マーケティングオートメーション(MA)は営業をどう変える?
営業担当者は、多かれ少なかれさまざまな悩みを抱えていると思います。今までの営業では個人の能力によって大幅に成果に差が出たり、顧客に十分なサポートができないこともありました。
しかし、マーケティングオートメーションの導入により個人の能力に左右されることなく、営業活動を効率化し、成果をあげることができるのです。ここでは、マーケティングオートメーションが営業にもたらすメリットについて紹介します。
マーケティングオートメーション(MA)とは
マーケティングオートメーション(MA)はさまざまなマーケティング施策を自動化し、効率化することができるツールです。マーケティングオートメーションツール(以下MAツール)を使うことで、見込み顧客の獲得から成約までのマーケティングプロセスを効率化できます。
使用するMAツールによって機能は違いますが、具体的には以下のような機能がついています。
- ランディングページの作成
- 資料請求ページなどを簡単に作成できます。
- 顧客情報の収集・管理
- 収集した顧客情報の管理が一本化され、社内で共有しやすくなります。
- シナリオに沿って最適なタイミングで顧客にアプローチする
- ステップメール、メルマガなどを自動で送信できます。
- アクセス解析
- 流入経路、サイトの滞在時間、直帰率、コンバージョン率、IPアドレス解析などができます。
- 購買意欲の高まっている顧客を選別
- これまでの顧客の行動をスコアリングし、リストアップできます。
マーケティングオートメーションについてより詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
マーケティングオートメーション(MA)がもたらす営業にとっての4つのメリット
MAツールの導入は営業担当者の負担を軽減し、生産性を高めてくれる強い味方です。ここでは、MAツールによって営業担当者が得ることができる4つのメリットを紹介します。
1.見込み顧客に情報をタイムリーに提供できる
MAツールを導入することにより、見込み顧客が自社ホームページのどのページを見たのか、メールを開封したかなどの行動が把握できます。行動の把握により、次にどんな情報を必要としているか伺い知ることができ、情報をタイムリーに提供することができるのです。
見込み顧客が何に興味があるのかわからないまま、いきなり電話で商談をもちかけたとしても、当然アポは獲得できず時間だけが無駄になってしまいますから、行動が把握できるということは非常に意味があると言えるでしょう。
2.見込み顧客の検討段階が可視化できる
MAツールの導入によって、見込み顧客のWeb上での行動はすべて自動で記録されます。メールを開封したか、ランディングページにアクセスしたか、セミナーに参加したかなどといった行動はスコアリングされ、検討度合いが高い顧客をリストアップすることが可能です。
例えば、資料請求後に頻繁に自社のホームページを訪れる見込み顧客は、真剣に検討してくれている可能性が高いと判断することができるでしょう。また、資料請求をしたものの、一定期間コンタクトがとれていない休眠顧客のリストアップなども簡単に行うことができます。
このように、MAツールによって見込み顧客の検討段階が可視化され、営業担当者はリストアップされたデータを元に各々に必要な営業活動を行うことができるのです。
3.架電のストレスを軽減できる
従来の営業活動では、電話や訪問といったプッシュ型の営業が一般的でした。見込み顧客によっては忙しい最中に「その後いかがでしょうか」などと何度も電話をかけてこられたり、時間を割いて訪問の対応をしたりすることをストレスに感じているでしょう。
見込み顧客だけではなく営業担当者も、面と向かって拒否されるとストレスを感じるものですし、「もう連絡しないでください」と言われてしまうと、どうしようもありません。このような事態に陥らないためにも、お互いちょうどよい距離感を保ちつつフォローができたらよいですね。
MAツールを導入すると見込み顧客の検討度合いが分かるため、営業担当者は検討度合いが高まっている顧客に優先してコンタクトをとることができます。また、MAツールのメール配信機能を利用してメールマーケティングでコンタクトを取れば、適度な距離感を保ちつつ、見込み顧客が求めている情報を発信することが可能です。
4.労働時間を削減できる
軽減できるのはストレスだけではありません。ひたすらアポ獲得のために電話をかけ続けるなどの業務から解放されるため、人件費(労働時間)を削減することができます。
最近では、労働人口が減少する中で残業時間の削減を求める「働き方改革」が注目を集めています。従来より少ない業務時間で多くの受注を生み出すことができればベストであると言えるでしょう。
いわゆる「足で稼ぐ」営業スタイルを行っている場合は、MAツールの導入によって受注見込みが高い顧客がら順番に対応していくことで、時間のロスを減らし受注率を上げることができるでしょう。
SFA・CRMとの連携でさらなる効率化を
MAツールの導入前にSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)ツールを導入している企業も多いのではないでしょうか。まだ導入していない場合は、導入を検討してみるのもよいでしょう。これらのシステムを連携させることで営業活動のさらなる効率化が期待できるからです。
MAツールとSFAを連携させると、顧客の管理が一元化され、MAで育成・選別され購買意欲が高まっているとみなされた見込み顧客の情報がそのまま営業担当者に引き継がれます。
営業担当者はSFAを活用して商談~受注までの業務を効率化し、その過程を記録することができます。商談中もMAツールを活用して、商談後のWebページの閲覧履歴などを確認し、商談相手の興味・関心を調べることができます。
また受注後はCRMを利用することで、顧客との良好な関係性を継続し、アップセル・クロスセルを狙いながら、自社の利益の最大化を目指すことができます。
システム連携によって、どの営業担当者も見込み顧客一人ひとりに対して効果的なアプローチがしやすくなるのです。
MA・SFA・CRMについてより詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
マーケティングオートメーション(MA)導入でチャンスを逃さない営業を実現しよう
今回はMAツールの導入による営業担当者のメリットを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。どの業界でも多数の類似商品が存在し、その中から選んでもらうには工夫が必要な時代になりました。一つひとつのチャンスを逃さず、受注に繋げていきたいものです。
MAツールの導入によって、顧客の検討度合いや商品への興味などを可視化できる点は営業担当者にとって大きな味方となるはずです。今まで仕方がないと諦めていた取りこぼし案件を受注に繋げるなど、かゆい所の手が届くMAツールの導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。