顧客育成につながる!リードナーチャリングの8つの施策例

リードナーチャリング

顧客育成につながる!リードナーチャリングの8つの施策例

リードナーチャリングとは「顧客の購買意欲を高めるために行うマーケティング活動」のことです。具体的には、顧客の知識を深めるためにセミナーを開催したり、メールで情報発信を行います。

特に購買までの検討時間が長いBtoBの場合は「売上を上げる鍵はリードナーチャリング」といわれるほど重要視されるようになってきました。ここでは売上アップにつながるリードナーチャリングの施策を紹介します。

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リードナーチャリングとは

「自社ハウスリストの中からホットな見込み顧客を見つける」というマーケティング活動には、大きく分けて以下3つのステップがあります。

  1. リードジェネレーション(見込み顧客獲得)
  2. リードナーチャリング(見込み顧客の教育)
  3. リードクオリフィケーション(見込み顧客の絞り込み)

このステップの中間にあたるリードナーチャリングは、見込み顧客の購買意欲を高め、購入につなげるためのさまざまなマーケティング施策を行います。具体的な方法については、後ほど詳しく解説します。

リードナーチャリングが必要とされる理由

一般的にBtoBビジネスは、初回の接触から商品の購入まで長い時間がかかります。また、商談後そのまま受注に至るケースもそこまで多くなく、予算や導入時期の関係で失注に至る割合も非常に高い傾向にあります。

しかし検討期間が長く、あまりよい反応が得られないからという理由から見込み顧客に対してフォローせず、放置してしまっていると、その見込み顧客が再度検討をはじめたとしてもキャッチアップできず、営業機会を逃すかもしれません。そのようなことがないよう、見込み顧客のニーズが顕在化した際に自社を候補として考えてもらえるよう、継続的なフォローをする必要があるのです。

顧客のニーズを把握したうえで、メルマガによる情報配信や、詳しい事例紹介など、顧客ごとに適切なアプローチを継続することで、より検討度合いを高められたり、一度止まった検討が再開されるときに自社サービスを思い出してくれる可能性を高められたりできるのです。

自社に少しでも関心を持ってくれた顧客に対して最適な施策を行い、見込み度合いが高い状態へ育成することが、リードナーチャリングの目的となります。

リードナーチャリングを行うメリット

リードナーチャリングを行うことで得られるメリットは以下の通りです。

● 自社に対してあまり興味がなかった見込み顧客をホットリードにできる

「見込み顧客」といっても、個々で自社に対する関心度は変わります。中にはまだ興味があまりない見込み顧客もいますが、Webコンテンツやセミナー開催などのリードナーチャリング施策を通してアプローチを続けていれば、購買意欲が高まる可能性があります

● 確度の高い見込み顧客を抽出し、営業活動の成果を上げやすくする

メールマーケティングで配信したメールを毎回開封してくれるような自社への関心が高い顧客、またはリードナーチャリングによって確度が高くなった顧客を抽出して営業担当へ引き渡すと、顧客は購買意欲が高まっている状態であるため成果が上がりやすくなります。

● 顧客から自社への信頼を厚くする

メルマガやセミナーなどで、顧客にとって有益な情報を配信し続けていると、見込み顧客が抱えている課題解決の糸口が見つけやすくなるかもしれません。顧客にとって「よい情報」を、リードナーチャリングを通して配信し続けていれば、自社への信頼はより厚くなるはずです。

● 営業にかかる労力やコストが軽減できる

近年は検索をして比較検討し購入するのが購買プロセスの主流であるため、自社からアクションを起こさずとも顧客から接近することもあります。Webコンテンツやセミナーを利用してリードナーチャリングを行えば、顧客の関心度を上げたり、確度の高い顧客には手厚いフォローをすることができます。
つまり、興味度合いがわからないところに対して闇雲に営業活動をせずとも、顧客のフォローができ、営業にかかる時間や労力、コストを減らせます。

● 顧客のフォローアップを漏らすことなくできる

マーケティングオートメーションを導入してリードナーチャリングを行うと、例えば、あらかじめ「資料請求してくれた顧客には、事例紹介の内容を1週間後に配信する」というシナリオを設定し自動で配信できるため便利です。顧客の見込み度合いに合わせて自動でアプローチを行えると、漏れなくフォローアップができます。

● 作成したコンテンツはリードナーチャリング以外で再利用できる

リードナーチャリングのために作成した自社サイトやオウンドメディアは新しい顧客の獲得に役立ち、メール配信で使用したお役立ち情報や事例案内などのコンテンツは別媒体にも転用可能です。つまり、リードナーチャリングのために作成した優良なコンテンツは再利用ができ、自社の大切な資産となります。

リードナーチャリングを行い成功した企業の事例はこちらにまとめてあります。ぜひ参考にしてみてください。

リードナーチャリングに効果的な8つの施策

では、効果を上げやすくするリードナーチャリングの施策例を具体的に見ていきましょう。

1.全体に向けたメールマガジン

メールマガジンは登録のハードルが低く、定期的に見込み顧客にアプローチできる施策です。また既存顧客に対しても有益な情報をメルマガとして配信し続ければ、継続して友好な関係を築くことができます。

メールマガジンで配信する代表的な内容は以下の通りです。

  • 新製品や新サービスのリリース情報
  • Webサイトの更新情報
  • 期間限定のサービス情報
  • レビュー、事例紹介

メールマガジンは手動で配信もできますが、リードナーチャリングの効果を上げるためにはマーケティングオートメーションツール(MAツール)を使用するのがおすすめです。マーケティングオートメーションツールを利用し配信したメールマガジンから自社サイトに誘導できれば、URLのクリックでメールアドレスとCookieを紐づけ、トラッキングできる見込み顧客が増えます。

後述するセグメントメールやステップメールと比較すると、メールマガジンは顧客属性に合わせて配信内容を変えない画一的な配信スタイルです。しかし、情報提供を通して見込み顧客と接触を持ち続けるという意味では有効な施策といえます。

また、配信したメールマガジンの中でどの内容が顧客の反応を多く得たか、開封率やクリック率から確認できれば、多くの顧客が求めていることは何かが掴みやすくなるはずです。

2.セグメントメールやステップメールを活用したメールマーケティング

メール配信を利用したマーケティング活動は、低コストで実施でき大きな効果を得られるため、リードナーチャリングにおいて重要な施策の一つです。

メールマーケティングの手法としては、顧客別で適切なタイミングに最適な内容を段階的に自動配信する「ステップメール」があります。Webサイトから資料請求をしてくれた見込み顧客に対するステップメールの配信例は以下の通りです。

  • 1通目:資料請求に対するお礼のメールを配信
  • 2通目:1通目配信から3日後、自社製品の導入事例を配信
  • 3通目:2通目配信から3日後、他ユーザーのレビューや成功事例を配信
  • 4通目:3通目配信から3~5日後、他社との比較情報を配信
  • 5通目:4通目配信から5~7日後、展示会への招待メールを配信

もう一つメールマーケティングでよく使われる手法として、見込み顧客の興味・関心によって内容を変えてメールを配信する「セグメントメール」があります。

製品購入を検討しはじめた段階の見込み顧客に対して、営業色の強い内容や事例紹介を配信しても進展しにくいかもしれません。まずは自社がどのようなサービスを行っているか知ってもらい、お役立ち情報や業界の最新情報などを配信して信頼関係を築くことが有効です。

一方で、製品購入に意欲的な顧客に対しては、より強いアプローチをしないと他社に流れてしまう可能性があるため、事例紹介や他社との比較情報を配信します。このように顧客別で内容を変えながら最適なマーケティング活動をメール配信でもできるのです。

メールマガジンと同じくステップメールやセグメントメールの配信にも、マーケティングオートメーションツールの利用がおすすめです。マーケティングオートメーションツールによって配信されたそれぞれのメールは、配信後に開封率やメールに添付したURLのクリック率などの計測ができます。

計測後は必ず考察をし改善策を立てましょう。例えばメールの開封率はよかったのにクリック率があまり伸びなかった場合「コンテンツ内容が顧客の興味を引くものではなかった」ということが考えられ、次回の配信で気を付けるべき点が見えてくるはずです。

3.ホワイトペーパーの提供

「ホワイトペーパー」は自社製品・サービスについての情報や、顧客の抱える課題を解決へ導くためのノウハウ、業界の動向の情報などを提供するツールです。ホワイトペーパーの内容には以下のようなものがあります。

  • 市場調査
  • 事例紹介
  • 技術資料
  • トレンド分析
  • 統計資料
  • イベントレポート
  • ノウハウ資料

情報収集をしている見込み顧客は、必ずしも購入に意欲的とは限りません。まだ自社に対して認知しはじめた段階の顧客に、営業色の強いアプローチを行うと引かれてしまうこともあるでしょう。代わりに「顧客目線に立ったときに役立つ情報」をホワイトペーパーとして提供すれば、自社への興味や関心が高まる可能性があります。

また、内容の異なる複数のホワイトペーパーを用意しておき、メールマガジンやWebサイトなどから各種ホワイトペーパーのダウンロードに誘導できれば、顧客が何に悩んでいるか課題の把握にもつながります。

4.セミナーなどのイベント

展示会に出展したり、自社でセミナーを開催したり、顧客向けに行うイベントは自社製品のアピールや顧客との信頼関係を築くためのきっかけ作りになります。メールやWebサイトからアクションを起こすよりもハードルが上がるため、より関心の高い顧客の選別ができるのです。

イベントの中でも、課題解決につながりそうな内容や、製品の最新情報などを直接顧客へ提供できるセミナーは、購買意欲の高い顧客が集まりやすく製品購入へつなげやすくなります。最近ではWebを使ったオンラインセミナー(ウェビナー)も多く開催されるようになりました。Webセミナーは受講する時間や場所などの制約がないため、より多くの人が視聴でき、運営側も会場設営や資料配布などの労力を省くことができます。

セミナーの内容も数種準備しておくことで、参加人数や反響から顧客がどのようなことに関心があるか、ニーズの把握にも役立つでしょう。

5.内勤営業(インサイドセールス)

「インサイドセールス」は顧客の現在の状態を知るために、直接訪問するのではなく、電話やメールなどを利用し内勤で実施する営業スタイルです。主に顧客とアポイントを取ることがインサイドセールスの目的ですが、場合によってはクロージングまで行う場合もあります。

実際に顧客の元まで足を運ぶと移動に必要な時間がかかってしまい、1日に回れる企業の数も制限されてしまいますが、インサイドセールスを行うと、時間や労力をあまりかけることなく、これまで出向くことが難しかった遠方の顧客にまでアプローチが可能です。そのため、インサイドセールスはリードナーチャリングの重要な手法の一つといえるでしょう。

6.リターゲティング広告

「リターゲティング広告」とは、一度自社のサイトを訪れたことがある見込み顧客に、自社のことを思い出してもらうために表示する広告です。見込み顧客が他のサイトを閲覧中に広告を表示させ、見込み顧客の訪問期間やフリークエンシーキャップ、入札価格を調整して効果を高めることもできます。

なぜ他のサイトを見ているのに自社の広告を表示できるのかというと、「Cookie」という、自社サイトを訪れたユーザーに対して一時的にデータを保管させる仕組みのおかげです。製品ページや資料請求ページなど、特定のページを閲覧したユーザーに対してCookieが与えられると、ユーザーが離脱してもそのCookie情報によって、別サイトを見ていても自社の広告がユーザーの画面上に表示されます。

購入しようか強く悩んでいる顧客や、そこまで意欲が高くない顧客にも、繰り返しリターゲティング広告によってアプローチすると、印象に残りやすいでしょう。
自社のサイトを直近で訪れた見込み顧客は、購買意欲が高い傾向にあります。そのため、訪問日の近い見込み顧客に対して入札価格を高めに設定したり、広告のクリエイティブを「無料トライアル実施中」と変えたりして、より強く訴求できるようにするとよいでしょう。

7.SNS

新規顧客を獲得するために力を発揮しやすい「SNS」も、実はリードナーチャリングの手法としても有効です。主流としてはInstagram、Twitter、Facebookなどがあります。

どちらかというとBtoC企業向けの手法ですが、近年の働き手はSNSから情報収集する世代が増えてきているため、意外なところから反響が生まれるかもしれません。またSNSを通じて自社サイトへ誘導できれば、一方的に情報配信をしていた顧客に対して、さらに有効なアプローチや施策を講じられるでしょう。

企業のアカウントを取得したら、製品情報やセミナー情報などを配信しましょう。

SNSは情報の拡散性が高いことが魅力です。自社のアカウントページを閲覧して気になったことがあるユーザーは気軽にコメントがしやすく、SNS担当を決めておけばすぐにレスポンスできます。ユーザーからの反応も見やすく、BtoBビジネスにおいてもPDCAが回しやすい施策なのです。

リードナーチャリングで顧客を効率的にフォローしよう

見込み顧客の購入プロセスが長期化しやすいBtoBビジネスのマーケティングでは、時間をかけた継続的なフォローとアプローチが必要です。

しかしどんなに有能なマーケターであっても、多くの見込み顧客の情報を細かく把握するのは難しく、個別の施策を立てるには限界があります。そこでマーケティングオートメーションツールを導入し、リードナーチャリングをはじめとしたマーケティング施策を自動化すれば効果が上がりやすくなるはずです。