リードナーチャリングの6つのメリットを紹介!なぜ注目されている?

リードナーチャリング

リードナーチャリングの6つのメリットを紹介!なぜ注目されている?

もともとBtoB企業は営業担当者による拡販が主力でしたが、ここ数年、マーケティング活動に注力する企業が増えてきました。

その中で出てきた概念が「リードナーチャリング」です。名刺交換やメルマガ登録などを通して見込み顧客リストを集めても、多くは「少し興味がある」状態でしかありません。また、そのような見込み顧客に対してフォローをしないと、約80%は2年以内に競合製品を購入するという調査結果も存在します。「少し興味がある」状態をフォローし続け、「購入したい」まで持っていく活動がリードナーチャリングです。

この記事では、リードナーチャリングの概念や背景、メリットなどをご紹介します。

リードナーチャリングとは、蓄積してきた見込み顧客を顧客へと転換するプロセス

リードとは、英語で見込み顧客を意味する「リード(lead)」のこと、ナーチャリングは、英語で「醸成する」を意味する「ナーチャリング(nurturing)」です。つまり、リードナーチャリングとは、「見込み顧客の購買意欲を育成し、受注に結びつけるマーケティング活動」を指します。

リードナーチャリングの施策例は以下の通りです。

  • メールマーケティング
  • セミナーや展示会などのイベント
  • インサイドセールス
  • オウンドメディア
  • 広告

リードナーチャリングの成功事例は、こちらの記事に詳しくまとめています。

なぜリードナーチャリングが注目されているのか

リードナーチャリングが注目されている理由は大きく分けて、2点あります。

BtoBビジネスは長期にわたるフォローが必要

BtoB企業における営業プロセスは数ヶ月~数年程度かかります。なぜなら、購買する商品が高額なため、企業の購買プロセスには多くの人が関わり、稟議や決裁に時間が必要だからです。

全ての見込み顧客リストに対してすぐに営業マンがアポイントメントを取り、長期間にわたってフォローし続けるのは大変です。よって、ひとまずリードナーチャリングで見込み顧客を育て、受注確度が高い見込み顧客に絞り込んで営業活動を行うという手法で生産性を上げるようになりました。

見込み顧客は「会う前に意思決定を済ませる」

近年は、インターネットの普及で、「購入前にネットで調べ、営業に会う前に意思決定を済ませる」ことが増えています。これは「よく分からない状態で売りこまれたくない」「営業に左右されず自分で決めたい」という心理を持つ人が増えてきたからです。

よって、営業に会う前に見込み顧客が自社製品のことを検討してくれるよう、中長期的にコンテンツ(メール・オウンドメディア・ホワイトペーパーなど)を適切なタイミングで提供し続ける仕組み作り(リードナーチャリング)が必要なのです。

リードナーチャリングをするべきビジネス分野・場面は?

リードナーチャリングが有効なのは、企業に対する販売活動(BtoB)のように購買プロセスに時間がかかる商品です。ファーストコンタクトから受注までの購買プロセスに対して、常に人の手で営業活動を続けるのは困難であるため、マーケティング部門やツールを利用してリードナーチャリングを行います。

また、購買の意思決定に時間がかかる商品であれば、BtoCにおいてもリードナーチャリングが有効です。例えば、自動車のような高額な耐久消費財の販売や、マンションや建売住宅のような不動産の販売では長期間に渡り、リードナーチャリングを実施します。

リードナーチャリングのメリット

こうしたリードナーチャリング導入により、期待できる効果として以下が挙げられます。

1.「あまり興味がない」見込み顧客をホットリードにできる

リードナーチャリングの手法次第では、コールドリードをウォームリードやホットリードにできます。

見込み顧客は全員が自社製品に興味を持っているわけではなく、今は「あまり興味がない」人もいるでしょう。しかし、こういった「あまり興味がない」人が将来的にとある課題に直面し、解決のために自社製品を購入する可能性はゼロではないため、フォローし続けるのが理想です。一方で、多忙な営業がこういった見込み顧客をフォローし続けるのは難しいでしょう。

そこで、メールマーケティングやセミナー、Web広告などのリードナーチャリング施策を通じて、「あまり興味がない人」をフォローし続けるのです。今までは確度が低いとして放置されていた見込み顧客も、リードナーチャリングを行えば確度が上がる可能性があります。

2.確度の高い見込み顧客を抽出し、営業活動の生産性を上げる

見込み顧客リストが、営業活動に活用できない要因として、見込み顧客リスト内での優先順位が設定されていないことが挙げられます。

リードナーチャリングの手法の一つにメールマーケティングがありますが、メールを毎回開く人と3ヶ月間1回も開かない人とでは、前者のほうが「メールで配信しているテーマに関心が高い」と言えるでしょう。同様に自社に対しても好感を持っている可能性が高いと推察されます。

このように、リードナーチャリングを行うことで受注確度の高い見込み顧客の抽出ができます。営業へは確度の高いリストに対してのみアプローチをすればよいので、営業活動の生産性を高めることができるのです。

3.自社への信頼感が増す

メールで有益な情報を受け取ったり、セミナーに参加したりしている人は多少なりとも自社コンテンツに信頼をおいている人でもあります。誰でも自分にとって「よい情報」を教えてもらったら、好印象を持つでしょう。

リードナーチャリングはやみ雲に自社製品を宣伝する活動ではありません。自社に対する信頼性を上げる活動でもあるのです。

4.顧客のフォローアップ漏れを防げる

営業担当者による営業活動のみで長期的な顧客対応を行った場合、顧客の量が増加すると対応が漏れる顧客が出てきます。また、担当者の経験やスキルによって対応の質が異なるため、顧客を拾いきれずに関係が途切れることもあります。

マーケティングオートメーションを使ったリードナーチャリングでは、シナリオやコンテンツを設定し「資料ダウンロードをした人には△△をテーマにしたメールを1週間に1通送る」といったアプローチを自動で行えます。定期的にメールを送ることで見込み顧客をフォローできるため、フォロー漏れや対応のバラツキをなくすことが可能です。

5.営業活動のコストが軽減できる

従来は営業が資料を見込み顧客へ渡しに行っていましたが、最近ではインターネット上でコンテンツを用意すれば、見込み顧客が自分で調べてくれるようになりました。セミナーを開催して集客できれば、セミナーを通して複数の参加者に自社製品に興味を持ってもらえます。いずれも従来は営業を通して興味を持ってもらってましたが、今は営業以外でも見込み度合いを上げられるようになりました。

その結果、確度が低い見込み顧客にはツールを利用したリードナーチャリングで、確度が高い見込み顧客には営業が手厚くフォローできるようになり、営業活動のコスト削減につながったのです。

6.作成したコンテンツを活用できる

リードナーチャリング用に作成したコンテンツは、自社の資産でもあります。SEO対策を行った自社サイトやオウンドメディアは、検索エンジンからのリード獲得手段となり、メールマガジン用に作成したコンテンツは、他の媒体でも転用できます。リードナーチャリングでは作成したコンテンツを何度も再利用できるのです。

リードナーチャリングで注意すべき点

自社にリードナーチャリングを導入し、成果を高めるための注意点を下記に挙げました。

1.見込み顧客の視点に立った情報提供をする

リードナーチャリングを実施する際は、まず自社の顧客の購買プロセスを精査し、それに対応したシナリオ設計を行い、配信するコンテンツを準備する必要があります。その際、コンテンツの内容は、単なる商品情報の配信ではなく、見込み顧客の視点から必要な情報を取捨選択することを心がけましょう。

2.営業部門との円滑な連携を心がける

マーケティング部門と営業部門の連携が取れなければ、リードナーチャリングの成果として受注は見込めません。リードナーチャリングについて情報共有を行い、見込み顧客の購買プロセスの把握が必要です。受注するためには、日頃より円滑な部署間連携を心がけましょう。

リードナーチャリングとは獲得したリードを顧客へとシフトさせるマーケティング活動

従来のマーケティング施策は、見込み顧客リストの収集が中心であったため、見込み顧客リストを営業部門に渡して、受注活動は営業任せでした。

現在は、受注確度が不均一な見込み顧客リストを営業に渡すのではなく、リードナーチャリングを通した「受注確度が高い見込み顧客」リストのみを営業に引き継ぐことが当たり前になりつつあります。リードナーチャリングは、企業の営業活動にさまざまなメリットをもたらしているのです。

リードナーチャリングを支援するツールとして、マーケティングオートメーション(MAツール)があります。BtoB向けMAツール「List Finder」を使えば、メールを使ったリードナーチャリングが効率よく実施できます。リード情報の一元管理から、メール配信結果を元にした見込み顧客の確度判定までサポートします。

「List Finder」を使ったリードナーチャリングについては、こちらからご覧ください。