BtoBマーケティングにおける動画コンテンツの活用例とは?BtoB動画作成のメリットや成功のポイントも紹介

マーケティング全般

BtoBマーケティングにおける動画コンテンツの活用例とは?BtoB動画作成のメリットや成功のポイントも紹介

動画は静止画と比較してユーザーに強い印象を残すため、マーケティングに活用する企業が増えています。動画コンテンツはBtoCマーケティングのみならず、BtoBマーケティングにも有効です。そこで今回は、BtoBマーケティングにおける動画コンテンツの活用例についてご紹介します。

▼この記事でわかること
  • BtoBマーケティングには動画コンテンツが有効である理由
  • 動画コンテンツを活用するメリットとデメリット
  • 動画コンテンツの活用シーンと具体的な活用例
  • 動画活用を成功させるポイント

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BtoBマーケティングには動画コンテンツは有効?

動画コンテンツの活用はBtoC企業が先行しており、自社商品のプロモーション動画を自社サイトや動画サイト、SNSに投稿して集客活動を行っています。BtoCマーケティングでは、動画コンテンツで消費者の感情を揺さぶり、購買行動に向かわせることを目的としています。

ではBtoBマーケティングの場合はどうでしょうか?
企業の担当者は常に何らかの課題・悩みを抱えており、問題解決につながる施策を見つけるべく、インターネットを利用した情報収集を日常的に行っています。
その際、より短時間で明瞭な情報収集を可能にしてくれるものの1一つが動画コンテンツです。扱うべき情報量が増え続ける昨今、動画コンテンツはBtoBマーケティングにとっても欠かせないものと言えるでしょう。

しかし、BtoBマーケティングでは商品購入の意思決定に複数の人間がかかわり、購入検討に要する期間も長期に及ぶため、BtoCのような衝動買いは期待できません。
そのため、BtoBで活用される動画コンテンツは、自社と商品・サービスの認知度を高めて購入検討の対象に堅実にピックアップしてもらうこと、ターゲット顧客のニーズに寄り添ったメリットを提示して検討期間の加速を促すことなどが特に重要と言えるでしょう。

BtoBマーケティングで動画コンテンツが注目されている背景

ここでは、BtoBマーケティングで動画コンテンツが注目されている背景について理解を深めていきましょう。

動画市場の拡大と利用者の増加

近年、動画市場が急速に拡大しており、特にYouTubeやLinkedInといったプラットフォームでの動画視聴が一般化しています。スマートフォンや高速インターネットの普及により、手軽に動画を視聴できる環境が整ったことも、この市場の成長を後押ししています。

BtoB企業もこの流れを受け、顧客である企業担当者や意思決定者に対して、効率的かつ魅力的に情報を伝える手段として動画コンテンツを活用するようになりました。

意思決定者層の行動変化

BtoBの意思決定者が情報収集を行う際に、動画コンテンツを活用する傾向が強まっています。調査によると、購買に関わる意思決定の過程で動画を参考にする割合が増加しており、特に製品レビューや導入事例の動画が重視されています。
この背景には、テキストよりも動画のほうが短時間で具体的なイメージを得られるという特性があります。

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い

BtoBが法人向けのビジネスモデルであるのに対して、BtoCは、個人消費者を対象としており、成約に至るまでのプロセスが大きく異なるため、それぞれマーケティングの方法も異なります。動画を効果的に活用するには、まずBtoBとBtoCマーケティングの特性を理解することが重要です。ここでは、両者の違いを見ていきましょう。

ターゲットの違い

BtoBビジネスとBtoCビジネスでは、対象のターゲットが異なります。
BtoBマーケティングのターゲットは企業や組織であり、BtoCのターゲットは一般消費者である個人となります。BtoCの場合、個人の感情や趣味、ライフスタイルが購入の決め手となりますが、BtoBでは、業務課題を解決することや、ROI(投資対効果)が重視されます。
そのため、BtoBの動画コンテンツでは、製品やサービスが「業務効率の向上」や「コスト削減」にどう貢献するかを具体的に伝えることが重要です。

意思決定者の違い

BtoCの意思決定は主に個人で行われるため、直感や感情が重要な役割を果たします。これに対してBtoBでは、購入の意思決定に複数の関係者が関与します。たとえば、関係部署の担当者や決裁権を持つマネージャー層、最終的な判断をする経営者層など、多段階で意思決定が進みます。動画コンテンツでは、それぞれの意思決定者が求める情報をわかりやすく提供する必要があります。

検討期間の違い

BtoCでは比較的短い検討期間で購入が決まる場合が多く、衝動買いやキャンペーンの影響を受けやすい傾向があります。これに対してBtoBは検討期間が長くなるのが特徴です。高額な投資であることや、業務への影響の大きさから、企業は慎重に比較検討を行い、複数の提案を精査します。このため、導入事例や解説動画など長期的な教育型の動画を提供することが重要です。

BtoBマーケティングで動画コンテンツを活用するメリットとデメリット

ここでは、BtoBマーケティングにおいて動画を活用することのメリットとデメリットを整理して解説します。

メリット

①短い時間で多くの情報を伝えられる
動画は視覚と聴覚を同時に刺激するため、短時間で効率的に情報を伝達できます。複雑な製品やサービスの説明も、アニメーションや実演を活用することで分かりやすく伝えられます。
②印象に残りやすい
動画は文章や画像よりも感情に訴えやすく、視覚的な記憶に残りやすい特徴があります。特にBtoBの場面では、製品の優位性や専門性を伝える映像が信頼感の向上につながります。
➂制作した動画は繰り返し活用できる
一度制作した動画は、Webサイト、SNS、プレゼンテーション、展示会などさまざまな場面で再利用可能です。これにより、長期的な費用対効果が高まります。

デメリット

①制作コストがかかる
企業が動画を活用する際のデメリットの1つは、テキストコンテンツと比較して制作費用が高くなるという点です。特にクオリティの高い動画を制作しようとすると、高品質なカメラ、編集ソフト、ナレーション、アニメーションなどの費用が発生することも考えられます。
②制作に時間がかかる
動画の企画、撮影、編集などの動画の制作には時間が必要がかかります。迅速なマーケティング活動を求められる場合、この点がハードルになることがあります。

BtoBマーケティングにおける動画コンテンツの活用シーン

BtoBマーケティングにおける動画コンテンツは、多くの場面で幅広く応用できます。

リード獲得

動画を通じて、視聴者との信頼関係を築いていくことで、リード(見込み顧客)の獲得につなげることができます。具体的には、動画の視覚的なインパクトで視聴者の関心を引き付け、問い合わせフォームや資料請求のアクションを促します。
製品やサービスの紹介動画、課題を解決するソリューション動画などをLPやSNS広告に掲載することが効果的です。

認知の拡大

動画は、短時間で多くの情報を視覚的に伝えることで、企業やブランドの知名度を高めることができます。
YouTubeなどに企業紹介動画を投稿することや、SNSでシェアされやすい短編動画を配信することで、ターゲット層にブランドを認識させることができます。

リード育成

動画は、すでに獲得したリードに対して追加情報を提供し、関心を深める手段としても活用されます。
たとえば、製品のデモ動画、導入事例動画、専門知識を解説するウェビナーのアーカイブ動画など、リードが持つ疑問や課題に応える動画を配信することで、関心を維持し購買意欲を高めます。

成約率の向上

商談やクロージングの場面でも動画は重要な役割を果たします。たとえば、商談の際に個別の提案内容を動画で説明したり、自社の実績を示す動画を活用することで信頼感を構築することができるでしょう。
また、視覚的かつ感情に訴える表現で、購入の意思決定を後押しすることにもつながります。

社内外の教育活動

動画は、顧客や社内のメンバーに対する教育活動としても活用できます。
たとえば、顧客向けの製品操作マニュアル動画や社内向けのeラーニング教材などで、説明書や口頭説明よりも理解が容易になり、反復利用することで教育効果を高めることができます。

採用活動

人材採用の場面でも動画は有効です。
具体的には、企業文化を紹介するリクルート動画、社員インタビュー動画、会社説明会のアーカイブ動画などで、求職者に会社の雰囲気や価値観を視覚的に伝え、応募意欲を喚起します。

動画コンテンツの活用例

【1】商品紹介動画

テキストや画像で商品の特徴や魅力を伝えようとしても、ユーザーに十分に伝わらないことも少なくありません。しかし、動画で商品紹介を行うことにより、商品がどのようなシーンでどんな使われ方をしているかなどをすぐに理解することができます。

複数パターンの活用方法を動画にしたり、商品やサービス購入前後をわかりやすく動画にしてみてはどうでしょう。製造過程に特徴や強みがある製品について、実際の製造工程を動画にしてみても良いかもしれません。
商品紹介動画の視聴でユーザーにイメージをつかんでもらい、関心を持ったユーザーはWebサイトからホワイトペーパーをダウンロードしたり、お役立ち情報を紹介するコンテンツなどを閲覧したりできるようにすると良いでしょう。

制作した商品紹介動画を展示会で流す使い方もおすすめです。来場者が足を止めやすくなるため、商品認知度アップに寄与するでしょう。

【2】企業のブランディング動画

特定の商品のプロモーションではなく、企業のイメージアップのために制作される動画です。
企業イメージが売り上げに直結するBtoC企業でも、自社ブランディングには力を入れていますが、BtoBにおいても自社のパートナーとなる企業のイメージは重要なポイントです。

競合他社との差別化を図るためにも、企業ブランディングが欠かせません。企業ブランディング動画を通じて、会社に対する良いイメージを定着させましょう。

【3】セミナー動画

セミナーの様子を録画したものを動画として利用することも1つの方法です。近年ではWebとセミナーを合わせたオンラインセミナー「ウェビナー」も行われています。専門性の高い商品を扱うBtoBの場合、商品機能や活用事例を紹介するセミナーに参加したいと思うこともあるでしょう。

地理的な距離やコスト的、時間的な問題からセミナー会場に足を運べないときでも、Webを介することで、いつどこにいてもセミナーに参加することが可能なので、スケジュールが合わない多忙な見込み顧客や、遠隔地の見込み顧客の獲得にもつながります。

【4】インタビュー動画

自社で発信する商品情報は、あくまで商品を売る側から発信される情報であり、商品導入によって本当にメリットが得られるのかどうか不安を感じるユーザーは少なくありません。

そこで、実際に商品を購入したユーザーの導入事例を紹介することによって、その不安を払しょくすることがインタビュー動画の狙いです。商品導入前の不安や、導入後の効果をユーザーが直接語ることによって、リアリティを持ってユーザーに伝わるので、商品の信頼性を高めることができます。

【5】リクルート動画(採用動画)

インターネットは現在の就職活動の必須ツールです。就活生はインターネットで情報収集した上で企業にエントリーするため、リクルート動画を制作して自社Webサイトや動画サイトに投稿する企業も増えています。

会社の事業内容やオフィスで社員が働く様子、若手社員が入社を決めた理由を取り上げ、動画を視聴した就活生は会社で働く自分の姿を描けるようになります。将来の働き方に不安を持つ女子就活生に向けて、産休育休の実績のある女性社員のインタビューを投稿するなども良いでしょう。

BtoBマーケティングでの動画活用を成功させる4つのポイント

1.ターゲットと目的を明確にしておく

動画制作の第一歩は、ターゲットと目的を明確にすることです。ターゲットが誰で、どのような課題やニーズを持っているのかを深く理解した上で、それに応える形で動画の内容を設計する必要があります。

また、「リード獲得」「認知拡大」「成約率向上」など、どの段階で動画を活用するのかを事前に決めておくことで、適切なメッセージを届けることができます。

2.意思決定に必要となる情報を入れる

BtoBの視聴者は、意思決定をするための具体的で信頼性のある情報を求めています。そのため、製品やサービスの特長や利点、競合との差別化ポイント、実績や導入事例など、相手の意思決定を後押しする情報を盛り込むことが重要です。

また、情報が一方的にならないよう、視聴者が「自分たちにどのようなメリットがあるか」を理解できる形で伝える工夫も必要です。

3.動画のクオリティを高める

動画は視覚と聴覚で情報を伝えるため、クオリティが低いと逆にブランドイメージを損なう恐れがあります。撮影の技術や編集のスキルが不足している場合、自社での制作を無理に行うのではなく、外部の専門業者に委託することを検討しましょう。

特に、製品デモや企業紹介など重要な用途で使用する動画は、プロの手によって洗練された仕上がりにすることで、視聴者に信頼感を与えることができます。

4.配信媒体や活用シーンを事前に決めておく

動画の効果を最大化するためには、どの媒体で、どのようなシーンで活用するのかを事前に計画しておくことが重要です。
たとえば、リード獲得を狙うのであれば、SNSやランディングページが有効ですし、商談時には具体的な提案動画や導入事例動画が役立ちます。また、配信媒体ごとに最適な動画フォーマットや長さを考慮することも必要です。

このように、視聴者の行動や媒体の特性に合わせて配信計画を立てることで、効果的な動画活用が実現します。

おわりに

今回は、BtoBマーケティングにおける動画コンテンツの活用例についてご紹介しました。
これまで、BtoBマーケティングではあまり取り入れられることのなかった動画コンテンツでしたが、最近では積極的に活用されています。動画コンテンツを最大限に生かして、見込み顧客の獲得、見込み顧客の獲得、育成や、企業イメージのアップへとつなげましょう。