インサイドセールスはMAの活用で業務効率化!活用法や注意点を紹介

マーケティングオートメーション

インサイドセールスはMAの活用で業務効率化!活用法や注意点を紹介

インサイドセールスで成果をあげるためには、MA(マーケティングオートメーション)の活用が有効です。両者は親和性が高く、よく併用して活用されています。どのような相乗効果があるのかを、それぞれの役割や性質から見ていきましょう。

▼この記事で分かること
  • インサイドセールスの概要
  • インサイドセールスとMAの関係
  • インサイドセールスにMAを活用するメリット
  • インサイドセールスでのMA活用法

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そもそもインサイドセールスとは?

インサイドセールスは、近年注目を集めている営業手法です。まずは、インサイドセールスの意味について見ていきましょう。

インサイドセールスの意味は「訪問しない内勤型営業」

インサイドセールスは、「営業を行う人材が足りない」「見込み客に対するアプローチがうまくいかない」といった問題に対する回答の一つとして注目を集めています。その手法は、「顧客に直接訪問をせずに、LPやSNSを使って営業を行うこと」です。

従来の営業は、相手の企業にアポを取り、訪問して受注するという流れが一般的でした。この営業を、Web会議やSNSなどを使い、訪問せずにコミュニケーションをとるのがインサイドセールスです。

インサイドセールスには「顧客を訪問する時間を短縮できる」「対話を通して双方向のコミュニケーションがとれる」といったメリットがあります。

インサイドセールスとテレアポの違い

テレアポ(テレフォン・アポイントメント)とは電話による営業を行うことで、インサイドセールスの一部に含まれます。しかし、テレアポとインサイドセールスは明確に目的が異なります。

テレアポの目的は、商品の購入や資料請求と言ったアポイントにつなげることです。いかに多くの件数の成約に結び付けるかが重要ですが、インサイドセールスの目標はアポイントの件数ではなく、アポイントの質です。

リードナーチャリングを行い、より購買意欲の高いリードに対して営業をかけることが目的となります。そのためアポイントの数よりも、その後の成約率や売上を評価基準とするのがインサイドセールスです。

インサイドセールスが注目されている理由

では、このインサイドセールスが注目されている背景についてもう少し詳しく見ていきましょう。

営業の人材不足

インサイドセールスが注目されている背景には、働き方改革や少子高齢化の影響もあり、営業の人材確保が難しくなっていることが挙げられます。

インサイドセールスでは、ツールの活用によりこれまで人的リソースを要していた業務を自動化させることで、業務の効率化を図り、少ない人数でも営業の成果を高めることができるとして注目されています。

非効率な営業活動からの脱却

従来の営業活動は、営業担当者が直接相手企業に出向く訪問営業が一般的でした。しかしこの方法では、1日に訪問できる数は多くても10件程度であることから、効率的な手法ではないという意識が高まりました。

上述したように、少ない人数で効率的な営業活動を行うためにも、電話やメール、SNSなどを活用したインサイドセールスが求められるようになりました。

購買プロセスの変化

これまで顧客は商品が欲しいときには、営業担当者に連絡し担当者が企業へと出向いて商品を紹介する方法が一般的でした。しかし、昨今のインターネットの普及により顧客は自ら情報収集を行うようになり、営業担当者がアプローチするころには、顧客はすでに商品の比較・検討まで済んでいることも多くなりました。

こうした購買プロセスの変化に合わせ、検討段階から自社をアピールするためにもインサイドセールスが必要となり注目されています。

インサイドセールスとMAの関係

インサイドセールスとMAは親和性が高く、両方を採用している企業も少なくありません。この二つの関係性について、より詳しく掘り下げていきましょう。

MAは、スコアリング機能や顧客情報の管理機能によって、リードを選別する機能を有しています。MAによって、選別されたリードの情報をそのままインサイドセールスに引き渡し、活用することができます。

インサイドセールス側でもリードに優先順位を付けて、購買意欲の高い顧客からアプローチをすることが求められますが、この顧客の優先順位付けをMAがすべて行ってくれます。

インサイドセールスに必要なMAの機能

インサイドセールスを効果的に進めるために必要なMAの機能を紹介します。

リードナーチャリング

リードナーチャリング(見込み顧客の育成)とは、自社に顧客情報のある見込み顧客を自社の顧客に育成していくことを指し、インサイドセールスではこの「リードナーチャリング機能」が必須です。
見込み顧客の関心や行動に基づき、自動でパーソナライズされたメールを送信したり、インサイドセールスが接触する前に、見込み顧客の関心を高めていきます。

トラッキング機能

Webサイトの行動追跡などを行うことのできるトラッキング機能は、リードがWebサイト内でどのページを訪問したか、どれだけの時間を費やしたかなどを把握することができます。
これにより、見込み顧客の興味・関心のあるコンテンツを特定して最適な提案を行うことができます。

スコアリング機能

メールの開封やWebページの閲覧、資料のダウンロードなど見込み顧客の行動に基づき、その行動に対して、それぞれスコアを自動で計算してくれるのがスコアリング機能です。
スコアによりホットリードとして抽出された見込み顧客をインサイドセールスに通知し、優先的にアプローチを行うことができます。

インサイドセールスにMAを活用するメリット

ここでは、インサイドセールスにMAを活用することで得られるメリットを3つご紹介します。

優先順位に合わせたアプローチができる

インサイドセールスでMAを活用することで、見込み度合いの高い見込み顧客つまりホットリードを優先的にフォローアップすることができます。

MAはリードスコアリング機能を備えており、見込み顧客の行動や興味度合いを評価して、最も有望と判断した見込み顧客をインサイドセールスに自動的に通知します。
これにより、営業チームは見込み顧客の優先順位を迅速に判断し、効率的なフォローアップが可能となるのです。

見込み顧客のニーズに合わせたアプローチができる

MAを活用することで、見込み顧客それぞれの属性や行動に基づいて、個別に最適化されたメッセージを送ることができます。これにより、見込み顧客は自分のニーズに合った提案を受けていると感じ、エンゲージメントが向上します。

またMAはメールだけでなく、SNSなど複数のチャネルを通じたコミュニケーションを行うことも可能です。これにより、見込み顧客との多面的な接触が可能となり、よりパーソナライズされたアプローチを行えるようになるでしょう。

他部門との連携で効果的なマーケティング活動が可能になる

MAは、インサイドセールス以外の部門とも連携が可能なため、より効果的かつ効率的な営業活動が可能となるのもメリットでしょう。

インサイドセールスと営業部門が分業体制となっている企業も多く、それぞれ別々に情報管理を行っていることから施策のズレが生じたり、連携が上手くいかないことで営業機会の損失につながることもありました。

しかし、MAを活用することでこれまでバラバラで管理されていた顧客情報や営業施策など一貫したデータ管理が可能となります。
これにより、部門間でスムーズに連携が図れるようになり、適切な営業活動ができるようになるのです。

インサイドセールスにおけるMAの活用法

インサイドセールスを行うにしても、無造作にアプローチをかけていては効果を見込めません。そこで重要なのが、マーケティング部門と連携して、情報を選別したり、アプローチの手段を増やしたりすることです。

そのために有効なのが、MA(マーケティングオートメーション)というツールです。MAとは、見込み客の獲得から管理までのプロセスを効率化するためのツールです。MAでどのようなことができるのかをより具体的に把握し、インサイドセールスとの親和性について考えてみましょう。

見込み客の創出(リードジェネレーション)

顧客へのアプローチはまず、顧客を生み出すところから始まります。リードジェネレーションとは、見込み顧客を獲得するための活動のことです。メディアを通じての自社の紹介やダイレクトメッセージ、アンケートへの参加やセミナーなどさまざまなものがあります。

自社の製品によって日常の悩みを解決したり、生活面で便利にできたりする潜在顧客をいかに発掘していくかが、リードジェネレーションの役割です。

見込み客の育成(リードナーチャリング)

リードナーチャリングとは、見込み顧客を育成することです。自社の商品やサービスに対し、興味はあるもののまだ購入には至らない顧客を、購入を検討する、実際に購入するといった次のステップへつなげるための活動を指します。

主にステップメールによる継続的な情報発信や定期セミナー、オウンドメディアなどの方法があります。顧客に対して適切なコミュニケーションを取ることで、検討しているタイミングを見極めるためにも活用されます。

見込み顧客の選別(リードクオリフィケーション)

すべての見込み顧客にアプローチをかけるのは非効率です。興味関心の高い見込み顧客は競合に流れてしまう可能性も高く、優先的に営業をかける必要があります。リードクオリフィケーションとは、そうした購入可能性の高い顧客と、そうでない顧客を選別することです。

マーケティングでは、スコアリングなどの方法があります。スコアリングとは、例えば顧客が資料を請求したら3点、メルマガ登録で1点といった具合に、顧客の行動に合わせて点数を付けることです。MAは、スコアリングを自動で行ってくれる機能を持つものもあります。

顧客情報の管理(リードマネジメント)

リードマネジメントとは、リードの獲得から育成、そして商談までの一連のサイクルを管理することです。
購入を検討する段階に至っているのは、リードの中でも1割程度と言われています。残りのリードを管理し、商談化につながるよう中長期的にアプローチを行うのが、リードマネジメントの目的です。

リードクオリフィケーションと共に、顧客の興味段階や個別の情報といったデータを管理できるようになるのが大きなメリットです。

営業部門との連携

顧客のデータは全社で一元的に管理した方が、共有もしやすいので効率的です。マーケティングオートメーションを活用することで、データを一元管理できるようになります。

一元管理したデータを営業に渡したり、営業が持ち帰った名刺や顧客データを一元的に管理することで、営業とマーケティング部門の連携がスムーズに行えるようになります。

インサイドセールスを成功させるための注意点

インサイドセールスを運用するにあたっては、どのような点を留意すべきでしょうか。以下の環境を、社内で整える必要があります。

社内にインサイドセールス専門部門を配置する

インサイドセールスを行うとなった場合に、どこの部門が中心となって行うのかの判断が難しくなります。そのため、インサイドセールスはリードの管理や自社の営業ファネルの管理などやるべきことも多く、片手間に行うのは難しいでしょう。

そのため、専門部門を立ち上げるのが望ましいといえます。マーケティング部門あるいは営業部門の管轄にするか、それとも独立部門とするかは会社の性質や業態によって検討するところですが、専門部門があってインサイドセールスを積極的に行えるようになります。

営業担当に情報共有する

インサイドセールスは、営業担当者に顧客に対して提案からクロージングまでを行う業務に集中してもらうという役割もあります。

そのため、顧客と現在どのようなコミュニケーションを取ったのか、顧客からどのようなアクションがあったのかという情報は、逐一共有する必要があります。顧客に対し、重複した情報の受け渡しなどを防ぐためです。

またインサイドセールスの情報を渡すことによって、顧客に対していつどのようなアプローチをするのか、ベストなタイミングを計る判断材料としても活用することができます。インサイドセールスと営業担当が連携して営業活動を行うことで、効果を高めることにつながるでしょう。

他ツールと連携できるMAを選ぶ

MAの導入以前に、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)などのツールを導入している場合は、それらのツールと連携できるMAを選ぶようにしましょう。

これらのツールを連携することで、よりスムーズな運用が可能となります。導入の際は、スムーズに連携できるツールであるか、またサポート体制についても事前に確認しておきましょう。

まとめ:インサイドセールスとMAの相乗効果で営業効率化!

インサイドセールスは、訪問先を訪れずにアプローチを行う営業手法のことで、オンライン商談やSNSが主流となる現在の営業において、注目されています。

インサイドセールスでは、顧客の選別や情報管理が重要になります。これらを自動で行うMA(マーケティングオートメーション)とは親和性が高く、営業活動の効果を相乗的に高めることにつながるでしょう。