休眠顧客の掘り起こし方法4選と成功のための5ステップ

マーケティング全般

休眠顧客の掘り起こし方法4選と成功のための5ステップ

新規顧客の獲得が難しい今、休眠顧客への再アプローチで売上を拡大させることが重要な施策の一つとなっています。
この記事では、休眠顧客を掘り起こして売上を拡大するための具体的な手順やアプローチの手法を詳しく解説します。

▼この記事で分かること
  • 休眠顧客の概要
  • 休眠顧客となってしまう原因
  • 休眠顧客の掘り起こしの手法と手順
  • 休眠顧客の掘り起こしに欠かせないMAツールの活用

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休眠顧客とは?その定義と重要性

まずは、休眠顧客について改めて整理しておきましょう。

休眠顧客の定義

休眠顧客とは、一定期間にわたり購買行動やアクションが見られない顧客のことを指します。
具体的には、1年以上商品を購入していない、またはサービスを利用していない顧客が該当します。企業によってその定義は異なることがあり、業種や市場環境によっても変動しますが、一般的には半年から1年の期間が基準となります。

休眠顧客・潜在顧客・顕在顧客の違い

「休眠顧客」「潜在顧客」「顕在顧客」は、顧客が商品やサービスに対してどの程度関心を持っているか、またどのような状態にあるかによって分類されます。それぞれの違いを整理すると、次のようになります。

状況 ニーズ 関心度
休眠顧客 過去に購入経験があるが現在は利用していない かつてはあったが、今は薄れている 低い・忘れている
潜在顧客 まだ購入していないが、ニーズを持っている可能性がある 自覚していない 低い
顕在顧客 購入を検討しており、明確なニーズがある 自覚している 高い

休眠顧客を理解する重要性

休眠顧客を理解することは、マーケティング戦略を構築するうえで非常に重要です。なぜなら、休眠顧客は一度は自社の商品やサービスに興味を持ち、実際に利用した経験があるため、再び自社への関心を引き戻す可能性が高いからです。

さらに、新規顧客を獲得するためのコストに比べて、既存の顧客を再度アクティブにするためのコストは低く抑えられるため、効率的なマーケティング施策となります。

休眠顧客の掘り起こしを行うメリット

続いて、休眠顧客掘り起こしのメリットをご紹介します。

新規顧客獲得よりもコスト効率が良い

新規顧客を獲得するためのマーケティング活動には、広告費やプロモーション費用が大きくかかります。これに対し、休眠顧客の掘り起こしは、既存の顧客データを活用するため、比較的コストをかけずに実施することができます。

またすでに購入履歴があるため、購買傾向や好みを把握しやすく、ターゲットを絞ったマーケティングが可能です。

既存顧客との関係強化

休眠顧客の掘り起こしは、既存顧客との関係を強化する良い機会でもあります。顧客は、企業が自分たちに関心を持ち続けていることを知ることで、ブランドへの信頼感や愛着を再確認します。
これにより、リピート購入や口コミによる新規顧客の紹介も期待できるでしょう。

休眠顧客が生まれる原因とその対策

ここでは、休眠顧客となってしまう原因と原因に合わせたアプローチ法をご紹介します。

顧客が離れる原因

顧客が休眠状態になる原因はさまざまです。商品やサービスに対する不満、競合他社への乗り換え、ライフスタイルの変化、経済的な理由などが考えられます。
また、購入時のサポートやアフターサービスが不十分であった場合も、顧客は離れてしまうことがあります。以下で詳しく見ていきましょう。

・商品や価格への不満
休眠顧客となってしまう原因の1つは「不満」です。購入した商品に求めている効果を感じられなかったり、値上げや価格改定などで価格に納得がいかなくなったりなど、自社の商品やサービスに満足できなくなってしまうことが解約につながります。
・顧客環境の変化
時間の経過だけではなく、ビジネススタイルなど企業状況の「変化」により商品やサービスが必要ではなくなった場合にも休眠顧客となることが考えられます。
顧客状況の変化によって解約に至った場合、これまでの商品やサービスを再度購入してもらえる可能性は低く、休眠顧客の掘り起こしを行うのは難しいでしょう。
・自社を忘れている
3つ目の休眠理由は「忘却」です。以前に自社の商品やサービスの購入履歴があるものの、今は他社と契約している場合や、一度自社商品を比較検討していたが購入に至らず、自社の存在を忘れて休眠顧客となります。
このような顧客は離反顧客とも言われ、こちらも掘り起こしを行うことは難しい顧客といえるでしょう。

原因に合わせたアプローチ方法

休眠顧客の掘り起こしには、顧客が離れた原因に合わせたアプローチが必要です。例えば、商品やサービスに対する不満が原因であれば、改善策を提示し再度利用を促すメッセージを送ることが効果的です。
また競合他社への乗り換えが原因であれば、独自の強みをアピールし、特別なオファーを提供することで再度興味を引くことができるでしょう。

掘り起こしの最適なタイミング

では、休眠顧客となってしまった場合、どのタイミングで再度アプローチを行うことが効果的でしょうか。ここでは掘り起こしに最適なタイミングについて解説します。

季節やイベントに合わせたタイミング

休眠顧客の掘り起こしには、季節やイベントに合わせたタイミングが効果的です。例えば、年末年始や新年度、クリスマスなどの特別な時期に合わせてキャンペーンを実施することで、顧客の関心を引きやすくなります。
また、顧客の誕生日や購入記念日など、個別のイベントを活用することも有効です。

顧客行動データに基づくタイミング

顧客の行動データを分析することで、掘り起こしの最適なタイミングを見定めることができます。
例えば、過去の購入履歴やウェブサイトの閲覧履歴をもとに、再度興味を持ちそうなタイミングを予測し、その時期に合わせてアプローチを行います。これにより、より効果的な掘り起こしが可能となるでしょう。

休眠顧客の掘り起こし手法4選

休眠顧客の掘り起こしにおいて、効果的な手法として「メール」「テレアポ」「DM(ダイレクトメール)」「飛び込み営業」が挙げられます。
それぞれの手法には特徴やメリット・デメリットがあるため、状況に応じた活用が重要です。以下に、それぞれの手法について詳しく説明します。

メール(メールマーケティング)

メールは、顧客に対して個別にパーソナライズした内容を低コストで送信できる手法です。過去の購買履歴や行動データをもとに、顧客に合わせたメッセージを作成できるため、関心を引きやすいことが特徴です。

活用シーン
  • 新商品やキャンペーン情報を広く知らせたいとき
  • 過去の購買履歴に基づいた提案をしたい場合
メリット
  • コストが低く、大量の顧客に一度にアプローチできる
  • 過去の顧客データをもとに、特定の商品やサービスを推薦するなど、個別にカスタマイズされた内容を送れる
  • メールの開封率やクリック率を簡単にトラッキングできるため、反応を測定しやすい
デメリット
  • 顧客が興味を持たなければ、迷惑メールフォルダに入るリスクがあり、全く読まれないこともある
  • メールだけでは視覚的なインパクトが少ないため、商品やサービスの魅力が伝わりにくい
  • 「以前ご購入いただいた商品に関連する新作が登場しました!今なら特別価格でご提供します。」

テレアポ

テレアポは、休眠顧客に直接電話をかけて再度の利用を促す方法です。直接コミュニケーションが取れるため、即座に疑問を解決し、顧客の関心を再燃させることができるのが特徴です。

活用シーン
  • 重要な顧客や高単価の顧客を対象に、特別なオファーやフォローアップを行いたい場合
  • 顧客が持っている懸念や質問にすぐに対応したい場合
メリット
  • 顧客の声を直接聞けるため、その場で顧客の反応を引き出し、質問や懸念に即座に対応できる
  • 口頭での説得は、高額商品の場合、顧客に対してより強いインパクトを与えることができる
  • 人との対話を好む顧客に対しては、感情的なつながりを築きやすい
デメリット
  • 電話営業は人件費がかかるため、特に大量の顧客に対してはコストがかさむ
  • 顧客が電話を煩わしいと感じる場合があり、逆効果になることもある
  • 一度に多くの顧客にアプローチするのは難しい
  • 「以前ご利用いただいたサービスで改善点がありましたので、再度お試しいただければと思います。」

DM(ダイレクトメール)

DMは、実際に手紙やカタログなどを顧客に送付する手法です。物理的な媒体を送ることで、視覚的・触覚的なインパクトを与えることができます。

活用シーン
  • 商品カタログやクーポン、特典付きのプロモーションを行いたい場合
  • メールや電話が届きにくい年齢層や特定の業種へのアプローチ
メリット
  • 実際に手に取る物理的な媒体は、視覚的な訴求力が強く、デザインや質感によってブランドの印象を強くすることができる
  • 顧客の名前を入れたり、個別のクーポンを同封するなど、個々に対応した内容を送ることができる
デメリット
  • 印刷・発送費用がかかるため、大量の顧客に送付する際はコストが大きくなる
  • DMは顧客がすぐに行動を起こすとは限らず、反応が遅れることがある
  • 「新カタログをお届けします。特別割引クーポンも同封していますので、ぜひご利用ください。」

飛び込み営業

飛び込み営業は、顧客のオフィスや店舗、家庭を直接訪問して商談や提案を行う手法です。対面でのコミュニケーションにより、商品の魅力を直接伝えることが可能です。

活用シーン
  • BtoB営業や大口の取引先に対して、直接説明が必要な場合
  • 顧客との信頼関係を深めたい場合や、商品のデモンストレーションが効果的な商品・サービスを扱う場合
メリット
  • 対面での営業は、商品やサービスの詳細を直接説明できるため、説得力が高い
  • 対面での接触は信頼関係を築きやすく、長期的な取引につながりやすい
  • 顧客が納得すれば、その場で契約や購入を決定できる可能性がある
デメリット
  • 1件ずつ訪問するため、時間と費用がかさむ。また、移動時間や訪問スケジュールの調整が必要
  • 予告なしに訪問することが多いため、顧客が迷惑と感じる場合がある
  • 顧客との相性や訪問時のタイミングにより、成果に大きなばらつきが生じる
  • 「お近くまで来ましたので、ぜひ一度お話させていただければと思います。新商品のご案内です。」

掘り起こしの5つの手順

休眠顧客の掘り起こしには、効果的な手順を踏むことが重要です。以下では、1つ1つのステップを詳しく解説します。

1. データを整理する

まず、休眠顧客に対して効果的にアプローチするために、利用履歴や顧客の属性データを整理することが必要です。これにより、顧客の状態を正確に把握し、適切な対応を行う準備が整います。

・利用履歴
過去に何を、どの頻度で、どのくらいの金額で購入していたのかを把握します。これにより、顧客の興味や購買パターンを理解できます。
・利用期間
最後に利用した時期や、その前の利用頻度を確認し、顧客がどのくらいの期間休眠しているかを特定します。
・解約理由(または利用停止理由)
解約や利用が停止した理由を確認できる場合は、それを記録します。これにより、同じ理由で再度離れてしまわないよう、適切な対応策を取ることができます。

この段階では、できる限り詳細なデータを集め、個々の顧客の状況を正確に把握することが重要です。正確なデータが、次のステップに進む際の基盤となります。

2. 休眠顧客を定義する

次に、「休眠顧客」の定義を社内で統一する必要があります。業界やビジネスモデルによって「休眠顧客」の定義は異なるため、自社に合った基準を設定します。

定義の例
  • 過去1年間利用がない顧客
  • 過去6カ月間利用がない顧客
  • 3年以上前に大口購入したが、それ以降利用していない顧客

定義を明確にすることで、休眠顧客の掘り起こし対象を正確に絞り込むことができ、リソースを効果的に活用できるようになります。

3. セグメンテーション

効果的な掘り起こしを行うためにも、休眠顧客へのアプローチは顧客をセグメント(細分化)してから実施します。これにより、個々のニーズや状況に合わせた適切なアプローチが可能になります。

セグメンテーションの方法
  • 利用頻度:よく利用していた顧客と、まれに利用していた顧客に分ける
  • 過去の購買金額:高額商品を購入していた顧客は、個別の対応が必要な場合がある
  • 解約理由:顧客がなぜ離れたのかに基づいて、再度のアプローチを考える
  • 利用期間:長期的に休眠している顧客と、比較的最近休眠した顧客に分ける

顧客を適切にセグメントすることで、個々のニーズに合わせたパーソナライズされたアプローチが可能になり、反応率が高まります。

4. アプローチ方法の選定

最後に、各セグメントに対して最適なアプローチ方法を選定します。休眠顧客の性質やデータに基づいて、適切なアプローチ方法を選ぶことが重要です。アプローチの方法を使い分けることが効果的な掘り起こしにつながります。

5.効果測定と改善

キャンペーンを実施した後は、その効果を測定し、必要に応じて改善を行います。開封率やクリック率、再購入率などの指標をもとに、キャンペーンの効果を評価し、次回の施策に活かします。

MAツールを使った休眠顧客の効率的な掘り起こし

ここまで解説した、休眠顧客の掘り起こしを効率的に行うには、MAツールの活用が効果的です。ここでは、休眠顧客の掘り起こしにMAツールを活用する方法をご紹介します。

MAツールの基本機能と活用法

MAツール(マーケティングオートメーション)は、休眠顧客の掘り起こしに非常に役立ちます。
MAツールの基本機能は、顧客データの管理・セグメント・メール配信の自動化などがあります。これらの機能を活用することで、より効率的に休眠顧客を掘り起こすことができます。

データ分析による正確なターゲティング

MAツールを使用すると、大量の顧客データを効率的に分析し、正確なターゲティングが可能になります。
過去の購買履歴や行動データを元に、再度興味を持ちそうな顧客を特定し、その顧客に対して最適なメッセージを送ることができるのです。

MAツールを使ったキャンペーン自動化

MAツールを使用することで、掘り起こしキャンペーンを自動化することができます。
例えば、特定の条件を満たした顧客に対して自動的にメールを送信する設定を行うことで、効率的に掘り起こしを行うことが可能です。
また、キャンペーンの効果をリアルタイムでモニタリングし、必要に応じて即座に改善を行うことにもつながります。


MAツールを活用した掘り起こしの成功事例

MAツールを活用した掘り起こしの成功事例として、たった1通の掘り起こしメールから、6商談を獲得した成功事例になります。

過去に案件化が進まず、失注となってしまったリードが約300人いましたが、このリードにアプローチできる営業リソースがなく、優先度が低くなっていました。

そこで、セールスチームとマーケチームが協力し、MAツールを活用することにしました。失注リードにメール配信し、その後の閲覧状況を見て、優先度をつけてアプローチするようにしたのです。

メール配信後は、メールのクリック者や日程調整ツールでスケジュール調整した方に対してセールスチームが追客・フォローをしたことで、結果、6商談を獲得できました。

セールスチームでは追いきれない数の休眠顧客でも、MAを活用したことで「温度感の高い顧客」を見つけ、集中的にアプローチしたことで、多くの商談を獲得することができました。

おわりに:MAツールを活用して効率的に休眠顧客を掘り起こそう

MAツールを活用することで、休眠顧客の掘り起こしが効率的かつ効果的に行えます。データの自動管理やセグメンテーション、パーソナライズされたメッセージの送信、キャンペーンの自動化により、適切なタイミングで顧客にアプローチし、再度の利用を促進します。

また、リアルタイムでの成果測定が可能なため、常に最適化を図りながら効果的なマーケティングを展開できるでしょう。MAツールを最大限に活用して、休眠顧客を再びアクティブへと変えましょう。