インサイドセールスとテレアポの5つの違い!成功のポイントと注意点も解説!
近年、営業活動において「インサイドセールス」に注目が集まっています。
従来の営業活動のように外出することはなく、電話やメールを利用して顧客とコミュニケーションをとる営業スタイルが特徴です。しかし、そのスタイルだけ見ると「テレアポと何が違うのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
この記事ではインサイドセールスの役割と、テレアポやフィールドセールスとの違いについてご紹介します。
- ▼この記事で分かること
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- インサイドセールスとテレアポの違い
- インサイドセールスとテレアポのそれぞれが向いている企業
- インサイドセールスを成功させるポイントと注意点
- 効果的なインサイドセールスに欠かせないMAの活用について
- マーケティングオートメーションツール
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Contents
インサイドセールスとは?
まず、インサイドセールスの定義について簡単に整理しましょう。インサイドセールスとは、「内勤がメインの営業スタイル」またはその役割を指しています。
「オフィスの外に出ない=インサイド」で顧客とコンタクトをとるため、コミュニケーションの手段は電話やメールが主流です。訪問を中心とした従来の営業スタイル「フィールドセールス」と比べて、1日あたりの商談数増加や対応できる顧客数の増加などのメリットがあります。
たとえば、フィールドセールスが1日で訪問出来る顧客の数は、多くても4〜5社程度でしょう。しかし、電話商談であれば移動時間が必要ないため、インサイドセールスが行える商談はフィールドセールスの倍近くになります。
その結果、これまでよりも対応する顧客の数を大幅に増やすことが可能です。
インサイドセールスの目的は「見込み顧客の育成」
インサイドセールスによって商談が完結しないケースにおいて、インサイドセールスのもっとも重要な目的は、「見込み顧客の育成」にあります。
マーケティング活動によって獲得したリードに対して精査を行ない、今すぐ対応すべきものはフィールドセールスにすばやくパスし、そうでないものはインサイドセールスによる情報提供を継続して顧客との関係構築を行う役割を担います。
つまり、営業とマーケティングの間にある役割ともいえるでしょう。企業によって、インサイドセールスは営業部よりであったり、マーケティング部よりであるなどの違いがあります。こうした違いがある理由は、その業務内容がちょうど営業とマーケティングの橋渡しとも言える内容だからでしょう。
テレアポとは?
テレアポとは、電話を通じて見込み顧客にアプローチし、アポ取りを行う営業手法のことを指します。
インサイドセールスとテレアポは、どちらも電話を活用して顧客にアプローチする営業手法ですが、テレアポは、主に新規顧客の開拓や商品の紹介を目的として行われます。
電話での直接的なコミュニケーションを通じて、興味を持った顧客との商談や次のステップに進めるための約束を取り付けることが主な目的です。
インサイドセールスとテレアポの違い
インサイドセールスがかける電話は、一見単なる「アポ取り」と同じように見えるかもしれません。しかし、この2つには大きな違いがあるため、詳しく見ていきましょう。
インサイドセールス | テレアポ | |
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目的 |
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主なKPI |
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架電対象 |
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検証期間 |
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アプローチ方法 |
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①目的
インサイドセールスとテレアポでは、電話を活用する目的が異なります。インサイドセールスにおける電話の目的は、顧客への「ヒアリング」や「情報提供」です。そのため、定期的なコミュニケーションによって良い関係を築き、ニーズが顕在化するタイミングをキャッチアップすることが重要になります。
一方、テレアポの目的は「アポイントの獲得」です。そのため、極端なことを言えば、ヒアリングや情報提供の必要がなく、顧客との関係構築を行う必要もありません。
②成果指標(KPI)
インサイドセールスでは、長期的なリードナーチャリングや商談からの成約率など、質と関係性の強化が重視されます。
一方、テレアポでは、短期的なアポ獲得数やコール数が成果を示す重要な指標です。
- インサイドセールスの主なKPI
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- リード獲得数
- 商談獲得数
- 成約数
- 成約金額
- テレアポの主なKPI
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- コール件数
- 実際に会話ができた接続数
- アポ獲得件数
➂架電対象
インサイドセールスは、1人の顧客と定期的にコミュニケーションをとるため、電話の掛け先は特定の個人でいわゆる「ウォームコール」であることが多いでしょう。そのため、「○○部の■■様」というように取次をお願いします。
テレアポの場合、部分的には名前付きのリストがあったとしても、多くは企業の代表連絡先しかない「コールドコール」です。そのような場合には、担当者を探すところから始める必要があります。
④検証期間
インサイドセールスとテレアポでは、「長期でリードを育てる」「短時間でアポイントにつなげる」といった時間軸が異なります。
インサイドセールスの場合は、リード獲得時から営業へパスするまで、ある程度の時間をかけてコミュニケーションを取ります。ただアポイントを獲得するだけではなく、より成約に繋がりやすいリードの見極めを行う場合も少なくありません。
一方テレアポでは、そのタイミングでのアポイント獲得が最大の成果です。そのため、顧客との関係性やニーズが顕在化しているなどの条件は関係なく、「その場でいかにアポイントにつなげるか」を重視する傾向にあります。
⑤アプローチ手法
インサイドセールスは、電話やメール、Web会議、SNSといった多様なチャネルを活用し、顧客とコミュニケーションを取ります。特にデジタルチャネルを活用することが多いです。単にアポを取るだけでなく、顧客の課題に対して価値のある情報を提供するリードナーチャリングを通じて、顧客の購買意欲が高まるまで継続的にフォローを行います。
一方テレアポは、主に電話をメインとした営業活動が行われます。短時間で相手の関心を引き、アポを取るための直接的なアプローチが特徴です。
顧客のニーズを深く掘り下げるよりも、商品やサービスを簡潔に紹介し、商談の場に誘導することが目的です。
インサイドセールスとテレアポ、どちらを導入すべき?
インサイドセールスとテレアポにはそれぞれ特性があり、企業のビジネスモデルやターゲットに応じて向き不向きがあります。
インサイドセールスが向いている企業
インサイドセールスは、電話やメール、オンライン会議などを活用してリモートで商談を進める営業手法です。顧客との関係を長期的に築くことが特徴で、特に以下のような企業に適しています。
- ・BtoB企業
- BtoB企業に多い、複雑な商材や単価の高いサービスである場合、サービスの検討から導入までの中長期的な時間がかかるため、インサイドセールスで定期的なフォローアップを行うことが重要となります。
- ・高価格帯の商材を扱う企業
- 高価格の商品やサービスは、購入までに複数の関係者が携わることが多くあります。インサイドセールスは、長期的な信頼関係を築きながら複数回の商談を重ねることができるため、このような商材に向いているといえます。
- ・リードナーチャリングが必要な企業
- 獲得した見込み顧客の関心度合いが低い場合には、リードナーチャリングにより見込み顧客を育成して最終的な商談へとつなげる必要があります。インサイドセールスは、このリードナーチャリングを得意とするため、このプロセスが必要な企業に向いているといえるでしょう。
テレアポが向いている企業
テレアポは、電話での営業活動を通じて新規顧客を獲得する手法で、以下のような企業に向いています。
- ・短期的な成果が求められる企業
- 短期間で成果を求められるビジネスでは、テレアポによる直接的なアプローチが効果的です。たとえば、キャンペーンやイベントの告知、新商品のプロモーションなどで、即時の反応が欲しい場合に適しています。
- ・ターゲットリストが豊富な企業
- テレアポは、リストを基に多くの見込み顧客にアプローチするため、ターゲットが多い場合や、セグメントをあまり細かくしない企業に向いているといえるでしょう。
フィールドセールスとは?インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担
アメリカではインサイドセールスが主流ですが、元来対面による商談を重視してきた日本においては、全ての商談を非対面でするのはまだ難しいでしょう。
そこで、フィールドセールスとインサイドセールスの役割分担が重要になってきます。
「いますぐ客」はフィールドセールス
すでにニーズが顕在化している顧客に対しては、これまで通りフィールドセールスによる対応が望ましいでしょう。対面の商談により、細かいヒアリングや条件のすり合わせなどを行うことで受注数の増加を図ります。
「そのうち客」はインサイドセールス
まだニーズが潜在的な顧客に対しては、フィールドセールスが訪問しても具体的な案件にならないことも少なくありません。そのためにフィールドセールスの対応もおざなりになりがちです。そのような顧客こそ、インサイドセールスによる対応が効果的です。
顧客に対して定期的にコンタクトを取り、ヒアリングをしながら、有益な情報提供を続けていきます。その後、ニーズが顕在化してきたタイミングで顧客に対してアポイントの打診を行ない、商談の約束を取り付けた案件について、フィールドセールスにパスしましょう。
インサイドセールスを成功させるポイント
インサイドセールスを成功させるために、意識しておきたい点を2つご紹介します。
運用体制の整備
インサイドセールスは、マーケティング部門やフィールドセールス部門と連携して情報共有を行うことが重要です。部門間で連携することで、マーケティングが集めたリードをインサイドセールスが育成し、フィールドセールスに引き渡すことでより効率的な営業活動を行うことが可能となります。
このように、各連携部門と定期的な情報共有など綿密な連携ができる仕組みづくりを行うことでインサイドセールスを効果的に機能させることにつながるでしょう。また運用体制の整備は、チームだけでなく、ツールやプロセスを整えることも重要となります。
KPIの設定
KPI(重要業績評価指標)の設定は、インサイドセールスの成果を継続的に測定・改善し、成果向上へとつなげることができます。
効果的なインサイドセールスの運営には、適切なKPIを設定し、進捗をモニタリングすることが不可欠です。
インサイドセールスをテレアポ部隊にしないための注意点
インサイドセールスを単なるテレアポ部隊にしないためには、戦略的な運営が重要です。インサイドセールスの役割は、単にアポイントを取ることではなく、顧客との関係構築やリードナーチャリングにあります。以下の2つのポイントに注意することで、インサイドセールスを効果的に運用することができるでしょう。
アポ獲得数を目的にしない
インサイドセールスはアポイントを獲得するだけが目的ではありません。アポの数ばかりを重視すると、質の低い商談が増え、成約率が低下します。
インサイドセールスでは、リードを育成し、購買意欲が高まった段階でアプローチする「リードナーチャリング」を目的とすることで、商談の質が向上するため、顧客の課題やニーズを深く理解し、適切なタイミングで価値ある提案を行うことが重要です。
トークスクリプトに頼りすぎない
インサイドセールスでは、テレアポのように一方的にセールスを行う形ではなく、顧客の状況や課題に基づいた対話を重視します。
そのため事前に準備したトークスクリプトに頼りすぎると、顧客の反応に柔軟に対応できなくなり、相手に価値を感じてもらえない可能性があります。
そこで、トークスクリプトは基本的なガイドラインとして活用しつつ、顧客の反応やニーズに合わせて、柔軟に対話を進めることが重要です。
インサイドセールスに活用できるマーケティングオートメーション(MA)とは
マーケティングオートメーション(MA)とは、自社サイトの問い合わせフォームや展示会などで獲得した見込み客(リード)を管理し、メール送信やセミナーへの誘導などを適したタイミングで行い、購入意欲を高めるといったマーケティング活動を自動化できる仕組みやツールのことです。
インターネットの普及により、企業は営業担当者からの情報に頼ることなく、簡単に情報収集を行えるようになりました。そのため、企業はインターネットで情報を収集しつつ、サービスや商品の導入について複数の候補企業を挙げて、その中から発注先を選定するようになりました。
こうした購買スタイルの変化により、企業が購買行動に入るタイミングで自社が候補企業としてピックアップされるためには、相手方の企業との良好な関係構築、自社の印象付けが重要となります。購入決定はアポイント前に終わっているのです。
MAを活用することで、購買行動に至っていないリードに対して、相手のニーズに沿ったコンテンツを適切なタイミングで提供でき、相手企業と継続的に関係構築できます。
インサイドセールスでMAを活用することによる相乗効果
MAは見込み顧客の育成や効果的な集客を可能とするマーケティングツールです。
一方、インサイドセールスは見込み顧客へメールや電話などでコンタクトを行い、顧客とのコミュニケーションを通して、相手企業のスケジュール感やニーズなどの情報を確認します。そして、フィールドセールスに顧客に関する情報を共有します。
MAで絞り込んだリードに対してインサイドセールスが営業活動を行い、フィールドセールスにつなげれば、商談の成功確率は上がるはずです。そのため、MAによる情報の獲得や分析、見込み顧客の育成が効率化できれば、インサイドセールスにとっても効率の良い営業ができるといえます。
おわりに:インサイドセールスとMAの導入で営業活動の効率化を目指そう
MAツールを導入すれば、見込み顧客の管理や適切なタイミングでのメール送信やウォームコールなどを効率化でき、インサイドセールスで顧客との良好な関係を築きやすくなります。
コールドコールへのテレアポで効果が出なくて困っている、インサイドセールスを導入したが見込み顧客の管理が上手くできない、などといった悩みを抱えているなら、ぜひMAツールの導入を検討してみてください。