BtoBマーケティングの課題で見る、試すべきマーケティング手法の種類
Webの進化に伴い、マーケティング手法も日々変化をしています。BtoBマーケティングの現場でも同じ事が言えますが、BtoBにはBtoCとは異なる特徴があります。
BtoCでは、消費者本人が商品を探して購入を決めることが一般的ですが、BtoBでは商品に関する情報を収集する担当者と購入の決裁権者が異なることが少なくありません。
企業は商品の購入前に、その商品が費用に見合った価値を持っているかを合理的に判断します。一般消費者と比較して購入の検討に費やす時間は長く、複数の人間が購入に関与するため、いわゆる衝動買いは期待できません。
そこで、今回はBtoBの特徴を踏まえた上でのマーケティングの課題や、試すべきマーケティング手法についてご紹介します。
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Contents
課題1:ペルソナの設定が難しい
最近のBtoBマーケティングでは、ペルソナの設定が欠かせません。しかし、BtoBは企業間の取引である事に加え、冒頭でも述べた通り商品を購入するためにさまざまな人物が登場します。
そのため、BtoCマーケティングに比べて、ペルソナの設定が非常に困難であり、いまだにその活用に踏み切れていない企業が多いです。
BtoBでは、企業・組織のペルソナと、複数の担当者や役職者のペルソナの、組織全体での設定が重要になってきます。
組織体系は企業により多岐にわたると思いますが、既に取引のある企業数社を対象に、参考となるペルソナを試作してみることも1つの方法です。まずは、実在する顧客へのインタービュー・アンケートなどを通して、各ペルソナを設定しましょう。
企業ペルソナ
・企業・組織の規模(売上や従業員数など)
・業界概要や特徴
・あなたの会社の商品・サービスの発注が必要になった経緯
・企業の悩み・課題、発注までの決済フロー
人物ペルソナ
・基本情報(年齢、性別、職種、役職)
・行動フロー(1日の生活、業務内容)
・行動概念(考え方、性格、価値観)
・ゴール・目標(業務で抱えている悩み、課題、欲求など)
※発注担当者、発注担当者の上長、決裁者の3人程度のペルソナをまとめましょう。
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課題2:認知度の向上、ブランドイメージの確立が難しい
BtoCマーケティングでは、消費者にどれだけ自社の名前を知ってもらえるかが重要なポイントです。
テレビやインターネット、電車の車内広告を通してなじみのある製品と、そうでない製品の2つであれば、品質の差がない場合は、なじみのある製品を購入する消費者が多数を占めるのではないでしょうか。
また、ブランドイメージが良い製品は、消費者の購買意欲をそそります。例えば、日本製品が世界で広く受け入れられている理由のひとつとして、日本製品が「高品質」「センスが良い」「安全」などのブランドも挙げられると思います。
BtoBにおいては、BtoCと比較して購入単価が高い事や、検討期間が長い事、衝動買いが期待できない事等から、テレビや屋外広告等での認知拡大に力を入れる企業は多くありません。
しかしBtoBマーケティングにおいても、できるだけ多くの企業に自社の商品やサービスを知ってもらうこと、自社ブランドのイメージを確立することは重要です。どうすれば効率的にターゲットに認知拡大の働きかけができるのか、施策の選定がポイントになります。
試すべきマーケティング手法1:SEO(検索エンジン最適化)
トライベック・ブランド戦略研究所の「BtoBサイト調査結果分析2016」によると、BtoBユーザーが仕事の情報源として最も利用しているものは、「企業のWebサイト」(49.6%)、続いて「営業員・技術員の説明」(41.8%)、「業界サイトや専門サイト」(41.2%)という結果でした。
したがって、認知度を高めるためには、自社Webサイトにユーザーを呼び込むことが欠かせません。その手段の1つとしてSEOは有効な手法です。SEOとは、WebサイトをGoogleなどの検索エンジンの検索結果に上位表示させるための施策を指します。
上位表示されているサイトはユーザーの目に触れる機会が多く、またサイトへの流入も多いので、認知拡大のきっかけとなります。また上位表示されているサイトは、そのキーワード、業界において重要なサイトと捉えられる事が多いため、ブランディングに繋がります。
試すべきマーケティング手法2:ビジネスブログ、オウンドメディア
Webでのユーザーとの接点を増やすために、自社メディアも有益な手段と言えます。
自社のターゲットとなるペルソナを設定し、求める情報は何であるかを明確にして、コンテンツを用意しましょう。その際は、企業の課題を認識した段階で必要な情報、具体的に製品を選ぶ段階で必要な情報…といったように、購買フェーズも同時に考える必要があります。
ユーザーにとって有益な情報を提供し続ける事で、ユーザーとの継続的なコミュニケーションを図ることができます。そこから、潜在的なニーズを引き出すことに繋がっていくのです。
試すべきマーケティング手法3:メディア出稿
業界内で情報源になっているような巨大メディアがあれば、記事や広告を出稿することで、認知度やブランドイメージの向上を図ることができます。メディアの配信するメールマガジンに出稿する方法もあるでしょう。短期間に、大量のユーザーの目に触れる事が出来る手法と言えます。
メディアによって、閲覧ユーザー層が異なるため、自社のペルソナ、商品やサービスにマッチしたメディアを選ぶことが重要です。
試すべきマーケティング手法4:展示会
多数の業界関係者が一堂に集まる展示会は、マーケティングの絶好のチャンスです。自社の製品・サービスの存在を広く知ってもらって認知の拡大にも繋がりますし、その場で具体的な商談をして、顧客を獲得することもできます。
Webでの対策はもちろん重要ですが、直接営業担当者や技術担当者と話したいと考える顧客も少なくありません。さまざまなブースを回って来る顧客に自社の強みや他社との違いについてしっかりと説明できること、そして展示会後のフォロー継続的に行う事が重要です。
「展示会を成果に繋げるための準備、当日、事後フォロー」
おわりに
BtoBマーケティングの課題は、実は昔からあまり変わっていません。ただし、Webなどのオンラインマーケティングが台頭してきたことで、アプローチできる企業と手法が増えました。
今回ご紹介した手法以外でも、さまざまなマーケティング手法があります。業界や業種、企業規模を考慮した上で、自社にとって最適な手法を採用しましょう。