BtoBマーケティングにおいて、メールマーケティングは有効な手法として知られています。メールマーケティングを成功させるためには、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか。
この記事では、導入事例からメールマーケティングを成功させるためのポイントをご紹介していきます。
- ▼この記事でわかること
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- メールマーケティングの概要
- メールマーケティングの成功事例
- メールマーケティングを成功させるポイント
- メールマーケティングにおすすめのツール
メルマガ配信を
営業活動に活かせていますか?
MAツール「List Finder」をご利用いただくと、メール配信の他に、以下を実現できます。
- 配信後の開封/クリック率などの効果測定
- メールを読んだ顧客の特定
- その後の自社Webサイトへのアクセス状況解析
メール配信結果を活用した有望顧客リストの作成や営業活動の履歴管理も可能です。
こちらから「List Finder」の詳細資料をダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください!

Contents
メールマーケティングとは?
メールマーケティングはSNSが台頭する前から存在しているマーケティング手法の1つで、効率的に顧客へアプローチできることからいまだに多くの企業が導入しています。
メールマーケティングを行うにあたって、メールマーケティングが具体的にどういうものなのか、概要と注目されている理由から知っていきましょう。
メールマーケティングはメールを使ったマーケティング戦略
メールマーケティングとは、適切なタイミング、内容のメールを配信することで見込み顧客の購買意欲の育成や売上アップといった「成果」につなげるマーケティング手法です。商品購入やサービス登録などの直接売上につながる成果だけでなく、資料請求や無料相談の申し込みなどの幅広い成果を目的として行われます。
アポなしの訪問や電話といった従来の営業方法は、一方的な押し売り営業と感じる見込み顧客もいました。
しかしメールであれば、読むかどうかを顧客自身が判断します。自社としてもメールアドレスが分かっていれば送信できるので、企業を回ったり電話番号を調べたりしなくてもアプローチができることから、見込み顧客と営業担当者双方の負担を減らし、効率の良い仕事が可能になるのです。
メルマガとの違い
よくメルマガと間違えられることがありますが、メルマガはメールマーケティングの手法の1つに分類されます。メルマガの場合、同一内容のメールを自社に顧客情報のある全員を対象に配信することを指し、顧客ごとに差別化した配信はメールマーケティングほど行われないことが多いです。
メールマーケティングが注目されている理由
総務省が2020年9月に公表した「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、コミュニケーションツールとしてメールを利用する世代は30代以降で50%を超え、現在も増加傾向にあります。
また、インターネットの利用時間として、「メールを読む・書く」時間は「ソーシャルメディアを見る・書く」時間より上回っており、メールに関する需要が増加している傾向にあることが分かっています。特にBtoBの分野でメールを活用したコミュニケーションは引き続き主流であり、メールはマーケティングのチャネルとして、昔と変わらず高い有効性を維持しているのです。
メールマーケティングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
メールマーケティングの成功事例4選
メールマーケティングにはさまざまな方法がありますが、その中でも成功した事例について紹介します。自社での施策を検討する際の参考にしてください。
①お礼メールの活用で適切なタイミングで顧客フォローに成功した事例
Web制作やコンサルティングを行う株式会社アドミューズでは、既存顧客やパートナーからの紹介案件やWebからの問い合わせも多く、新規提案の機会は豊富にありました。
しかし営業担当者が少なく、商談後のクロージングに十分な時間を割けないため、新規受注率の低さが課題となっていました。また、サービス提供が競合と比較されることが多いため、商談後に適切なタイミングでフォローできず、受注に結びつかないケースが多かったのです。
そこで同社は、マーケティングオートメーションツール「List Finder」を導入。商談後に送付する「お礼メール」に「個人解析」の仕組みを組み込むことで、商談後にWebサイトへ再来訪した顧客の動きを計測し、適切なフォロータイミングを逃さない仕組みを作りました。
これにより、検討フェーズが進んだ顧客や興味が高まった顧客がどのタイミングでWebを再訪したかが明確になり、自然に案件フォローが行えるようになりました。
②イベントフォローの効率化に成功した事例
セミナーなどのイベントを開いても、アンケートや顧客情報の集計・分類に時間が掛かってしまい、イベント後のフォローになかなかつなげられないという悩みを抱えている企業は多くあります。
デジタル総合印刷株式会社は、印刷業を始めICT技術を用いたデジタルソリューション事業を展開しています。同社は展示会で獲得した見込み顧客へのアプローチ・進捗管理が非効率であることや、見込み度が高い顧客が埋もれてしまうという課題を抱えていました。
そこで、見込み顧客の動きやアプローチなどを管理できる「List Finder」を導入。見込み顧客のニーズを把握し、見込み度が高い顧客にメールを配信したところ、たった1回の配信で33件のサイトアクセス情報を得ることに成功しました。
➂インタラクティブ広告を組み込んだメールの活用でクリック率の向上に成功した事例
インタラクティブ広告をメールマーケティングに組み込むことで成果を上げた事例も存在します。インタラクティブ広告とは、ユーザーが操作してシステムが反応する双方向型の広告のことです。
従来のメールではテキストと静止画を用いたシンプルな構成でしたが、ユーザーが直接アクションを起こせる広告を組み込むことで、クリック率を大幅に向上させることに成功しました。この施策では、メール内にインタラクティブな要素を導入し、ユーザーが商品画像をスワイプしたり、カラーやサイズを選択できる仕組みを取り入れました。さらに、「今すぐチェック」ボタンを設置し、クリック後にスムーズに商品ページへ遷移できるよう工夫した結果、メール経由のコンバージョン率が上昇しました。
現在、インタラクティブ広告をメールに組み合わせるサービスを行っている事業者も増えており、メールマーケティングの手法として広く活用されています。従来の一方通行の情報提供から、ユーザー参加型のコミュニケーションへと進化させることで、より高いマーケティング成果が期待できます。
④ステップメールを活用してメールマーケティングの効率化に成功事例
ステップメールを活用した事例も多く見られます。ステップメールの利点として、コンテンツ作成の時間を省略できるというものがあります。すでに作成しているメールが自動で送信されるため、毎回フォローメールを作成したり、コンテンツを作成する時間がかからず、個別フォローや重要な顧客対応など、より注力すべき案件にリソースを注げるようになったという企業は少なくありません。
メール配信用のツールには、ステップメールを自動配信できる機能を持つものも多くあります。以下のバナーから、弊社のMAツール「List Finder」を利用したメール配信で成功した企業様の事例集をダウンロードいただけますので、ご活用ください。
メールマーケティングの成果を上げた成功事例をご紹介!
save_alt導入事例集~メール活用編~をダウンロードするplay_arrow
メールマーケティングの失敗事例
成功事例をご紹介しましたが、失敗例についても見ておきましょう。
配信頻度過多による購読解除の増加
あるECサイトでは、新商品の販促を強化するために週5回以上の高頻度でプロモーションメールを配信していました。しかし、過剰なメール配信によりユーザーの不満が高まり、開封率の低下や購読解除が急増する事態に。結果的に、ブランドイメージの低下を招き、長期的な顧客関係の構築が困難になりました。
この失敗の原因は、ユーザーの興味・関心を考慮せず、一方的に情報を送り続けたことにあります。適切な配信頻度の調整や、ユーザーごとの興味・関心に基づいたセグメント配信を行うことで、エンゲージメントを維持しながら成果を上げることが重要です。
メールマーケティングの種類
メールマーケティングの代表的な手法としては、以下の6つがあります。
ステップメール
ステップメールとは、あらかじめ用意していたメールをスケジュールに沿って送信するメールマーケティング手法のことです。たとえば、ユーザーが資料請求を行った後にお礼のメールを自動送信したり、初回のメールをユーザーが閲覧した数日後に次のメールを発信するのもステップメールです。
段階的にメールを送信していくことで、ユーザーとの関係性の維持や構築を行うことができます。

休眠発掘メール
休眠顧客発掘メールは、一度は商談を行ったものの、何らかの事情で離脱してしまった見込み顧客に対して近況を伺うために配信するメールです。過去に関わりがあった顧客は、一度は自社に興味を持ってくれた顧客であるため、再度有益な情報を発信することで新たな契約につながる可能性を高めることができます。
- ※休眠顧客の定義例
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- 過去1年間利用がない顧客
- 過去6カ月間利用がない顧客
- 3年以上前に大口購入したが、それ以降利用していない顧客
定義を明確にすることで、休眠顧客のメール掘り起こし対象を正確に絞り込むことができ、リソースを効果的に活用できるようになります。
セグメントメール
セグメントメールとは、見込み顧客を年代や、職業、役職などでセグメント分けし、セグメントされた見込み顧客の興味度合いに合わせた内容を個別に配信するメールのことです。
見込み顧客のニーズを把握し、それぞれに適切な内容でメールを送り分けることで、一斉送信と比べ、開封率やコンバージョン率を高めることができます。
メールマガジン
メールマガジン(メルマガ)は、自社に顧客情報のあるユーザーに対して同じ内容のメールを一斉配信する手法です。
キャンペーン情報やセール情報、特典などを配信し、顧客にメリットを感じてもらうことで、コミュニケーションを図ります。
リターゲティングメール
リターゲティングメールは、過去に商品やサービスに関心を示したユーザーに対して送るメールのことです。たとえば、Webサイトで商品を閲覧したものの購入に至らなかったユーザーに対し、関連商品や割引情報を提供することで購買を促します。ユーザーの行動データを活用し、関心度の高いターゲットへ最適なタイミングでアプローチできるのが特徴です。
メール広告
メール広告は、企業が他社のメールマガジンや配信リストを活用し、自社の広告を掲載して送信する手法です。ターゲット層に合わせたメールリストを選定できるため、効果的なリーチが可能です。バナー広告やテキスト広告の形式があり、ブランド認知やサイト誘導、商品の販促などに活用されます。
メールマーケティングのメリットとデメリット
メールマーケティングのメリットとデメリットについても見ていきましょう。
メールマーケティング4つのメリット
- 費用対効果が高い
- メールマーケティングは、低コストで実施することが可能です。大規模な広告キャンペーンと比較して、広告費を抑えつつ、ターゲット層に直接アプローチできるため、費用対効果が非常に高いとされています。
たとえば、リスト内のセグメントごとにカスタマイズされたメールを送信することで、無駄なコストを削減し、効率的にマーケティング活動を行えます。
- ターゲティング精度が高い
- メールマーケティングは、購買履歴や行動履歴を基にした精緻なターゲティングが可能です。
顧客の関心や過去のインタラクションを反映させたパーソナライズされたメールを送ることができるため、高い精度で関心のある顧客層にアプローチでき、コンバージョン率を向上させることができます。
- 効率的な効果検証が可能
- メールマーケティングは、開封率やクリック率、コンバージョン率などのリアルタイムなデータを簡単に取得できるため、迅速に効果を検証できます。これにより、どのコンテンツが効果的かを素早く把握し、改善策を講じることができるため、マーケティング戦略の最適化を迅速に行うことができます。
- 比較的簡単に始めやすい
- メールマーケティングは、特別な技術や大規模なリソースを必要とせず、比較的簡単に始められる点が大きなメリットです。多くのメール配信ツールがテンプレートやドラッグ&ドロップ機能を提供しており、初心者でも手軽にメールを作成できるため、ビジネスの規模に関係なく取り組みやすいのが特徴です。マーケティング担当者だけではなく、営業担当者でも簡単に操作できるツールが多いです。
メールマーケティング3つのデメリット
- コンテンツ作成が大変
- 効果的なメールを作成するためには、魅力的でターゲットに合わせたコンテンツを制作する必要があります。特に、パーソナライズされたメールやコンテンツの作成には時間と労力がかかります。コンテンツ作成に注力することで、配信頻度が低下する可能性があるため、定期的に新しいアイデアを提供し続けるための工夫が求められます。
- 運用にはコストがかかる
- メールマーケティングを効果的に運用するためには、ツールの導入費用や運用スタッフのコストがかかります。特に大規模な配信を行う場合や高度な分析機能を必要とする場合、ツールやシステムの選定には投資が必要です。まずはフリープランなどでいくつか試してみて、そのなかで自社に合ったツールを選定するのがよいでしょう。
- 成果が出るまで中長期的な時間がかかる
- メールマーケティングは、一度の配信で劇的な成果を得ることが難しい場合があります。
特に新規顧客の獲得やブランド認知度向上を目的とした場合、時間をかけてユーザーとの信頼関係を築く必要があります。また、メールの開封率やクリック率を向上させるためには、継続的な改善とテストが必要であり、短期的な成果に焦点を当てすぎないことが重要です。
メールマーケティングのメリットとデメリットは以下の記事でも解説しています。
メールマーケテイング実施の手順
1.目標とKPIを設計する
メールマーケティングを行ううえでは、目標設定とそれを達成するためのKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を的確に設定していくことも求められます。具体的な目標としては売上や資料請求数、KPIとしては開封率やクリック率、配信解除率やサイトの訪問率などが挙げられるでしょう。
KPIを達成することで目標に到達できるよう、適切な設計をすることによって目標との距離や何をすべきかが明確になります。メールマーケティングで成功している企業は、この目標とKPIの設計を的確に実施しているという共通点を持っています。
- KPI例
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- 開封率:送信したメールが開封された割合
- クリック率(CTR):メール内のリンクがクリックされた割合
- コンバージョン率:メール経由で購入や問い合わせなどのアクションを完了した割合
- 配信到達率:送信したメールが受信者のメールボックスに届いた割合
- 購読解除率:配信停止を選択したユーザーの割合
メールマーケティングのKPIについては以下の記事をご覧ください!
2.配信リスト作成
メールマーケティングの成功には、適切なターゲットリストの作成が不可欠です。まず、既存顧客や見込み顧客のデータを整理し、セグメント分けを行います。購買履歴やサイト訪問履歴、興味関心などの情報を基にリストを分類し、ターゲットごとに最適なメールを送ることで、開封率やコンバージョン率の向上が期待できます。
また、購読許可(オプトイン)を取得し、配信リストを定期的に更新することも重要です。
3.配信コンテンツの作成
メールの内容は、ターゲットの関心を引き、行動を促すものにする必要があります。件名は短く簡潔にし、開封率を高める工夫を施します。本文では、読みやすいレイアウトや視認性の高いデザインを意識しながら、商品やサービスのメリットを明確に伝えます。
また、購買や問い合わせにつながるように、CTAを適切に配置することがポイントです。さらに、パーソナライズされたメッセージを活用することで、エンゲージメントを高めることができます。
- コンテンツ例
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- ニュースレター:
業界情報や企業の最新ニュースを定期的に配信し、ブランドの認知度向上を図る - プロモーションメール:
割引情報や期間限定キャンペーンを告知し、購買意欲を高める - ウェルカムメール:
新規登録者向けに、企業紹介や初回限定特典を提供し、エンゲージメントを促進 - リターゲティングメール:
過去に購入やサイト訪問をしたユーザーに、関連商品やおすすめ情報を送る - アンケートメール:
顧客満足度調査やフィードバックを収集し、サービス改善に活用
- ニュースレター:
4.配信スケジュールの設定
効果的なメールマーケティングには、適切なタイミングでの配信が重要です。ターゲットの行動パターンや過去の開封データを分析し、最も反応が得られやすい曜日や時間帯を選定します。
また、配信頻度にも注意し、過剰な送信による購読解除やスパム扱いを防ぐために、適度な間隔を設けることが大切です。さらに、イベントやキャンペーンに合わせたスケジュールを組むことで、より効果的なアプローチが可能になります。
5.効果検証
メールマーケティングを成功させるためには、メールの開封率やクリック率、滞在時間などからメール配信の効果について詳細に分析し、アップデートしていくことが必要になります。
メールマーケティングを行っている企業の中には、メールの効果測定が配信に追い付いていないというケースもあるようです。メールの効果が分からないまま配信し続けていては意味がありません。ツールの導入などを行い、効果測定をしやすい体制を整えるなどしてメール配信の効果を高めていくことが、メールマーケティングを成功させるポイントです。
事例から学ぶメールマーケティングを成功させるポイントとは?
メールマーケティングを成功させるために、戦略上必要なポイントについて事例から学んでいきましょう。
顧客ニーズに合わせた内容のメールを配信する
顧客のニーズに合わせた内容のメールを送ることは、メールマーケティングの成功に欠かせません。顧客が興味を持つ情報や価値を提供することで、メールが開封されやすくなり、内容をしっかり読んでもらえる可能性が高まります。
たとえば、過去の購買履歴やWebサイトでの行動データを活用して、顧客に関連する商品やサービスの情報を提供することで、顧客が「自分のために送られたメール」だと感じ、より積極的に反応してくれます。このようなパーソナライズされたメールは、信頼関係を深め、企業へのロイヤルティを向上させることにもつながります。
読んでもらいやすいタイミングでメールを送る
メールの配信タイミングも、メールマーケティングの効果を大きく左右します。顧客がメールを確認しやすい時間帯や曜日に送信することで、開封率やクリック率の向上が期待できるでしょう。
自社の見込み顧客がどの時間帯で最も反応を示しやすいかをデータから分析し、それに基づいてメールを配信することが効果的です。タイミングを意識することで、競合メールに埋もれることなく、顧客の目に留まる機会を増やすことができるのです。
開封したくなる件名の設定
メールマーケティングで最も重要な要素の1つが、件名の魅力です。件名は受信者が最初に目にする部分であり、開封率を大きく左右します。成功する件名の設定には、シンプルで明確な表現が求められます。たとえば、メリットを感じさせる具体的な数字や、期間限定の特典を強調することが効果的です。
また、パーソナライズを取り入れ、受信者の名前や過去の行動に基づいた件名を使用することで、より個別対応感を与え、開封意欲を高めます。さらに、緊急性を伝える言葉や好奇心を引き出す表現を工夫することで、より多くのユーザーに開封される可能性が高まります。
ABテストを繰り返す
ABテストは、メールマーケティングの成果を最大化するために非常に有効な手法です。件名、本文、CTAボタンの配置、画像の有無など、さまざまな要素をテストすることで、どの要素が最も効果的かを把握できます。
テストは一度きりではなく、繰り返し行うことが重要です。ユーザーの関心や行動パターンは変化するため、常に最適化を続けることが求められます。ABテストを通じて、小さな改善を積み重ねることで、開封率やクリック率を高め、最終的にはコンバージョン率を向上させることができます。
メールマーケティングを成功に導くツール
ここからは、メールマーケティングを効率化させるツールと選び方について解説します。
メールマーケティングに活用できるツールとは?
自社への関心度に対応したメールや、適切なタイミングで配信を行うメールマーケティングを実施するには、専用のツールを導入することが効率的です。メールマーケティングに使われる代表的なツールとしては、メール配信システムとMAツール(マーケティングオートメーション)があります。
- ・メール配信システム
- メール配信システムは、顧客にメールを一斉送信したり、特定の条件に基づいて個別に配信するためのツールです。シンプルな操作で大量のメールを効率的に配信できるため、ニュースレター、販促キャンペーン、商品案内、イベント告知など、幅広い用途に活用されています。
メールの開封率やクリック率、配信のスケジュール設定など基本的なマーケティング機能が備わっていることが多く、マーケティング施策の反応を測るのに便利です。また、使い勝手が良く費用も比較的安価であるため、小規模な企業や予算が限られている場合でも導入しやすいのが特徴です。
- ・MAツール(マーケティングオートメーションツール)
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MAツールは、メール配信だけでなく、Webサイトのアクセス解析や顧客データ管理、ターゲティング、リードナーチャリングなど、マーケティング業務全般を管理するためのツールです。
MAツールでは、顧客の属性や行動に基づいて自動で個別メールを送信したり、メール以外のチャネル(SNSや広告など)との連携も可能です。分析機能も充実しており、マーケティング施策の効果を可視化し、効果的な戦略改善に役立ちます。
つまり、メール配信システムは「一斉配信」や「定期配信」の効率化に適したツールで、MAツールは「顧客育成」や「マーケティング活動全般の統合管理」に適しており、より高度なマーケティングを実現します。
導入ツールの選定ポイント
ツールを選ぶ際には、目的や規模に応じて考慮する必要があります。ここでは、特に重要な選定ポイントを見ていきましょう。
- ・配信機能
- 配信機能が充実しているツールでは、メールのテンプレート作成やリスト管理、セグメント分け、スケジュール設定、A/Bテストなど、さまざまな操作を効率的に行うことができます。
特に、ターゲット層や目的に応じたセグメント分け機能が優れていると、顧客ニーズに合わせたメッセージを細かく調整でき、パーソナライズされた効果的なメール配信が可能です。
- ・セキュリティ
- 顧客情報を扱うことから、セキュリティ対策は欠かせません。特に、個人情報や購買履歴などのデータを含むため、万が一の情報漏えいリスクを防ぐための機能が重要です。
選定時には、データの暗号化やアクセス制限、二段階認証などのセキュリティ機能が備わっているかを確認しましょう。顧客に安心してサービスを利用してもらうためには、安全性が確保されたツールを使うことが信頼獲得に直結します。
- ・HTMLエディター
- メールマーケティングでは、視覚的に魅力的で読みやすいデザインが重要です。そのため、直感的に操作できるHTMLエディターを備えたツールを選ぶことがポイントとなります。
特に、ドラッグ&ドロップ機能があるエディターを選ぶと、プログラミングの知識がなくても簡単にレイアウトを作成できます。また、テンプレートが豊富に用意されているツールなら、ブランドイメージに合ったデザインを素早く設定できます。
メール配信システムとMAツールについては以下の記事をご覧ください!
メールマーケティングにおすすめのツール
ここでは、メールマーケティングにおすすめのツールをメール配信ツールとMAツールそれぞれご紹介します。
メール配信システムおすすめツール5選
それでは、メール配信システムのなかでもおすすめのものを紹介していきます。
・blastmail(ブラストメール)
現在契約社数は25,000社以上で、多くの企業・官公庁などで導入されている配信システムです。低価格ながら「99.9%の到達率」「毎時1,150万通の配信速度」といった業界トップクラスの配信性能を持っており、大規模メール配信を低コストで実現したい方におすすめのツールです。
- 【機能一覧】
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- HTMLメール作成
- ターゲット配信
- 空メール登録
- 効果測定ツール
- 迷惑メール対策
- 【価格】
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- 初期費用10,000円~
- 月額費用4,000円~
・配配メール
導入実績は約10,000社で、メールを送信するためのシンプルな機能に特化した配信ツールです。ドラッグ&ドロップだけでHTMLメールが簡単に作れ、初めての人でも操作性は問題ありません。月額費用は、配信先の件数に応じて変動します。
- 【機能一覧】
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- HTMLメール作成
- セグメント配信
- 分析/効果測定機能
- メールマーケティング機能※(ホットリード抽出、シナリオメールなど)※Bridgeプランのみの機能
- 【価格】
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- 要問合せ
・お名前.com
月額料金869円〜気軽な料金設定が魅力の配信システムです。初期費用無料で配信数制限も無いため、予算がとれなくてもメールマーケティングを気軽に始めてみたい人におすすめです。ネットショップオーナーやサイト経営者、自治体・教育関係者などに選ばれています。
- 【機能一覧】
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- HTMLメール作成
- ターゲット配信
- ステップメール
- 効果測定機能(到達率、クリック、開封率測定など)
- 【価格】
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- 初期費用0円
- 月額費用869円~
・Cuenote FC(キューノートエフシー)
Cuenote FCはハイスピードな大量配信を得意としながら、効果測定や自動CSVインポート等も可能で大手企業にも選ばれるメール配信システムです。クラウドサービス・オンプレミスの形式で提供しています。
- 【機能一覧】
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- HTMLメール・テキストメール自動送り分け
- ターゲット配信
- ステップメール配信
- ABテスト
- メール開封率計測
- 【価格】
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- 初期費用30,000円~
- 月額費用5,000円~
・Zoho Campaigns(ゾーホー・キャンペーン)
直感的な操作のエディターで初心者の方も始めやすいツールです。クリックしたボタンの位置までわかるレポートで、受信者の反応や効果を確認しながらキャンペーンメールの配信を続けられます。
- 【機能一覧】
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- HTMLメール
- ステップメール
- ABテスト
- メール開封率計測
- クリックカウント機能
- 【価格】
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- 初期費用0円
- 月額費用360円~
MAツールのおすすめ
MAツールはマーケティング施策を幅広く支援するためのツールなので、メールに記載したURLから「どの見込み顧客がどのページに何分アクセスしたか」まで分析できます。Web上の行動履歴から見込み度合いの点数を付けるスコアリング機能を利用すれば、優先的に営業をかけることも可能です。
ここでは、MAツールの中でも比較的低価格で、スモールスタートができる「List Finder」を紹介します。
・List Finder
国内で1,800アカウント以上の導入実績があり、月額4万円台〜導入できます。見込み顧客のデータとメール配信を一括で管理し、マーケティングに必要なデータを網羅できるツールです。初めてのMAツールだから不安という方でも、サポートがあるので安心して相談ができます。
- 【主な機能一覧】※メール機能のみの紹介
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- テキストメール作成
- HTMLメール作成
- One to Oneメール
- ステップメール
- A/Bテスト配信
- レポーティング
- 【価格】
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- 無料で使えるフリープランあり
- 初期費用100,000円
- 月額費用45,000円~
【関連記事】
メールマーケティング実施の際の注意点
ここでは、メールマーケティングを実施する際に気を付けたい注意点について確認しておきましょう。
法律を遵守する
メールマーケティングを実施する際は、個人情報保護法や特定電子メール法などの法律を遵守することが不可欠です。特に、受信者の同意(オプトイン)を得ずに広告メールを送信することは禁止されており、違反すると罰則を受ける可能性があります。
また、メールには配信停止(オプトアウト)の手段を明記し、受信者が簡単に購読解除できるようにする必要があります。法律を守らずに配信すると、信頼を失うだけでなく、企業の評判にも悪影響を及ぼすため、注意が必要です。
誤送信に注意
メールの誤送信は、顧客との信頼関係を損ねるだけでなく、情報漏えいにつながるリスクがあります。宛先の間違いや、別の顧客の個人情報が含まれる誤配信は、特に注意が必要です。
誤送信を防ぐためには、配信前のテスト送信や、ダブルチェックのフローを導入することが重要です。また、誤送信が発生した際の対応ルールを事前に決めておくことで、迅速な対処が可能になります。
メールマーケティングの今後の展望
メールマーケティングは今後も進化を続け、よりパーソナライズ化と自動化が進むと考えられます。AIや機械学習の発展により、ユーザーごとの興味・関心に最適化されたコンテンツを自動生成し、配信する技術がさらに高度化していくでしょう。これにより、単なる一斉配信ではなく、個々の行動データに基づいた精度の高いアプローチが可能になります。
また、インタラクティブな要素を取り入れた動的コンテンツの活用も増えていくと予測されます。たとえば、メール内で商品をカスタマイズしたり、アンケートに直接回答できる仕組みを導入することで、ユーザーのエンゲージメントを高めることができます。
今後は、SNSやチャットツールと連携したクロスチャネル戦略も主流となり、メール単体ではなく、他のデジタルチャネルと組み合わせた施策がより効果的になっていくでしょう。こうした変化に対応しながら、ユーザーとの長期的な関係を築くことが、今後のメールマーケティング成功の鍵となります。
まとめ:ほかの導入事例も参考にしてみよう
メールマーケティングは現在も有効な手法であり、行っている企業は多くあります。
どのような効果測定や目標設計を行っているのか、多くの事例から共通要因を掘り下げることができます。こうしたメールマーケティングの事例から、課題や成功要因を学んでいきましょう。