メールマーケティングは、企業が顧客と直接コミュニケーションを取るための効果的な手段として広く活用されています。しかし、その効果を適切に測定し、成功へと導くためには、単にメールを配信するだけではなく、明確な目標設定やデータを基にした分析が必要です。
この記事では、メールマーケティングの基本的な概要から、具体的な効果検証の方法、そして成功のための重要なポイントまでを詳しく解説します。
- ▼この記事でわかること
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- メールマーケティングの基礎知識
- メールマーケティングのメリットとデメリット
- メールマーケティングの実施手順
- メールマーケティングで重要な効果検証
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- 配信後の開封/クリック率などの効果測定
- メールを読んだ顧客の特定
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Contents
メールマーケティングの基本を知ろう
メールマーケティングは導入コストも安く、費用対効果が高いので導入している企業は多くあります。
しかし、その中でしっかりと効果検証を行っている企業はどれほどあるでしょうか。メールマーケティングを成功させるポイントは、しっかりと効果を測定し、メールの質を向上させていくことです。
そのためにもまずは、メールマーケティングの基本を的確に押さえたうえで、戦略を練ることが重要になります。
メールマーケティングが必要とされている理由
メールマーケティングとは、『メールを使ったマーケティング戦略』のことです。メールによって売上や成約率、認知度の向上を図ります。
近年は若者を中心に、コミュニケーションはSNSの地位が向上してきていますが、ビジネスの世界でメールは依然として利用者が多く、主流なツールとして使われています。30代以上のメールの利用率は未だに50%を上回っているという調査結果もあります。
つまり、まだコミュニケーションツールの主流にはなっていないSNSと比べ、メールはより多くの見込み顧客と接点を持てるツールであり、BtoB業界では、有効なマーケティング手法として重要視されているのです。
また、メール配信のコストはテレビCMやWeb広告などと比べて格安であり、1度に多くの人に対し送信できるというメリットがあります。そのため、メールを使ったマーケティングの効果は高い有効性を維持しています。
メールマーケティングとメルマガは異なる
メールを活用したビジネス手法に、メルマガがあります。メルマガとメールマーケティングは並列に議論されることも頻繁にありますが、この2つは明確に異なるものです。
メールマーケティング | メルマガ | |
---|---|---|
目的 | 顧客の行動を促進し、商品・サービスの購入やアクションを促す | 情報提供やニュースを定期的に届けることが目的 |
ターゲット | 顧客データベースに基づいてセグメント化されたターゲット | 一般的な読者や登録者、特定の関心に基づくことが多い |
配信頻度 | 定期的・非定期的(プロモーション、キャンペーンごと) | 定期的(週刊・月刊など) |
パーソナライズ | 高度なパーソナライズ(顧客の行動履歴に基づく内容) | 一般的なコンテンツ配信が多い(パーソナライズが少ない) |
コンテンツの種類 | 商品情報、割引、特別オファー、アクションを促す内容 | ニュース、ブログ記事、業界の動向など |
配信方法 | ツール(マーケティングオートメーション)を活用することが多い | 主に手動で配信されることが多い |
メルマガとは、登録してくれたユーザーに対して情報を一斉送信する配信の仕組みです。ユーザーのセグメントに対する配慮は行わず、情報は均一的なものになります。
その一方で、メールマーケティングの場合、ユーザーの性別や年代、家族構成や収入といったセグメントを考慮し、配信するメールをユーザーごとに分けます。そのため、ユーザー1人ひとりに内容が刺さりやすく、メルマガと比べて高い効果が見込めるものです。
このようにメールマーケティングとメルマガは、目的によって使い分けることが重要です
メールマーケティングのメリットとデメリット
メールマーケティングは、適切に運用することで多くのメリットが得られる一方、デメリットもあります。ここでは、主なメリットとデメリットを紹介します。
メリット
- ①低予算で実施できる
- メールマーケティングは、比較的低コストで運用できる点が大きなメリットです。広告掲載や外部媒体を使用する必要がないため、配信ツールの月額費用や制作費を除けば、コストを抑えたマーケティングが可能です。
また、ツールの自動化機能を活用することで少ないリソースで効率的に運用でき、予算内でより多くの顧客層へアプローチできるため、導入しやすい手法といえます。
- ②顧客属性に合わせて訴求できる
- メールマーケティングでは、顧客の年齢や性別、購買履歴などの属性データをもとにセグメント化し、個別に最適化されたメッセージを送信できます。
たとえば、以前に購入した商品に関連するアイテムの案内や、顧客の居住地域に合わせたキャンペーン情報を届けることで、受け取る側にとって「自分のための情報」と感じやすくなります。
ターゲットに合わせた訴求が可能になるため、エンゲージメントが高まりやすく、効果的なマーケティングが期待できるでしょう。
- ➂効果検証しやすい
- メールマーケティングでは、配信後の開封率やクリック率、コンバージョン率などをリアルタイムで測定できるため、施策の効果を把握しやすいのもメリットです。
各指標を分析することで、何が効果的かをデータに基づいて判断し、次回以降の施策に反映させやすくなります。こうしたデータをもとに、より効果的な内容に調整できるため、マーケティング活動全体の最適化に役立ちます。
デメリット
- ①中長期的な運用が必要
- メールマーケティングは、短期間で大きな成果を得ることが難しく、中長期的な運用が求められます。購買意欲がすぐに上がらない見込み顧客も多いため、継続的に価値ある情報を提供し、信頼関係を構築するプロセスが必要です。
そのため、顧客が関心を持ち続けるためのコンテンツを用意し、定期的に配信する運用体制が必要ですが、この期間が長期にわたることが多く、効果が現れるまでに時間を要するでしょう。
- ②コンテンツ制作に手間がかかる
- メールマーケティングは、単にメールを送るだけでなく、顧客の興味を引きつける内容のコンテンツ制作が重要です。
効果的なメールには、見やすくデザインされたレイアウトや、顧客属性に合わせたパーソナライズ、魅力的な件名や画像が求められます。また、定期的に新しいコンテンツを作成し続ける必要があるため、コンテンツ制作に時間とリソースを割かなければならないというデメリットがあります。
- ➂受信拒否や迷惑メールのリスク
- 配信するメールが受信者の迷惑メールフォルダに分類されたり、登録解除が増加することもあります。不要なメールと見なされるとブランドイメージが悪化する可能性があるため、内容や配信頻度に配慮する必要があるでしょう。
メールマーケティングのメリット・デメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
メールマーケティングで解決できる課題
ここでは、メールマーケティングを実施することで解決できる課題についても見ていきましょう。
見込み顧客の育成がスムーズに進む
メールマーケティングを活用することで、リードナーチャリングがスムーズに進みます。たとえば、無料資料のダウンロードやセミナー参加をきっかけに獲得したリードに対して、段階的に有益な情報をメールで提供することで、徐々に購買意欲を高めることができます。単なるフォローアップではなく、顧客の関心度に応じた適切なコンテンツを提供することで、無理なく成約につなげられます。
見込み顧客との関係が継続的に構築できる
メールを定期的に配信することで、見込み顧客との接点を維持し、関係を継続的に構築できます。たとえば、業界ニュースや成功事例、製品の活用方法を紹介するコンテンツを定期的に届けることで、顧客の関心を引き続き高めることが可能です。また、開封率やクリック率を分析し、関心の高い顧客に対してはより具体的な提案をするなど、適切なアプローチを行うこともできます。
顧客のエンゲージメントが向上する
メールマーケティングを通じて、顧客の関心に合わせた情報を提供することで、エンゲージメントを向上させることができます。パーソナライズされたメールやセグメント配信を活用し、過去の行動履歴や興味関心に応じたコンテンツを送ることで、顧客にとって価値のある情報を届けられます。その結果、開封率やクリック率が向上し、最終的には購買や問い合わせなどのアクションにつながりやすくなります。
メールマーケティングの種類
メールマーケティングの手法として、ステップメール、休眠発掘メール、セグメントメール、メールマガジン(メルマガ)などがあります。
ステップメール
ステップメールは、ターゲットの状況や段階に応じて、メールを複数のステップに分けて送る手法です。たとえば、「導入編」「応用編」などのように、ターゲットが欲しいであろう適切な情報を段階的に配信することで、開封率やクリック率を上げられる可能性が高くなります。
またツールを使うことで、シナリオ設定により、ある程度自動的に送付することも可能です。
休眠顧客発掘メール
休眠顧客発掘メールは、一度は商談を行ったものの、何らかの事情で離脱してしまった見込み顧客に対して近況を伺うために配信するメールです。
過去に関わりがあった顧客は、一度は自社に興味を持ってくれた顧客であるため、再度有益な情報を発信することで新たな契約につながる可能性を高めることができます。
セグメントメール
セグメントメールとは、見込み顧客を年代や、職業、役職などでセグメント分けし、セグメントされた見込み顧客の興味度合いに合わせた内容を個別に配信するメールのことです。
見込み顧客のニーズを把握し、それぞれに適切な内容でメールを送り分けることで、一斉送信と比べ、開封率やコンバージョン率を高めることができます。
メールマガジン
メールマガジン(メルマガ)は、自社に顧客情報のあるユーザーに対して同じ内容のメールを一斉配信する手法です。キャンペーン情報やセール情報、特典などを配信し、顧客にメリットを感じてもらうことで、コミュニケーションを図ります。
メール広告
メール広告は、企業が顧客に対して直接的に商品やサービスを宣伝するための手段です。一般的に、購読者リストや顧客データベースを元に、ターゲットとなるユーザーに広告を配信します。この手法では、受け取った側がアクションを起こすことを目的としています。メール広告は、パーソナライズ化やタイミングを工夫することで、より効果的にターゲットに訴求できるでしょう。
メールマーケティング実施のステップ
ここからは、実際にメールマーケティングを実施する手順をご紹介します。
1. 目標設定
はじめに、メールマーケティングの目的やゴールを明確にします。たとえば、売上向上、新規顧客の獲得、既存顧客のエンゲージメント向上、Webサイトのアクセス増加など、具体的な目標を設定することで、その後の施策が一貫性を持ちやすくなります。
また、目標に合わせたKPI(開封率、クリック率、コンバージョン率など)を設定し、効果測定の基準を決めておくことも重要です。
2. ターゲット設定
次に、目標を達成するためのターゲット層を設定します。ターゲットを設定する際は、ペルソナ設定が非常に重要です。
ペルソナとは、理想的な顧客像を詳細に描いた架空の人物像で、年齢層、性別、過去の購買履歴、興味・関心などを考慮し、セグメント化することで、パーソナライズしたコンテンツが届けやすくなります。
これにより、顧客が興味を持ちやすいメールを配信できるため、開封率やクリック率が向上しやすくなります。
3. 配信リストの準備
ターゲットに基づいて、配信するメールリストを準備します。リストは、メールアドレスだけでなく、名前、過去の購入履歴、地域などの情報も含めることで、効果的なセグメント分けがしやすくなります。
また、リストは最新情報を保つよう、定期的に見直し、不要なアドレスや不正確な情報は削除します。これにより、メールが適切に届き、配信効率を高めることができます。
4. メール作成
配信するメールの内容を作成します。件名は開封率に大きく影響するため、目を引くものであることが重要となります。また、本文はデザインやレイアウト、行動を促すCTAボタンを適切に配置することが大切です。
A/Bテストも併用し、反応の良い内容やレイアウトを検証しながら改善するのも効果的です。
5. 効果測定と改善
配信後は、設定したKPIをもとに、メールの効果測定を行います。開封率、クリック率、コンバージョン率などの数値を分析し、どの部分が効果的だったか、改善が必要な部分はどこかを見極めましょう。
その結果をもとに、件名や本文の内容、配信時間、ターゲットのセグメントなどを再検討し、次回以降のメール配信に活かします。こうしてPDCAサイクルを回すことで、継続的な改善が期待できるのです。
メール作成時の3つのポイント
メール作成のポイントとして、ヘッダー、ボディ、クロージングのそれぞれを効果的に作成することが重要です。それぞれのパートの役割と作成時のポイントを以下に説明します。
①ヘッダー
メールの「顔」ともいえる部分で、受信者が最初に目にする場所です。ヘッダーは開封を促進し、メールがどんな内容かを簡潔に伝える役割を担っています。
- 件名
- 件名は、メールの第一印象です。開封率に大きく影響するため、短くわかりやすく、興味を引くものにすることが大切です。
たとえば、限定の割引やお得なキャンペーンを知らせる場合、「今だけ!〇〇%OFFクーポン配布中」といった具体的なメリットを示すと効果的です。
反対に長すぎる件名は途中で切れてしまう可能性があるため、スマホやPCでどのように表示されるかも考慮して、シンプルで魅力的な表現を心がけましょう。
- 送信者名
- ヘッダーに挿入される送信者名は、信頼感を与えるためにも重要となります。個人名や企業名を使うことで、受信者が信頼しやすくなります。企業名を使う場合は、信頼性を重視して、相手にとってわかりやすい名前を選びましょう。
②ボディ
メールの本文部分で、受信者に伝えたい主なメッセージや情報を詳細に記載します。ボディは読者に行動を促すため、しっかりと構成することが重要です。
- ファーストビュー
- メールを開いた瞬間に見える「ファーストビュー」の部分は、読者の関心を引き続けるために重要です。最初の数行でメールの目的やメリットが伝わるように、キャッチフレーズや要点を簡潔にまとめます。
たとえば、セール情報なら「人気商品が〇〇円OFF!」「会員限定先行販売」など、読者がすぐに「読み進めたい」と思える内容を意識します。ファーストビューのデザインもシンプルで目を引きやすい配置にし、重要な情報が埋もれないように工夫しましょう。
- パーソナライズ
- 受信者の名前や過去の行動に基づいて内容をパーソナライズすることで、受信者の関心を引きやすくなります。たとえば 「こんにちは、〇〇様!最近の商品にご興味をお持ちいただきありがとうございます。」
- 明確な目的を伝える
- メールの目的を冒頭で伝えることで、受信者が内容をすぐに理解できるようにします。たとえば「今すぐチェックして、特別割引を受け取ろう!」といった具体的なアクションを提示します。
- CTA
- 受信者に行動を促す強力なCTAを入れることが大切です。具体的な行動を明示し、目立たせるために「今すぐ購入する」や「無料トライアルを始める」といったボタンやリンクを使用します。
- メッセージは1つに絞る
- メール内でのメッセージは、1つに絞ることで読者に強い印象を与えやすくなります。複数のメッセージを含めると、読者が迷い、結果的にアクションを起こしにくくなるため、「今回のメールでは何を伝えたいか」を明確にし、1つのテーマに集中します。
たとえば、「新商品の紹介」や「セール情報」といった1つのメッセージを軸にした構成にすると、伝えたい内容が明確になり、読者も次に取るべきアクションがわかりやすくなります。
➂クロージング
メールを締めくくる部分で、受信者に最後のアクションを促し、感謝や信頼感を表すことが求められます。クロージングでは、受信者にポジティブな印象を与え、今後のアクションにつなげる役割があります。
- 感謝の言葉
- 「お忙しい中、メールをご覧いただきありがとうございました。」といったようにメールを開いて読んでくれたことに対する感謝の気持ちを伝えます。
- 連絡先情報の明示
- 受信者が質問やサポートを求めた場合に備えて、連絡先を記載しておくと信頼感が増します。電話番号やメールアドレス、カスタマーサポートのURLなどを入れておきましょう。
- 署名
- 最後に署名を入れることで、メールが個人または企業から送られたものであることを明確にします。署名には、名前や役職、企業名を記載します。
これらのポイントを押さえながら、ヘッダー、ボディ、クロージングを作成することで、受信者にとって有益で魅力的なメールを提供できるようになります。
メールマーケティングの成否を左右する効果検証
メールマーケティングには、配信メールの内容をセグメントごとに考える必要があり、運用・配信コストがかかります。それに見合うだけの成果を挙げなければなりません。そのために必要なのが、効果検証です。効果検証をしっかりと行うことで、メールマーケティングの成否を見極めることができます。
ここでは、代表的な効果検証の方法について解説します。
定量データを用いた効果検証を行う
メールマーケティングでは、定量データの測定を行うことができます。配信が成功したメールの数や、エラー数、開封率やクリック率などです。
こうしたデータを取得することで、「読者が配信内容に対して興味を抱いているのか」「魅力的なタイトルか」「使えなくなっているメールアドレスの数」などを検証することができます。
定量データを得やすいのは、メールを使ったマーケティングのメリットの1つです。定期的に定量データを検証して、メールマーケティングの施策改善を行いましょう。
アンケートで効果検証を行う
定量的なデータは、現状のメールに対する評価を検証することはできますが、潜在的なニーズを拾うことはできません。たとえば「どんな配信内容を今後希望するか」といったユーザーニーズは、クリック数や開封率などのデータから読み取ることは不可能です。
その補完として、アンケートは有効です。定量的なデータからでは読み取れないメールの感想や、今後希望するメールの内容などを読み取り、今後のメールに反映することができるようになります。
ABテストの実施
メールマーケティングの成果を向上させるには、送信するメールの内容や構成を継続的に改善することが重要です。そのために有効なのが「ABテスト」です。ABテストとは、異なるパターンのメールを用意し、どちらがより高い成果を出すかを比較する手法です。たとえば、以下のような要素でABテストを実施できます。
-
- 件名
- 開封率を向上させるために、異なる表現を試す
例:「限定割引のお知らせ」vs「本日限定!特別クーポン」
-
- 本文の構成
- シンプルな文章と画像を多用したデザインのどちらが効果的か比較する
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- CTA(行動喚起)
- ボタンの文言や配置を変えて、クリック率が高まるか検証する
例:「今すぐ購入」vs「限定オファーをチェック」
-
- 配信時間
- 送信する時間帯を変えて、開封率やクリック率の違いを測定する
ABテストの結果をもとに、より成果の出やすいメールのパターンを採用することで、開封率やクリック率、コンバージョン率の向上につながります。定期的にテストを実施しながら改善を重ねることで、より効果的なメールマーケティングを実現できます。
メールマーケティングの効果測定指標とそれぞれの目標値
メールマーケティングの効果測定の指標はさまざまです。メールマーケティングで成功したかどうかを測るには、中間目標(Key Performance Indicator、KPI)を定め、それを達成したかどうかを確認するのが有効です。ここではKPIの指標としてよく用いられる、効果測定の項目を紹介します。
開封率
開封率は、メールが読者にどのくらい開封されたのかを測る指標です。メールを受け取った読者の中には、メールを読まずにそのまま放置したり、ごみ箱に捨てたりする人もいます。
開封率が低いと、どれだけ良質な内容であっても、そもそも読まれることがないわけですから、メールマーケティングの効果が下がる要因となります。
開封率は一般的には20%程度が目安と言われていますが、業種や配信スタイル、ターゲット層によっても変わってくるため、一様には言い切れません。競合他社との比較やこれまでの開封率と比較して目標を立てると良いでしょう。
目標値:20%〜30%
到達率
到達率とは、そもそもメールが読者の受信ボックスに届いた割合を表す指標です。
到達率が低いということは、迷惑メールに登録されていたり、プロバイダからブロックされたりしている可能性が高いということになります。到達率が低い場合は、メールリストの見直しなどを行い、向上を図りましょう。
目標値:95%以上
配信成功率
上記の到達率と混同されがちですが、配信成功率と到達率は明確に異なります。到達率が『受信ボックスにメールが届いた割合』であるのに対し、配信成功率とは『受信サーバーにメールが届いたかの割合』になります。
スパムフィルタやドメインの拒否によって弾かれてしまうメールは、そもそも到達率としてはカウントされません。配信成功率が低いということは、そもそも読者がメールを受信できていないということになります。
目標値:98%以上
クリック率
クリック率とは、メールの配信数に対し、メールの中にあるURLがクリックされた割合のことです。1,000人にメールを送信し、20人がURLをクリックしたなら、クリック率は2%ということになります。
メール配信数がどれだけ多くても、中のURLがクリックされていなければ、読者はそのメールに対する関心が薄いということになってしまいます。クリック率が低い場合、デザインの改善やCTRボタンの活用などで、クリックを促す工夫を施しましょう。
目標値:2%〜5%
滞在時間(開封エンゲージメント)
メールを開いている時間(滞在時間)も重要な指標です。
たとえば、メールの開封率が高くても、滞在時間が数秒程度なら、それはメールを開封してはいるものの読まれてはいないということになります。滞在時間が長ければそれだけ読んでいる時間が長く、興味を持ってくれているという指標です。
ユーザーに対し有意義なメールを配信できているかは、滞在時間から計りましょう。
目標値:1分以上
退会率とも呼ばれる配信停止(オプトアウト)率
メール送信後に、配信停止を希望した読者の割合です。配信停止率が高いということは、読者が配信されたメールに対し満足できなかった、読みにくいなどの不満がある割合が高いということになります。
配信停止率が高いと、それだけ潜在顧客や見込み顧客を失ってしまうということになり、機会損失につながります。配信停止率が高い場合は、メールの質の向上や読みやすいようにデザインを工夫するといった改善策を施しましょう。
目標値:0.2%〜0.5%
コンバージョン率(CVR)
資料請求やサービスへの登録など、成約に結びついた割合のことをコンバージョン率(CVR)と呼びます。メールマーケティングの最終目標として設定している企業も多くあります。
コンバージョン率は商品やサービスの内容、値段によっても大きく変わってくるので、一概に一般的な数値を提示することはできません。売り上げや業績目標からコンバージョン率を検討し、それを目標にKPIを設定すると良いでしょう。
目標値:1%〜5%
メールマーケティングの指標については、以下の記事でも解説しています。
メールマーケティングを効率的に実施するために導入すべきツール
メールマーケティングは手動や無料のツールでも始められますが、メール配信システムやMAツール(マーケティングオートメーション)やメール配信システムなどの有料配信ツールを使えば、数値の測定やWeb解析ができ、より見込み顧客に寄り添った訴求ができます。また無駄のない営業活動と成約率の向上へつながり、担当者のモチベーションを上げてくれるでしょう。
ここでは、メールマーケティングに活用できる2つのツールをご紹介します。
①メール配信ツール
メール配信ツールは、顧客へのメール一斉送信や、セグメント配信、配信先リストの管理が可能です。メール配信に特化した機能設計のため、シンプルで使いやすいこともメリットといえるでしょう。
また、マーケティングオートメーションと比べ比較的低コストで導入できます。しかし、メールから自社サイトへ到達したあとの行動など、より深い分析はできない点がMAツールとの大きな違いです。
②MAツール(マーケティングオートメーション)
MAツールは、メール配信だけでなく顧客情報の管理や、見込み顧客の育成といったマーケティング業務に特化したツールです。
Web行動履歴を把握できるのはMAツールだけで、ただメールを配信するだけでなく、Web行動履歴やサイト閲覧状況に応じたフォローアップも可能です。
また、メール配信によって得られたデータから、購買意欲の高い顧客を選別することも簡単にできます。そうすることで、営業は効率よくアプローチをすることができるでしょう。
MAツールについては、以下の記事をご覧ください。
メールマーケティングを失敗させないための注意点
メールマーケティングを成功させるためには、目標設定を明確にし、適切なKPIを設定することが重要です。以下に、失敗しやすい「目標設定をせずに進めていく」「目標を開封率に置く」という2つの注意点について説明します。
目標設定をせずに進めていく
目標設定がないままメールマーケティングを進めると、施策の成果を判断できず、改善点を見つけるのも難しくなります。たとえば、「新規顧客の獲得」や「リピート購入の促進」「ブランド認知の向上」など具体的な目標を設定することで、メールの内容やターゲット層も明確になり、効果的な施策を打ちやすくなります。
また、目標設定があることで、開封率やコンバージョン率といったKPIも自然と定まるため、施策の効果を測定しやすく、次のアクションが明確になるでしょう。
目標を開封率にする
開封率はメールの興味度合いを測る指標の1つですが、メールマーケティングの最終的なゴールではありません。開封率だけを目標にしてしまうと、クリックや購買行動、エンゲージメントなどの本来の目的を達成できない可能性が高くなります。
たとえば、「新製品の購入促進」を目標にしている場合、重要なKPIは「購入率」や「クリック率」となり、開封率だけに注目すると成果が正しく評価されません。最終的な目的を達成するためのKPI(クリック率、コンバージョン率、リピート購入率など)を設定し、開封率は参考指標として捉えることがポイントです。
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メールマーケティングの成功事例
メールマーケティングを実施した企業の成功事例についても見ていきましょう。
成功事例①:BtoB企業のリードナーチャリング強化
あるBtoBのITサービス企業では、獲得したリードが営業提案に進む前に離脱してしまうという課題を抱えていました。そこで、無料のホワイトペーパーをダウンロードした見込み顧客に対し、ステップメールを活用したナーチャリング施策を実施しました。
導入事例や活用ガイド、業界の最新動向など、興味を引くコンテンツを3〜4週間にわたり定期的に配信したところ、見込み顧客の関心が高まり、営業への問い合わせ率が2倍に増加しました。その結果、商談数が増えただけでなく、成約率の向上にもつながりました。
成功事例②:ECサイトの休眠顧客掘り起こし
あるアパレル系ECサイトでは、過去に購入履歴があるものの1年以上利用がない休眠顧客の増加が課題となっていました。そこで、過去の購入データをもとにパーソナライズされた特別クーポンをメールで配信しました。
「あなたの好きなブランドの商品が再入荷しました」「以前購入したアイテムと相性の良い新作はこちら」などの文面で、個別に最適化された内容を届けた結果、メールの開封率が通常の1.5倍となり、クリック率も向上しました。最終的に、休眠顧客の約20%が再購入に至りました。
まとめ:効果的なメールマーケティングを実施しよう
メールマーケティングはコストの低さから導入している企業は多くあります。成果を着実に上げるためには、効果検証を適切に行いましょう。
効果検証によって、メールの改善を行い、読者数や読了率を上げることができます。コンバージョン率を向上させ、売り上げや業績に寄与できるようにコンテンツの質を高めましょう。
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