ステップメールは、効率的に顧客フォローができるメールマーケティングの手法の1つです。見込み顧客に合わせた内容のメールを、ステップを踏んでいくように自動配信し、最終目標に向かって顧客を誘導していきます。ステップメールをより効率的に配信するためには、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
今回は、BtoBターゲットに効果的なステップメールの使い方や注意点についてご紹介します。
- ▼この記事でわかること
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- BtoBビジネスにステップメールが有効な理由
- ステップメールの作成手順
- ステップメールのシナリオ例
- ステップメールを成功させるコツと注意点
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Contents
BtoBビジネスにステップメールが有効な理由
従来のメールマガジンは、全員に対して同様のトピックスを掲載していることが多いのですが、ステップメールは顧客の行動や興味に合わせて配信する内容を変えていきます。顧客の状況に合わせた複数回にわたるアプローチを行うことで、BtoBの取引でも重要となる自社の認知度や、見込み顧客との信頼度を自然と高められるのです。
ここでは、BtoBビジネスでステップメールが有効な理由について3点説明していきます。
1.興味関心や行動に合わせた内容を段階的に案内できる
「資料ダウンロードした人」「サンプルを取り寄せた人」など特定の行動をした見込み顧客ごとにシナリオを設定することで、顧客1人ひとりに合った内容を段階的に配信することができます。自動配信設定をすれば、手動で対応するよりも多くの見込み顧客にアプローチすることも可能です。
こちらの手間はあまりかかりませんが、見込み顧客側から見れば自分のためだけに送信されたメッセージとしてとらえてもらえるでしょう。
2.自動でリードナーチャリングができることで継続的なつながりが持てる
ステップメールは見込み顧客の検討フェーズに合わせたシナリオを設定し、自然に見込み顧客を購買に至るまで誘導します。
シナリオを設計し、配信の設定を済ませれば、あとは自動的に見込み顧客に合わせたフォローが行うことが可能です。そのため、営業担当者のスキルの違いに左右されることなく、必要な情報を見込み顧客に伝えられます。
3.長期にわたってフォローし続けるので、案件化率を高められる
BtoBの場合は、認知後すぐに購買を決定することは少なく、数カ月~数年にわたり社内で協議・検討します。この期間も丁寧にリードナーチャリングをして行く必要があります。今はすぐに購入するか分からない見込み顧客に対しても、ニーズが発生するタイミングより前に認知してもらう必要があります。
長期に渡ってリードナーチャリングをするステップメールは、見込み顧客から忘れられるのを防ぎ、定期的にコミュニケーションをする手段でもあります。
メールマーケティングにおけるシナリオ設計のポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。
ステップメール以外のメールマーケティングの手法
ステップメール以外のメールマーケティングの手法について詳しく説明します。
メルマガとの違い
ステップメールとメルマガは、どちらもメールマーケティングの手法ですが、その目的や配信方法、内容に違いがあります。ステップメールは、あらかじめ決められたシナリオに基づいて、特定のタイミングで順次メールを自動配信する仕組みです。主にリードナーチャリングや特定の行動を促すことを目的として使用されます。
一方、メルマガは、企業やブランドからの情報を不特定多数の購読者に定期的に配信する形式です。多くの場合、最新ニュースやキャンペーン情報、業界のトレンドなどを一括して伝えることを目的としています。購読者全員に同じ内容を配信するため、パーソナライズの要素は少なく、長期的なブランド認知や関係構築を重視します。
つまり、ステップメールは「自動化されたシナリオ型」の手法、メルマガは「定期的な情報発信型」の手法であり、それぞれの役割や活用場面が異なるのが特徴です。
その他の手法
ステップメールやメルマガ以外の代表的な手法について詳しく説明します。
- ・ターゲティングメール(セグメントメール)
- ターゲティングメールとは、顧客の属性や行動データをもとにグループ分け(セグメント化)し、それぞれのセグメントに最適化されたメールを配信する手法です。
たとえば、年齢、性別、購入履歴、地域などのデータをもとに、異なるコンテンツを作成します。これにより、配信内容が顧客の興味やニーズに合致し、開封率やクリック率が向上します。
- ・リターゲティングメール
- リターゲティングメールは、Webサイトを訪れたが購入や問い合わせに至らなかったユーザーに対して送信するメールのことです。たとえば、ショッピングカートに商品を追加したものの購入しなかったユーザーに、「カート内の商品を購入するのを忘れていませんか?」というリマインドメールを送るのが代表的なケースです。この手法は、放置されたカートの回収やサイトへの再訪を促進する効果があります。
- ・休眠発掘メール
- 休眠発掘メールとは、一定期間アクティブでない顧客や購読者に再び関心を持ってもらうための手法です。たとえば、「最近ご無沙汰しております」という挨拶とともに、限定クーポンや新製品情報を提供することで、顧客との再接触を試みます。この手法の目的は、再度関心を引き起こし、顧客のライフサイクルを延ばすことにあります。
メールマーケティングについては、こちらをご覧ください。
BtoBにおけるステップメール作成手順
BtoBにおけるステップメールの作成手順について、詳しく説明します。
1.目的の明確化
ステップメールを作成する際、まず最初に目的を明確にすることが重要です。BtoBでは、以下のような目的を設定することが考えられます。
- リードナーチャリング(潜在顧客を見込み顧客に育成)
- ウェビナーや商談の予約促進
- 新商品やサービスの認知拡大
ステップメールではこのような目的が明確でないと、シナリオや内容が一貫しないため、まずは具体的に設定しておきます。
2.ターゲットの設定
次に、配信対象となるターゲットを明確にします。BtoBでは、以下のようなセグメントに基づいてターゲティングするのが一般的です。
- 業種や業界(IT、製造業、医療)
- 役職(経営層、営業マネージャー、マーケティング担当者)
- 企業規模(中小企業、大企業)
ターゲットを明確にすることで、受け手にとって価値のある情報を適切に提供できるようになります。
3.シナリオ設定
つづいて、ステップメールの全体的な流れを設計します。顧客の購買プロセスに沿って、以下のようなシナリオを組み立てるのが効果的です。
- 1通目:問い合わせや資料請求へのお礼メール
- 2通目:課題に関する具体的な解決策の提示(ホワイトペーパーや導入事例の提供)
- 3通目:自社サービスの強みや価値を紹介するコンテンツ
- 4通目以降: ウェビナーや個別相談会への誘導
メール間の配信間隔やタイミングも重要で、顧客のペースに合わせて設定します。
シナリオ例については、このあとより詳しく解説します。
4.メール作成
シナリオに基づいて、具体的なメールの内容を作成します。以下のポイントに注意すると効果的です。
-
- 件名
- 開封率に影響を与えるため、興味を引く具体的なものにする
-
- 本文
- 読み手の課題にフォーカスし、簡潔かつ分かりやすい内容を心がける
-
- CTA
- メールごとに1つの具体的な行動を促す
例:「資料をダウンロード」「ウェビナーに登録」
5.配信設定
作成したメールを、適切なタイミングで配信できるように設定します。
- 配信スケジュール(例:問い合わせ後24時間以内に1通目を配信)
- セグメントごとの配信条件
- 開封やクリックのトリガーによる自動配信(例:3通目を開封したユーザーにだけ次のメールを送る)
6.結果の分析と改善
配信後は結果を必ず分析し、必要に応じて改善します。主な指標としては以下が挙げられます。
- ステップメールの成果指標
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- 開封率:件名や配信タイミングの効果を測定
- クリック率:メール本文やCTAの効果を確認
- コンバージョン率:実際に目的を達成した顧客の割合を把握
結果を基に、件名の変更、配信タイミングの調整、内容のリライトなどを行い、ステップメールの効果を向上させていきます。
これらの手順を繰り返し実行することで、顧客のニーズに合った効果的なステップメールを構築できます。
効果的なステップメールを書くためにはシナリオ設定が重要
ステップメールを有効に活用するためには、シナリオの設定が重要です。シナリオ設定をする前に、以下のことを決めておきましょう。
誰にメールを送るか
ステップメールは、見込み顧客のメールアドレスへやみ雲に送っても意味がありません。行動をセグメントし、送信対象者を決めておきましょう。まずはステップメールの送信対象者の例を挙げていきます。
- 資料請求をした人
- ホワイトペーパーをダウンロードした人
- セミナーに参加した人
この3者は何を求めているでしょうか?資料請求をした人は詳しい製品資料や導入事例が欲しい、ホワイトペーパーをダウンロードした人やセミナーに来場した人はその内容に応じた課題や悩みを解決したい、と考えていると思われます。よって、この3者に送信すべきステップメールのシナリオは違うものになるはずです。
ステップメールを受け取った後、どう行動してほしいか?
次は、ステップメールの目的を決めていきましょう。受け取った後に何をしてほしいかでメールの内容を変える必要があります。
たとえば、メールのURLから資料をダウンロードしてほしい、セミナーに参加してほしい、新サービスにこめた思いを知ってほしい、などが考えられます。そのためにはメールに何を書いたらいいかを考えましょう。
送信するタイミングをいつにするか
ステップメールを送信するタイミングとしてベストなのは、「顧客が必要としている時」です。セミナー参加者に送るステップメールの例を挙げていきます。
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- 1通目
- セミナー終了直後にお礼と合わせ、セミナーで使った資料DLのURLを配信
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- 2通目
- 次の日、セミナー参加者が興味を持ちそうな商品の紹介
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- 3通目
- 1週間後、参加者の悩みを自社商品で解決できた事例を紹介
セミナー参加者の熱が高いうちに商品紹介を送り、さらに1週間後に自社製品で参加者の悩みを解決できた事例を紹介することで、購買意欲を高めていきます。お礼メールが1週間後になったり、お礼より先に商品紹介をされたりすると、参加者の購買意欲は下がってしまうかもしれません。ステップメールを送るタイミングは慎重に検討していきましょう。
ステップメールのシナリオ作成は簡単!検討度合いを引き上げCVを増やす方法とは?
ステップメールのシナリオ例
資料請求後のシナリオ例
- 【目的】
- 資料請求をした見込み顧客に対して関心を深めてもらい、商談や問い合わせなど次のアクションにつなげる
- 【ターゲット】
- 資料請求フォームに登録した見込み顧客
- 1通目
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- 件名:「資料ダウンロードありがとうございます」
- 内容:資料のダウンロードリンクを案内し、併せて簡単な挨拶を伝える。資料のポイントや関連情報も簡潔に補足。
- CTA:「資料はこちらからダウンロードしてください」
- 2通目(1~2日後)
-
- 件名:「資料の内容について補足情報をお届けします」
- 内容:資料の補足説明や、自社サービスの基本的な特徴を紹介。顧客が抱えている課題への共感を示しつつ解決策を提案。
- CTA:「解決事例の詳細はこちら」
- 3通目(5~7日後)
-
- 件名:「成功事例:〇〇社が抱えていた課題を解決した方法」
- 内容:同業界や同規模の企業の導入事例を紹介し、具体的な成果やメリットを伝える。
- CTA:「事例の詳細を見る」
- 4通目(2週間後)
-
- 件名:「無料相談会にご参加いただきませんか?」
- 内容:導入を検討している顧客向けに個別相談会やウェビナーの案内を送る。具体的なメリットを提示して参加を促す。
- CTA:「今すぐ相談会を予約する」
トライアル実施後のシナリオ例
- 【目的】
- トライアル利用者にサービスの利便性や価値を伝え、本契約や購入につなげる
- 【ターゲット】
- サービスの無料トライアルに登録した顧客
- 1通目
-
- 件名:「トライアル開始ありがとうございます」
- 内容:トライアル開始のお礼とともに、使い方の簡単なガイドや初期設定の方法を案内する。
- CTA:「トライアル活用ガイドを見る」
- 2通目(3日後)
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- 件名:「こんな機能はご存じですか?おすすめの活用法」
- 内容:トライアル中に試してほしい具体的な機能や、業務効率化につながる活用事例を紹介する。
- CTA:「活用事例を確認する」
- 3通目(1週間後)
-
- 件名:「ご利用者様の声をご紹介します」
- 内容:他の利用者の成功事例や感想を紹介し、自社サービスの価値をアピールする。
- CTA:「もっと詳しい事例を見る」
- 4通目(トライアル終了3日前)
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- 件名:「トライアル終了まであと3日です」
- 内容:トライアル期間の終了をリマインドし、今後も利用するメリットを強調。契約へのスムーズな流れを作る。
- CTA:「プランの詳細を見る」
- 5通目(トライアル終了後)
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- 件名:「〇〇様、引き続きご利用いただけます」
- 内容:トライアル終了後も利用を継続する場合の手続き方法や特典を案内する。また、導入までのサポート体制をアピール。
- CTA:「お得なプランを確認する」
これらのシナリオは、顧客の行動ステージに合わせて適切に内容を調整し、興味や関心を維持しながら購買行動を促進する設計となっています。
ステップメール実施時の注意点
ここでは、ステップメールの成果を高めるために意識しておくべき注意点やポイントをみていきましょう。
ゴールのハードルを下げる
ステップメールの目的を達成するためには、顧客が行動しやすいように目的となるアクション、つまりステップメールのゴールのハードルを下げることが重要です。
たとえば、BtoBの場合、いきなり商談や契約といった大きなアクションを求めるのではなく、資料ダウンロードや短時間のウェビナー参加、無料相談やトライアルの申し込みのような小さなステップを設けると効果的です。これにより、顧客が心理的に負担を感じにくくなり、行動につながりやすくなります。
また、メールの内容やCTAは「手軽さ」や「簡単さ」を強調し、「これならできる」と思ってもらう工夫を取り入れましょう。たとえば、CTAボタンに「無料で試してみる」「今すぐ資料を見る」といった文言を使用することで、よりクリックされやすくなります。
定期的なメンテナンスが重要
ステップメールを実施する際に注意するべきなのが、メール内容のメンテナンスです。
企業の営業活動には、さまざまな変化があります。たとえば、価格変更、製品のバージョンアップ、生産中止、リンク先の変更、組織改編での担当部署の変更などです。一度設定した配信内容を定期的にチェックして、常に最新の情報に更新する必要があります。
また、ステップメールはタイムリーな情報を伝えるマーケティング手法ではありません。よって、期間限定の情報や緊急性の高いものに対してステップメールは不向きです。
さらに、見込み顧客の検討フェーズが上がるにつれて、読み手を満足させる専門性の高さも要求されます。表面的なフォローだけでなく、読み手である見込み顧客の欲求を満たす準備も大事にしましょう。
MAツールを活用する
ステップメールを効果的に実施するためには、MAツール(マーケティングオートメーション)の活用が欠かせません。MAツールを使うことで、以下のような機能を自動化し、効率的かつパーソナライズされたメール配信を実現できます。
- 配信スケジュールの自動化:顧客の行動に基づいて、適切なタイミングでメールを自動配信できます。
- セグメント化:顧客の属性や行動データをもとに細かくセグメント分けし、それぞれに最適化された内容を送ることができます。
- 分析・改善:開封率やクリック率、コンバージョン率などを自動でトラッキングし、データを分析することで、メールの効果を可視化します。
この結果をもとに、件名や本文、CTAの改善を継続的に行えます。
このようにMAツールを導入することでステップメールの運用負担を軽減しながら、成果を最大化することができます。MAツールについては、以下の記事をご覧ください。
BtoBビジネスでステップメールを有効に活用しよう
ステップメールは、見込み顧客の購買段階に応じて自動配信するマーケティング手法です。ステップメールを利用すれば、多くの見込み顧客にアプローチできるだけでなく、工数も抑えられます。メールの読み手にとっては、個別にアプローチしてもらったという親近感が沸き、信頼度も増していくでしょう。
ステップメールは手動でも送信できますが、配信ツールを使ったほうが開封率やクリック率といった指標が測定できるので、より効果的なリードナーチャリングが可能です。マーケティングオートメーション「List Finder」なら、メール閲覧状況に合わせたステップメールの配信もできます。
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