メールマーケティングをコンテンツマーケティングの1つとして行っている企業は多くあります。ですが無作為にメールを配信するだけではあまり効果は得られません。そこでこの記事では、メールマーケティングを成功させるポイントについて、基本から詳しく解説します。
- ▼この記事でわかること
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- メールマーケティングの概要
- メールマーケティング実施の手順
- メールマーケティングでよくある失敗と成功させるポイント
- メールマーケティング成功事例
メルマガ配信を
営業活動に活かせていますか?
MAツール「List Finder」をご利用いただくと、メール配信の他に、以下を実現できます。
- 配信後の開封/クリック率などの効果測定
- メールを読んだ顧客の特定
- その後の自社Webサイトへのアクセス状況解析
メール配信結果を活用した有望顧客リストの作成や営業活動の履歴管理も可能です。
こちらから「List Finder」の詳細資料をダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください!

Contents
- メルマガ配信を営業活動に活かせていますか?
- まずはメールマーケティングの基本を知ろう
- メールマーケティングが必要とされる背景
- メールマーケティングのメリットとは?
- メールマーケティングのデメリットとは?
- メールマーケティングの主な手法
- メールマーケティングの始める前に押さえておきたいこと
- メールマーケティング実施の手順
- メールマーケティングに有効なKPI
- メールマーケティングでCVR(コンバージョン率)を上げるためには?
- メールマーケティングを効率的に実施するために導入すべきツール
- メールマーケティングに必要な機能
- メールマーケティングにおすすめのツール2選
- メールマーケティングのよくある失敗
- メールマーケティングを成功させるためのポイント
- メールマーケティングの活用事例
- 最新のメールマーケティングトレンドとは?
- まとめ:メールマーケティングは費用対効果が高い施策
まずはメールマーケティングの基本を知ろう
メールマーケティングはハードルも低く、簡単という理由で行っている企業も多くあります。しかし、売り上げに結び付けるためにはメールマーケティングがどういうものかを理解したうえで、コンテンツ設計を行わなければなりません。
メールマーケティングについて理解を深めるために、まずはメールマーケティングの基本から学んでいきましょう。
メールのマーケティング戦略
メールマーケティングを一言で言えば『メールというチャネルを用いて、自社のブランディングや売り上げを増やすマーケティングの手法』です。売り上げや成約率の増加などの目標を設定し、その目標に合わせたターゲットや配信方式、内容のメールコンテンツを配信していくというものです。顧客ごとに最適な内容とタイミングで送信するといった工夫を行い、効果を高めるマーケティング施策の一環です。
メールマーケティングの現状と市場規模
総務省が公表した『平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』によれば、コミュニケーションツールとしてメールの利用率は高く、30代以降では50%以上の人がメールを利用したコミュニケーションを取っています。この点から、メールをチャネルとしたマーケティング施策は、いまなお有効といえるでしょう。
また別の調査によれば、「メールマーケティングの重要性を理解しても実施には至っていない」という回答も多く、BtoBにおけるメールマーケティングの需要は現在も高いことがわかっています。
(参考:平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査|総務省)
メールマーケティングとメールマガジンの違い
メールマガジン(メルマガ)は、見込み顧客に対して、同じ内容のメールを一斉送信する手法です。これにより、自社の商品やサービスの情報を宣伝する広告の役割を果たしています。
メールマーケティングもメールを送信することには変わりありませんが、違いは、それぞれの顧客に合わせてメールの内容やタイミングを変えて送信する点です。
たとえば「すぐに商品を買いたい顧客」と「まだ商品を調べている段階の顧客」に対して同一のメールを送信しても効果は薄いでしょう。それぞれに適した内容のメールを送るメールマーケティングの方が、顧客育成に期待が持てます。メールを配信するという点では同じですが、その目的や性質は、実はまったく異なる手法なのです。
メールマーケティングについては、こちらの記事でも詳しく解説しています!
メールマーケティングが必要とされる背景
近年、デジタルマーケティングの多様化が進む中で、メールマーケティングの重要性が再認識されています。その背景には、以下のような要因があります。
顧客との接点の維持が重要に
SNSやWeb広告を活用した集客が一般的になった一方で、新規顧客の獲得コストは上昇しています。そのため、一度接点を持った顧客と継続的に関係を築き、長期的な購買につなげる「ナーチャリング」が重視されるようになりました。メールは、顧客と定期的にコミュニケーションを取るためにも有効な手段の1つです。
パーソナライズによるエンゲージメント向上
マーケティングオートメーションなどITツールの普及により、顧客の行動履歴や興味関心に基づいてパーソナライズされたメールが容易に送れるようになりました。
適切なタイミングで最適な情報を提供することで、顧客のエンゲージメントを高め、コンバージョン率の向上につなげることができます。このような背景から、メールマーケティングは企業のマーケティング戦略において欠かせない施策となっています。
メールマーケティングのメリットとは?
メールマーケティングを行うことは、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。すでにメールマーケティングを導入している企業がよく挙げている主なメリットを紹介します。
低コストで実施できる
他のメディアに広告を頼むのであれば出稿料がかかりますし、紙媒体の広告には印刷費や紙代がかかります。それらの手段と比較すると、メールマーケティングはかなり低コストで実施できるのがメリットといえるでしょう。
低コストで行えるので導入のハードルが低く、大企業だけでなく中小企業でも導入しやすい性質があります。メールを送信するだけで良いので運営や管理費も発生せず、人的リソースをとられにくいのも魅力といえるでしょう。
高い成果を期待できる
メールマーケティングのターゲットとなるのは、企業のサービスや商品についてある程度興味・関心がある人達です。コストの低さから配信数を多くすることができるので、母数を増やせます。そのため、集客や売り上げにもつながりやすく、高い成果を期待できます。費用対効果が良い点もメリットです。
ターゲティングが可能
メールマーケティングはターゲティングが可能です。性別や年齢、住まい地域や興味に応じたメールを配信できるため、無作為にメールを送るよりも成果につながりやすいのです。
また、メールに対する興味・関心を持たれる可能性も高いため、開封率もあがります。1人ひとりに焦点を当てているので、一斉配信されるメールよりも好印象を抱かれやすい傾向もあるようです。
- ターゲティングメールによる効果の期待は?
- セグメント別に配信するターゲティングメールは、通常のメールより高い効果が期待できます。ユーザーの興味・関心の高い内容のメールが送れるので、通常のメールよりも高い効果が見込める点や、メール登録の解除率が下がる点、企業にとっては優良顧客になる可能性の高い人と継続してアプローチが取れるという点が挙げられます。
一方で、担当者の負担が大きくなりやすく、マーケティングオートメーションツールなどの、自動配信できるメールシステムを導入するなどで担当者の負担を軽くする施策も必要となってきます。
効果測定しやすくPDCAを回せる
メールは開封率、クリック率、配信数など、効果測定がしやすいというのも特徴です。取得できる要素が多いので情報の分析がしやすく、短期間で改善がしやすいのがメリットといえます。
PDCAのサイクルを早めてより効果の高いメールの発信がすぐにできるようになるでしょう。また配信先が他のコンテンツと比べて多いため、効果改善の影響も売り上げや成約率に大きく表れます。
メールマーケティングのデメリットとは?
一方でメールマーケティングにもデメリットがあります。主には「メールの作成や配信にかかるリソースをどう確保するか」という課題を抱えていることです。デメリットについて詳しく知っておき、実際にメールマーケティングを導入する際にはデメリットに対し先手を打ちましょう。
中長期的な運用が必要
メールマーケティングは、短期間で大きな成果を得ることが難しく、中長期的な運用が求められます。購買意欲がすぐに上がらない見込み顧客も多いため、継続的に価値ある情報を提供し、信頼関係を構築するプロセスが必要です。そのため、顧客が関心を持ち続けるためのコンテンツを用意し、定期的に配信する運用体制が必要ですが、この期間が長期にわたることが多く、効果が現れるまでに時間を要するでしょう。
運用する人材の確保が必要になる
メールマーケティングはテレビCMや雑誌広告とは違い、1度作成してしまえば終わりというわけではありません。内容の更新、定期的な配信を行うための運用する人材確保が必要になります。
リソースを確保するために、多くのメールマーケティングを行う企業ではメールの自動配信やリスト管理ができるメール配信サービスやマーケティングオートメーションを利用します。これらの運用コストが必要な点も、導入前に留意する必要があります。
コンテンツ更新が必要になる
メールマーケティングは定期的にコンテンツを作成する必要があります。メールでどのような内容を発信するのか、企画や文章、画像の用意などを行わなければなりません。
配信するコンテンツの質が低いと読者からメールサービスを解約されたり、開封率が下がったりするため、読者が満足する質は担保しなければなりません。コンテンツマーケティングではセグメントごとに異なったメールを考えるといったことを行うため、コンテンツ作成にかかる手間が増すことになります。
迷惑メールに登録されてしまうこともある
配信内容が読者の想定と異なっている、タイトルに誇張表現が含まれる、ドメインの評価が低いと言った理由で、迷惑メールに登録されてしまうことがあります。
迷惑メールに登録されてしまうと、その読者に2度とメールを読まれないばかりでなく、迷惑メールに登録する人が多くなると、プロバイダから弾かれて、本来メールを読みたい人の元にも届かなくなるといった事態が起こります。迷惑メールに登録されないために、タイトルや配信内容は配信前にしっかりチェックしなければなりません。
メールマーケティングの主な手法
メールマーケティングにはさまざまな手法があり、目的やターゲットに応じて使い分けることが重要です。ここでは、5つの代表的な手法を紹介します。
①メルマガ(メールマガジン)
定期的に配信されるメールで、企業の最新情報や業界ニュース、商品・サービスの紹介などを届ける手法です。ブランディングや顧客との関係構築を目的として活用されます。
②ステップメール
あらかじめ設定したシナリオに基づき、特定のタイミングで自動配信されるメールです。たとえば、資料請求後に順番に送る「教育コンテンツ」や、無料トライアル期間中に送る「活用ガイド」などが挙げられます。
➂リターゲティングメール
サイト訪問者やカート放棄ユーザーに対し、特定の行動を起点に送るメールです。たとえば、「カートに商品が残っています」や「最近閲覧した商品のおすすめ」など、購買促進を目的とした内容が一般的です。
④セグメントメール
顧客の属性(年齢・性別・購買履歴など)や行動履歴に基づいてリストを分け、それぞれに適したメールを送る手法です。ターゲットに最適な情報を届けられるため、開封率・クリック率の向上が期待できます。
⑤休眠顧客発掘メール
休眠顧客発掘メールは、一度は商談を行ったものの、何らかの事情で離脱してしまった見込み顧客に対して近況を伺うために配信するメールです。過去に関わりがあった顧客は、一度は自社に興味を持ってくれた顧客であるため、再度有益な情報を発信することで新たな契約につながる可能性を高めることができます。
これらの手法を適切に活用することで、顧客との関係を強化し、メールマーケティングの効果を最大化できます。
メールマーケティングの始める前に押さえておきたいこと
メールマーケティングを本格的に行う前に、以下のことを行っておきましょう。メールコンテンツを運営するために必要なことです。
まずは目標設定やKPI設定を行う
まずは、KPIの設定をしっかりと行います。KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」のことで、目標到達の中間点として設定するポイントです。たとえば、目標設定を「売り上げ10%アップ」とするなら、メールの開封率、資料請求件数、配信数といった、目標到達までに必要な要素をKPIとして設定します。
KPIをクリアしていけば、自ずと目標にたどり着くように、目標とKPIを紐付けすることが重要です。この目標はKGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)と呼ばれます。
配信するメールのテーマを決める
配信するメールのテーマを決めます。テーマを決めずに無作為なメールは、読者にとって魅力的とはいえません。他のメールと差別化できず、読まれないまま埋もれてしまう可能性も高くなります。
たとえば「美容・健康」をテーマとするのなら、その中でも特に「ダイエット」に絞って発信するとします。そうすることで他のメールと差別化もできやすいですし、ダイエットに興味のあるユーザーの訴求を高めることにつながります。
テーマをあまり狭い範囲のものに絞ってしまうと、競合は少なくなりますが読者の絶対数が足りなくなる可能性もあるので注意が必要です。自社のコンテンツと親和性が高く、なおかつ一定の読者に訴求できるテーマを選ぶことが重要になります。
配信スケジュールを決める
テーマが決まったら、配信スケジュールについても決めていきましょう。配信スケジュールを決定する際に重要なのは「ターゲットに読まれる曜日・時間帯に配信すること」です。
たとえば専業主婦層をターゲットにするのであれば忙しい午前中よりも、午後から子どもが帰って来る夕方頃までの時間帯、サラリーマンであれば会社の昼休みから帰宅後の時間帯を狙って配信するといったように、ターゲットのライフスタイルに合わせたスケジュールが好ましいでしょう。
配信曜日や時間帯はきちんと決めた方が、読者側に「メールを読む」という習慣が根付きやすくなります。
メールマーケティング実施の手順
メールマーケティングを効果的に実施するためには、戦略的な計画と段階的な実行が重要です。以下の手順に従って、成功を目指しましょう。
1.目的の設定
まず、メールマーケティングを実施する目的を明確にします。たとえば、リード獲得、顧客の育成、販売促進、ブランド認知度の向上など、目的によって戦略が変わります。目的を明確にすることで、次のステップに進むための指針が定まります。
2.ターゲットのセグメンテーション
次に顧客データを分析し、適切なターゲットセグメントを設定します。顧客の属性や行動履歴を基に、最も効果的なメッセージを届けられるグループを作成します。これにより、パーソナライズされたメール配信が可能になり、開封率やクリック率を向上させることができます。
3.メールコンテンツの作成
ターゲットに合わせたコンテンツを作成します。件名や本文、CTAの文言など、受け手に響く内容に仕上げます。デザインやレイアウトにも注意を払い、視覚的にも魅力的なメールを作成します。
4.メールリストの整備
配信リストを整理し、正確なデータを元にメールを送信します。リストの質が効果に直結するため、適切に管理し、古いデータや誤ったメールアドレスを除外します。また、顧客が簡単に配信停止できるようにすることも信頼性を高めることにつながります。
5.配信のタイミングと頻度を設定
メールを送るタイミングと頻度を慎重に決定します。ターゲットのライフスタイルや活動パターンに合わせて最適なタイミングを選びましょう。また、メールの配信頻度が高すぎると退会を招く可能性があるため、適切なバランスを保つことが重要です。
6.メールのテスト(ABテスト)
実際にメールを配信する前に、ABテストを行い、件名やデザイン、CTAなどの要素が最適化されているかを確認します。複数のバージョンをテストし、効果的なものを選ぶことで、開封率やクリック率を向上させることができます。
7.効果測定と改善
配信後、成果を測定し、次回のキャンペーンに向けた改善点を抽出します。A/Bテストや過去のデータを元に分析し、次回の施策に反映させます。たとえば、メールの件名やCTAを変更して効果を高めることができます。
このように、メールマーケティングを戦略的に実施し、結果を分析して改善を繰り返すことで、効果を最大化することができます。
メールマーケティングに有効なKPI
メールマーケティングを効果的に運用するためには、成果を測定し、改善点を明確にするためのKPIが不可欠です。ここでは、代表的なKPIを紹介します。
開封率
開封率は、送信したメールのうち、どれだけの割合が開封されたかを示す指標です。高い開封率は、件名や送信タイミングが適切であったことを意味します。
開封率 =(開封されたメール数 ÷ 送信したメール数)× 100
クリック率
クリック率は、メール内のリンクがクリックされた割合を示します。この指標は、メール内容やCTA(行動喚起)がどれだけ効果的であったかを評価するのに役立ちます。
クリック率 =(クリックされたリンク数 ÷ 開封されたメール数)× 100
CVR(コンバージョン)率
CVR率は、メールを受け取ったユーザーが目標となるアクション(購入、問い合わせ、ダウンロードなど)を実行した割合を示します。この指標は、メールが最終的に成果にどれだけ貢献したかを測る重要な指標です。
CVR率 =(コンバージョン数 ÷ 送信したメール数)× 100
配信成功率
配信成功率は、送信したメールが受信者に届いた割合を示します。この指標が低い場合、メールの送信先が不正確だったり、スパムフィルターに引っかかっている可能性があります。
配信成功率 =(配信成功したメール数 ÷ 送信したメール数)× 100
配信停止(オプトアウト)率
配信停止率は、受け取ったメールの内容に満足できなかった場合に、受信者が配信停止を選んだ割合を示します。高い配信停止率は、メール内容や頻度に問題があることを示唆しています。
配信停止率 =(退会したユーザー数 ÷ 送信したメール数)× 100
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メールマーケティングでCVR(コンバージョン率)を上げるためには?
メールマーケティングの目標として、資料請求や商品の購入、会員登録といったCV(コンバージョン)を設定することはよくあります。CVR(コンバージョン率)を上げるためには、どのようなメールが望ましいのでしょうか。
そもそもCVR(コンバージョン率)とは?
CVRとは「Conversion Rate」の略で、商品の申込やサービスへの登録など、ターゲットが狙ったアクションを起こした割合のことです。マーケティングの目標として、CVRはよく使われる指標となります。Webサイトであれば、訪問者数の何人が登録まで至ったか、といった割合を示すために用いられます。
信頼性と統一感が大切
では実際にCVRを向上させるにはどうすれば良いのでしょうか。それは「信頼性と統一感を担保すること」です。
CVRを上げるには、いかにメール読者から信頼を勝ち取るかが重要になります。よく知らない相手から商品を買ったりサービスを利用しようとは思わないでしょう。まずは、メールを通して有益な情報を提供し、信頼性を得る必要があります。
そして統一感とは、コンセプトを一貫することと言い換えられます。ある日、急に商品をプッシュするメールや、効果を保証するようなメールが送られてきては、読者は不安に思うでしょう。信頼を勝ち取るためには焦らず、コンセプトを貫くことが、CVRにつながります。
メールマーケティングを効率的に実施するために導入すべきツール
メールマーケティングを効果的に実施するためには、適切なツールの導入が欠かせません。ここでは、効率的にメールマーケティングを行うために役立つツールを紹介します。
メール配信ツール
メール配信ツールは、顧客へのメール一斉送信や、セグメント配信、配信先リストの管理が可能です。メール配信に特化した機能設計のため、シンプルで使いやすいこともメリットといえるでしょう。
また、マーケティングオートメーションと比べ比較的低コストで導入できます。しかし、メールから自社サイトへ到達したあとの行動など、より深い分析はできない点がMAツールとの大きな違いです。
マーケティングオートメーション(MAツール)
MAツールは、メール配信だけでなく顧客情報の管理や、見込み顧客の育成といったマーケティング業務に特化したツールです。Web行動履歴を把握できるのはMAツールだけで、ただメールを配信するだけでなく、Web行動履歴やサイト閲覧状況に応じたフォローアップも可能です。
また、メール配信によって得られたデータから、購買意欲の高い顧客を選別することも簡単にできます。そうすることで、営業は効率よくアプローチをすることができるでしょう。
メールマーケティングに必要な機能
効果的なメールマーケティングを実施するためには、以下の機能が必要不可欠です。これらの機能を備えたツールを使用することで、メールマーケティングを効率的に実施し、ターゲットに適切なメッセージを届けることができます。
テンプレート機能
テンプレート機能は、メールのデザインを迅速に作成できるツールです。ドラッグ&ドロップエディタを使って、コードを書かずにメールをデザインすることができます。事前にテンプレートを準備しておくことで、配信作業を効率化できます。
セグメンテーション機能
セグメンテーション機能は、受信者を細かく分類する機能です。顧客の行動履歴や属性に基づいてリストをセグメント化することで、パーソナライズされたコンテンツを配信できます。たとえば、「過去に購入した商品に関連する情報を送る」など、より効果的なアプローチが可能です。
自動配信機能
自動配信機能は、あらかじめ設定した条件に従って、自動でメールを配信する機能です。たとえば、ユーザーが特定のアクションを取った後にトリガーとなるメール(ウェルカムメールやリマインダーメールなど)を送ることができます。この機能により、リードの育成や販売促進が効率的に行えます。
分析・レポート機能
分析・レポート機能は、送信したメールの効果を測定するために必須です。開封率、クリック率、コンバージョン率、配信停止率など、キャンペーンのパフォーマンスを詳細に分析できます。これにより、どの部分が成功し、どの部分が改善が必要かを特定し、次回のキャンペーンに活かすことができます。
リスト管理機能
リスト管理機能は、顧客情報を整理し、最新の状態に保つための機能です。メール配信先のリストを作成したり、無効なメールアドレスを除外することで、配信の精度を向上させます。また、受信者が簡単に配信停止できるようにすることで、信頼性を高めることができます。
これらの機能を活用することで、メールマーケティングの効果を最大化し、顧客との関係を強化することができます。
メールマーケティングにおすすめのツール2選
メールマーケティングでは、自動配信やリスト管理を行ってくれるツールが役立ちます。メールマーケティングにおすすめのツールを紹介しますので、機能や特徴から、導入を検討してみてください。
結果を求める「List Finder」
国内1,800アカウント以上の導入実績がある、国産のマーケティングオートメーションです。4万円台から始められる低コスト、コンサルを無料で受けられるサポートの手厚さなど、初めてマーケティングオートメーションを導入する企業にも優しく設計されています。
メールの作成やステップメールの配信、レポーティングといったメール機能の他に、スコアリングや優先機能通知機能など多くのマーケティングに関する機能があり、担当者をサポートしてくれます。BtoB向けのコンテンツ作成に役立つ鉄板のツールです。
低コストでスタート可能「お名前.comメールマーケティング」
月額790円からの利用が可能で、スモールスタートに適しています。メール配信の予約、自動配信、ターゲット配信、テスト配信などメールに関するさまざまなサポート機能があり、セキュリティにも優れています。
読者管理機能もあって、セグメントの設定や、エラーメールを自動で配信停止してくれる機能もあり、担当者の負荷をかなり軽減してくれます。効果測定も細かく分析できます。メールマーケティングを行うのに非常に有益なツールです。
メールマーケティングのよくある失敗
メールマーケティングでの失敗例も見ていきましょう。
目標設定をせずに進めている
目標設定がないままメールマーケティングを進めると、施策の成果を判断できず、改善点を見つけるのも難しくなります。たとえば、「新規顧客の獲得」や「リピート購入の促進」「ブランド認知の向上」など具体的な目標を設定することで、メールの内容やターゲット層も明確になり、効果的な施策を打ちやすくなります。
また、目標設定があることで、開封率やコンバージョン率といったKPIも自然と定まるため、施策の効果を測定しやすく、次のアクションが明確になるでしょう。
目標を開封率にしている
開封率はメールの興味度合いを測る指標の1つですが、メールマーケティングの最終的なゴールではありません。開封率だけを目標にしてしまうと、クリックや購買行動、エンゲージメントなどの本来の目的を達成できない可能性が高くなります。
たとえば、「新製品の購入促進」を目標にしている場合、重要なKPIは「購入率」や「クリック率」となり、開封率だけに注目すると成果が正しく評価されません。最終的な目的を達成するためのKPI(クリック率、コンバージョン率、リピート購入率など)を設定し、開封率は参考指標として捉えることがポイントです。
メールマーケティングを成功させるためのポイント
メールマーケティングを成功させるためには、戦略的なアプローチと細かな配慮が必要です。以下のポイントを抑えることで、効果的なメールマーケティングを実施し、成果を上げることができます。
明確な目的とターゲット設定
メールマーケティングを成功させるためには、まず「何を達成したいのか」という明確な目的を設定することが重要です。目的に応じてターゲットリストを設定し、送るメールの内容やタイミングを最適化しましょう。たとえば、見込み顧客の獲得、認知度の向上など、目的を明確にすることで、より効果的なアプローチが可能になります。
パーソナライズとセグメンテーション
受信者1人ひとりのニーズや興味に合わせてメールをパーソナライズすることで、エンゲージメントを大きく向上させることができます。過去の購入履歴や行動履歴、地域などに基づいてセグメントを作成し、受信者に合わせたコンテンツを配信することが成功の鍵となるでしょう。
A/Bテストを行う
A/Bテストを活用して、どの件名やコンテンツ、デザインが最も効果的かをテストし、データに基づいて改善を行いましょう。たとえば、件名の長さ、CTAの文言、画像の有無などをテストして、開封率やクリック率を最適化することが重要です。
適切なタイミングでの配信
メールの配信タイミングも重要です。ターゲット層の行動パターンに合わせて送信時間や配信頻度を調整することで、より多くの受信者にメールを開封してもらいやすくなります。これらのポイントを踏まえ、キャンペーンごとの最適化を繰り返すことで、メールマーケティングの効果を最大化し、成果につなげることができます。
メールマーケティングの活用事例
最後に、メールマーケティングの活用事例を見ていきましょう。メールマーケティングの導入によってどのような有益性が企業にあったのかを、事例から紹介します。
お礼メールでお客様の動きを可視化
BtoB Web制作会社の「アドミューズ」では、商談後のクロージング活動に割くためのリソースがなく、新規受注率をいかにアップさせるかが課題となっていました。
そこで、商談後に送る「お礼メール」に個人解析の仕組みを使って、商談後のサイト流入を計測し、顧客の動きを可視化する試みを行いました。
その分析結果を生かし、どのような顧客が自社サイトを訪れているかを明確にし、自社のサイトの改善やコンテンツ改修を行える仕組みを作りました。顧客の興味を惹くようなコンテンツをサイトに追加することで訴求性が増し、少ない営業人数からでも、多くの新規案件を獲得できるようになったといいます。
メール一斉配信機能で業務効率化
経理部門・内部監査部門・情報システム部門のサポート企業「エイアイエムコンサルティング」では、新規営業のリソースが限られた中で、いかに成果を上げるかが課題でした。「見込み度の高いリストへのアプローチ」と「効率的なセミナー集客」を行いたいと考えていたところで、List Finderを導入しました。
List Finderの一斉メール配信機能を効果的に活用し、メールの大量配信を自動で行うようになりました。また、メール配信後のレポートを自動で取得でき、メールから自社サイトへ流入している客層がどのぐらいいるのか、効果測定も行えるようになったのです。
その結果、メールを送っている顧客に対ししっかりフォローを行え得るようになり、メール配信にかかっていた工数も大幅に削減することに成功しました。
最新のメールマーケティングトレンドとは?
メールマーケティングは、技術の進化や消費者行動の変化に合わせて常に進化しています。ここでは、現在注目されているメールマーケティングのトレンドについて詳しく解説します。
パーソナライズと高度なターゲティング
過去には、全員に同じ内容を一斉に送る手法が一般的でした。しかし、受信者のニーズや行動に基づいた「パーソナライズ」が重要になっています。たとえば、顧客の名前や購買履歴、過去の閲覧内容などに基づいたメールのカスタマイズが、より効果的なコミュニケーションにつながります。
最近では、AIを活用した高度なパーソナライズが注目されています。AIは、顧客の行動履歴やインタラクションデータを分析し、最適なコンテンツやタイミングでメールを配信します。これにより、個々の受信者に合わせたメール配信が可能となり、開封率やクリック率の向上が期待できます。
インタラクティブメール
「インタラクティブメール」は、受信者がメール内で直接アクションを起こせる形式のメールです。これにより、メールの内容に対してより積極的に反応を示すことができ、エンゲージメントを高めることができます。たとえば、メール内でアンケートを実施したり、クイズ形式のコンテンツを送ったり、商品の選択肢を表示してそのまま購入できるようにすることが可能です。
インタラクティブメールは、ユーザーが受信したメールを開くだけでなく、実際にアクションを起こさせることができるため、より効果的なメールマーケティング手法とされています。
動画を活用したメール
視覚的な要素が強いコンテンツは、受信者の興味を引きやすいです。特に、動画はその効果が高いといえます。最近では、動画をメールに埋め込んで送信することが可能となり、視覚的にインパクトを与える手法が人気です。たとえば、商品の使用方法を示す短いデモンストレーション動画や、プロモーション動画、ウェビナーやイベントの招待動画など、視覚的に訴求するコンテンツがより多くの関心を引きます。
このようにメールマーケティングのトレンドは、パーソナライズ、インタラクティブな要素、動画コンテンツの活用などが注目されています。これらのトレンドを取り入れることで、より効果的で魅力的なメールマーケティングを実現し、受信者とのエンゲージメントを深め、最終的なコンバージョン率の向上につなげることができるでしょう。
まとめ:メールマーケティングは費用対効果が高い施策
メールマーケティングは低コストで始められ、大きな効果を見込むことができます。ですが無作為にメールを送信するだけでは効果は見込めません。
テーマの確立や配信頻度の設定、内容の充実性を担保し、読者に対して満足してもらえるメールを定期的に配信することが重要です。そのためにリソースが足りない場合、メール配信ソフトやマーケティングオートメーションを活用してみてはいかがでしょうか。メール配信の分析やリスト管理をしっかり行うことで、売り上げや成約に結びつけることができます。