メールマーケティングの平均クリック率は?測定方法と向上させる10のテクニック

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メールマーケティングの平均クリック率は?測定方法と向上させる10のテクニック

メールマーケティングでは到達率やエラー率など、さまざまな指標をもとに効果測定や改善を行うことで効果を高めていくことができます。その指標の中で「クリック率」とはどのような指標なのでしょうか。
この記事では、クリック率から読み取れる改善ポイントや、改善の具体的な方法について解説します。

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▼この記事で分かること
  • クリック率の概要
  • 業界別の平均クリック率
  • クリック率を向上させる10のテクニック
  • クリック率の測定方法


メールマーケティングのクリック率とは?

メールマーケティングでは、『到達率』や『エラー率』『滞在時間』『CV率』などさまざまな効果を測定することができます。
その中で『クリック率』とは、どのような効果があるのでしょうか。ここでは、クリック率の概要や計算式、重要性について具体的に解説します。

クリック率とはメール内のリンクがクリックされた割合のこと

『クリック率』は、送信したメールの総数に対し、メールの中のリンクがどれだけクリックされたかの割合のことです。メールが開封されただけではなく、本文を読んだうえでその先のコンテンツに興味を持ったことを表す指標といえるでしょう。

クリック率の計算方法

クリック率の計測方法は、

クリック率(%)=クリック数 ÷ 配信総数 × 100

という式で計算します。
たとえば、配信数が1000に対し、クリック数が50人だった場合、クリック率は5%ということになります。

クリック率の重要性

クリック率は、効果検証の項目の中でも重要度の高いものです。

なぜならクリック数が低いということは、「本来の目的であるWebサイトや商品の購入ページへの誘導に失敗している」ということにほかなりません。メール配信の開封率が高くてもクリック率が低ければ、メールマーケティングは失敗しているということになります。

また、クリック率が低いということは、メール開封後に読者がどのような行動を取ったのかが分からないため、効果検証や分析がしにくく、施策改善の手が打ちにくいのです。

メールマーケティングで重要なその他の指標

クリック率が目標に届いているからといって、メールマーケティングが成功しているとは言い切れません。クリック率は、「メール内のリンクがクリックされた割合」を示す指標ですが、その前提として「メールが開封されている」ことが必要です。

つまり、開封されないメールではリンクのクリックも起こり得ないため、クリック率が高いという結果だけでは、メールマーケティング全体の成果を評価するには不十分です。そこでメールマーケティングではクリック率だけでなく、開封率や反応率など、他の指標ともあわせて総合的に成果が出ているかどうかを検証する必要があります。

開封率

クリック率とよく似た指標に開封率があります。開封率とは、配信に成功したメールのうち、何通開封されたのか測定する指標です。
そもそもメールが開封されなければクリック率は向上しないため、クリック率と並んで重要な指標であるといえます。

開封率の算出方法
開封率=開封数 ÷ 配信成功数 × 100

メルマガ開封率について詳しくはこちらをご覧ください!

反応率

クリック率や開封率と合わせて参考にされることの多い指標に、反応率があります。
反応率は、開封されたメール本文内のURLがどれくらいクリックされたかという割合を測定する指標です。反応率は、クリック数と開封数をもとに算出されます。

反応率の算出方法
反応率=クリック数 ÷ 開封数 × 100

到達率

到達率は、配信したメールのうち、読者のメールボックスに到達した割合を測定する指標です。
メールが実際に届いていなければ、開封やクリックなどの次のアクションは起こり得ないため、到達率はメールマーケティングの基盤となる指標です。

到達率の算出方法
到達率=到達メール数 ÷ 配信メール数 × 100

エラー率

エラー率は、配信したメールのうち、読者に到達しなかったメールの割合を示す指標です。
メールアドレスの無効化や受信者のメールボックスの容量超過などが原因となります。

エラー率の算出方法
エラー率=エラーメール数 ÷ 配信メール数 × 100

滞在時間

滞在時間は、メールのリンクをクリックした後、読者がそのリンク先ページにどれくらいの時間滞在したかを示す指標です。
この指標は、メール内容とリンク先ページが読者の期待や興味に合致しているかを評価するために使われます。

滞在時間の計測方法
滞在時間=ユーザーがリンク先に滞在した合計時間 ÷ 訪問者数

CV率

CV率(コンバージョン率)は、メール経由で購入や登録、問い合わせなど最終的な目的が達成された割合を示す指標です。
クリック率が高くても、CV率が低い場合は、リンク先の内容やユーザー体験の改善が必要とされます。

CV率の算出方法
CV率=コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100

業界別平均クリック率を知ろう!

メールマーケティングの成果を判断するには、これまでに社内で実施した施策のクリック率との比較だけでなく、業界内の平均値と比較することも重要となります。クリック率は、配信するメールのジャンルやユーザー層だけでなく、業界によっても変わってきます。

自社の成果を業界平均と照らし合わせることで、自社の成果をより客観的に判断することができるでしょう。そこでここでは、業界別のクリック数について、Smart Insightsの統計をもとにご紹介します。

出展元:Smart Insights|How do you compare? 2020 email marketing statistics compilation

【2024年1月更新】業界別の平均クリック率

Smart Insightsの取った統計によれば、クリック率が高いのはテクノロジージャンルです。全業界の平均値が1.4%のところ、2.6%となっています。
また不動産や小売り、フィットネスといった業界では、クリック率がやや低い傾向が見られました。

業種 開封率 クリック率 直帰率
全体平均 36.5% 1.4% 10.4%
広告・マーケティング 30.1% 1.4% 9.8%
建築・建設 39.3% 1.3% 10.1%
旅行・観光 36.2% 1.0% 14.4%
教育 40.2% 1.7% 9.7%
金融サービス 30.4% 1.0% 9.8%
健康 37.0% 1.0% 10.2%
製造と流通 30.1 1.3% 14.3%
非営利サービス 41.8% 1.9% 11.2%
不動産 35.0% 0.9% 13.4%
小売 33.1% 0.9% 7.7%
テクノロジー 20.8% 2.6% 10.7%
フィットネス 36.4% 0.7% 11.2%
スポーツ・エンターテイメント 41.8% 1.1% 10.1%

クリック率を向上させる10のポイント

ここでは、クリック率を向上させる具体的な方法について解説します。メールのデザインや文章を作成する際には、以下のポイントを押さえると、クリック率の向上が見込めます。

①件名の改善

クリック率を向上させるには、そもそも開封率を高めることも重要となります。この開封率を高めるためには「件名」の改善が効果的です。
開封したくなるメールの件名とは、件名を見て用件がわかることや受信者にとって開封するメリットとなるインセンティブが提示されているものなどがあります。
ほかにも、数字を活用することで具体性を持たせたり、表示される文字数の上限となる30字前後に収めるなどのポイントを押さえて作成しましょう。

メルマガの件名・構成については、こちらの記事に詳しくまとめています!

②ファーストビューを工夫する

ファーストビューとは、読者がメールを開いた際に最初に目にする部分を指します。このファーストビューの設計は、クリック率に大きな影響を与えます。
この部分が魅力的で、次の行動を促すものであるほど、受信者はスクロールして内容を確認し、リンクをクリックする可能性が高まります。
たとえば、「詳細は下記をご覧ください」といった言葉や、次のセクションが気になる画像やコンテンツを配置することが効果的です。

➂CTAの最適化

クリックできるURLを適切な位置に配置することや、ボタンになっているなどCTAを最適化することもクリック率の向上につながります。
CTAは、読者がメールを読み進める中でどこをクリックするべきかわかりやすいことはもちろん、クリックしたいと思ったときに押せるよう最適な位置に配置されていることも重要となります。

※このようなボタンを設置しましょう!
CTA例

④1メール1コンテンツ形式

1つのメールに複数のコンテンツを入れると、メールの内容が煩雑になってしまい、読みにくくなるという問題が生じます。メールが長文になるほど読者の離脱率も上がってしまいますし、もっとも重要なコンテンツのクリック率が下がるということもあり得ます。

もう1つの要因としては、1度クリックして別のサイトに飛んだ場合、そこから元のメールに帰還する可能性は低いという点です。読者の多くはそのままメールを閉じてしまいます。もしコンテンツ数やURLを増やしたい場合、メールの配信頻度を上げるなど、別の対策を講じましょう。

⑤デザインを統一する

読者視点で考えてみると、メールが届くたびにデザインや文字数が大きく違っていたり、見出しの付け方が違っていたりすると、同じ会社から届いたメールという印象が薄くなってしまい、ブランディングに差し障ります。

自社の印象付けや、読みやすくするためにもメールごとのデザインは統一しましょう。またデザインの統一は、メールを作成する担当者の工数を減らすことにもつながります。
デザイナーが社内にいない場合やリソースがない場合は、テンプレートを使ってみるという方法も有効です。

⑥コンテンツの質を高める

良質なコンテンツは可読率も上がりますし、ファンもつきやすくなります。コンテンツの質を全体的に向上させることが、結果としてクリック率の向上に貢献するでしょう。

コンテンツの質を向上させる方法ですが、効果検証を行った上でKGI(Key Goal Indicator、最終目標)とKPI(Key Performance Indicator、中間目標)を設定し、PDCAサイクルを回すことが有効です。目標に達成していない部分を分析して、改善することでコンテンツの質を向上させます。

⑦読まれやすい時間帯や曜日に配信する

メール配信のタイミングは開封率やクリック率に大きく影響します。メールには読まれやすい時間帯や曜日があるため、読者が閲覧しやすい時間帯を狙って送信することも重要となります。

たとえば、始業時間にメールチェックすることを想定し午前中に送信したり、外回りから帰って来る終業時間間際に送信することがおすすめです。また休み明けである月曜日は、多くのメールが届いていることが想定でき、自社のメールが埋もれてしまうことも考えられます。そのため週半ばに送るなど相手に読んでもらえる可能性の高いタイミングを考え送信しましょう。

⑧セグメント配信を活用する

セグメント配信の活用もクリック率の向上につながります。セグメント配信とは、自社にある顧客リストをある特定の属性に基づいてセグメントします。このセグメントされた属性ごとにそれぞれ異なる内容のメールを配信することができるのがセグメント配信です。
これにより、セグメントごとの課題やニーズに合わせてパーソナライズされた情報を送ることができ、クリック率の向上が期待できます。

⑨HTMLメールを活用する

HTMLメールは、テキストメールと比べデザインや機能性で読者を引きつけやすいというメリットがあります。
リンクはテキストだけでなく、視認性が高いボタン形式で配置することでクリック率が向上します。たとえば、「今すぐ購入」や「詳細はこちら」といったCTAボタンを、メール内の目立つ場所に設置します。
HTMLメールを使うことで、視覚的な魅力を高め、クリック率の向上を図ることができます。

⑩ABテストを実施する

メールの効果を測定する方法として、ABテストも実施していきましょう。デザインや見出しが異なる2つのパターンのメールを用意して配信します。その結果の差異を比較して、何が違うのかを分析し、改善するという方法です。
このABテストを行うに当たっては、パターンの差異はある程度絞る必要があります。なぜならあまりに大きな違いがあると、何が原因で効果に差が出ているのかが分からず、改善施策を検討しにくくなるからです。

クリック率を測定する2つの方法とは?

クリック率を測定するには、どのような方法があるのでしょうか。ここではGoogleアナリティクスを使った方法と、メール配信ツールを使った方法の2種類を紹介します。

アクセス解析ツールでパラメーターを付与する

Googleアナリティクスを使ってクリック率を測定する方法を紹介します。メール経由のリンクで、Webサイトを訪問した場合、URLの直接入力やブックマークなどから訪れたのか、メール経由なのかの区別がつきません。

そこで、メール内にダミーパラメーターを付与します。ダミーパラメーターは、URLとしては認識されないものの、アナリティクスのトラフィック欄には流入元が表示することができます。
パラメーターの生成は、Google公式が提供している『Google Analytics Campaign URL Builder』を利用すると簡単に取得できます。

Google Analytics Campaign URL Builder

メール配信ツールを使って計測する

MA(マーケティングオートメーション)やメール配信ツールなどのツールには、メールの効果を測定する機能があります。こうしたツールを導入して、メールのクリック率を測定することも可能です。

ツールを導入すると、開封率や到達率、エラー率や離脱率など、他の効果指標に関しても簡単に取得できるようになります。ツールの中には月額数百円程度で導入できるものもあります。メールマーケティングを行う上では、工数削減や分析のためにツールの導入も選択肢として考慮してみましょう。

MAの概要や導入のメリット、事例を知りたい方はこちらから!

クリック率を効果測定する際の注意点

ここまで業種別の開封率やクリック率の平均を紹介してきましたが、その業種の平均値がすべてに当てはまる訳ではありません。クリック率の結果をより正確に測定、分析するためには以下の注意点を意識しておくことが大切です。

ターゲット層の違い

クリック率はターゲット層によって大きく異なるため、効果測定を行う際は読者の属性や行動特性を考慮する必要があります。たとえば、同じ業種であっても既存顧客やリピーターと、初めて接触する見込み顧客では、クリック率に差が出るのは当然です。
このように同じ業種だからといって同じ基準で比較せず、ターゲット層ごとに目標値を設定することが重要です。

最適なタイミングの違い

先述したようにメールを配信するタイミングも、クリック率に大きな影響を与えます。読まれやすい時間帯や曜日に配信すると解説しましたが、ユーザー層やターゲットによって最適なタイミングは異なるでしょう。
そこで配信後のクリック率を曜日や時間帯別に分析し、最適な配信時間を見極めることが重要となります。

効果測定するための設定を確認

効果測定を正確に行うには、データを適切に収集できるよう、各種設定を確認しておく必要があります。一般的にHTMLメールに埋め込まれた画像へのアクセスや、集計用URLを経由することで開封率やクリック率を集計することができます。
しかし、読者側の環境設定や受信拒否により、正確な数値を図ることができない場合があります。こうした背景から、実際には計測よりもやや高い数値である可能性も考えられます。

メルマガの効果測定については、こちらの記事に詳しくまとめています。

メールマーケティングの効果を正しく測定するためにはMAの活用が効果的

メールマーケティングの効果を正しく測定するためには、MA(マーケティングオートメーション)の活用が効果的です。MAは、顧客の行動や属性に基づいた詳細なデータを収集・分析し、自動化されたプロセスで効果的なマーケティング施策を実施できるツールです。このツールを活用することで、メールマーケティングのあらゆる指標を正確に測定し、効果的に改善を行うことが可能となります。

具体的には、レポート機能を通じて、メールマーケティング全体の成果を一目で把握できるようにします。さらに成果指標をダッシュボード形式で表示し、メールの効果を定量的に評価します。このデータをもとにして、次の戦略を立案し、継続的な改善を行うことが可能となるのです。

このようにMAの導入により、メールマーケティングのプロセス全体を効率化し、正確な効果測定を実現することができます。MAの概要や導入のメリット、事例を知りたい方はこちらから!

ユーザー視点で効果的なメール配信を行おう

クリック率の向上は、メールマーケティングの成果に大きく寄与します。メールの質の向上やその他の効果検証を行い、メールの質を高めることが、クリック率の増加につながります。
クリック率を上げる上で重要なのは、読者であるユーザーの視点に立って改善施策を実行することです。読みやすい、見やすい、リンクを踏みやすいといったユーザビリティの高いメール配信を心掛けましょう。