MAツールの導入でよくある失敗6つとその対策は?

マーケティングオートメーション

MAツールの導入でよくある失敗6つとその対策は?

マーケティングオートメーションツールを導入した企業から良く耳にするのが、「せっかく導入したマーケティングオートメーションツールの運用ができない」という声です。導入して運用した結果、成果がでないというなら未だ良いのですが、運用が回らないという声が多く、多額の費用をかけて導入したツールがこれではとてももったいないことになります。

ここでは、マーケティングオートメーションの導入でよくある失敗とその原因を整理した上で、「失敗しないためのマーケティングツール選定ポイント」をご紹介します。


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マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーションの導入でよくある失敗とその原因について解説する前に、まずはマーケティングオートメーションについてかんたんにおさらいしておきましょう。

マーケティングオートメーションとは、「新規商談獲得におけるマーケティング活動を自動化し、効率的な営業活動を支援する」こと、もしくはそれを実現するツールのことを指します。

新規商談を獲得する際には、自社の見込み顧客に対して継続的にコミュニケーションを取り続け、一人ひとり異なる興味・関心内容に即したコンテンツを提供し、ニーズが顕在化したタイミングを逃さずに営業アプローチすることが重要ですが、これら一連の業務を手動で行おうとすると、莫大な工数が生じてしまいます。

そこで、「見込み顧客に対する適切なコンテンツ提供」「ニーズが顕在化したタイミングのキャッチアップ」を自動化できるツールとして、マーケティングオートメーションツールが誕生したのです。

よくある失敗1:目的・目標が明確でない

意外とよくあるのが、「マーケティングオートメーションを導入すれば成果が出る」という思い込みから、導入すること自体が目的となってしまうことです。そうすると、導入しただけで満足してしまい、その後の運用や定量的な数値目標も立てられず、効果を確認して改善していくというPDCAサイクル自体が成り立ちません。

まずは、マーケティングオートメーションを導入する目的を整理し、導入後に目指すべき目標を定めるようにしましょう。目標の持ち方としては、例えば「営業にパスをするリード数を○%向上させる」などがよいです。

MA、メールマーケティングをする前に考えるべき目標やKPIはこちら
「メールマーケティングの目的とは?目標やKPIを決める前に考えよう」

よくある失敗2:保有リードが少ない

マーケティングオートメーションは、前段でご紹介した通り「新規商談獲得におけるマーケティング活動を自動化し、効率的な営業活動を支援する」ことを目的としています。そのため、メルマガ・メールマーケティングなどの施策を始めるタイミングで導入を検討されることも多いのではないでしょうか。

しかし、いざメールを配信しようとしても、「営業から名刺が回収できていない」「精査をしたら配信可能な企業がほとんどなかった」などさまざまな理由から配信できる母数が減ってしまい、結局数百件くらいしか送れなかった、ということはよく起こります。

一般的にメールの開封率は10%前後と言われていますので、数百件のメール配信ではメールの開封者は数十件となってしまい、アプローチできるリストが思ったように創出できない、ということになってしまいます。

そうならないためにも、ある程度のリード母数は必要です。もし、保有するリードが少ないという課題があるのであれば、まずは「営業から名刺を回収する」「過去の展示会やイベント、Web施策などで集めた個人情報をすべて集める」など、メール配信対象となるリード母数を増やすことから始めたほうがよいでしょう。

よくある失敗3:Webサイトのコンテンツが少ない

自社サイトのコンテンツがきちんと細分化されていること、定期的な更新があり充実していることはマーケティングオートメーションを利用する上で必要不可欠です。

サイトコンテンツが少ないと、せっかくリードの行動を可視化できても、その判断基準が少ないため、見込み顧客のニーズが顕在化しているかの判断も曖昧なものとなってしまいます。その結果、営業担当者にパスをしても優先度を上げてもらえず、結果的に放置されてしまうこともあるでしょう。そのため、本来見込んでいた成果が出にくくなってしまうのです。

見込み顧客を集めるため、また、リードの状況を適切に判断するためにも、Webサイトの情報は充実させて置くことが重要です。

よくある失敗4:機能が複雑・難解で使いこなせない

マーケティングオートメーションツールは、アメリカで開発されたものが最初に日本で提供されはじめました。みなさんがMAツールとして名前を聞いたことがあるツールの多くはそういったアメリカ製の製品で、日本より5年進んでいると言われているマーケティング専任のプロフェッショナルが活用している非常に高機能なツールです。

これらのツールを日本で使いこなせるのは、見込み顧客のリストが数十万単位で存在し、高度なスキルを保有している専任のマーケティング担当者が複数いるような大企業であると想定されます。
これからマーケティングに取り組み始める(あるいは取り組み始めたばかりの)段階の企業においては、マーケティング担当者が1名しかいなかったり、専任がおらず、他の業務と兼任だったりする場合もあるでしょう。その場合、最低限のマーケティング施策だけで精一杯となり、十分なスキルが身についていない場合もあります。

そのため、いきなり高機能なマーケティングツールを導入しても、すべての機能を使いこなせないために、満足な結果を出せずに終わってしまうという恐れがあります。

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よくある失敗5:十分な人的リソースがない

一般的には、マーケティングオートメーションの実践に必要なこととして、「自社顧客のペルソナ・カスタマージャーニーマップを策定し、見込み顧客をナーチャリングするためのシナリオを作成して実行、適宜スコアリング設定を見直しながら、クオリファイドリードの抽出を最大化する」という一連の業務が挙げられ、そのために専任の担当者を配属することも多くあるようです。

しかし、マーケティング専門の部署や担当者が存在しないことも多い日本の企業において、これだけの人材を確保できるケースは少ないのでは無いでしょうか。

また、最終的に創出した見込み顧客に対してのアプローチがないがしろになるという問題もあります。

営業は基本的に、受注に近いと自分で判断している見込み顧客に対してアプローチを行います。そのため、マーケターから渡された見込み度合いのわからないリードは、どうしてもアプローチが後回しになってしまいがちです。

しかし法人営業の場合、アプローチタイミングも重要な購買決定要因になります。後回しになってしまったリードは時間が経つにつれて見込み度が低くなったり、競合他社への発注を決めてしまったりするなど、受注確度は下がりやすくなってしまいます。

その結果、アプローチされないか、されても見込み度が高くない状態で、マーケティングオートメーションから創出したリードの評価が下がるということが起こり得るのです。

この点で重要になるのが、マーケティングオートメーションと営業の橋渡しです。インサイドセールスと呼ばれる役割が担当する、営業に本当に渡すべきリードなのかをアプローチして確かめるという活動です。

マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスがしっかりと連携を取り、それぞれが収集した情報を引き継いでいけば大きな効果が見込めますが、この連携は課題にもなりえます。

例えば、インサイドセールスが顧客とコミュニケーションを取ろうとしても、「メールで○○の情報提供」「過去○○のセミナーに参加」などの情報がなかったり、誤っていたりした場合は、また同じ情報の提供をしてしまうかもしれません。

また、うまくアポイントが獲得できても、これまでのヒアリング情報をフィールドセールスに共有できなければ、商談時に再度ヒアリングをしなければならないため、顧客に不信感を与えたり、二度手間になるなど逆に非効率になります。

つまり、創出した見込み顧客に対してアプローチを徹底して行う、というプロセスにも人的リソースが必要になるのです。

よくある失敗6:設計ができていないままツールを導入している

先程もお伝えしましたが、一般的なマーケティングオートメーションの実践には「自社顧客のペルソナ・カスタマージャーニーマップを策定し、見込み顧客をナーチャリングするためのシナリオを作成して実行、適宜スコアリング設定を見直しながら、クオリファイドリードの抽出を最大化する」という一連の業務が必要であり、導入前には自社顧客のペルソナ策定や、購買に至るまでのカスタマージャーニーマップの策定など、事前の設計が必要なものが数多くあります。さらに、これらの設計は非常に難易度が高く、かつ正解がわかりません。

プロセス設計ができていない時点でマーケティングオートメーションツールを導入すると、導入したのに1ヶ月に1度のメール配信機能しか利用しない、といったもったいない事態に陥ります。

十数万円以上の高価なツールを導入したにも関わらず、その使用頻度が月1回のメール配信では、その費用対効果は極めて低いと言わざるを得ません。

マーケティングオートメーション(MA)導入で失敗しないために

マーケティングオートメーションの導入において、先程ご紹介したような失敗をしないために重要なことは、「自社に最適なマーケティングオートメーションツールを導入すること」です。ここでは、ツールの導入に失敗しないために、押さえておきたいポイントをご紹介します。

まずは自社のマーケティングについて整理する

まずは、自社のマーケティング活動を振り返ることから始めましょう。

マーケティング活動においては、大きく「見込み顧客の獲得」「見込み顧客との継続的なコミュニケーション」「営業への見込み顧客の引き渡し」というプロセスがありますが、それぞれのプロセスにおいて、現在どのような施策を行っているか、それぞれどんな成果が出ているのかを改めて把握しておくとよいでしょう。そうすることで、自社の改善すべきポイントや、導入するツールに求める機能なども自然と見えてきます。

利用可能な機能を比較する

自社のマーケティングを振り返り、改善点を整理したら、各ツールでできること、できないことを比べましょう。いくら安価なツールだったとしても、自分たちに必要な機能がついていなければ満足に使うことは難しくなってしまいます。

逆に、多機能高価格なツールを導入したとしても、自社で使えない機能ばかりでは意味がありません。どちらの場合も、無駄なコストになってしまう可能性があるのです。

自社で確保できるリソース、スキルを確認しておく

マーケティングオートメーションの運用において、どれくらいのリソースが確保できるかは確認しておくとよいでしょう。運用を担当する担当者のリソースや、Webマーケティングの知識レベルを確認しておくと、最適なツール選定に近づきます。

実際に社内の誰が、どのくらいの工数をかけて使用するのかを想定してみて、確保できるリソースや実施するWebマーケティングのレベルに見合ったツールを選びましょう。十分なリソースが確保できない場合や、初めてWebマーケティングに注力する場合などは、シンプルな機能のツールや、必要な機能だけを選択できるツールを選ぶことをお勧めします。

サポート体制は重要

これまで本格的なマーケティングに取り組んでこなかった企業や、初めてマーケティングオートメーションを導入する企業の場合、施策やツールの利用方法などつまずきやすいポイントが数多く存在します。つまずいてばかりでツールが使いこなせず、手間と時間ばかりかかっていては、マーケティング活動を効率化するために導入した意味がありませんよね。

そんなときに頼りになるサポートの存在ですが、誰が、どんな方法で、どの範囲までサポートしてくれるのか事前に確認しておくとよいでしょう。サポートの方法や範囲は各企業によって異なり、FAQサイトが用意されているだけだったり、技術的な問い合わせ対応のみだったりすることもよくあります。運用におけるコンサルティングは高額なオプション申込が必要だったり、外部のコンサルティング会社に依頼しなくてはならないケースもあります。

ツールの運用にかかるコストとしては見落としてしまいがちなポイントですので、各ツール提供会社のサポート範囲は事前に確認しておくことをおすすめします。

List Finderでは操作方法に困ったら、担当のテクニカルサポートが電話・メールにて無料で回答いたします。また、お客様の操作画面を一緒に見ながらサポートする「Web会議サポート」のご提供もあるので安心して活用することができます。

ポイントは「自社にとって本当に必要な機能は何か」

繰り返しになりますが、マーケティングオートメーションの導入で失敗しないためには、「自社にとって本当に最適なツールを見つける」ということが重要です。

シナリオ設計、スコアリング機能は有効?

ここで、マーケティングオートメーションの代表的な機能としてご存知の方も多い、「シナリオ設計、スコアリング機能」について考えてみましょう。これらの機能を本当に有効活用できるのは、数万単位の大規模な見込み顧客リストを持っている場合でしょう。

例えば、下の図をご覧ください。自社の見込み顧客リストが2,000名前後、Webサイト上での特定アクション1回につき1ポイント付与、3ポイントで優良見込み顧客とした場合のモデルケースです。なお、各ステップでの想定割合は、弊社(及び弊社顧客)の実績を基に算出しています。

マーケティングオートメーションにシナリオやスコアリングは必要?

1回のメール配信からの開封率が40%、サイトに流入するのが30%とすると、流入者はおよそ240人となります。その内、各アクションをする割合がそれぞれ10%とすると、結果は0人となります。綿密なシナリオ設計、スコアリング設定をした結果、優良見込み顧客が何ヶ月も見つからない、なんてことも起こり得てしまうのです。

また、すでにお取引のあるお客様や競合企業のほうが、見込み顧客よりもWebサイトに訪れることが多くあるため、「スコアリングで高得点なのは、お客様や競合ばかり」なんてことも。そうなってしまっては、せっかく設定したスコアリングの効果を感じることは難しいですよね。

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意識したい「費用対効果・工数対効果」

マーケティングオートメーションを使う上で意識したいのは、「費用対効果」「工数対効果」です。この場合の効果とは、「受注につながる商談の創出数」となります。

ツールの機能、価格、そして自社の見込み顧客数とマーケティング担当者のリソース・スキル。これらを事前に確認しておき、「自社の状況にとって最も費用対効果・工数対効果が高くなるツールはどれか」という観点でマーケティングオートメーションツールを検討してみてください。

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