メールマーケティングの効果を適切に検証する方法。指標の意味も紹介

メールマーケティング

メールマーケティングの効果を適切に検証する方法。指標の意味も紹介

メールマーケティングでは効果検証を行い、定期的にメールを改善していくことが重要です。メールマーケティングの効果を適切に検証するには、どのような指標を用いれば良いのでしょうか。効果検証の方法と指標の意味を解説します。

メールマーケティングの基本を知ろう

メールマーケティングは導入コストも安く、費用対効果が高いので導入している企業は多くあります。しかし、その中でしっかりと効果検証を行っている企業はどれほどあるでしょうか。

メールマーケティングを成功させるポイントは、しっかりと効果を測定し、メールの質を向上させていくことです。そのためにもまずは、メールマーケティングの基本を的確に押さえた上で、戦略を練ることが重要になります。

メールのマーケティング戦略

メールマーケティングとは、『メールを使ったマーケティング戦略』のことです。メールによって売り上げや成約率、認知度の向上を図ります。

近年は若者を中心に、コミュニケーションはSNSの地位が向上してきていますが、メールは依然として現役です。30代以上のメールの利用率は未だに50%を上回っているという調査結果もあります。

メール配信のコストはテレビCMやWeb広告などと比べて格安であり、1度に多くの人に対し送信できるというメリットがあります。そのため、メールを使ったマーケティングの効果は高い有効性を維持しています。

メールマーケティングとメルマガは異なる

メールを活用したビジネス手法に、メルマガがあります。メルマガとメールマーケティングは並列に議論されることも頻繁にありますが、この二つは明確に異なるものです。

メルマガとは、登録してくれたユーザーに対して情報を一斉送信する配信の仕組みです。ユーザーのセグメントに対する配慮は行わず、情報は均一的なものになります。

その一方で、メールマーケティングの場合、ユーザーの性別や年代、家族構成や収入といったセグメントを考慮し、配信するメールをユーザーごとに分けます。そのため、ユーザー1人ひとりに内容が刺さりやすく、メルマガと比べて高い効果が見込めるものです。

メールマーケティングの目的は、売り上げや成約率に貢献することですが、メルマガの場合、エンゲージメントの強化やブランディングとなります。目的によって使い分けると良いでしょう。

メールマーケティングで成否を左右する効果検証

メールマーケティングには、配信メールの内容をセグメントごとに考える必要があり、運用・配信コストがかかります。それに見合うだけの成果を挙げなければなりません。

そのために必要なのが、効果検証です。効果検証をしっかりと行うことで、メールマーケティングの成否を見極めることができます。ここでは、代表的な効果検証の方法について解説します。

定量データを用いた効果検証を行う

メールマーケティングでは、定量データの測定を行うことができます。配信が成功したメールの数や、エラー数、開封率やクリック率などです。

こうしたデータを取得することで、「読者が配信内容に対して興味を抱いているのか」「魅力的なタイトルか」「使えなくなっているメールアドレスの数」などを検証することができます。

定量データを得やすいのは、メールを使ったマーケティングのメリットの一つです。定期的に定量データを検証して、メールマーケティングの施策改善を行いましょう。

アンケートで効果検証を行う

定量的なデータは、現状のメールに対する評価を検証することはできますが、潜在的なニーズを拾うことはできません。例えば「どんな配信内容を今後希望するか」といったユーザーニーズは、クリック数や開封率などのデータから読み取ることは不可能です。

その補完として、アンケートは有効です。定量的なデータからでは読み取れないメールの感想や、今後希望するメールの内容などを読み取り、今後のメールに反映することができるようになります。

メールマーケティングの効果測定指標

メールマーケティングの効果測定の指標はさまざまです。メールマーケティングで成功したかどうかを測るには、中間目標(Key Performance Indicator、KPI)を定め、それを達成したかどうかを確認するのが有効です。

ここではKPIの指標としてよく用いられる、効果測定の項目を紹介します。紹介します。

開封率

開封率は、メールが読者にどのぐらい開封されたのかを測る指標です。メールを受け取った読者の中には、メールを読まずにそのまま放置したり、ごみ箱に捨てたりする人もいます。

開封率が低いと、どれだけ良質な内容であっても、そもそも読まれることがないわけですから、メールマーケティングの効果が下がる要因となります。

開封率は一般的には20%程度が目安と言われていますが、業種や配信スタイル、ターゲット層によっても変わってくるため、一様には言い切れません。競合他社との比較やこれまでの開封率と比較して目標を立てると良いでしょう。

到達率

到達率とは、そもそもメールが読者の受信ボックスに届いた割合を表す指標です。

到達率が低いということは、迷惑メールに登録されていたり、プロバイダからブロックされたりしている可能性が高いということになります。到達率が低い場合は、メールリストの見直しなどを行い、向上を図りましょう。

配信成功率

上記の到達率と混同されがちですが、配信成功率と到達率は明確に異なります。到達率が『受信ボックスにメールが届いた割合』であるのに対し、配信成功率とは『受信サーバーにメールが届いたかの割合』になります。

スパムフィルタやドメインの拒否によって弾かれてしまうメールは、そもそも到達率としてはカウントされません。配信成功率が低いということは、そもそも読者がメールを受信できていないということになります。

クリック率

クリック率とは、メールの配信数に対し、メールの中にあるURLがクリックされた割合のことです。1000人にメールを送信し、20人がURLをクリックしたなら、クリック率は2%ということになります。

メール配信数がどれだけ多くても、中のURLがクリックされていなければ、読者はそのメールに対する関心が薄いということになってしまいます。クリック率が低い場合、デザインの改善やCTRボタンの活用などで、クリックを促す工夫を施しましょう。

滞在時間(開封エンゲージメント)

メールを開いている時間(滞在時間)も重要な指標です。

例えば、メールの開封率が高くても、滞在時間が数秒程度なら、それはメールを開封してはいるものの読まれてはいないということになります。滞在時間が長ければそれだけ読んでいる時間が長く、興味を持ってくれているという指標です。

ユーザーに対し有意義なメールを配信できているかは、滞在時間から計りましょう。

退会率とも呼ばれる配信停止(オプトアウト)率

メール送信後に、配信停止を希望した読者の割合です。配信停止率が高いということは、読者が配信されたメールに対し満足できなかった、読みにくいなどの不満がある割合が高いということになります。

配信停止率が高いと、それだけ潜在顧客や見込み顧客を失ってしまうということになり、機会損失につながります。配信停止率が高い場合は、メールの質の向上や読みやすいようにデザインを工夫するといった改善策を施しましょう。

コンバージョン率(CVR)

資料請求やサービスへの登録など、成約に結びついた割合のことをコンバージョン率(CVR)と呼びます。メールマーケティングの最終目標として設定している企業も多くあります。

コンバージョン率は商品やサービスの内容、値段によっても大きく変わってくるので、一概に一般的な数値を提示することはできません。売り上げや業績目標からコンバージョン率を検討し、それを目標にKPIを設定すると良いでしょう。

効果的なメールマーケティングを行いましょう

メールマーケティングはコストの低さから導入している企業は多くあります。成果を着実に挙げるためには、効果検証を適切に行いましょう。

効果検証によって、メールの改善を行い、読者数や読了率を上げることができます。コンバージョン率を向上させ、売り上げや業績に寄与できるようにコンテンツの質を高めましょう。