発祥と歴史

マーケティングオートメーションの発祥は、1992年のUnicaという米国の会社だと言われています。(Unicaは2017年1月現在、IBM傘下)

その後本格的にマーケティングオートメーションが広まるきっかけを作ったのはEroquaで、1999年頃に登場します。この頃はインターネットも普及し始め、マーケティングオートメーションの普及を後押しします。2010年頃までは米国で新規参入のベンダーが増えます。MarketoやHubspotが登場したのもこの頃です。

その後、一部の企業は大手IT企業に買収され、SFAやCRMと統合されたツールに変化し現在に至ります。例えばEroquaはOracleに買収され、PardotはExactTargetに買収され、更にその後、ExactTargetがSalesforce.comに買収されました。
元々SFAやCRMと統合されて活用される事が多いマーケティングオートメーションが、大手ITベンダーによって統合ソリューションとして提供されるようになっています。

国内では2014年がマーケティングオートメーション元年と言われ、海外からの日本市場への参入、国内でのマーケティングオートメーションツールベンダーのサービスローンチが相次ぎました。2017年現在でも日本において市場拡大は続いており、今後も拡大すると予想されています。

アメリカと日本のマーケティングオートメーション

アメリカでは日本よりも「マーケティング」が発展していると言われています。これはいわゆるオンライン広告やSNSマーケティングのような手段としての「デジタルマーケティング」に限った話ではなく、「見込み顧客や、顧客のLTVを最大化するための継続的なコミュニケーションを体系的に行う仕組み」自体が日本よりも発展しているという事です。

これには以下のような理由があると言われています。

・日本では生産・営業(販売)が売上拡大のキーになる時代がアメリカよりも長く続いたので、「マーケティング」の重要性が比較的軽視されてきた

・アメリカでは、拠点が遠隔地同士にある場合が多いという地理的な制約上、面談を前提にした営業活動よりも、遠隔でのコミュニケーションを中心にした手法が発達しやすかった

上記のような背景と併せて、ITへの投資が盛んなアメリカという土壌での、デジタルマーケティングやアドテクへの投資によって、更にマーケティングオートメーションの普及や発展に拍車がかかり、加速度的にマーケティングの発展が起こっていると言えるでしょう。

いっぽう日本では、戦後からプラザ合意以前の為替差異や、戦後からの復興需要を背景に、主に製造業で、”生産”と”営業”が中心となった売上拡大・業績拡大ができる市場環境が生まれました。また、東京に本社機能が一極集中していることや、大都市間の地理的な移動がアメリカほど困難でないこともあり、営業活動では、対面式でお客様との人間的な関係づくりを重視するような文化が生まれたことも、営業が重視された背景です。

現在の日本では、このような時代に成功経験を積んだ方々がマネジメントを行い、企業を率いていることが多く、売上拡大のための営業施策としてマーケティング的な発想よりも、お客様への提案の質や関係づくりに営業マネジメントのフォーカスが当たりがちです。

上記のような背景があり、日本とアメリカのマーケティングへの取り組みは10年の差があるとも言われています。

日本で今マーケティングオートメーションが求められるわけ

日本においてのマーケティングオートメーションの取り組みは、アメリカと比較して立ち遅れているのが現状です。ただ、2014年はマーケティングオートメーション元年と言われ、マーケティングオートメーションはIT業界の中でも注目される領域になるほどの活況を呈しています。なぜ、立ち遅れていた日本においてのマーケティングが現在注目され、求められるようになっているのでしょうか。

背景1:顧客の購買プロセスのインターネット化

今や誰しも、企業として何かを購買する際にもインターネットで情報収集をしたり検索をしたりすると思います。こういった行動は当たり前であり、何かニーズを持ったときや課題を感じたときに、顧客は「営業マンに電話」ではなく「検索エンジンで検索」をするようになっています。

以前に比べて法人営業のアポイントが獲得しにくくなっているという話も耳にします。これは、顧客側がインターネットを通じて十分な情報を取得できる環境になっていることが大きな原因でしょう。以前は営業マンを呼んでカタログを持ってきてもらっていたのが、現在はインターネットでダウンロードするのが当たり前です。

更にこの流れは進むと言われており、特に安価な間接材は最終的な購買までオンラインで完結するようになりつつあります。インターネットで探せない製品・サービスは顧客からほぼ認知が得られない(=存在しない)状態になっているということを認識しなければなりません。

提供側もこの流れに合わせていく必要があります。Webに情報を掲載し、その中でコミュニケーションを行っていく必要が出てきたことが、マーケティングオートメーションというITツールに期待される側面として大きいため、マーケティングオートメーションに注目が集まっているというのが一つ目の背景です。

背景2:法人営業自体の生産性が下がっている

主にバブル崩壊の経済的打撃を一つのきっかけとして、日本のBtoB企業はそれまでの「売上拡大による業績拡大」から「コスト削減による利益確保」へと、経営の舵を大きく切っていきました。更に国内市場の縮小や生産拠点の海外移転によって、それまでの体制のままで生産性を上げ、売上拡大をしていくことはより困難になっていきます。

このような状況になると、購買する側は無駄なものを購入することを出来る限り避けようとするため、購買プロセスは必然的に厳しくなります。稟議のハンコの数が増えたり、相見積もりが徹底されたりと、購買部門によるコスト削減要求が強くなります。

また購買する側はインターネット上で様々な情報を収集できるので、自社の検討状況を提供側に明らかにする必要がなくなり、営業担当はお客様の購買可能性を推し量るのが非常に困難になります。

これらの背景によって、以前は決裁者に頻度高く面談して人間関係を構築し、現場のサインで発注書をその場でもらっていたような営業活動の生産性が著しく悪化することになります。提案書や見積書は正確に丁寧に作成し、値引き要求にも応え、購買部門の審査を経由したり、社印を捺印してもらったりしつつ、発注の可能性が不明な見込み顧客に以前よりも長く対峙していく必要があります。

このプロセスは多くの企業にとって、顧客と接しての個別交渉になる場面が多いため、営業自身が対応せざるを得ない状況になっているのがほとんどです。このプロセスに今まで以上の工数を割かざるを得ない営業は、新規顧客へのアプローチよりも受注に近いこのような活動を優先させることになり、その結果、営業全体の生産性が下がるとともに、新規顧客へのアプローチを行うことが時間的に困難になります。

そのため、新規顧客開拓を体系的・効率的に行うためのマーケティング活動としてマーケティングオートメーションが注目されているのです。

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