ステップメールのシナリオ作成は簡単!検討度合いを引き上げCVを増やす方法とは?
「ステップメールでどんなシナリオを作成すればよいか分からない」「シナリオを作成し始めたが、途中で挫折してしまった」という経験はありませんか。
マーケティングにおける「シナリオ」というと、見込み顧客にどのようにアプローチして行動や態度変容を促すか、詳細まで図式化するというイメージがあります。しかし、BtoBにおけるステップメールのシナリオにおいては、なるべくシンプルで短いシナリオにした方が早い成果につながります。長いシナリオを考えたり、分岐を考えすぎたりして挫折する前に、スモールスタートをしてみましょう。
この記事では、見込み顧客の検討度合い別のシナリオ作成方法と、ステップメールのシナリオ作成のポイントなど、具体的に解説していきます。
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Contents
ステップメールとは
ステップメールとは、見込み顧客に合わせたメールを複数配信することで、購買意欲を育成していくメールマーケティング手法です。見込み顧客がゴールまでたどり着くことを目的とし、メール内でのシナリオを考えて配信します。
参考として、セミナーをゴールとしたステップメールの例を挙げてみます。
- 1通目:
- 資料ダウンロードのお礼と製品の概要説明【自社の紹介】
- 2通目:
- 見込み顧客の課題を提示、製品導入で解決した事例を紹介【課題を認識させる】
- 3通目:
- 課題を解決するセミナーの案内【次のステージへ誘導、上手くいけば商談へ】
いきなり1通目で自社製品の売り込みをされても、見込み顧客の気持ちは動きません。1通目、2通目、3通目……と階段を一段ずつ上るように見込み顧客の知りたい情報を提供し、購買意欲を育成していくのがステップメールなのです。
ステップメールのシナリオとは
ここでのシナリオとは、ステップメールを配信するための具体的な計画や流れを仮定した「筋書き」のことを指します。
段階的に配信するメールの筋書きをある程度定めておくことで、顧客の状況に応じたメールを配信することができ、より効果的な訴求を行うことができます。
ステップメール配信において、シナリオ次第で成果が大きく左右するため、事前のシナリオ設計が重要となるのです。
シナリオメールとの違い
ステップメールと似ているメールマーケティング手法に「シナリオメール」があります。
どちらもゴールへのシナリオを作り、段階的にメール配信をしていくという点では共通しています。
2つの違いは、メールを基準とした行動をもとに配信されるのがステップメールで、メール以外の条件も含めた行動をスコアリングしスコアをもとに配信されるのがシナリオメールです。では、ステップメールとシナリオメールが配信されるタイミングを、具体的に見ていきましょう。
- 【ステップメールの例】
-
- 資料ダウンロード直後にメールA、2日後にメールB、4日後にメールC……など、見込み顧客の時間を起点にメールを配信
- 資料ダウンロード直後にメールAを配信し、メールBはAを開封した人、メールCはBを開いた人にのみ送る
- 【シナリオメールの例】
-
- 資料ダウンロードをした人にはメールAを、Aから機能ページを閲覧した人にメールBを、価格ページを閲覧した人にメールCを、導入事例資料の入力フォームを開き離脱した人にはメールDを配信
- 自社HPの製品資料を5分閲覧した人にセミナーのお知らせメールAを配信する。次は、Aからセミナーへの申込フォームを入力したものの離脱した人へはメールBでセミナーまで一押しを、Aを開封したが申込フォームまで未到達の人にはメールCで導入事例案内を、未開封の人にはメールDでホワイトペーパーの案内を配信する。
この記事では、ステップメールとシナリオメール、どちらでも通用するようなシナリオの具体例を紹介します。
即実践できる!ステップメールのシナリオ作成方法とシナリオ例
ここでは、ステップメールのシナリオ作成方法をご紹介します。また、この記事で紹介するのは見込み顧客を顕在層と潜在層に分けてシナリオを作成する方法です。
1.見込み顧客を顕在層と潜在層に分ける
シナリオというと、「最初の接点から商品購入などのゴールまで1本の線でつながっている」というイメージを持つ人が多いです。
例えば、メルマガ登録前から「顕在層」であれば想定したシナリオ通りに購入まで進んでくれるかもしれません。しかし、大部分を占める「潜在層」はそうもいきません。実際は商品購入というゴールまでストレートに進む人はごくわずかなのです。
そこで、顕在層と潜在層では、アプローチ方法を変える必要があります。まずは顕在層と潜在層について確認していきましょう。
顕在層とは
顕在層とは、明確な課題意識があり、解決手段を積極的に探している人たちのことです。場合によってはすでに自社商品の購入を視野に入れている人もいます。
具体例としては、「毎回メールを開封してくれる人」、「自社サイトへ頻繁に来訪している人」、「過去に資料請求があったが失注してしまった人」などが挙げられます。
顕在層のゴールは資料請求や商品購入などです。
潜在層とは
潜在層とは、これから課題を持つ可能性がある人や、課題はあるが解決方法を探すところまで至っていない人のことを指します。
潜在層の例は、「過去に展示会で名刺交換やセミナーに参加したものの、その後商品紹介のメールを送ってもまったく反応が無い人」などが当たります。
潜在層のゴールは課題を認識させることです。
このように、顕在層と潜在層は目指すべきゴールが全く違います。まずは自社のハウスリストを顕在層と潜在層に分けてみてください。
顕在層と潜在層別で興味関心や検討度合いを引き上げるためのシナリオを考えることで、効率よくCVを増やすことができます。
2.顕在層向け、潜在層向けの異なるシナリオを考える
見込み顧客を顕在層と潜在層に分けたら、それぞれのシナリオを考えていきましょう。この章では、顕在層向け、潜在層向けのシナリオ例を具体的に紹介します。
【シナリオ例.1】顕在層向けのステップメール
顕在層は、既に課題を認識してその解決法を探している状態です。そこで商品の説明や使い方、実際の事例を次々に紹介すれば、読んでもらえる可能性が高くなります。
顕在層は短い期間で一気に興味度合いを引き上げ、資料請求や購入といったアクションにつなげやすい見込み顧客なのです。
上記を踏まえ、潜在層向けステップメールの具体例を紹介していきます。
- 1通目:商品購入で実現できること
- まずは、この商品を購入することでどんな課題が解決できるか、実現できることは何かを説明していきます。
- 2通目:実際に購入した企業の事例
- 次に、実際に購入した企業の事例を紹介します。特に、購入前の課題や購入後の変化を詳しく紹介しましょう。複数社の事例を紹介したい場合は、1社あたりの紹介をコンパクトにまとめて読みやすくすることが大切です。事例がたくさんある場合はダウンロードできる資料として事例集を用意してもよいでしょう。
- 3通目:商品の詳細資料
- 3通目では商品の詳細をダウンロード資料として案内してみましょう。ダウンロードリンクをクリックしたが、個人情報を入力してダウンロードするところまで至らなかった人も商品にかなり興味があると考えられます。その人たちにも個別でメールを配信してみると、よい感触が得られるかもしれません。
MAツールでメール配信をすると、リンクをクリックした人が誰なのか抽出することもできます。
【シナリオ例.2】潜在層向けのステップメール
次は潜在層向けのステップメールの例を紹介していきます。
課題を認識していない潜在層の購買意欲を上げるには、潜在層の意識を「解決手段を探す」段階に引き上げる必要があります。そこで、潜在層向けのステップメールでは「課題に気づかせる」ためのアクションを行うことを目的にしましょう。
- 1通目:役に立つ情報やノウハウ
- 潜在層は自社に興味があるとは限りません。まずは、メルマガを登録した顧客が興味を持ちそうな分野の情報やノウハウを送ることから始めましょう。内容はオウンドメディアの記事や自社に蓄積されたノウハウをメール本文で簡単に紹介するだけでも構いません。
潜在層へは「この企業は自分の役に立つ情報発信をしてくれている」という好意的な印象を与えることから始めていきます。 - 2通目:課題認識のきっかけになる情報や問いかけ
- 情報提供で好意的な印象を与えたら、自社商品に興味を持ってもらうための布石として、課題喚起をします。
自社商品で解決できることから逆算して、「●●な課題はないですか?」と問いかけたり、自社の顧客への調査結果をもとに「●●な課題を抱えている企業が増えている」といった問題提起をしてみましょう。 - 3通目:セミナーやホワイトペーパーの紹介
- ようやく課題を認識し始めた読み手に対し、課題解決のヒントとなるセミナーへ誘導したり、ホワイトペーパーを案内します。課題認識の段階までフェーズが引き上がった段階で、課題解決手段として自社商品の紹介を始めましょう。
ペルソナや構成の考え方など、メールマーケティングのシナリオ作成方法はこちらの記事でも具体的に紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
潜在層と顕在層を分類するには、MAツールの導入がおすすめです。MAツール「List Finder」を使ってメール配信をすれば、メールを開封した人、URLをクリックした人、自社HPに5分以上滞在した人、セミナーに参加した人などを自動で抽出できます。詳しい機能はこちらからご確認ください。
ステップメールのシナリオ作成の4つのコツ
効果的なシナリオを作成するために意識しておきたいポイントを4つご紹介します。
1.目的を明確にしておく
ステップメールのシナリオを作成する際には、上述したように「誰に配信するのか」といったターゲットを定めることはもちろん、「何のために配信するのか」といった配信することで達成したい目的をあらかじめ明確にしておくことが重要です。
最終的なゴールを社内全体で共通認識として持つことで、ゴールまでのプロセスが明確になり、適切な配信間隔や、回数、効果的なコンテンツが立案できるでしょう。
また設定した目的を数値化することで、進捗度合いや達成度が判断しやすくなります。
2.AIDMAの法則を参考にする
「AIDMA(アイドマ)の法則」を参考にシナリオを作成することも効果的でしょう。
AIDMAとは、
- Attention(注目)
- Interest (興味関心)
- Desire (欲求)
- Memory (記憶)
- Action (行動)
の頭文字をとったもので、消費者が商品を購入するまでのプロセスを5段階に分けたフレームワークです。
このAIDMAを理解することで、消費者の消費行動に寄り添ったシナリオを作成することができます。
3.まずはスモールスタートで作成する
ステップメールのシナリオ作成は目的やゴールが定まっていれば難しくありません。最初から複雑で分岐の多いシナリオを考えようとすると、シナリオ作成が面倒になったり、分岐にたどり着く見込み顧客がいなくなるなど、挫折する可能性が高くなります。
まずは短いステップで構成されるシナリオを作成することを心がけてください。
また、潜在層から顕在層まで1つのシナリオでカバーしようとするのではなく、複数の短いシナリオに分けることで、実際に運用しながら改善していくことができます。
4.結果を改善する
ステップメールは、一度準備し配信したら成果が出るというものではありません。配信後も定期的に効果測定を行い、改善し、再び配信を繰り返します。そうすることで徐々にステップメール配信の効果を高めることができるのです。
また効果測定では、開封率やクリック率、CV率を指標にすると良いでしょう。
MAツール「List Finder」を使えば、メールを開封した・資料をダウンロードしたなど、閲覧状況に合わせた行動分析を経て、一人ひとりに合わせたアプローチができるようになります。
「List Finder」でメール配信をするメリットをこちらにまとめました。ぜひご覧ください。
ステップメールのシナリオを作成する際の注意点
ステップメールやシナリオを作成するうえで、よくある誤解や注意点にも触れていますので、改めて確認していきましょう。
1.最初から複雑な分岐や長いシナリオは不要
マーケティングにおけるシナリオというと、顧客の興味やアクションに合わせて細かく分岐を考え、最初の接点から商品購入というゴールに至るまで1本の線でつながっている、というイメージはないでしょうか。
初めてステップメールを作成する際は、複雑な分岐や長いシナリオを無理に考える必要はありません。なぜなら、読み手の行動や考えを予想して完璧なシナリオを作成することは非常に難しく、実装しても最初から成果が出ることは稀だからです。
特にBtoBにおいては、メール配信の対象となるハウスリストが少ないケースが多く、複雑な分岐を作りすぎると5,000人に対してメール配信した場合に最後までシナリオ通りに進むのは数人、場合によっては0人の場合もあります。
完璧なシナリオを作成しようとして行き詰まり、実際にメール配信するところまで至らないのでは本末転倒です。
おすすめなのは、3通ほどで完結するシンプルなシナリオとメール内容を考えて、「とりあえず配信する」ことです。そのうえで「1通目の開封率が低かった」「3通目は資料請求まで行く人が少なかった」などの結果をもとに改善や工夫する方が、複雑なシナリオを考えるより早く成果が出せます。
2.毎回資料請求や購入を迫るのはNG
ステップメールでは、複数の段階に分けてさまざまな内容のメールを配信します。メール配信の担当者は、「早く成果を出さなくては」「せっかくお客様にメールを送るのだから、少しでも宣伝しないと」と営業色の強い内容を送ってしまいがちですが、毎回のように資料請求や商品購入をさせようと誘導してはいけません。
商品の存在を認知していない、あるいは興味がない潜在層に毎回売り込みをしていては、メール配信自体を登録解除(=オプトアウト)されてしまう可能性があるからです。
ステップメールは一度設定すれば、自動的にメールを送り続けてくれるというメリットがある一方で、読み手にとって興味が持てない内容だった場合は、通常のメール配信よりも配信解除されやすいというデメリットもあります。
ステップメールに限らず、メールマーケティング全般に対して言えることですが、読み手の興味・関心の度合いや温度感に合わせた内容を送らなければ成果を出すことは難しいでしょう。
3.読み手が前回の配信内容を覚えていない前提で考える
メルマガ担当者は配信に追われるがあまり、読み手目線で考えることを忘れがちです。
例えば、前回のメールを覚えていないと理解できない内容を送ってしまったことはないでしょうか。「前回のメールでもご紹介しましたが〜」などと書いてあったところで、読み手は前回のメールを読んでいない可能性があります。
ビジネスマンにメールの実態を調査した「ビジネスメール実態調査2020」によると、ビジネスマンは1日平均50.12通のメールを受信しています。1日50通のメールを全てチェックしているわけではなく、よほど興味がないと内容を覚えていることはまず無いでしょう。
よって、前回の内容を覚えていなくても問題ないような1通で完結する内容にする、または開封者にのみ次のメールを配信するなどの工夫をしないと、ステップメールの効果は薄くなってしまうのです。
潜在層と顕在層を分類するには、MAツールの導入がおすすめです。MAツール「List Finder」を使ってメール配信をすれば、メールを開封した人、URLをクリックした人、自社HPを5分以上滞在した人、セミナーに参加した人などを自動で抽出できます。詳しい機能はこちらからご確認ください。
補足:ステップメールのシナリオは使い回してもよい
シナリオ途中で反応がなくなっても気にする必要はありません。
どんなにその商品に興味があっても、たまたま忙しかった、見逃してしまったなどの理由でメールが開封されなかったり、開封されてもクリックされないことは日常茶飯事だからです。反応が無くなってしまったら、少し時間を空けて再度1通目から配信を始めてみましょう。
紹介する企業の事例やホワイトペーパーを変えるだけでも内容に変化がつきます。
とはいえ、数か月や半年くらい時間が空いてしまうと、自社商品のことを忘れられる、あるいは競合他社へ興味が移ってしまうことがあります。週1回程度でかまいませんので、忘れられないよう適度に間隔をあけてステップメールを送り続けましょう。