必要性はある?マーケティングオートメーションを解説

マーケティングオートメーション

必要性はある?マーケティングオートメーションを解説

昨今、見込み顧客を獲得・育成するためのマーケティング活動も、インターネット環境の整備やWebテクノロジーの発達を背景とする情報収集の容易さ、競合商品比較の容易さなどから、従来のやり方では以前と同様の成果が上がらなくなってきています。

営業リストにある膨大な連絡先のすべてにアプローチしたとしても、時間ばかり掛かってしまい、成果が乏しいと感じている営業担当者も多いのではないでしょうか。効率的に見込み顧客を獲得・育成するためには、これまで以上に生産性の高いマーケティング手法が必要です。

マーケティングオートメーションは、米国で登場した新しいマーケティングの概念の1つです。日本でもここ数年導入企業が増えており、見込み顧客を増加させる施策として、マーケティングオートメーション導入の必要性が注目されています。

今回は、なぜ今マーケティングオートメーションが必要とされているのかをご紹介いたします。

▼この記事で分かること
  • マーケティングオートメーションの必要性
  • マーケティングオートメーションでできること
  • マーケティングオートメーション導入を成功させるポイント
  • 導入に向いている企業とそうでない企業

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まずはおさらい。マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーションとは?
マーケティングオートメーションの必要性について解説する前に、まずはマーケティングオートメーションについて簡単におさらいしておきましょう。

マーケティングオートメーションとは、「新規商談獲得におけるマーケティング活動を自動化し、効率的な営業活動を支援する」こと、もしくはそれを実現するツールのことを指します。

新規商談を獲得する際には、自社の見込み顧客に対して継続的にコミュニケーションを取り続け、一人ひとり異なる興味・関心内容に即したコンテンツを提供し、ニーズが顕在化したタイミングを逃さずに営業アプローチすることが重要です。しかし、これら一連の業務を手動で行おうとすると、莫大な工数が生じてしまいます。

そこで、「見込み顧客に対する適切なコンテンツ提供」「ニーズが顕在化したタイミングのキャッチアップ」を自動化できるツールとして、マーケティングオートメーションツールが誕生したのです。

マーケティングオートメーションが必要な理由とは?作業の自動化による効率化・作業ミスの防止

マーケティング担当者は、情報収集に始まり広告の管理やターゲットへのメールアプローチ、データベースの整備・管理など業務範囲が広く、多くの場合自ら手を動かす「作業」が必要です。

もし、社内でマーケティング担当者が少ない場合は、本来必要な戦略の立案や改善のための「業務」が、その他の手を動かす「作業」に時間を取られてしまい、結果が伴わないことがあります。

マーケティングオートメーションを導入すれば、今まで「作業」として行ってきたマーケティングのプロセスを自動化し、効率の良いマーケティング活動を行えます。これは、マーケティング担当者が本来の業務に専念出来ることに繋がります。

更に、「作業の自動化」がもたらすメリットとしては、効率化だけではなく「作業ミスの防止」が挙げられます。見込み顧客へのアプローチなどで、メールの誤送信や誘導すべきコンテンツの間違いなど、人的作業ミスの可能性を取り除いてくれます。

マーケティングオートメーションツールを導入することで、作業ミスもなくなり、不要なトラブルも防止してくれるのです。

むしろ、そのようなミスがあった場合の信頼失墜やトラブル対応、将来的な顧客候補の離反といったリスクを考えると、作業ミスの防止は業務効率化よりも大きなメリットとなるかもしれません。

マーケティングの効率化を目指す企業であれば(特に、少数精鋭で作業量の負担が大きなチームであればなおさら)、マーケティングオートメーションの導入は近い将来必要となる検討事項でしょう。

BtoB企業とBtoC企業マーケティングオートメーションはどちらに必要?

マーケティングオートメーションは、BtoB企業とBtoC企業どちらも活用することでマーケティング業務の効率化が見込め、効果的であるといえます。

しかしマーケティングオートメーションには、「BtoB向け」のものと、「BtoC向け」のものがあり、それぞれ機能や管理できるリード数などに違いがあります。

自社のビジネスモデルによってマーケティングオートメーションでおさえておきたい機能は異なるでしょうから、まずは検討しているツールがBtoB向けなのか、またはBtoC向けなのか、確認しておく必要があります。

BtoB企業における、マーケティングオートメーションの必要性

企業向けの商品やサービスを提供しているBtoBは、BtoCと比べ対象とする顧客数が少ないことや購買までの期間が長いことが特徴です。また、購買者と決済者が異なることも多く購買までには複数の関係者が関わってきます。

このことからもBtoBでは、購買までの中長期的な期間を継続的かつ効率的にフォローする必要があります。マーケティングオートメーションを活用することで、見込み顧客情報を獲得する段階から迅速なフォローアップが可能となり、見込み顧客との関係性の強化へとつながるのです。

BtoC事業における、マーケティングオートメーションの必要性

BtoBが企業向けの商品やサービスを提供しているのに対して、BtoCは一般消費者向けに商品を提供しており、BtoBとは販売戦略が異なります。

BtoCの購買プロセスは、個人が一人で購入を決めることができるため、BtoBと比べ購入までの検討期間が短く、検討を始めたその場で購入に至ることも多くあります。
そのため、継続的な情報提供を行うよりも、多くのターゲットに対し、さまざまなチャネルで最適なコンテンツを提供することが必要となります。

このことからBtoC向けのマーケティングオートメーションで求められる機能は、多くのリード情報を管理することができ、広告やSNSとの連携ができるツールを選ぶのが良いでしょう。

マーケティングオートメーションでできることとは?見込み顧客の獲得から育成までを効率化

マーケティング担当がリード(見込み顧客)を営業担当に渡すまでには、下記の4つのプロセスがあります。

  1. リードジェネレーション:見込み顧客の創出
  2. データマネジメント:獲得した見込み顧客の情報を一元管理
  3. リードナーチャリング:定期的にアクションを取ることで見込み顧客の育成
  4. リードスコアリング:見込み顧客の優先順位を付ける

これらのプロセスを経て、優先順位の高い見込み顧客の情報を営業担当に渡すことで営業効率が上がり、結果的に営業成約数を伸ばすことができます。

マーケティングオートメーションでは、この4つのプロセス全ての自動化・効率化が可能です。そのため、マーケティング業務に多大なリソースを取られている企業は、大幅な業務効率化が望めます。

例えば最初のハードルとなる「リードジェネレーション」では、Webからのリードジェネレーションの効率化に効果を発揮します。Webページ内にフォーム(お問合せフォームやメルマガ登録フォームなど)を組み込む機能や、ランディングページ作成機能、Webページ内のコンテンツをユーザーに応じ変更する機能などにより、今まで工数のかかっていた作業が、マーケティングオートメーションツールの導入で自動化・効率化します。

同様に、情報を一元管理する「データマネジメント」での情報一元化、「リードナーチャリング」でのメール配信やキャンペーン管理、「リードスコアリング」での顧客の役職やWebページの閲覧履歴、展示会の参加回数などを元に自動的にスコアを付与するスコアリング等、マーケティングからリード(見込み顧客)を営業担当に渡すまでに発生する様々な業務の効率化が望めるのです。

下記の記事も参考にご覧ください。


SFAやCRMとの違い

MAと、SFAやCRMとの違い
マーケティングや営業領域で活用されるツールには、マーケティングオートメーションのほかにSFA(セールスフォースオートメーション)やCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)といったツールもあります。

マーケティングオートメーションは、見込み顧客情報の獲得から商談化までのフェーズを効率化し、 商談獲得数を最大化させることを目的として活用されるのに対して、SFAは、企業全体の営業活動の効率化、営業成果の向上など、営業活動を支援するためのツールです。

SFAで各商談の詳細を管理することで、チーム全体としての動きが可視化され、より効率的、効果的な営業活動が可能になります。

またCRMは、すでに自社の商品やサービスを購入している既存顧客との良好な関係を構築するためのツールです。
顧客との関係性の維持や顧客満足度の向上、顧客をファン化させることを目的とし、その後の購買額の最大化や、長期的な収益の向上が期待できます。

マーケティングオートメーション導入を成功させるには

マーケティングオートメーションを導入する場合は、事前準備が必要です。シナリオ設計やスコアリング設計など、導入時に考えるべきものはたくさんありますが、ここでは「導入検討を始める場面」で備えるべきことをご紹介します。

関係各所と連携する

最も重要なのは「関係各所をうまく巻き込む」ことです。

多くの場合、導入の際はマーケティング部門内だけではなく、営業部門をはじめとする他部署からの協力が必要になります。各所の協力を得られることが、受注件数などの結果に影響することも考えられます。

代表的な例として、見込み顧客の情報を全社で共有するため、顧客データベースを各担当部署で更新・管理する場合などが挙げられます。営業担当であれば、展示会や商談などで獲得した名刺情報を登録する、マーケティング担当者であればWebページ内のフォームから来たお問い合わせ情報を登録するなど、担当領域とルールを明確にすることと、それに伴う協力体制を敷くことが必要となります。

他にも、システム部門であればWebサイトへの計測用のタグ設置やフォーム埋め込みなどが協力を要するものとして挙げられます。

業務フローなどが変更になる場合は関係各所と事前によく検討し、導入後に不都合が起きないように配慮することも重要です。

関係各所をうまく巻き込み、マーケティングオートメーションを理解してもらいながら、導入に向けて「いかに協力体制を作れるか」を念頭に入れマーケティング活動を進めておくと、いざ導入となった場面でスムーズに協力を得られるでしょう。

自社に必要なマーケティングオートメーションツールを検討する

また、導入検討段階では、マーケティングオートメーションツールにどのようなものがあるか理解することも大切なポイントです。

現在では多くの会社からツールが提供されており、価格はもちろん、機能も少しずつ異なります。「機能が多いから」と高機能なツールを導入しても、使いこなせないと意味がありません。自社の業務内容や業務フローとの相性が良いか、使い勝手は良さそうか、コストに見合う使い方ができそうかなどを導入前によく確認しましょう。

メリットを理解した上で、導入を検討する際は自社の現状からどのような事前準備が必要か、自社に合ったツールはどういうものか、複数のツールを比較してみてください。

下記の記事も参考にご覧ください。

よくある失敗!導入に向いていない企業も

ここまで、マーケティングオートメーションの必要性や導入することでマーケティングの業務効率化が図れることについて解説してきましたが、すべての企業がマーケティングオートメーションの導入を必要としているとは限りません。

マーケティングオートメーションの導入をおすすめできる企業とは、

  • 自社にある見込み顧客情報が1,000件を超えている
  • 自社の課題が「見込み顧客の獲得」である
  • 商談創出のために効果的な見込み顧客の創出が必要

このような課題を抱えている場合、マーケティングオートメーションを活用することでマーケティング業務を効率化し、効果を得られやすいでしょう。
しかし、反対にまだまだ顧客情報が少ない場合やそもそも自社の課題が明確となっていない場合には、思ったような効果を得られにくいでしょう。

マーケティングオートメーションの導入を失敗させないためにも、まずは自社の課題を洗い出し、ツールを導入することでどのようにその課題を解決できるのかまでを考えて導入・検討に進むことがおすすめです。

おわりに

マーケティングオートメーションは、マーケティングのプロセスを自動化し、一括管理できる優れたツールです。マーケティング業務の効率化を目指す企業であれば、マーケティングオートメーションツールの導入により、大幅な成果を実感できるでしょう。効果的に活用できれば、今までよりも工数をかけずに目標数以上の見込み顧客を集めることも夢ではありません。