メールマーケティングのメリットとデメリット、対策とは?
BtoBビジネスはリードタイムが長いため、予算が限られるにもかかわらず費用がかかる傾向がありますが、その中でもメールマーケティングは人的コストがあまりかからず、手軽に始められるマーケティング手法です。
効率的なマーケティング活動をおこなうためにも、メリット・デメリットを整理してから始めたほうがより成功しやすいでしょう。
この記事ではBtoBビジネスにおけるメールマーケティングのメリットとデメリットを解説していきます。
- ▼この記事で分かること
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- メールマーケティングが重要な理由
- メールマーケティングのメリット
- メールマーケティングのデメリットと対策
- メールマーケティング実施の手順
メルマガ配信を
営業活動に活かせていますか?
MAツール「List Finder」をご利用いただくと、メール配信の他に、以下を実現できます。
- 配信後の開封/クリック率などの効果測定
- メールを読んだ顧客の特定
- その後の自社Webサイトへのアクセス状況解析
メール配信結果を活用した有望顧客リストの作成や営業活動の履歴管理も可能です。
こちらから「List Finder」の詳細資料をダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください!
Contents
メールマーケティングとは
メールマーケティングとは、見込み顧客の購買意欲の育成や売上アップなどをメール配信を通じておこなうマーケティング施策です。
アポなしの訪問や電話といった従来の営業方法は、無差別なので中には迷惑だと感じる見込み顧客もいました。メールであれば、読むかどうかを顧客自身が選べます。自社としてもメールアドレスが分かっていれば送信できるので、一つひとつの企業を回ったり電話番号を調べたりしなくてもアプローチができます。
メールマーケティングを使えば、このように見込み顧客と営業担当者双方の負担を減らし、効率のよい仕事が可能になるのです。
メールマーケティングが重要視されている理由
・BtoBでは今もメールが主流ツールである
近年、コミュニケーションツールとしてSNSの利用が増えてきていますが、ビジネスの世界ではいまだにメール利用者は多く、その数は年々増加し続けています。実際ビジネスにおいて、社外の人とのコミュニケーションはメールが主流ツールです。
つまり、まだコミュニケーションツールの主流にはなっていないSNSと比べ、メールはより多くの見込み顧客と接点を持てるため、BtoB業界では、有効なマーケティング手法として重要視されているのです。
・継続的なコミュニケーションの維持が可能に
商品の検討から購入に至るまでのリードタイムが長いBtoBにおいては、定期的にフォローを続け、検討状況に合わせた有益な情報提供を行うことで、検討段階を引き上げていくことが重要となります。
メールマーケティングでは、直接訪問することなくそうした継続的なコミュニケーションが可能であり、少ないリソースで多くの見込み顧客を定期的にフォローができるため、重要視されています。
メールマーケティング4つのメリット
メールマーケティングを導入する上でまず気になるのは、どのような成果を得られるかという点です。メールマーケティングにはどのようなメリットがあるか紹介します。
人件費がかからず、比較的低コストで始められる
メールマーケティングは広告やオウンドメディアの記事作成などと比べると、低コストで始められるマーケティング手法です。メールマーケティングが低コストである理由を以下にまとめました。
- メール配信ツールの中には、無料で始められるものもある
- メール配信リストさえあればコンテンツを作るだけで大勢に一斉送信できる
- 作成したコンテンツは自社セミナーなどへ流用が可能
- 古くからある手法なので、コンテンツの作成や配信方法などのノウハウが収集しやすい
メールマーケティングは初心者でも取り組みやすく、何か別の担当を持っている人でも兼務しやすいといえます。気軽に低コストで始められるので、中小企業や個人事業主でも扱いやすい手法です。
また、メールに書いた内容はセミナーやオウンドメディア・営業資料にも使用できます。自社製品やサービスの導入成功例をメール配信したり、セミナー資料の一部をステップメールにしたりできるところもコストカットに繋がるでしょう。
メール配信ツールを使えば手軽に効果測定ができる
広告やSEOの効果測定に必要なGoogleのツールに比べると、メールマーケティングの効果測定に利用するツールは初心者でも扱いやすいものが多いです。メール配信ツールを使えば、開封人数、開封率、クリック人数などの成果を数値化が簡単に行えます。
得られた数値をもとに、開封してくれた見込み顧客が多いのはどのような内容・タイトルであったか、クリックしてくれた企業はメール本文にも関心を持ってくれたかなど、マーケターは「見込み顧客は何に興味があるのか」を分析がしやすくなるのです。
マーケティングオートメーションを使ってメール配信をすれば、購入や資料請求、セミナーの申し込みがどのくらい行われたかなどもチェックができ、得られたデータは他のマーケティング手法にも役立つでしょう。
見込み顧客の行動や興味に合わせたメールが配信できる
前述した通り、メルマガは登録したすべての顧客に同じ内容を送信しているため、興味のあるタイトルのものは開封されますが、無関心な内容だと思われたら読まれる前にゴミ箱行きになるかもしれません。
対してメールマーケティングは、一人ひとりの興味・関心に合わせた内容を配信するため、より多くの人が開封し読むことを期待できます。資料ダウンロード後、セミナー参加後など、メール配信ツールでシナリオを設定しておけば、見込み顧客の行動や興味に合わせたメールを自動で送信できます。
見込み顧客の行動や興味に合わせたメールを送信するには、まず行動や興味別にシナリオを作成する必要があります。メールマーケティングのシナリオ作成方法や実例については、こちらの記事で詳しく説明しています。
MAツールを使えばメール送信後のWeb行動履歴を把握できる
マーケティングオートメーション(MA)ツールを使えば、メール配信後の見込み顧客の行動履歴を把握できます。
メール配信ツールでも、送信したメールに貼り付けられたURLをクリックしたかどうかは分かりますが、クリックした後に資料をダウンロードしたか、事例ページを見に行ったかなど見込み顧客のその後の動きまではわかりません。
List Finderでは、Web行動履歴を軸にした配信リストを作成でき、より効果的なメール配信を実現します。また見込み顧客がどんなものを求めているかを確認しやすく、営業活動に役立てられます。
List Finderを活用したメールマーケティングで成果を上げた企業様の導入事例集を用意しました。興味がある方はこちらからダウンロードしてみてください。
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メールマーケティングのデメリットと対策
マーケティングの負担を減らしたいのに、メールマーケティングを利用することで手間だと感じたり、効果がいまいち見られなかったりすることもあります。メールマーケティングを始めたばかりの担当者が感じやすいマイナス点と、その対策方法を紹介します。
見込み顧客の行動や興味ごとのコンテンツ作りが難しい
自社商品の魅力を伝えるためには、自分たちでコンテンツを考える必要があります。顧客の心を動かすようコンテンツを作成し続けるのは負担と感じる担当者もいるでしょう。
また、見込み顧客ごとのシナリオやセグメントごとに配信内容を変えなければならないため、シナリオやセグメントが多くなればなるほど必要なコンテンツが増えていきます。
- 対策
- 白紙の状態からシナリオを考えるのは大変なので、開封率などの数値をもとに、反応が良かった内容や読者の課題に合わせたコンテンツ、顧客アンケートや営業担当の意見や要望を参考にコンテンツを制作してみましょう。
迷惑メールとして処理されたり解除されることもある
メールの配信量が多かったり、内容が薄かったり、タイトルと内容が合ってなかったり…このようなミスマッチが起こると、迷惑メールとして処理されたり、登録を解除されることがあります。
- 対策
- ミスマッチが起こっているメールは、開封率や流入率といった各指標の数字も悪化しているケースが多いです。配信後のデータを確認し、結果が悪かったものについては、なぜメールを見てもらえなかったのか、そして読んでもらえるにはどこを工夫すればよいかを考えましょう。
また、手当たり次第でメールを送っていては効果は得られにくいでしょう。読者に関心を持たれたかどうかは開封率やクリック率などとなって出てくるので、数値を見ながら改善を続けることで、迷惑メール処理や登録解除の数を最小限に抑えることができます。
メールマーケティングとメルマガの違い
自分が配信したいタイミングで一斉配信されるメルマガに対し、メールマーケティングはユーザーが欲しいタイミングで必要なコンテンツを配信していきます。
メルマガは、決められた曜日や時間に、受信者全員に向けて一斉に同じ内容のメールが配信されます。つまり、商談が進んでいる人でも、一度名刺交換をしただけの人でも、見込み顧客の状況や自社との関係性に関係なく、画一的で一方的な内容を送ります。
一方、メールマーケティングでは、見込み顧客それぞれの属性に合わせて、メールの内容、タイミングなどを変えて、その見込み顧客に最も適した条件で送ります。
見込み顧客の中でも性別や年齢、欲している情報、持っている課題などは人によって異なります。自分の状況に合わせて配信されたメールのほうが、自分のためのメールだと受け取られやすいでしょう。
また、自分が配信したいタイミングで一斉配信されるメールマガジン(メルマガ)に対し、メールマーケティングはユーザーが欲しいタイミングで必要なコンテンツを配信していきます。メルマガとの違いはこちらの記事でご確認ください。
メールマーケティングの手法
メールマーケティングの手法としては、ステップメール、休眠発掘メール、セグメントメール、メールマガジン(メルマガ)などがあります。
ステップメール
ステップメールは、ターゲットの状況や段階に応じて、メールを複数のステップに分けて送る手法です。
例えば、導入編、応用編などのように、ターゲットが欲しいであろう適切な情報を段階的に配信することで、開封率やクリック率を上げられる可能性が高くなります。
またツールを使えば、最初にシナリオを設定して、ある程度自動的に送付することも可能です。
休眠発掘メール
休眠顧客発掘メールは、一度は商談を行ったものの、何らかの事情で離脱してしまった見込み顧客に対して近況を伺うために配信するメールです。
過去に関わりがあった顧客は、一度は自社に興味を持ってくれた顧客であるため、再度有益な情報を発信することで新たな契約につながる可能性を高めることができます。
例えば、独自の情報やホワイトペーパーの提供や個別相談会の案内など、再度アプローチすることでコミュニケーションを再開できる可能性があります。
セグメントメール
セグメントメールとは、見込み顧客を年代や、職業、役職などでセグメント分けし、セグメントされた見込み顧客の興味度合いに合わせた内容を個別に配信するメールのことです。
見込み顧客のニーズを把握し、それぞれに適切な内容でメールを送り分けることで、一斉送信と比べ、開封率やコンバージョン率を高めることができます。
例えば「サイトの商品詳細ページを見たユーザー」「東京都の30代の男性ユーザー」など、ユーザーを分類し、その分類に合った内容のメールを送り、開封率を上げたりコンバージョンにつなげる手法です。
メールマガジン
顧客リストに対して、メールでこそ手に入るお得な情報などを配信します。
キャンペーン情報、セール情報、特典などを配信し、顧客にメリットを感じてもらい、コミュニケーションをしていきます。
メールマーケティングについては、こちらで詳しく解説しています。
メールマーケティング実施手順
ここからは実際にメールマーケティングを行う手順について見ていきましょう。
1.目標設定
メールマーケティングを始める際には、あらかじめメールを配信する目的を定めておくことが重要です。
目的が明確でないと、施策の途中で配信の内容がぶれてしまうことも考えられます。そうならないためにも、KGI(重要目標達成指数)と、目標達成できるかの中間指標となるKPI(重要業績評価指標)を明確にしておきましょう。
2.ターゲット設定
配信の目的が設定できたら、次に誰に配信することでその目的を達成できるのかといった配信ターゲットを設定します。
このとき、自社のペルソナを設定するとより効果的なターゲットを洗い出すことができます。ペルソナとは象徴的な顧客像のことで、氏名や性別だけでなく、職業、部署、役職、さらには趣味といった具体的なプロフィールを設定し、自社の商品を購入してくれる顧客像を明確にします。
3.配信リストの準備
メール開封率は多くても25%程で、その中からクリックやコンバージョンに至る件数はさらに減少します。そこで配信するリスト数はある程度の数が必要となります。
配信先情報が少ない場合には、営業先で入手した名刺、自社サイトの資料をダウンロードしてくれた顧客の情報などを集約し、配信できるメールアドレスを増やすところから始める必要があります。
4.メール作成
配信先の設定ができたらターゲットのニーズに合わせたコンテンツを作成していきます。
購買意欲を高めるためにも、ターゲットにとって有益な情報や、関心をひく内容にする必要があります。
このとき、事前に設定したペルソナが目的達成までにどのような行動をとるのかを可視化した「カスタマージャーニー」を設定し、それに沿って内容を考えることでより効果的なメールを作成することができるでしょう。
5.効果測定と改善
メール配信後には、配信前に設定した目標に対してどれくらいアクションがあったのか効果測定を行います。
始めに設定したKPIと配信結果との乖離を分析することで、改善点を洗い出すことができます。その後、改善点を反映したメールの再配信を行い、再配信後も効果測定と改善を繰り返すことで、少しづつメールマーケティングの効果を高めることができるでしょう。
メールマーケティングでよく用いられるKPI
ここでは、目標設定時に用いられる5つのKPIを見ていきましょう。
開封率
開封率は、配信したメールが開封された割合のことです。開封率が低い場合、そもそもメールが読まれていないのでクリック率やコンバージョン率も上がりません。
開封率を高めるためには、開封するメリットとなるインセンティブの押し出しや、どこの誰から届いたメールかがわかり安心してメールを開封できる差出人に設定することが重要です。
不達率
配信後、メールアドレスが間違っていたり、サーバーダウンなどによって相手に届けることができなかった割合を不達率といいます。
存在しないアドレスや、配信停止になっている宛先を整理することにより、不達率を改善することができます。
クリック率
クリック率は、メール内のURLや画像などのコンテンツをクリックした割合のことです。
クリック率が低い場合は、メール開封後の本文に問題があったと判断できます。クリック率を高めることは、問い合わせ数といったコンバージョン率にも影響するため重要な指標の一つといえます。
コンバージョン率
メール内のURLをクリックすることで訪れたサイトからの問い合わせや、資料ダウンロードなどコンバージョンに至った割合をコンバージョン率といいます。
メールマーケティングでは、このコンバージョン率を高めることを目的に、メールと遷移先ページの一貫性や、アクセスしやすいボタンの配置などに改善することが重要です。
購読解除率
購読解除率は、一度は配信登録を行ったメールの登録を解除した割合のことです。配信頻度やニーズに合わない内容が届き続けることが配信解除につながります。
配信解除率を下げるためにも、ユーザーに寄り添ったコンテンツに改善する必要があります。
メールマーケティングを成功させるには配信ツールの導入がおすすめ
メールマーケティングは手動や無料のツールでも始められますが、メール配信システムやマーケティングオートメーション(MAツール)やメール配信システムなどの有料配信ツールを使えば、数値の測定やWeb解析ができ、より見込み顧客に寄り添った訴求ができます。
また無駄のない営業活動と成約率の向上へ繋がり、担当者のモチベーションを上げてくれるでしょう。ここでは、メールマーケティングに活用できる2つのツールをご紹介します。
メール配信ツール
メール配信ツールは、顧客へのメール一斉送信や、セグメント配信、配信先リストの管理が可能です。メール配信に特化した機能設計のため、シンプルで使いやすいこともメリットといえるでしょう。
また、マーケティングオートメーションと比べ比較的低コストで導入できます。しかし、メールから自社サイトへ到達したあとの行動など、より深い分析はできない点がマーケティングオートメーションとの大きな違いです。
マーケティングオートメーション(MAツール)
マーケティングオートメーションは、メール配信だけでなく顧客情報の管理や、見込み顧客の育成といったマーケティング業務に特化したツールです。Web行動履歴を把握できるのはマーケティングオートメーションだけで、ただメールを配信するだけでなく、Web行動履歴やサイト閲覧状況に応じたフォローアップも可能です。
また、メール配信によって得られたデータから、購買意欲の高い顧客を選別することも簡単にできます。そうすることで、営業は効率よくアプローチをすることができるでしょう。
マーケティングオートメーション「List Finder」を使ったメールマーケティング事例をまとめて配布しています。ぜひ自社のメールマーケティングの参考にしてください。
BtoB企業に特化したマーケティングオートメーション「List Finder」を使ったメールマーケティング成功事例はこちらのページにまとめました。
おわりに:まずはメールを配信してみよう!
メールマーケティングを成功させるためには、ターゲットを明確にし、それぞれの見込み顧客の求める情報を提供することが重要です。
しかし配信前に入念な準備することが目的となってしまい、配信までに時間がかかりすぎてしまうことのないよう、まずは、もともと自社にある顧客情報や収集した名刺に対して、メールを送信してみることから始めてみましょう。
実際にメールの配信を始めて見て、そこから少しづつ改善を繰り返し、成果を高めていくことが重要です。